03/03/23 23:15 SavA5CHZ
AIKa TRIAL 3 デルモゲニィもよろしく
(2002/07/07~2003/03/23 レス868)
スレリンク(anime板)l50
AIKa ☆ TRIAL 2 パンチラ爆発!
(2002/03/08~2002/07/02 レス352)
URLリンク(isweb44.infoseek.co.jp)
AIKa ☆ TRIAL 1
(2001/09/24~2002/03/15 レス1000)
URLリンク(comic.2ch.net)
AIKaは暴力アニメ
(2001/08/24~2001/09/24 レス373)
URLリンク(salad.2ch.net)
今からキッズステーションのAIKA見て・・
(2001/01/28~2001/02/04 レス20)
URLリンク(salad.2ch.net)
3:皇 藍華
03/03/23 23:15 SavA5CHZ
やっぱりAikaってパンツだらけ(●´ー`●)
(2000/12/11~2000/12/11 レス9)
URLリンク(salad.2ch.net)
AIKa
(2000/12/09~2001/02/04 レス250)
URLリンク(salad.2ch.net)
Aikaみたいな感じの・・
(2000/09/09~2000/09/11 レス26)
URLリンク(piza.2ch.net)
AIKAってどう?
(2000/08/01~2000/10/01 レス66)
URLリンク(piza.2ch.net)
AIKaに詳しい人!教えてけろ
(1999/11/06~1999/11/11 レス16)
URLリンク(piza.2ch.net)
4:皇 藍華
03/03/23 23:15 SavA5CHZ
私立AIKa研究所
URLリンク(www009.upp.so-net.ne.jp)
JBBS@したらばBBS掲示板
「AIKa」ファン集まれ!!
URLリンク(jbbs.shitaraba.com)
2ちゃんねる「半角二次元」板
パンチラ大戦争 アイカVSナジカ
スレリンク(ascii2d板)
2ちゃんねる「アニメ」板
ナジカ電撃作戦 MISSION:008
スレリンク(anime板)
音楽担当の江古田勉強会のサイト
URLリンク(ns.31rsm.ne.jp)
5:副官
03/03/23 23:18 ZO+omcRs
スレ立て、有難うございました。
6:研究所
03/03/23 23:40 2Syf/Kcd
無事に移行できたようで何よりです。どうも御苦労様でした。
7:あ!
03/03/23 23:43 L7Tbmmpn
>>1
前スレは鯖移行してるでー
スレリンク(anime板)l50
8:副官
03/03/23 23:54 ZO+omcRs
>>7
>前スレは鯖移行してるでー
チャハー、すみません。
9:副官
03/03/24 00:52 RZg0DU5i
>>6
>無事に移行できたようで何よりです。
ご心配をお掛けいたしました。
また、HPの掲示板を勝手に使わせて頂きました。
どうも失礼いたしました。
10:超初心者
03/03/24 19:09 t6YujBjI
前スレでは大変お騒がせしました。多くの方を煩わせてしまい、まことに
申し訳御座いませんm(__;)m
特に、副官様には新スレ立ち上げに奔走・尽力いただき、重ねて厚く
御礼申し上げマス。。
では、前スレ868レスの続きをば^^;↓(相変わらずのデッチアゲですが…汗)
11:超初心者
03/03/24 19:14 t6YujBjI
一転、司令に訪れた好機と見えるが形勢はまだまだ互角、更に数十分の時が今まで以上、激動
のままに経過する。先ほどの応酬で互いに被ったダメージはこの際大したものでない、と
言いたいところだが、激しい肉体の動き続く中でやはり徐々ながら効いてくるもの、もう
この先引き伸ばすは困難と、とうに身体のシグナルは告げていた。
「とあああぁぁぁッ…!!」
真正面から拳かざして突進する司令の振り絞るような叫びである。それは、あの白銀基地の
時と全く同じ体勢、今度は藍華もショックガンを持っていない。となれば前回のような
展開には進むまい、少なくとも、相手の身体に触れることさえ許されずに終焉迎えるなどと
いうことは。藍華もかわす様子はなく、真っ直ぐに受け止める構え。もう何度目になるのか、
二つの身体が激突する寸前である。藍華のハイキックが乱れ飛ぶ。それは十分司令の予測に
入っている、眼前に迫る真っ赤なハイヒールがピカピカに磨かれていることまで見据える
ことは出来ないが。連発の蹴りを顔面すれすれのところでやり過ごせば自然、上体は後ろへ
弓なりになる形。それでも腕と脚のリーチ差を計算に入れ、お返しのキック繰り出している
自分の方が僅かに利がある、と踏んでいた司令。第一撃の連続キックが空を切っている相手は
次の攻撃を正拳に頼るしかない、と判断していたからである。苦しい闘いの最中、そこまでは
正しいと言えるだろう。誤算は第二撃となる藍華のその拳の速さだった。
(続きマス↓)
12:超初心者
03/03/24 19:15 t6YujBjI
ドズッ「うぐッ…!」伸びきった上体、臍のあたりに藍華の右拳が沈んでいる。美しい司令
の顔が苦痛に歪むが、構わず自らのキックを相手の脇腹へ。ズンンッ「あうっ…」今度は
藍華の呻きである。さっき肘打ちを食らったところと真反対の部分、痛みの箇所が倍になり
さすがに足元がよろける。これは相討ちか?傍目にはそう映る、が。多少鍛えた腹筋も伸びた
姿勢が災いして功を奏せず、藍華の一突きまともに受けることになった司令。深々と腹部に
突き込まれた拳の力が彼女の筋肉神経をかき乱し、自律の意識を削ぎとってゆく。
「う…ぅ…」立っているのが不思議なくらい、目尻に涙が浮かび口元から涎垂れるさまも
痛々しい司令の悲壮な姿。片や藍華の方は、僅かに自分の攻撃が先んじたためか、被った蹴り
の威力も半減し、まだ絶望的な状況には陥っていない。ここぞとばかり、第三撃となる左拳を
至近の鳩尾に叩き込む。ボグゥッ「ぐふうッ…!!」美しい白デルモが全身「く」の字に
折れ曲がり、きりきりと身体捻るさまは直視できないほどではある。がしかし、ここに至って
なお倒れないのは底知れぬ執念の一語、藍華は更に浴びせ倒しの要領で自分の体を預け、二人
もんどりうって地に倒れこむ。となれば、体勢として下にある司令が藍華にのしかかられた
まま、地面にぶつかるのも必然と。その刹那である。サッ…。打ち付ける寸前の後頭部を
藍華の左手がいち早く間に入り受け止めている。このあたりの護岸は全てコンクリート、激突
すればどうなるか火を見るより明らかというもの、藍華としては共に倒れこむ段階から
織り込み済みの所作なのであった。
(続きマス↓)
13:超初心者
03/03/24 19:17 t6YujBjI
「あ…」驚くことに司令の意識はまだ全てを失われていない。微かに残る意志の活動を
奮い立たせ、薄っすらと目を開けている。殆ど気絶の沼に身を浸しているというのに、
口元には、あの微笑再び、苦しい息の下から絞り出すように声を出す。
「その手、有難う…うぅ…こ、今度も…私の負け…ね…」
覆い被さっている藍華も息は上がっているが、返す声は落ち着いている。
「勝ちも負けもないわ…。もう十分でしょ?こんなこと、本当に終わりにしましょう…」
「ふふ…どう…かしら…」不敵に微笑んだ瞬間である。どこにそんな力が残っていたのか、
咄嗟に作った右拳を真上の腹部へ突き入れようとする司令。しかし、今までの動作から
比べれば如何せん緩慢すぎる仕掛け、難なくかわす藍華は憂う表情のまま止めの一撃を
敢行する。ズボオオッ「えうぅッ!…ぅぅ…ん…」さっきと同じ、臍の上。深く、深く…
スリムな身体に埋め込まれた拳。繰り出す藍華の腕は、あくまでしなやかである。が、
突き込まれた部位を中心として放射状長く伸びる服の皺は、当て身の威力を如実雄弁に
物語るもの。司令に留まっていた最後の意識、それは拳の圧力に押し出されるかのように…
今、遥かな夢境へと旅立っていったのである。
(続きマス↓)
14:超初心者
03/03/24 19:18 t6YujBjI
全身の力が抜け、口を半開きにしたまま遠い眠りに落ちている司令。ここに至るまで、司令の
頭をふわり支える藍華の左手はそのままだった。藍華は、司令最後の攻撃にもその手離す
ことは決してなかったのである。ぐったりとなった女を頭からそっと地に横たえるのは、その
ひと呼吸おいてからのこと。今、彼女に語りかけたいことは山とある。叫びにも似た心の
奔流が脳内を駆け巡っている。だが、それらの思いが口をついて出ることはない。持てる
全てを出し尽くした闘いの後では、どんな言葉も無用の装飾に思えるからである。
敢えてこの瞬間の藍華を支配する考え投影するとなれば、それは…互いに過去の呪縛から
解き放たれる願望を映し出す、というところであろうか。私もそう、そしてあなたにも…
新しい幸せをつかんで欲しい…と。この白デルモが司令という名で呼ばれていることは、
昨夜の会話で明らかになっている。あなたは司令として、デルモゲニィを代表して、ここへ
来たのでしょう。全てを一人で背負うのってとても辛いことだと思う。でも、さっき言った
通り、この闘いは勝ちも負けもない。もう終わったの。これからは司令としてでなく、
あなた自身の生き方を見詰めていって頂戴…とうとうと流れゆく藍華の切なる思いである。
堅く目を閉じている司令の頬をそっと撫で、柔らかな視線を投げる藍華。確かに自分の
涙腺にも、こみ上げるものがあるが、ぐっとこらえることは出来る。この尊い節目を、
司令がひとえに望んだ決着の時を涙で曇らせたくはないからである。
(続きマス^^;↓)
15:超初心者
03/03/24 19:20 t6YujBjI
屈んでいた姿勢からようやく立ち上がろうとする時。「う…」腹部を走る鈍痛に思わず呻き
手のひらを脇腹にあてる藍華、今更ながらに司令の技も相当なものだったと思い知る。
決して圧勝という訳でない、これが逆の結果であっても何ら不思議ではなかったのだ。
これこそが紙一重というものかとしみじみ感じ入っていると、遠くから近づいてくる車の
ヘッドライトが目に入る。やはり罠だったか?いや。藍華は、これをもってデルモたちの襲来
とは思わない、司令は間違いなく一人だけでと約束した。彼女の尊厳のためにも、それを軽々
に策略と断じたくなかったからである。程なく、少し離れた場所に車は停まり、降りてきた
女一人も見覚えがある、いつも司令の横に寄り添っていた、あの白デルモである。司令の話しに
出てきた副官と名乗る女なのであろう。動じることなく相手を見据える藍華の前に、これも
落ち着き払った白デルモが近寄ってくる。彼女の目は真っ赤。今でこそ涙は流れていない、
気丈さだけを取り繕っているが、ついさっきまで止め処なく泣き腫らしていたことは明白で
あった。司令の言いつけを守り、遠くから望遠スコープで見守っていたに違いない。
「終わったのね…」藍華の数歩手前で立ち止まり、ぽつりと一言を投げる。
相手に他意がないことを感じ取りながら小さく頷く藍華。
「あなたたちの司令は立派な人よ。やさしく介抱してあげて…」
(次でひとまず区切りマス^^↓)
16:超初心者
03/03/24 19:23 t6YujBjI
言われるまでもない、最早堪えきれず、といった様子で、倒れている司令に抱きつく副官。
もうすっかり枯れた筈だというのに、再び大粒の涙が溢れ出し愛する司令の顔にぽたりと
落ちる。そのまま、みるみる副官の涙にまみれていく司令の身体。それでも副官は、声を
あげることはしなかった。藍華の前で、僅かな威厳だけでも保とうとする健気な努力。
小刻みに肩震わせながら、密着する程に司令を抱きしめる彼女の物腰を藍華としても、眩しく
感じないわけがない。しばらく彼女の好きにさせようと立ち尽す藍華。副官は今や貪るように
相手の口を吸っていた。深い気絶に落ちているにも拘わらず司令の頬は微かに赤みが
差している。このときばかりは、時の女神も恥らう神聖な別世界。重なり合う二人が、至高の
儀式を終えようやくに離れるのは十分もたった頃となろうか。ゆっくりと起き上がる副官に、
藍華は一通の封書を差し出す。「…?」未だ、恍惚覚めやらぬ彼女の当惑も無理からぬ
ところ、穏やかに付け加える藍華のメッセージがある。
「これを後で…司令に読んでもらって…ね」「…何なの…?」
ここで言葉にすると言い訳がましくなる。昨日、司令の訪問を受けてから、自分なりに考え
をまとめ、したためたものだ、と語る藍華。副官も、それ以上は聞かなかった。長年の
宿敵が礼節の人だと認めるにはまだ抵抗がある。ただ、眼前の女が義を重んじ、自分に
この書状を託してくれた意気には、それなりに感じ入るものがあった。黙ってそれを
受け取ると小さなポケットに収め、再び司令の方へ向う。ゆっくりと抱き上げ、車へ
戻る間も終始無言の彼女。助手席に、眠っている司令を座らせたあとで、車の傍らに立つ女
は、藍華に向けて何か言いたげだったのか、潤む両目を湛えている。しかし、最後までそれは
口から放たれることがなかった。「ありがとう…」涙目に一人運転席で呟くのは発進させた
車が倉庫の角を曲がり、藍華の姿が見えなくなってからのことなのである…。
(今回ここまででゴザイマス^^;)
17:風の谷の名無しさん
03/03/24 23:00 dQQyt529
今このスタッフは何のアニメを製作してますかね?
よろしければ教えて下さい
18:風の谷の名無しさん
03/03/24 23:27 CWO8I1Lf
>17
ん~「ストラトス4」?
19:副官
03/03/25 00:05 XCU4OUCw
超初心者様
ご苦労様でした。
新スレの劈頭を飾る大作、有難うございます。
藍華と司令、第6話のシーンを頭に浮かべながら拝読いたしました。
司令、強くなりました。
そしていつもと変らず、敵に対しても思いやりのある藍華さん。
良い結末でした。
しかし私にとって一番の読みどころは、最後登場の「副官」。
登場シーンも幕切れも、副官に相応しい、いい役でした。
(私が特に副官に思いいれがあるから感じるのではなく)
まるで自分が副官となり、司令を抱き、涙を流し、口付けをしているかの如く
読ませて頂きました。
耳には平松晶子さんの静かな声が聞こえました。
どうも有り難うございました。
20:風の谷の名無しさん
03/03/25 04:18 5FUmwVo/
続編はないのですか、そうですか
21:小西
03/03/25 16:11 rfWZb6fu
こら小野坂!小野坂のくせになまいきなのよ!
22:風の谷の名無しさん
03/03/26 00:17 xev2hvYh
>>17-18
スト4には、西島氏が入ってないからなぁ。
もちろん、ST.ファンタジアのテイストはあるんだけど。
23:副官
03/03/26 01:02 ay2GiEFk
前スレがゆっくりと落ちている。
沈み行くタイタニック。
でも、もうageてやることが出来ない。
さようなら「AIKa TRIAL 3 デルモゲニィもよろしく」
24:ぱんちーと
03/03/26 05:54 GKEo5fBR
せめて次スレへの誘導を書き込みたかったけどできなかった…。
25:風の谷の名無しさん
03/03/26 19:40 tNDqgHtS
OVA「超昂天使エスカレイヤー」 の第3話 「カウンターアタック」の絵コンテと原画に、
西島克彦氏の名前を発見しました。
26:超初心者
03/03/26 21:28 ieLejg+Y
>副官様、ぱんちーと様
23,24のお言葉を、しみじみと拝見しておりマス。
沈み行くタイタニック…副官様のスレへの思い、愛着をまざまざと感じ、
今、私の脳裏にはあの映画のシーンが甦ります。思えば、私がこのスレに
お邪魔するようになったのは「デルモゲニィもよろしく」という副題に
惹かれてのことでした。改めて、このキャプションの魅力を痛感しています。
2ch関係者各位には、是非アーカイブのように末永く保存されますよう、
切望する次第でゴザイマス。なお、私の駄文はまだ続く予定でして、
長文のお目汚しではありますが、もうしばらくご容赦くださいマセ^^;;;
研究所様オキニの白デルモNさんの登場も構想中。
ホント、フルネームどうしましょ?ナツキでいいすか?^^;;
27:副官
03/03/26 23:15 ay2GiEFk
>>26
超初心者様
>私がこのスレにお邪魔するようになったのは「デルモゲニィもよろしく」と
>いう副題に惹かれてのことでした。
そうでしたか。それはスレタイトルを考えた甲斐がありました。
TRIAL・2はAIKaの売りを前面に出し「パンチラ爆発!」としましたが、
直截に過ぎました。
TRIAL・3は少し趣向を凝らし「デルモ~」としました。
しかしこのタイトルは都合の悪いことに、AIKaを知らない方には意味不明です。
そこでTRIAL・4では看板の原点(=客寄せ)に戻り、通りすがりの方の目も
惹く様にと「パンツ」を復活しました。
さて、その効果の程は如何に。
>私の駄文はまだ続く予定でして、長文のお目汚しではありますが、
>もうしばらくご容赦くださいマセ
とんでもございません。楽しみが更に続行し、嬉しゅうございます。
>研究所様オキニの白デルモNさんの登場も構想中。
>ホント、フルネームどうしましょ?ナツキでいいすか?
はい、それで結構と思います。
どうかナツキが存分に活躍する様、お願いいたします。
28:風の谷の名無しさん
03/03/26 23:17 ktZN1VY1
25が本当ならば期待せずにはいられないぜ
29:副官
03/03/26 23:27 ay2GiEFk
>>25
>OVA「超昂天使エスカレイヤー」の第3話
ぱんちーと様のお勧めで捜しているのですが、私はまだ入手出来ません。
>>28
>期待せずにはいられないぜ
仰る通りです。何とか見たいものです。
30:風の谷の名無しさん
03/03/27 00:18 8esWyphE
URLリンク(www.pinkpineapple.co.jp)
発売前にはわからなかったけど、このペンネーム未定の大物が氏だったようですね。
31:研究所
03/03/27 22:10 PN1Pth95
超初心者様
やはり、西島作品的には、ニナエスコやかってのプロジェクトA子シリーズ
(主役が 英子 美子 詩子? うろおぼえなんで間違ってたらすいません)
のように「エヌコ」とか「恵怒子」とするのが一番伝統に乗っ取った方法
なのでしょうがさすがにこれじゃギャグになってしまいますので
ナツキあたりが無難な線なのでしょうかね。
それともロシア人という設定にして
ナターシャ=エヌコフスキーなんてのもいいかも。
ニナ=エスコも何かロシアっぽいですしね(笑)
32:超初心者
03/03/27 23:27 DV1tJwt8
>ロシア人という設定にしてナターシャ=エヌコフスキーなんてのもいいかも
それもイイですね!ナターシャ、ナタリア…ラストネームの方は
エヌスカヤ(そんなのアルカ?) なんてのも^^;;;
そういえば、トニアもロシア人という設定でしたっけ?
33:研究所
03/03/28 21:49 bZFecfel
何となくまとまってきたみたいなのでロシアでいきましょうよロシアで。
ナターシャ=エヌスカヤ、何か、現実に存在しそうな名前じゃないですか!
34:まったくの初心者
03/03/29 10:40 /5GrGw8I
初めまして
いきなり質問させていただきたいのですがDVDの初回限定と普通の物との違いを
外見から判断できないのでしょうか?
今更ではありますが購入しようと考えているのでよろしくお願いします
35:副官
03/03/29 14:28 kHj/yinS
>>34
>DVDの初回限定と普通の物との違いを外見から判断できないのでしょうか?
>今更ではありますが購入しようと考えているのでよろしくお願いします
AIKa・DVDの購入をお考えとのこと。
首尾よくご入手されます様に。
初回版と通常版は外観に差があり、手に取って判別することは可能です。
初回版は製作終了で、中古ショップで捜すしかありません。
運良くショップで発見できたとして、さてその鑑別方法ですが、
初回版の特徴は下記の通りです。
(1)ジャケットが「シー・スルー」仕様
ケースの上に、更に、プラスチック・カバーが掛けてあります。
ケース・ジャケットは下着姿。
プラスチック・カバーには上着を印刷。
外観では着服姿であるが「プラスチック・カバーをずらすと下着姿が現れる」
という趣向です。
通常版は単なる着服姿です。
手に取って見ると「絵が浮いた感じがする」「絵にズレがある」ので判別できます。
(2)初回版特典封入「ギリギリ・ピンナップ」
通常の解説ブックレットに加え、一枚物の絵が封入されています。
中古品の場合「ギリギリ・ピンナップ」が欠落している可能性があります。
これは外からでは判りません。
店の人に(遠慮することなく)頼んで開けてもらい、欠品が無いことを確認すべきです。
(ここで一旦、カキコします)
36:副官
03/03/29 14:30 kHj/yinS
(続きです)
現物を手にすることが出来ない場合、例えばヤフー・オークションの出品の場合は、
出品者の商品説明を読んで下さい。
どの出品者も初回版と通常版の差をよく承知しており、チャンと説明があります。
今丁度、ヤフオクに初回版が出品されており、プラスチック・カバーの写真もあります。
(出品者様、勝手にURLを貼付いたしました。失礼をお詫びします)
URLリンク(page4.auctions.yahoo.co.jp)
最後になりましたが、DVD本体の収録内容は、初回版も通常版も全く同じです。
37:超初心者
03/03/29 15:49 zjToaCMm
前スレへの敬意をこめて、16の続きで御座いマス^^
~成り行き~
ここで2時間さかのぼる。司令との決着に臨む藍華がKKコーポレーションを出た時点である。
勿論改めて思い起こすまでもない、遠く、彼女の動きを見張っていた黒デルモたちの一群が
いたことを。藍華を乗せた車の姿が見えなくなったのを確認した彼らは今、こっそりと
目標のビルへ近づいている。時刻は10時前、まだ深夜という訳ではないが、ここは街の中心
から少し離れた立地につき、もう過ぎ行く人影もない。正面の道路伝いに接近した10人の
女たち、一人を外の見張りに残し、9人が分散して侵入口を探すが、戸口も窓も一通り鍵が
かかっている。日頃開けっぴろげの会社とは言え、このところは郷造たちの出張で人手も
少ない中でのこと、多少の用心はしているということだろう。
しかし、もともと狙いをつけて集結している黒デルモたちである。必要な小道具一式を揃え
準備は万端、ビル横手の窓は比較的手薄とみた女たちが数人で取り掛かれば、ガラスは音も
なくくり貫かれ簡単に部屋へ忍びこむことが出来る。一旦入ってしまえば、一人が玄関へ走り
中から解錠するのも速やかな動作、黒デルモたちは周囲に全く気づかれることなく、ビル内
へと消えていく。
(続きマス↓)
38:超初心者
03/03/29 15:51 zjToaCMm
建て直したビルは5階建て、1フロア当りの床面積はそれ程大きくないが、各階に2つ部屋を
備えビル全体としては10の区画がある。目的とするビスチェが収められていそうなところ、
衣類ロッカーだけに限らない、ちょっとした机の引出しまで探すとなると若干の骨は
折れるもの。9人手分けして物色を始めるが、鍵のかかっている引出しも少なくなく、意外な
苦戦を強いられた黒デルモたちの頬を一筋の汗が伝う。いくら藍華がいないと言っても、
司令との決着がどういう結果になるかは分からない。首尾よく司令が勝てば充分な時間が
出来ようが、もし逆だったら…?いつ戻ってくるとも限らない、知らず焦りの色が浮かぶ
黒デルモたち。これ程に建物内で女たちが悪戦苦闘しようと、外にいる見張りの黒デルモ
にまで状況リアルに伝わらないのは仕方がない。ビルへ侵入するまでは容易だったが、
それからもう三十分が過ぎている。一体何を手間取っているのか。じりじりとした思いで
携帯電話の時刻表示を見やっている女。その肩をぽん、と叩く者がいる。
(続きマス↓)
39:超初心者
03/03/29 15:52 zjToaCMm
はっと振り向くと、そこに立っているのはりおん、刺すような視線に続き、お得意の詰問が
飛び出すのもこの状況下では当然か。「あなた、デルモでしょ!?こんなとこで
何やってんのよお。それもこんな時間にィ…!」藍華は意識していたが、りおんのことは全く
計算外だった黒デルモ。この場をごまかそうと咄嗟に作る笑顔もヘンテコに歪み、折角の
美少女イメージを台無しにしている。
「あ…あはは、あ、あの、ちょ、ちょっと近くにきたので…」
「もうちょっとマシな嘘をついたらどうなのっ。目的は何ッ!」畳み掛けるりおん。
この夜は、たまたま自宅に仕事を持ち帰ろうとしていた彼女、街でさんざウインドー・
ショッピングを楽しんだ挙句ふと会社に忘れ物をしたことに気づき、戻ってきたのだった。
眼前の女はまさしく黒デルモ、1年前であれば勝気なりおんのこと、間違い無く掴みかかった
であろう。しかし今はデルモ・コーポレーションとして合法的な組織になっている事も知って
いる。前傾姿勢で相手に迫りながら、辛くも手を出すのを我慢する。それでもついいつもの
癖か、黒デルモの胸倉をつかむと、ずるずると会社へ引っ張っていくりおん。
「話があるなら、会社で聞くわよおっ!」
(続きマス↓)
40:超初心者
03/03/29 15:54 zjToaCMm
「いやっ、あの…」りおんの怪力に引き摺られながら、しどろもどろの黒デルモ。
以前は戦闘員の役割も担っていたが、犬吠島以降はすっかり一般人の生活を送っている
デルモたちである。かつての格闘術は衰え、代わって真っ当な社会常識が身に付きつつある
現在、間近のりおんにいきなり襲いかかるような真似はしない。
静まり返った夜間の屋外、下手な騒ぎになれば近所に知れる、との思いもある。
その分、何とかこの場を穏便にすまそうと懸命な女。胸を掴んでいるりおんの腕に自分の手を
伸ばし、遠慮がちに引き剥がそうと苦戦している。「や、やめてください…」
どこかで聞いたセリフね、と相手の顔をしげしげと見やれば間違いない、白銀基地の階段で、
りおんがスカートの裾を引っ張ったあの黒デルモである。あの時と同じショートカットの
彼女は、頬を染めながら今にも泣き出しそうな顔。だからどうだというの、怪しいのは
あなたでしょッとばかり、鼻息も荒いりおん。繰り返しになるが、決して暴力を振るう訳では
ない、ただ道に立っているだけの女にそのような事が許されるものでもない。が、嫌がる女を
無理矢理ビルの入口まで連れてくるりおんは今やスーパーヒロインの気分、あなたに滅多な
ことはしないわ、ただ、じ~~っくり、お話をしたいのよね~~、と一人意気込むこと
甚だしい。「あ、あぁ…」非力な黒デルモが制止するのをものともせず、入口のドアノブに
手をかける。と、もう片手に鍵を取り出そうとするりおんの意表をつくように、あっさり
開かれるドア。
(続きマス^^↓)
41:超初心者
03/03/29 15:55 zjToaCMm
藍華さんったら…鍵も掛けずに帰っちゃって…。仕事は特A級に優秀だが、時として大雑把な
ところがある藍華である。連日の激務残業に疲れ、うっかり鍵を締め忘れたのかも知れない、
と思うりおん。少し神経質で苦労性の彼女だが、施錠されてないドアの原因を他者に求める
ことはしない。そのあたり、日頃お転婆を気取っていても、やはり人の良さが表に出るもの。
ビル内に侵入者ありとも知らず、さっさと中へ入りこむ。しかし、何歩か進むうち、さすがに
様子がおかしいと感じるのは、まだ1年前までのデルモたちとの顛末で培われた僅かな勘が
働くからか。戸口に黒デルモを立たせたまま暗い室内を見やれば、奥の方で、微かに洩れる
ペンライトの光が一つ。それが机の陰で小刻みに揺れているのを目ざとく見つけたりおんは、
敢えて照明のスイッチを入れず、ひとり抜き足で近寄っていく。泥棒だなんて、
とんでもないわ。このりおんちゃんが、とっちめてやるから…。常にアグレッシブな
りおんである。音をたてずに机の裏へ廻りこみ、引出しを物色している黒い人影見出すと、
いきなり首根っこを掴まえる。「ちょっと、あなたッ!」相手が凶器を持っているかも、
などとは全く考えない、すこぶる大胆なアプローチ。ところが、ライトに浮かび上がった顔は
凶悪犯のそれどころか可憐で脅えた美女のもの、一目でわかる、曲者は黒デルモなのである。
(続きマス↓)
42:超初心者
03/03/29 15:57 zjToaCMm
「あ、あ…」驚愕の余りまともな言葉も出てこない女に対し、わざとゆっくり質問を投げる
りおん。「何を、探してるのか、な~~?」汗だくの黒デルモも、何とか言い訳の一つくらい
返したかったところだろうが、脳内は既にパニックだった。言葉にならない分、つい身体が
先んじてしまうのは悲しいデルモの性。りおんの手を振り解きがてら、瞬発の拳を繰り出して
いる。しかし今や闘い慣れていない半端な勢い、おまけに相手となるりおんの方は闖入者を
デルモと認めた段階でそれなりの心構えが出来ていた。突き出された腕も予測の範疇、さっと
かわすと、お返しのげんこつを女の腹部に叩きこむ。ドスッ「うッ…!」こちらは見事に
黒デルモの臍を直撃し、例のコスチュームに深い皺を刻んでいる。目をつむり前のめりに
倒れ込む女。お尻にピッチリくいこむ純白のパンティもある種懐かしく久し振り、ただ
それにしても…。りおんも少しびっくりする、あっけない気絶である。もう少し
問い詰めようとしていた彼女としては拍子抜けの有様、デルモってこんなに弱かったかしら、
と思いを巡らすが、それも少しの合間だった。パッと照明が点き、部屋になだれ込んでくる
一団はお馴染みの黒デルモたち、ばらばらと分かれ瞬く間にりおんを取り囲む。それでも
りおんはたじろがない。以前から藍華の変身に憧れ、自分もいつかはスーパー・ヒロインに
なってみせるわ、と妄想たくましいりおんである。そこへ持って来て今一人を簡単に倒せた
ということで、最早負ける気がしていない、これも大いなる勘違いというべきか。
(まだ続きマス^^;↓)
43:出会いNO1
03/03/29 16:00 XkTRIi9p
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44:超初心者
03/03/29 16:00 zjToaCMm
「何人でも平気よ、どこからでも、かかってらっしゃいっ!」仁王立ちになって大見得を切る
りおん。誘いに乗って即座に仕掛ける黒デルモたちかと思いきや、一人、とってつけたような
セリフを並べる。「あ、あの、ちょっとビルを間違えちゃったみたい~あは、はは…」ベタな
言い訳でこの場を水に流してもらおうという思惑だろうが、こんな陳腐な物言いでは、りおん
のみならず子供を説き伏せるのも不可能というものである。
「そんなこと信じると思ってんのッ。何を企んでるのよーッ!」ぐいぐい気合で押すりおん
に、9人もの数を揃える黒デルモたちも最初は遠巻きに構えるのみ。それでもこれ以上
ごまかしは無理と悟った女たちが互いに目と目でかわすサインは、もっぱら攻撃の間合いを
測るものに違いない。やがて、じりじりと煮詰まる緊迫の空気も、膨張の限界を超えついには
破裂の時に至る。「やああぁッ…!」拳をかざし一人が飛び込んでいくが次の瞬間―
ドフッ「はうッ…!」吐息混じりかと思えるような短い呻き声があがる。この状況下、
一撃食らったのは当然りおんと思うもの。が、鳩尾に拳突き込まれ瞬時に悶絶しているのは
何と黒デルモの方。特段、りおんに格闘術の心得がある訳ではない、ただ高揚する気分のまま
にぶんぶん腕を振り回していたうちの一つがたまたま相手を打ち据えただけなのだが。むしろ
情けないのは黒デルモ、先制した筈の攻撃がりおんの腕にあっさり阻まれ、逆に自分の腹部
へのガードが疎かになったという体たらくである。
(続きマス↓)
45:超初心者
03/03/29 16:03 zjToaCMm
「たああぁっ」「えやああぁッ」続いて仕掛ける二人。さっきの結果はまぐれに過ぎない、
本来格闘で負ける筈がない、と、闘志剥き出しに蹴りや拳を繰り出している。これには、
りおんも分が悪いと見えるものだが、なお続くのが黒デルモたちの予測を裏切る驚異の結果。
相手の猛攻をかわそうとして足元がもつれ後ろへ倒れこんだ彼女へ、覆い被さるように二人が
飛び掛っていった時。ドズッ「ぐえッ」ズボッ「ふぐッ」下から真っ直ぐ伸びたりおんの
両脚が二人の腹部に突き込まれている。これも全くの偶然だが、運も味方についている、と
楽観に走るりおんは一層の有頂天である。確かに、かつてのデルモたちとのやりとりでは
意外な活躍も見せた彼女。ハーゲン艦で、ペロロンガ・ホテルで、そして白銀基地で…。
都合、黒デルモ5人、青デルモ1人を倒した立派な実績を持つ。一概に藍華の足手まとい、
といった訳ではないのである。今、室内に倒れる黒デルモたち一様にスカートが大きく
めくれ、豊かに発育した下半身を申し訳程度に覆う純白パンティが、4つ眩しく輝いている。
自分自身思わぬ好調な滑り出しに、りおんとして上気するのも無理はない。とはいえ、
慢心にも等しい彼女の過信はここまで。今度は残り6人が一斉に殺到してきた黒デルモたち。
もともと集団格闘に長けている女たちである、そうそうりおんの幸運は続かなかった。
速やかに起き上がろうとしていた彼女が再び闇雲の拳を振り回すところ、後ろへ回りこんだ
一人が放つハイキックが、大きく隙の空いたりおんの脇腹へ命中する。ズドッ「あッ…!」
(43広告にもめげずに続きマス^^;↓)
46:超初心者
03/03/29 16:04 zjToaCMm
大きく見開かれたりおんの目。急速に全身の力が抜けていく。気絶したのは初めてではない、
不時着した戦闘機コックピット内で、或いはハーゲン博士のラグビームによって藍華
もろとも吹き飛ばされた時、またある時は自分が青デルモの服を着ていたために、
あろうことか藍華に誤って殴り倒された時。今度も同じ感覚である、状況は違えど
気絶は気絶。遠のく意識はそのまま、為すすべなく気絶の深淵へと引き込まれていく。
ドサ…力なく崩折れ倒れる音。以前は、この無情の音が数多くのデルモたちの気絶を
表していた。そして、只今はりおんの番。倒れたはずみで眼鏡が外れ、18才の可憐な
素顔が覗いている。漸くにこの場を制した黒デルモたちも、肩で大きく息吐出しながら
互いの顔を見合わせるもの。「どうするの、こんな事になっちゃって…」一人が当惑気に
口を開く。未だ目的とするビスチェは発見されていないばかりか、りおんに目撃されるなど
誤算続きである。と、早くも別の一人が携帯電話のボタン操作を始めている。
「ミス・ニナ=エスコに判断を仰ぐしかないわ…」連絡を心待ちにしていたのだろう、
彼女との電話はすぐにつながり会話が進んでいく。「はい…申し訳ありません…ええ…
そうなんです…え?あ、はい…わかりました…」電話を切った黒デルモが仲間に伝える
ニナ・エスコの指示。それは…りおんをさらって帰る、という衝撃的な内容だった。
(続きマス↓)
47:超初心者
03/03/29 16:06 zjToaCMm
ビルに忍び込んでから、もう計画の時間を超過しており、かつ、ビスチェは見つかって
いない。いつ藍華が戻ってくるかも知れない段階で、これ以上ビル内を捜索する時間的余裕はない
ということである。普通なら又改めて出直しとするところだが、運悪くりおんに
自分たちの姿を目撃されている。このまま彼女を放置すれば、自分たちだけでなく
デルモ・コーポレーションにも疑いの目を向けられるだろう。下手をすれば藍華が社に
乗り込んで犬吠島と同じ展開にもつれこむ危険性すらある。ここはニナ・エスコが責任を
持つ、りおんを連れてくるしかない、と。彼女を人質にして、藍華にビスチェを
持参させるのだ、と。確かに望まぬシナリオではある。しかしデルモたちが暗躍している
姿を見られた以上、この先どう取り繕ってもただでは済まないだろう。ならば、何としても
即座にビスチェ手に入れ、こちらの用を達成したあとで、如何様にも詫びる。それで自分が
どんな責めを負おうが、どんな痛い目にあおうが…構わない…かつて藍華に手ひどい
エルボーを食らって気絶させられたニナ・エスコ覚悟のメッセージだった。
(続きマス↓)
48:超初心者
03/03/29 16:11 zjToaCMm
機転の利くニナ・エスコの指示に従い、黒デルモたちは急ぎ作業を開始する。近所の路上に
停めてあった車3台を、KKコーポレーションビルの前へ持ってくる。室内の事務机にあった
ペンと紙で、藍華宛のメモを作成する。決して脅迫状の体裁を取りたくはない、
でありながら、必ずビスチェを持ってくる事強要する、矛盾した書状である。受渡しの場所は
ここから徒歩で15分程の中央公園、ベンチの上。時間は午前1時、間を置かないぎりぎりの
刻限である。差出人の名前を入れない、これは当然のセオリー。もし持って来なければ
りおんの身柄は預かったままだ、という一文も忘れない。書き終えると、黒デルモたちは
気絶しているりおんと4人の仲間を担ぎ上げ車へ運び込む。時刻は10時50分を廻ろうと
するところ。散らかした室内もそのままに、あたふたとビルをあとにする黒デルモたち。
しかし彼女たちがこの転変する成り行きの重みを、果たしてどこまで理解していただろうか…
定かではない。
(続きマス^^↓)
49:超初心者
03/03/29 16:12 zjToaCMm
1時間後。デルモたちが去っていったのと逆の方向からKKコーポレーション目指し近づく
ヘッドライトがある。乗っているのは勿論藍華、司令との激闘を終え、困憊の表情で
運転している。このまま自宅マンションへ帰ろうかとも思ったが、この車は社用車につき
一旦会社近くの駐車場へ戻さねばならない。内実はもうへとへとの藍華である、今更仕事する
気などさらさらないが、後片付けが一件あったのを思い出し数分くらいなら、と会社に
顔を出す気でいる。埠頭からここまで数十分の道すがら、走馬灯のように思い出されるのは
司令との闘い。最後に現れた副官も、ほとばしる激情をぐっと押し殺し、凛とした健気な姿が
印象的だった。いろいろあったけれど…お互い、もっと幸せになれるわ、きっと…。一筋の
光明を思い描く藍華を乗せ、車は会社の前へ到着する。運転席から降り立った彼女は、
よくよく見れば細かい痣や無数の打身の痕だらけ。文字通り全身を賭した闘いだった訳で
ある。それは眠れる司令も同じだろう、あの副官の愛に包まれ今宵は静かに癒しの時を
持っているに違いない。気休めかも知れないが、藍華が副官に託したあの手紙が司令の心を
ほぐし、和ませることを期待する。一方的な正義など、どこにもない、信愛のために闘うなら
その愛のために許すこともできる、それをお互いの身一つで確認したのではないのか…?
藍華が言外に忍ばせた意趣である。
(続きマス↓)
50:超初心者
03/03/29 16:13 zjToaCMm
ほろ苦くも、少し微笑み混じりでビルへ入ろうとする藍華だが、戸口の鍵穴に鍵を差し込んだ
途端、いやな予感がする。確かに施錠したと思った扉が、あっさりと開くのである。こんな
小さな会社へ泥棒に入るなんて、何てセコイ奴、と身構えて中へ踏み込む藍華。そっと暗い
室内を見回すが、とりあえず1階に人の気配はない。壁伝い奥の階段へ行き、耳をすますが
上からも異常らしい雰囲気は洩れてこない。であれば、1階の照明だけは点けても良い
だろう、と判断する。もし上の階に賊が潜んでいても、この部屋を通らなければビルから
逃げ出すことはできない。じっくりと下の階からしらみつぶしに調べようとする自身の程は
圧倒的な技量を持つ彼女ならではのもの。けれどもスイッチを押してみると。「えッ…!?」
暗い中では分からなかったが、明るくなった部屋一面書類は散乱、机の引き出しは乱暴に
開けられ、幾つかの椅子も倒れている。随分派手にやってくれたわね、と藍華、
ひょっとすると泥棒はもう姿くらました後かも知れないと思う。と、事務机の上に一片の
メモがあるのに気付く。近寄って手にとる藍華にはまだ余裕あり、わざわざ証拠を残していく
なんて何て間抜けなコソ泥だろう、と思う程度。しかし文面一瞥の瞬間…彼女の顔色がさっと
変わり、その形相はみるみる険しくなっていく。りおんがさらわれた!彼女は先に帰宅
していた筈である。何故、どうしてッ、一体誰がっ…!?
(続きマス↓)
51:超初心者
03/03/29 16:15 zjToaCMm
文面には交換条件としてビスチェを持ってくるように、とある。犯人はビスチェの秘密を
知っている者、となれば先ずもってデルモも容疑者の候補ではあろう。が、今の藍華としては
他の可能性も考えておきたかった。埠頭にやってきた司令や副官が、特に自分の身体全てを
投げ打って闘った司令が、こんな見え透いた仕掛けをするとは、どうしても思いたくなかった
からである。オルタネート・メタルの存在を知る者は他にもいる。メタルを軍事利用に企む
某国特殊部隊、激戦になって多くの戦車を出動させシヴィエ藍華に砲弾の雨を降らせた
某国地上軍。ふと記憶が甦る。あの時、彼女の窮地を救おうと駆け付けた郷造が爆発に
吹き飛ばされて大怪我を負ったこと。その時以来、エージェント業からサルベイジャーに
転じた郷造も、このことは一切黙して語らない。しかし藍華にとっては拭い去れない過去で
ある。彼を巻き込んでしまったという自責の念、それはりおんたちを巻き込んでしまった
デルモとの闘いに於いても同じだった。犬吠島以降の半年間、ようやく安寧の日々が訪れたと
いうのに…書面握る手を震わせながら今、自らの忸怩たる思いと、見えない卑劣な犯人への
怒りが沸々とわくのを、藍華は禁じ得ないのである。
(今回ここまでで御座いマス^^ふー、、、)
52:副官
03/03/29 16:45 kHj/yinS
超初心者様
有難うございます!!
リアル・タイムで拝読しておりました。
藍華対司令の闘いと併行しての、もう1つのストーリー「ビスチェ」。
ビスチェ捜索に焦るデルモ達。予想外のりおん登場。そして誘拐。
全く意外な展開です。
次は藍華対ニナ・エスコに話が移るのでしょうか?
ニナ・エスコが何と振舞うか、ワクワクです。
53:まったくの初心者
03/03/30 11:17 bia4XYXB
副官さん、御丁寧なレスどうもありがとうございました
大いに参考になりました
では、これから初回版探しの旅に行ってまいります
54:nao
03/03/30 13:13 1zJaLoMS
副官様 こちらではお久しぶりです。
以前アイカの画像+MP3を拾ったHPでみつけましたPDFデータです。
URLリンク(animeomiyage.net)
もうご存じだとは思いますが、りおんのカレンダー。これは自作なんでしょうか?
ところで昨日秋葉原でAIKAパーフェクトファイルを見つけた本屋へ寄ったらまだ
在庫が残ってましたが、なぜか18禁パソゲー資料集の棚に並んでました。定員さん
ここにあるから売れないと思うのですが...。つい勝手にアニメコーナーの棚へ
移そうかと思いましたよ。
55:nao
03/03/30 13:19 1zJaLoMS
>>35
>DVDの初回限定
(1)ジャケットが「シー・スルー」仕様
ケースの上に、更に、プラスチック・カバーが掛けてあります。
ケース・ジャケットは下着姿。
そーいえば昨日中古ショップにありましたよ。なにげに売り場で見つけましたが。
56:副官
03/03/30 15:39 Hhceoq+w
>>53
お役に立ちましたでしょうか。
>これから初回版探しの旅に行ってまいります
どうぞ首尾よく、ご入手されます様。
57:副官
03/03/30 15:42 Hhceoq+w
>>54
nao様、お久し振りです(w
先程、したらばのURLを拝見しました。有難うございます。
>りおんのカレンダー。これは自作なんでしょうか?
う~ん、初めて知りました。
ご紹介有難うございます。
いろんなグッズがあるものです。
>ところで昨日秋葉原でAIKAパーフェクトファイルを見つけた本屋へ寄ったら
>まだ在庫が残ってましたが、なぜか18禁パソゲー資料集の棚に並んでました。
>定員さんここにあるから売れないと思うのですが...。
ゲーム・ファンの方も「こんなゲーム知らないヤ」と、相手にしないでしょうネ。
以前他の方が「レンタル・ビデオ店で見当はずれの棚にある」と投稿しておられました。
可哀相なAIKa。
58:副官
03/03/30 15:45 Hhceoq+w
>>55
>そーいえば昨日中古ショップにありましたよ。なにげに売り場で見つけましたが。
nao様はAIKaレア物発見の達人です。
して、お値段はいか程で?
私はDVD「初回版」「通常版」を各1セットずつ所有しております。
更に「初回版」については、第2巻・3巻を余分に所有しており、
第1巻を追加購入して「初回版の2セット目」を、と考えています。
中古ショップに「第1巻・初回版4,780円」(消費税込5,019円)が
並んでいるのですが、値段が相場より1,000円程高く「どうしようか」と
迷っております。
59:風の谷の名無しさん
03/03/30 18:10 npmmRc9y
AIKAはパンチラを抜いても
もっと評価されるべき作品じゃないだろうか
60:副官
03/03/30 21:02 Hhceoq+w
>>59
>もっと評価されるべき作品じゃないだろうか
仰る通りです。
AIKaは実質7話で、完結から4年を経過しました。
しかるに今もって、皆様から濃い内容のレスが投稿され続けるのは
「ストーリー」「人物描写」が秀逸であるからです。
売りがパンツだけでは、とっくに飽きられてしまいます。
61:副官
03/03/30 21:35 Hhceoq+w
AIKaの新しい画像です。
近々、CD発売予定だそうです。
HPのトップ
URLリンク(yamagiwa-art.axisz.jp)
近々発売予定のCDのジャケット?
URLリンク(yamagiwa-art.axisz.jp)
収録見本画像
URLリンク(yamagiwa-art.axisz.jp)
収録見本画像の左上。
HPのトップ画像が「その全身像は、実は思いもよらない格好である」と、判ります。
62:研究所
03/03/31 01:35 E+DeP9as
こんな時期に「Aika」専門の画像集発売とは!?
今「Aika」に何がおこってるんでしょうか?
この作品は「エイズ」みたいに潜伏期間を経て発病するタイプなのかも
(人の事は言えませんが..笑)
63:風の谷の名無しさん
03/03/31 21:37 ZKm3/WXO
>>54
>ところで昨日秋葉原でAIKAパーフェクトファイルを見つけた本屋へ寄ったらまだ
>在庫が残ってましたが、なぜか18禁パソゲー資料集の棚に並んでました。
>nao様
2週間前秋葉原で探したけどBしか見つかりませんでした。
この在庫というのはAのことなのでしょうか?
64:副官
03/03/31 22:34 JIE1O/S8
前スレはdat落ちしました。
ミラーを作製して頂きましたので、そのURLを貼付します。
AIKa TRIAL 3 デルモゲニィもよろしく
(2002/07/07~2003/03/23 レス868)
URLリンク(2chlog.homeftp.org)
65:超初心者
03/04/01 01:10 GVYxHMZY
>64
副官様、2ch管理者様、ミラーによる保存、本当にありがとう御座いマスm(__)m
前スレ容量オーバーの一因でもあった私としてはホッとした気分です。今後とも
「デルモゲニィも」末永く「よろしく」 と、お願い申しますデス^^
66:副官
03/04/01 01:21 AVnCmUUO
>>65
>前スレ容量オーバーの一因でもあった私としてはホッとした気分です。
何を仰られます。
振り返りますと「TRIAL3は超初心者様の為に用意されたスレ」の感がいたします。
>今後とも「デルモゲニィも」末永く「よろしく」と、お願い申しますデス
前スレにも増して、このスレでもご活躍されますよう、ご期待申し上げます。
67:nao
03/04/01 02:25 uJhMr8vQ
>>63
書泉ブックタワーさんにあります。
A,B。2種類共
それよりもいまだ『AIKa グラフィクス』どこを捜してもありませんよ。
秋葉原で見かけた方いませんか?
68:63
03/04/01 07:15 p0L+nXel
>>67
情報ありがとうございます。
『AIKa グラフィクス』ですがアマゾンを利用されては
いかがでしょうか?
69:副官
03/04/01 21:43 AVnCmUUO
『AIKa グラフィクス』
私は書店に「取り寄せ注文」しました。
「送料」「代金振込手数料」不要の、定価購入でした。
店員に表紙を見られるのは恥かしいことですが、そこは気合で・・・
70:63
03/04/02 01:05 fLcV5Lko
無事パーフェクトファイルAを購入しました。
確かにゲームのコーナーにおいてありました。
情報がなかったら上の階のアニメコーナーだけみて
発見できなかったことでしょう。
nao様ありがとうございました。
71:副官
03/04/02 01:53 P/Ey1Rx2
>無事パーフェクトファイルAを購入しました。
63様、おめでとうございます。
nao様、情報提供ご苦労様です。
掲示板を利用しての情報交換。
その情報が効果を発揮し、見事に目的を達成。
こういうの、とてもいいですネ~。
横から拝見していて、ホノボノとした気分になりました。
72:副官
03/04/02 23:45 P/Ey1Rx2
ageます。
新スレ誕生早々dat落ちしてはかないません。
73:(^^)
03/04/04 03:08 DBJlwtBc
(^^)
74:超初心者
03/04/04 23:19 P0TUFXzM
51の続きデス。白デルモさんは次回、ということで^^;;
~潜入~
時系列で言えば、ここで舞台はデルモ・コーポレーションに移る。時刻は午前0時30分。
KKビルを出発した3台の車のうち2台が、ここ地下3階駐車場に戻っている。あとの1台は
勿論、ビスチェ受取り・回収用として公園へ。法定速度を2割オーバーしながら先に帰還した
黒デルモたちは、気を失っている女たちを、他のデルモ社員たちに見られないようこっそり
社内に運び込む。他の社員、といってもこの時間である、大半は退勤し、深夜残業にかかって
いる者は少数。それでも用心に越したことはないと、社内の監視カメラにさえ写らぬよう
細心の注意を払い、死角を縫って行動する黒デルモたち。先ず仲間の4人を救護室に運び
ベッドに寝かせたあと、りおんを担いで赴く先は5階の研究開発本部フロア。エレベーターを
降りると真っ直ぐニナ・エスコの待つ部屋へ向かう。中へ入り扉閉め切ってはじめて、一人が口早に
報告するが、動揺は隠しきれぬまま。「も、申し訳ありません…」
黒デルモの習性として失敗は即、お仕置きという固定概念がまだしみ付いているのだろう、
細かく全身が震えている。しかしニナ・エスコはネーナとは違う。無条件に優しい訳でも
ないが、常に失敗を一緒になって挽回していこう、という前向きな姿勢に徹していた。
これも課題解決の為の理知に優れている一つの現われ、部下の黒デルモたちも少し
落ち着くと、そうだった、もうこんなにビクつかなくてもいいんだった、と多少は安堵する
のである。白デルモは、黒デルモたちをねぎらいながら、最後まで頑張ろうと励ます。
勿論、ビスチェを手に入れハーゲン兄妹をメタルの繭から解放するまで、とは決して口に
出さないが。彼女の励ましに発奮する黒デルモたちも、元気に応答すると指示された部屋へ
りおんを担ぎ去っていく。その後ろ姿を見送りながら、もう後戻りはできない、と思う…
知らず、唇を噛むニナ・エスコなのであった。
(続きマス↓)
75:超初心者
03/04/04 23:21 P0TUFXzM
再びKKコーポレーションの所在地に戻る。書面に指定されたとおり、徒歩で会社を出た藍華は
ビスチェを身に付けている。一体どこにあったのか。答えは簡単、それは車のダッシュボード
にあった。いつものことではない。常日頃は、デルモたちが睨んだとおり会社の衣類ロッカー
に入れてあったもの。マンションに一人暮らしの藍華としては、その方が安全に思えたし、
万一、会社の金目当ての泥棒に入られても、こんな女性装身具などには目もくれないと
考えたからである。では、今日に限って何故?こればかりは自分に嘘をつけない、心中白状
すれば司令との闘いに備えたのである。司令を頭から疑った訳でなくとも、心の片隅に
もしや、との思いが拭い切れず、念のため、と自分に言い訳しながら携行したのだった。
あの純粋な闘いが終わった今となっては、自分への恥ずかしさばかりがつのる。こんな、
司令を侮辱するような行いは二度としない、いわんや、このことを彼女には決して明かす
まいと、藍華は自己の心への戒めとして封印する意を固めている。ところが、そのビスチェが
犯罪の標的にされたのだから、皮肉なものである。机上に残されていたメモには、ビスチェを
しばらく拝借するだけだ、用が終わればすぐに、りおん共々お返しする。人質の安全は
如何なる場合でも保証する、だから無用な詮索はしないで欲しいと、脅迫にしてはやけに
低姿勢な文が並んでいた。けれど藍華にとって、何より大事なのは、りおんの安否である。
あれからすぐ、りおんの自宅や携帯、立ち寄りそうなところ悉く連絡したが、当然の
ことながら所在不明である。ビスチェに用があるなら、りおんは関係ない筈。
それなのに何故…。藍華の顔は熱を帯びている。
こんな上っ面の言葉に騙されるもんですか、と、かえって怒りが倍加していくのである。
(続きマス↓)
76:超初心者
03/04/04 23:22 P0TUFXzM
住宅地を抜け、ほぼ街外れに位置する中央公園。広大な開放緑地として昼間は憩いを求める
人々で賑わうが、さすがに午前1時となれば普通、人は立ち入らない。15分かけて歩いて
きた藍華の前方に、これまた指定されたベンチが見えてくる。公園の周回道路に面した
ベンチである、きっと犯人は近くに車を待機させているのだろう。周到な連中なら、彼女が
ちゃんと徒歩で来たかどうかも、スコープでチェックしている筈である。ここでビスチェを
奪って車で逃走すれば、藍華は手も足も出ない、との計算はミエミエであった。文面に
あった、先に拝借という言葉からすると、りおんはここでは解放されないのか。それでも尚、
ビスチェを渡さざるを得ないのか。痛恨の表情で、ベンチの上に置く。今すっかり相手
のペースに嵌っているように見えながらその実、藍華にも考えはある。りおんが捕らわれて
いる場所の手がかりを得るために…先ず相手の正体を掴まなければ。ビスチェを持ち去る
犯人の車に何とかして潜り込まなければ…。お節介で細かな指図の脅迫文には、ビスチェを
置き次第ベンチを離れ、会社へ戻って連絡を待て、とある。が、毛頭それに従うつもりは
ない。公園を出るふりしながら、視界の利かない木立ちに入った時素早く植え込みの中に身を
隠す。そのまま、さっきのベンチ近くまで戻り、息を潜めて屈んでいると案の定、近づいて
くる1台の車があり、ベンチの前で停まる。降りてきた二つの人影、公園の淡い水銀灯に
浮かび上がったもの、それは…必死にその可能性を打ち消そうとする藍華の心など露知らず、
紛れもない姿を彼女の眼前に見せ付ける…他ならぬ、黒デルモたちなのであった。
(続きマス↓)
77:超初心者
03/04/04 23:24 P0TUFXzM
愕然とする藍華。司令との間であれだけの闘いを繰り広げ、言葉交わす以上に深く
分かり合えたと思ったのに…。いや、細かいことを言えばビスチェを車内に携行したのは
自分がいけない。だが、この重大犯罪によもやデルモが関わっているとは…信じられない、
信じたくもない。それでも、目前の光景はまさに現実である。やり場のない怒りが体内に
充満していくのを覚える。それは裏切られた、というより情けない、といった思い。
仮に、司令や副官自身に二心なしとしても、これは明らかに組織立った犯行である。
となれば司令自身が、組織を充分に掌握していないことを意味する、いわば社長失格に
等しいもの。司令や副官を恨むつもりはない、それどころか今もって二人を信じる気持ちすら
ある。それだけに無性に悲しい藍華。こうなったら犯罪の黒幕を突き止めずにはいられない、
と意を決し、茂みに潜む彼女はぐっと拳を握り締める。ここであの二人を倒すのは容易で
ある。しかし、はやる気持ちをぐっと抑える藍華は、当初計画どおり進めるのが肝要と、
道路の反対側からそっと車に近づき、持っていたピンで素早く後部トランク・ロックを開け
潜り込む。さすが特A級サルベイジャーといったところだが、彼女の名誉の為に付言すれば
こんなことは余程のことがなければしないもの、今こそがその「余程」なのである。僅かな
秒の間に乗り込んだ女がいるなど思いもよらず、悠然と車に戻ってきた黒デルモの二人。
ドアを閉めると、何の疑いもなくすぐに発進させている。少し飛ばし気味の運転ながら
屈託なく交わす二人の会話が、トランクに潜む藍華の耳元に伝わってくる。
(続きマス^^↓)
78:超初心者
03/04/04 23:26 P0TUFXzM
「ホント、簡単だったねー」「うん。これで作戦は成功だね」作戦、という言葉にぴくっと
反応する藍華。益々もって組織犯罪のにおいが漂う。それはデルモたちが主体的に関わって
いることなのか、それともどこか政府機関の命を受けているのか…気にならない訳がない。
やきもきする彼女の胸中を逆撫でする如く、すこぶるノー天気な会話が続く。「帰ったら、
シャワーを浴びて冷たいビールでもきゅーっと♪」「あ、いいねいいねえ~」藍華には一々
癪にさわる内容であるが、今はぐっと我慢の二文字。それからも、おしゃべりな二人の
やりとりは延々続き、決して愉快でない時間を付き合わされるが、藍華としてもふと脳裏に
浮かぶ考えがある。この黒デルモたちには、かつて藍華を襲った時のような大掛かりな任務が
与えられていないのではないか。りおんを誘拐したことは重大事だが、その先が見えない。
或いは、任務の全貌を知らされていない…?こんなお気楽な話ばかりに耽る二人に聞き耳を
たてていると、そんな気がしてくるもの。勿論だからといって、これらの行いを看過出来る
ものではない、このデルモたちには相応の報いを受けてもらうから、と藍華の体内は引き続き
メラメラと燃え盛っている。そんな凄まじい念がトランク内に渦巻いていることについぞ
気付かぬまま、黒デルモたちの視界にはやがて自分たちの勤務するビルが目に映りこみ、車は
地下へのスロープに入っていく。程なく駐車場へ到着したのが午前2時40分のことである。
(続きマス↓)
79:超初心者
03/04/04 23:27 P0TUFXzM
車を降りた二人が鼻歌混じりでエレベーター・ホールに近づいた時、不意に後ろから声が
かかる。「ビールは少しお預けよッ」「えっ…!?」驚いて振り返った黒デルモたちの
腹部には、既に繰り出されていた両の拳がまさに飛び込むところだった。
ドボウッ「あぐうッ…」ズボオッ「ふううッ…!」深くめりこませた左右の拳を引き抜けば、
目を閉じ涎垂らしながら崩折れた女二人が、藍華の眼前に力なく倒れゆく。黒デルモが持って
いたビスチェはその手を離れ、床に落ちたところをおもむろに拾い上げ身に着ける藍華。実に
やりきれない思いである。この半年、デルモたちとの闘いはなく、平穏に暮らしてきた。
こんな事さえなければ、あなたたちに手をあげるようなことはしない。かつて何度も
あなたたちを気絶させたことを、自分だって決して当然だとは思っていない。でも…。
改めてホールの案内パネルを見ると、ここは間違いなくデルモ・コーポレーションのビル。
最早疑う余地はない。彼らの中で組織だった企みが進行しているのだ。百歩譲って、司令や
副官が介在していないとしても、それなりの中心人物がいる筈。そうよ、知らなかったで
済まされるもんですか、と瞬時激高の火柱がたつが、やがて再び炎を中火程度に戻す藍華。
何より今はりおんの救出が先。彼女がこのビルのどこかに監禁されている可能性は高く、
その場所を聞き出すために、或いは立ち塞がる相手を打ち倒すためだけに、力を行使する。
決してむやみに攻めたてる訳ではないのだ、と一応、心の整理をつけている。とはいえ、
深夜もこの時間である、未だ会社に留まっているデルモたちなど、只今の藍華にとっては
グレーを通り越して文字通り限りない黒。大なり小なり必ずや犯行に荷担していると
思うもの。これが日頃の彼女であれば、更に冷静な判断として、無関係なデルモ社員の識別に
努めたであろう。が、りおんのことで頭がいっぱいの藍華にはそれすら荷が重い話なので
あった。
(続きマス↓)
80:超初心者
03/04/04 23:30 P0TUFXzM
案内パネルを見れば、このビルが地下3階、地上7階建てであること、夫々のフロアが
どういう用途に供されているかが、すぐ分かる。2時間前に先着した黒デルモたち同様、
監視カメラの視野を避けるところまでは同じだが、今や敵地潜入の心意気漲る藍華が、
エレベーターを使わず敢えて階段で向かう先は、地下2階にあるコントロール・ルーム。
保安室の機能も併せ持つであろうと直感した彼女は、先ずここを押さえ、警備モニターや
ロック関連システムの解除を狙うのである。このフロアは大半の部屋が倉庫や資材室の為、
藍華の目指す部屋は唯一洩れている明かりによって簡単に割出すことが出来る。廊下に面した
ガラス窓ごしに、こっそり中を覗き見ると目に入るのは二人の青デルモ。やや小ぶりの部屋
一面にモニターがずらりと並び、所狭しと様々な機器に囲まれている中、二人が何をしている
のかと思えば…小さなワゴンを引っ張り出し、その上で何とチェスに興じている。ここでも
藍華の脳裏をよぎるのは先ほどの黒デルモと同じ、このデルモたちが果たしてどこまで関与
しているのか、という微かな疑念である。しかし、それはすぐさま打ち消される、そんな
疑念はりおんを助け出してから考えるべきことだ、と。ここは即行動あるのみと断じれば、
次の展開は明白。ドアを開けいきなり飛び込んできた藍華に対し、二人は短い声をあげるのが
やっとだった。「えっ!?」ドスウッ「ぐッ…」ボグッ「んあっ…!」夫々の腹に拳を受け
見事に当て落とされた二人は椅子から転がり落ち、お尻を突き出す格好でうつ伏している。
倒れたはずみか、青いコスチュームは大きくめくれ、流れるような背中が女性のボディライン
を優美に示す。おまけにあのパンティである、これまた衝撃で少しずれかかっており、危うく
彼女たちの秘所が見え隠れする程。それでも藍華にとっての関心事は、倒したデルモたちの
姿態ではない、あくまでこの部屋を制した後のステップに絞られているのである。
(続きマス↓)
81:超初心者
03/04/04 23:31 P0TUFXzM
りおんがどこに監禁されているのか、先ずは集中モニターでチェックするが、その姿は
見出せない。だが必ずやこのビルのどこかにいると信じて疑わない藍華は、しらみつぶし、
徹底した捜索を決意する。ビル内のロックやセキュリティを解除し、カメラを気にすることも
なくなれば、この先は伸び伸びと活動ができるもの。デルモたちにも当然遭遇するだろう、
その時は…鍵を握りそうな者であれば、りおんの所在を厳しく問うことになる。敢えて
拷問にも近い責めを与えるかも知れない、それくらい今の藍華は切羽詰っているのである。
いわんや大多数の一般デルモたちに対しては、しばらく大人しくしていてもらう…
即ち気絶してもらう、ということである。考えてみれば至極乱暴な話だが、既に割り切った
方針を固めた今の藍華は迷うことなく実行に邁進するのみ。音をたてず、しかししなやかな
駆け足で各部屋をまわる。地下2階の他の部屋は1本の長い廊下に面しており、都合10の
部屋が向かい合って並ぶ。それら一つ一つのドアを無駄のない動きで開けていくが、全て
無人の倉庫室につき探索は容易。このフロアにはいない、と早々に結論づけることが出来る、
数分後には地下1階への階段を飛ぶように駆け登っていく藍華。
(ここでひとまず区切りマス^^;)
82:副官
03/04/05 00:33 Mb65VVcW
超初心者様、拝読しております。
ニナ・エスコ編、本丸での戦いに。
(私もささやかなネタを1つ考えておりましたが、ンなものは後回しです)
83:超初心者
03/04/05 21:36 qItpFYBF
81の続き。白デルモP、Nさんの登場デス^^;
~受難~
と、このフロアには複数人の気配がする。耳をすませば部屋の奥から話し声も聞こえてくる。
今、一つのドアの前に立つ藍華。そこには更衣室のプレートが架かっている。オート・ドアが
滑るように開き、少し広めの室内にずらり背の高い衣類ロッカーが並んでいるのが見えるが、
何人かの会話はその向う側で交わされているようである。「今日は遅くなっちゃったね、
もう疲れちゃった」「そうだねー。でも私、明日お休みもらうんだあ」
「え、マジ?いいなあ~」「前から欲しいと思ってたランジェリーがあるの。フリルのついた
レース地の素敵なデザインなのよ♪」「私も買物に行きた~い」ロッカーの端からそっと
覗くと、そこにいるのは立ち話をしている3人の黒デルモたち。3人とも例のコスチュームと
ストッキングを脱ぎ、見るも眩しい下着姿、黒のブラと大胆カットの白パンティのみ
身につけている。中でも一人はそのブラまでもとろうとするところ、仲間内につき臆面もなく
ホックを外せば形良い豊かな乳房がぷるんと盛上る。勢いよく上を向くその愛くるしい
頂きも、男性からすれば垂涎の的だろうが何分ここには女性しかいない。そして藍華に
とっては、どんな格好であろうとしばらく眠ってもらう標的でしかないのである。
いきなり3人の前へ飛び出すと、目にも留まらぬ当て身の連発―
ドスッ「う!」ズンッ「あ…ん」ボグウッ「はうッ…う」
折り重なるように倒れる黒デルモたちを眼下におき、藍華の胸中は勿論複雑だが、ここで
ぐずぐずしている暇もない。奥のロッカーへ進むと、更に2人を発見し一気に飛び掛る。
先に倒された3人の物音は聞こえていなかったのだろう、長時間残業から解放され、下着姿で
くつろぎの会話を楽しんでいた女たちは、瞬く間に藍華の拳の餌食となり、突き込まれた腹部
を支点に身体を「く」の字に曲げながら気絶していった。
(続きマス↓)
84:超初心者
03/04/05 21:38 qItpFYBF
更衣室の奥はシャワー・ルームに違いない、こんな時間でも水音が聞こえてくる。
曇りガラスの引き戸を僅かに開けて中を覗うと、そこは広めの脱衣スペースとその先に
10ヶ所のシャワー・ブース。一人がシャワーを終えたところだったのだろう、濡れた髪を
拭いているタオルの下は目を剥くほどに美しい全裸である。まさに水も滴る美女であろうに、
そこへ突進する藍華の行為は無粋以外の何物でもない。が、そんなことは重々承知、少し下を
向き頭からタオルを被っている女の露出した臍の上へ、一閃の拳が矢のように飛び込むので
ある。ドズウッ「あうッ…!」タオルに視界を遮られていた彼女は、突然自分の意識が
中断される理由など知り得ようもない。一日の疲れを洗い流しさっぱりした気分に
浸っていた女。無垢な裸身を晒し、格闘などとは全く無縁なまま、ただ純朴に佇んでいた女。
その彼女を一方的に襲い気絶させるなど、通常であれば暴虐・理不尽の極致である。
デルモたちの組織犯行だ、との思い込みが時々刻々増幅している藍華の根本的な勘違い。
りおん救出を最優先にする以上、気絶くらいはしてもらうわ…全く手前勝手な理屈、若干
後味の悪さは感じつつも、あとになって平身低頭、幾重にも頭を下げることになろうとまでは
想定していないのである。倒れ込もうとする女を抱き止め、静かに床へ横たえるのも
シャワー中のデルモたちに気づかれない為。傍らの脱衣かごにピンクの制服がきちんと
畳まれ、可愛らしいお揃いの帽子と共に収まっているのも、この際気にとめる対象ではない。
倒した女をもう少しよく観察すれば、あの犬吠島で、メタルの触手によって昏倒させたピンク
デルモであることに気づいたであろう。その瞬間の彼女にまだ僅かな意識が宿り、後で
駆けつけた司令にすがりながら気絶したことまでは知り得ないにしても。それより
注目するのはあと二つのかごに1着ずつ入っている白と青の制服。ということは今、
隣り合わせのシャワー・ブースを使用している二人のうち一人は幹部の白デルモである
ということである、早速りおんの消息を掴むチャンスが巡ってきた、と意気込む藍華。
(続きマス↓)
85:超初心者
03/04/05 21:39 qItpFYBF
10基あるシャワー・ブースも仕切りや扉は全て曇りガラス、その向うにうごめく姿は勿論
茫洋としているが、それでも二人が抜群のスタイルの持ち主であることは容易にわかる。
艶めかしく身体くねらせ入念に自分たちの美を磨いているのか、すぐに出てくる気配はなく、
時折隣同士で軽く声を掛け合っているようでもある。くだんのスモークガラスに加え、
勢いよく降りかかるシャワーの水音のせいもあり、脱衣スペースのピンクデルモが倒された
ことなどまるで気づいていない様子。藍華は寸時立ち止まり、やや離れたところから二人の
会話をチェックしようと考える。
「…この前の件、うまくいきました。向うは抵抗してましたが最後はこちらのペースでした。
ミス・ポーラのお蔭です」「良くやった。あれを押さえたのは大きいわ…」
ポーラと呼ばれた方が白デルモなのであろう、左側のブースに入っているその女は長い黒髪に
褐色の肌であることがわかる。この断片の会話も藍華の疑念を加速させる、抵抗していたもの
を押さえた、という表現だけで、今の藍華には充分な状況証拠。その発言に続いてポーラが
内心悦に入り、胸に抱く思いなどは知る由もない。
(今更社内教育など生ぬるいのでは…というセールストークが効いたのよね。人材は
なんてったって即戦力のあるデルモ派遣社員が一番なのよ…)白デルモは、自分が担務する
人材派遣事業の順調な成長に満足している。隣のブースにいる青デルモはそんな彼女の
優秀な右腕だった。このたび某社から大きな新規契約を獲得した青デルモのことを勿論高く
評価するが、性格的に鋭いツッコミがお好みの彼女、自分のナイスバディにうっとり目を
落としながら、口に出るのは常に低くしゃくり上げるようなセリフである。
「次に仕掛ける相手はわかっているな…?」「はい…うッ…」「…?」いつもきびきびとした
返事を返す部下が、途中でくぐもった声を出すのを少しだけ不審に思う白デルモ。まさか、
シャワーを浴びながら一人で悶えてるんじゃないでしょうね、と突拍子もない想像を巡らすが
そのまま相手が沈黙しているのはどうにも気にかかる。「どうした、の…?」いつもの
批判調はなりを潜め、明らかに不安そうな問いがこぼれる。
(続きマス↓)
86:超初心者
03/04/05 21:50 qItpFYBF
洗っている自分の身体から目を移せば、曇りガラスのためはっきりとは分からないものの、
隣の部下の横にもう一つの人影が見える。誰かが報告なり伝言なりを彼女にしているの
だろうか、いや、それにしてもシャワー中に話し掛ける程の緊急なのか、第一いま自分と
話をしているところではないか…その人物が赤っぽい服を着ているのを、湯気に曇る中で
てっきりピンクデルモと間違えた白デルモは、けしからんとばかり叱責の言葉を放とうと
扉を開ける、がその瞬間。ドズッ「ぐふッ…」濡れた身体に突然の衝撃、臍の真上から
背中まで貫通すると思えるほど強烈な激痛が走る。しかし、巧みに調節されていたのだろう、
その一撃は気絶の間際まで彼女をぐいぐい引っ張ってきておきながら、寸前で踏み止まらせる
のである。その分、女の腹部に内在する苦しみは暴風の如く荒れ狂い、白デルモは涎を
垂らしながら腹に手を当てうずくまる。「うううぅぅ…」あまりの辛苦に溢れ出す大粒の涙。
最早まとまった思考は紡げない、ただフラッシュバックのように浮かぶのは自分の腹部に
突き込まれた腕と、その女が真紅のスーツを着ていたこと。相手の顔を見上げる時間も余裕も
与えられてはいなかった。怒涛のように押し寄せる痛覚の高波に、彼女は脱衣スペースの
床の上で、絶え間ない呻き声と共にもがき、のたうちまわっている。何故、何が一体
どうなっているのか…悶絶の合間に疑問が浮かんだところで答えなど出るものでもない。
徐々に意識朦朧へと陥るポーラの耳元に、まるで遠くから呼びかけるかのような声が
聞こえてくる。「りおんはどこ?答えなさい…」
(続きマス^^↓)
87:超初心者
03/04/05 21:52 qItpFYBF
答えるも何も、今、肉体の支障によって満足に言葉発せられないのは、平素シリアスな評論で
鳴らす彼女自身、屈辱的な程もどかしいもの。体内激流の如く渦巻く苦しみに翻弄され、
か細く開ける目も虚空を泳ぐのみである。それでも脳内に生起する思念だけは時折ぽつりと
思い出したように、断片的なイメージを形作る。息が詰まる程に苦しい、このまま私は
どうなるの、何故、誰なの、どうして私にこんなこと…
一しきり自らの苦境を嘆き、次いで浮かび上がるのは、この非情な現実から逃避しようとする
束の間の夢。ああ、こんなことならレジーナの店で最高級のフランス料理でもご馳走になって
おくんだった、彼女と一緒にコートダジュールのバカンスを思いっきり楽しむんだった…
まるでこの世の名残とばかり脳裏に浮かぶ。レジーナとはポーラの同僚、同じ白デルモ階級
の女である。デルモ・コーポレーションで5つある事業本部のうちレストラン事業を
任されている彼女は、その外見もフランス人形のように透き通った美しい女だった。いつも
おっとりした性格で、クールな感じのポーラとは対極にありそうだが、却って違う者同士馬が
合うということか、二人は大の仲良しである。勿論行動パターンは違う、仕事も遊びも
オシャレに決める主義のレジーナは残業など滅多にしない。お客様に最高のクオリティを
提供しようと思えば先ず自分が最高の楽しみを知らなければ、と暇さえ見つけてはグルメや
リゾートに入れ込んでいる。また、自らが経営するフランス料理店も早や3つ星クラスと
噂される超人気店、当然、今晩も定時に退社して自分の店に顔を出し、常連客に愛想を
振りまく日課をこなしているのだろう。その後有名人のパーティに出向き、顧客獲得を
兼ねてカクテル片手の優雅な会話としゃれこむのもレジーナお決まりのパターン。
と言っても、あまり遅くならずに帰宅し、翌日の仕事に備えて早寝するあたりは至って
健康的、今頃は美食三昧満腹のまま高いびきで眠っているに違いない。それに引きかえ
自分は…何という受難に直面しているのか。「…ふうう…んうぅぅぅ…」仰向けに
倒れたまま、ただ為すすべなく呻き続けるしかない悲運の白デルモ。
(続きマス↓)
88:超初心者
03/04/05 21:54 qItpFYBF
「もう一度聞くわ、りおんをどこにやったの…?」今度の声は真上から聞こえてくる。
いつの間にか白デルモはスーツの女に、のし掛かられていた。既に大半の力失われ、全くの
無抵抗に近い女。その下腹部まわりにどっかりと腰をおろし自分を見おろしている顔…
激苦の中でも懸命に目を見開けば、漸くに焦点が定まってくる。そこからは早い、
彼女にとっても忘れられない顔である。「お、おまえは…藍華…!」不意の攻撃に対し
当然の反応と思えるこの一言も、今の藍華にはまるで気に入らない返事だった。
ドスウッ「あうッ…うぅ」女の鳩尾と臍の間あたりか、突き入れた拳をそのままえぐるように
押し付けている。「質問に答えなさい、りおんはどこなのッ…!?」これもまた、
気絶すれすれで留めおく絶妙の当て身である。最早、自由意志の殆どを剥ぎ取られ、無意識の
うちに言葉を紡ぎだす白デルモ。「…う…うぅ…し、知ら…な…い…」ここで微かな意識が
深層に残っていたとしよう、りおんという女が藍華の側にいたあのメガネ娘ということまでは
思い至るかもしれない。が、その女がどこにいるかなどと…自律の意思があろうが
無かろうが、知らないものは知らない、としか言いようがない。一方で藍華が、まだ不十分な
責めと判断するあたり、白デルモの不幸が一つ付け加わる。相手の腹にめりこませている拳を
藍華は、ぐいと捻じるのである。「うぐあッ!…ああうう…」「さ、言いなさい…!」
だが何度聞いたところで女の答えは同じだった。そして、満足出来る答えを引き出せなかった
藍華が次にとる手段も明確そのもの。一旦拳を引き抜くその直後。満を持す剛速の突きが
白デルモの臍へ飛び込んでいく。ズボオオッ!「はぐううぅぅッ…!」瞬間、痙攣が走った
かのように四肢が震えるが、すぐに動かなくなる。実に哀れな気絶だが、それまでいつ
終えるともなく襲い続けていた苦痛からはさすがに解放され、静かに横たわる褐色の裸身と
美しくも苦悶に歪む寝顔だけが今、彼女の存在全てを代弁するのである。
(続きマス↓)
89:超初心者
03/04/05 21:55 qItpFYBF
均整のとれた全身を引き立たせる、肉感的な褐色の肌。色合いもさることながら、端正で
エキゾチックな顔かたち。それが両の目尻からとうとうと流れ出る涙や、半開きと
なったままの口元から涎が垂れ放題となれば、ある種の美的アンバランスと共に一層の憐憫を
誘うものである。それでも、眼下に倒れている女の腹部から拳引き抜き、ゆっくりと
立ち上がる藍華は無理に繕うような、毅然とした表情のまま。相変わらず、りおん救出を
旗印として掲げた厳格な信念の下、私情一切を挟まず着々と目的貫徹を目指しているように
見える。けれどもその内心、奥の方のそのまた片隅にほんの小さな、染みのような点が
付着していることに気付く藍華。いつの間に付いたのかミッション遂行には邪魔なだけと、
拭い去ろうとするがそれは決して消えることがない。これこそが人間として本質的に
持ち合わせているもの、良心というものだ、ということくらい、藍華にもわかる。見かけは
小さくとも、彼女の全身にずしりと課される大きな十字架。この宿命を抱えたまま強引に
突き進む藍華が、最終局面でどのような情景を目の当たりにするのか。残念ながら今そこまで
は知り得ようもない。
シャワー・ブースのところへ戻り扉を開けると、先ほど倒した青デルモが壁沿いに崩折れ、
床面に尻もちをつく格好で気絶している。足を大きく投げ出し、顔を俯けている女に無情の
水流を降り注いでいるシャワーノズル。藍華はハンドルを回し、シャワーを止める。ここで
改めて部屋一帯を見渡せば、まさに産まれたままの崇高な裸身を晒す女が3名。決して好奇の
目で見るべきものではないだろう、白・青・ピンクと夫々階級は違うが着衣を全て
脱ぎ去れば、何れも秀麗なる女性の華美が競い並ぶのである。この時点の藍華が如何に
デルモたちを犯罪者扱いしていようとやはり後ろめたさが残るのは、裸女たちの放つ神格にも
等しい清廉な輝きが藍華の頑なな心をも洗い清めるからなのか。部屋の隅に積んであった
バスタオルを3人の下肢にそっとかけてやるのも、それこそ藍華無意識の所為なのであった。
(続きマス↓)
90:超初心者
03/04/05 21:57 qItpFYBF
その後再び更衣室を通り、廊下へ戻る。あのアメニティスペースが大きいせいか、地下1階は
全体に部屋数が少ない。あと3つあるドアのうち2つは無人の資料室、残る1つも物音は
聞こえてこないが、プレートには救護室とある。念のためドアを開け中を覗くとそこには
パイプベッドに寝かせられた4人の黒デルモたちが並んでいた。そっと近づくと、全員目を
つぶり眠っていることがわかるが、どれも口を少し開け、僅かに苦痛に歪んだ表情を
湛えている。何度もデルモたちを倒してきた藍華には一目でわかる、この女たちは気絶して
いるのだ、と。しかし一体誰が?藍華は今回この4人に出会っていない、ということは誰か
別の者に当て落とされたということである。しかもここは彼らデルモの救護室。きっとどこか
別の場所で倒され、ここへ運ばれたのだろう、そう考えると益々デルモたちの活動が胡散臭く
思えてくる。昼間はもっともらしい会社組織に見せかけていても、夜陰に紛れて非合法な闘い
を繰り広げているのではないか、と、当初からの疑念をより強固なものにレベルアップ
させている。その時。「…う…ん…」小さく呻く一人の黒デルモの手指の先がぴくりと動く。
4人の中では比較的眠りが浅かったのだろう、それは漸く目覚めが近づきつつある徴し
だった。そのベッドの傍らに立った藍華は、しばし女の寝顔を凝視する。しかし右の手に一旦
拳を作ってからは何の躊躇もなかった、やや下からか、女の下腹部めがけ突き入れる藍華。
ドボウッ「うぐッ…!」再び深い眠りに落ちる黒デルモ。彼女にとって、自由に活動する
明るい生活は強制的に延期された。もうしばらく眠ってて頂戴…藍華の意思がここでも全てに
優先するからである。地下1階の捜索を終え、1階にあがるとそこは広々としたラウンジ。
ありがちな受付カウンターが置いてあるが、フロア全体として人の気配はない。昼間は大勢の
デルモ社員たちが、ここを通過してエレベーター・ホールへ向かうのだろう。だが、そんな
企業活動はみんな嘘だ、暗黒の企みを覆う隠れ蓑なのだ…藍華の心はまだまだ融和に
向かわない。鉄の意志をもって、2階へと駆け上がっていくと、何人かの所在が感じられ
廊下の隅で腰を屈め身構える。
(続きマス^^;↓)
91:超初心者
03/04/05 21:58 qItpFYBF
2階、それは出版・広報事業本部のフロア。もう午前3時になろうとするのに熱心な残業に
勤しんでいるのは4名のデルモたち。本部長の白デルモと、部下である3人の黒デルモで
ある。こういうメディアに携わる部門は一見派手そうに見えるが、地道な編集や
素材チェック、入稿締め切りや販売ルート開拓などなど、やる事は沢山あり中々に大変
なもの。特に今夜は、記事集稿の遅れにより締め切りとのマッチレースとなってしまった事が
こんな深夜にまでもつれ込む原因となっていた。それでもこんなことは慣れっこなのか、
ディスプレーに向かう黒デルモたちは時折目をこすりながらてきぱきと編集を進めていく。
一方白デルモの方は、節目節目に原稿データの転送を受け、自分の部屋で全体イメージを
最終確認する、という役どころのようである。PC内臓のマイクとスピーカーを通じ適宜
部下との間で交わす会話も、ダレそうな雰囲気をたて直し鼓舞する名マネージャーぶりを
発揮している。「このページはいちばん後ろに回せ。それから3番のカットをセンターに」
「はい、ミス・ナターシャ」黒デルモが呼ぶ上司のファースト・ネームである。
出版・広報事業本部長、そのフルネームはナターシャ・エヌスカヤ。セミロングの黒髪の
下にきりりと備わる美人顔、胸はデルモ随一と言われる程の巨乳が実る、豊満ボディが
自慢である。更にいえば、頬にひとつあるほくろも彼女のシンボル、いや、チャームポイント
と言っていいだろう。そんな魅力満載のナターシャだが、仕事熱心な余り、つい顔つきや
言葉がきつくなりがちなのが玉に傷。
(続きマス↓)
92:超初心者
03/04/05 21:59 qItpFYBF
周囲の方も彼女を誤解しているのである。社内のデルモたちの多くはナターシャのことを
有能だけれどコワイ女と思っている。この時間まで共に働いている編集デスクの黒デルモたち
ですら、上司に抱く本音は畏怖の念が先に立つ。同格の白デルモたちの間では、さすがに
恐れられるなどということはなく、司令や副官も彼女の勤勉を高く評価する、むしろ良好な
関係にあったのだろう。が、それでも内心突き詰めていえば、あまり係わりたくないと感じる
者がいたくらいであった。そんな、彼女にとり不本意な境遇にあって一人、稀有な理解者が
いる。研究開発本部の白デルモ、あのニナ・エスコである。と言っても彼女がナターシャ
に打ち解けるまでの道は決して平坦ではない。当初は彼女もナターシャの強面に近寄りがたい
雰囲気を感じていたものである。しかしある時、ニナ・エスコは業務連絡で立ち寄った
ナターシャの部屋の片隅、本棚の上に1冊の分厚い雑誌があるのを目にとめる。近寄って
もっとはっきり見ようとすると、デスクにいたナターシャが慌てて小走りに駆けてきて、
それを恥ずかしそうに机の引き出しに仕舞い込む。どうしてですか?と聞けば、これは部下に
内緒だから、という。いつも厳しく指導する立場の自分が、こんなところを見せられない、
という訳である。あなたも、このことは秘密よ、と固く口止めされるが、そんな彼女が却って
可愛く見えてしまうニナ・エスコ、それからはナターシャの気に入りそうな雑誌を自分でも
手にとり読むようになった。ところが趣味の世界はデリケートなもの、自分で良かれと思った
アプローチが大失敗に終わることもしばしば。ナターシャの愛読誌が正確にわからないまま
当てずっぽうで差し出すと怒りの蹴りと鞭が飛ぶのである。何度か痛い目にあって、漸く
ニナ・エスコは結論に到達する、ナターシャは「花とゆめ」をこよなく愛する純粋な乙女
なのだ、ということを。ニナ・エスコに被虐嗜好があったかどうかは別として、それからの
二人は急接近。実はさっきも内線でナターシャは上階のニナ・エスコと長電話、監修作業
そっちのけで乙女チックな話題に花を咲かせていたのである。
(続きマス^^↓)
93:超初心者
03/04/05 22:03 qItpFYBF
今日はニナも遅いのね。じゃあ帰りは一緒、私んちへ来てお話しの続きをしましょう…。
受話器を置いたナターシャは、胸一杯にラブリィなファンタジーを思い描いている。その
幸せな幻想に包まれうっとりと目を閉じている時…「あうッ…!」「な、何っ…うぐッ」
「えり!どうしたのっ…きゃうッ…」突如スピーカーから流れる部下の悲鳴や呻き声に、
はっと目を開けるナターシャ。さすがに編集のトラブルでこんな声は出すまいと、弾かれる
ように席を立ち、戸口の方へ走る。ドアを開けるなり大声で呼びかける白デルモ。
「どうしたッ!?」その時の彼女は次の言葉も用意していた、何を騒いでいる、と。しかし
その前に割り込んできたものがある。視野の及ばない真横から自分の脇腹に突き入れられる
拳の閃光が一つ。ズズンッ「うッ…く」身体の中心を走る激痛に思わず身体捻じ曲げ
よろけるが、そこからはポーラの時と同じ、一気の気絶に陥るまでには至らない。この一撃で
抵抗する力は大半が失われたが、気丈なナターシャにはまだ言葉を発する余力があった。
「だ、誰…何を…するの…?」「りおんをどこに閉じ込めたの?教えなさい!」
前かがみになって呻き続けながらそれでも、まだ立ち尽くしている。押し寄せる苦痛に
溢れ出す涙がぽろぽろと床に落ちる。つい先ほどまで味わっていた甘美な思いから急転直下
苛酷な現実に向かい合いながらも、きっと目を見開けば、そこには忘れもしない藍華の姿が
ある。「お、お前は藍華!ど、どうして…うぅ…わ、私が何を…?」確かに少女雑誌ファン
だけあってポーラよりはまとまった意思表示である、藍華の方も話が早い。「ここに連れて
きた女の子がいるでしょう?今どこにいるのっ!?」胸倉を掴まれ背後の壁に押し付けられた
白デルモ。苦しい息に喘ぎながら、しかし彼女にはある程度思考を紡ぐ能力が残っていた。
眼前の女は藍華。かつては敵だったが今は互いに関わりない筈。それがこんなことをするには
何か理由がある。少なくとも自分に向けられる攻撃は勘違い以外何物でもない。りおん?
ああ、あの藍華にいつもくっついている女。それがここにいるというのか?馬鹿な!…
(続きマス↓)
94:超初心者
03/04/05 22:05 qItpFYBF
いくら怒り心頭の藍華が相手であっても、ここで身の潔白を主張すれば或いはこの苦境から
脱せられたかも知れない。身の証しをたてる材料を論理的に提示する才能もチャンスも
あったのである。しかし。彼女はほんの少し素直でなかった。常に虚勢を張る癖がついていた
ナターシャは、こんな時でも強がってしまうのである。
「…ううぅ…そ、そんなの知らないわ。し、知ってたって…教えないっ…!」
ここまでである。ドスッ「ぐうッ!…」臍の下へ深く沈む藍華の左拳。涎を垂らしながら
虚空を仰ぐ目はゆっくりと閉じられていく。壁を背にずるずると崩れ、お尻を床につけた
ところで止まる白デルモ。眩しい純白パンティが開かれた股間に覗くのは勿論のこと、
投げ出した両脚もすらりと長く伸びているが、何より上から見下ろす胸の隆起が改めて女の
優美を誇らしげに物語る。少しジェラシーを感じる藍華だが、もうこのフロアに用はない。
ただ一点、手がかりの一つもないかと、立ち入った白デルモの部屋である物を見つけている。
それは「花とゆめ」…執務机の上で開けられたページがメルヘンの世界真っ只中であることを
一瞥で分かった時、藍華の十字架は更に重くなるのである。
(今回ここまでで御座いマス^^;)
95:研究所
03/04/05 23:52 G+wLbGpg
Nは無事にお役をまっとうしたようですね。
私が適当につくり出した設定をここまでいかしていただけるとは感激です。
今度機会があったら、私的に気になる第二のキャラ「瓶底メガネちゃん」にも
活躍の機会を与えていただけると嬉しいですね(笑)
96:副官
03/04/09 01:14 v9S6cbUg
超初心者様が再開されるまで、ageるついでに。
AIKaにはシングルCDが4種類あります。
第3巻のジャケ=藍華(どこかに腰を下ろしている)とりおん
第4巻のジャケ=司令(やはり腰を下ろしている)とビアンカ
その第4巻ですが、司令の生脚が「1本多い」様に見え、
以前から「変な構図だ」と思っていました。
それが最近、次のことに気が付きました。
①第3巻と第4巻のジャケを並べると1つの絵になる。
②「1本多い」のは実は藍華の生脚で、藍華と司令は何と脚を絡ませ合っている!!
二人とも、シレッとした表情で目線をこちらに向けており、
その陰で「脚を絡ませている」ことなど感じさせません。
ウ~ム、何と艶かしい関係。
第4巻の裏ジャケは司令(何故かゴールデン・デルモ服姿)と藍華が並んで歩いています。
二人は今にも手を繋がんばかりに接近しています。これも怪しい。
第5話=藍華を生きたまま拉致せよ。
第6話=藍華のデータを収集せよ。
この「一風変わった」作戦の立案・指示者は他ならぬ司令です。
司令は藍華に特別な感情を抱いており、作戦を口実にして藍華のことを・・・
だって、ホラ、司令もつい口を滑らしているではないですか。
第6話冒頭作戦会議
副官「司令!そんなのイヤーッ!!目標と“接触する”なんて」
司令「あの女をこの手で抱きたいのです」
・・・ん?チョッと違ったかな?
97:副官
03/04/09 01:36 v9S6cbUg
まったくの初心者様
あれからDVD初回版をご入手されましたでしょうか?
さて先ほど、ヤフオクでAIKaDVD初回版が高額落札されました。
私はヤフオク「AIKaDVD初回版落札価格」を1年前から記録していますが、
その1年間での最高価格でした。
全巻未開封品ということで、確かにレア物ですが、それにしても凄い。
しかしこの落札者はファンの鏡です(ナジカのDVDも落札していますネ)
第1巻~第3巻未開封品
URLリンク(page4.auctions.yahoo.co.jp)
98:研究所
03/04/09 11:17 ivr4htIO
AIKaDVDって、確か通常版は一つ6000円だったはずだから、普通に
映像が欲しいだけなら×3で18000円ですむところを...28000円とは!!
ビデオ版しか持っていない私のようなセコいファンには想像もつかない
世界です....これはもう一種の「投資」ですね。この落札者は「未開封」の封を切る事ができるのでしょうか?
99:風の谷の名無しさん
03/04/09 20:58 6CcPKpNb
西島克彦監督&スタジオファンタジアの新作情報っす。
題名【ランジェリーズ】
原作【ミンク】
販売【グリーンバニー】
いわゆるエロゲーネタのエロアニメっすね。作画監督は山田正樹ってことでどうなることやら・・・
因みにソースはグリバニの宣伝チラシより、です。
100:風の谷の名無しさん
03/04/11 15:21 KghnIvIr
まだまだAIKaでオナーニしてますyo
ぱんちゅ最高!!白はいいよなぁ~
縦筋も入ってるからなぁハァハァ
age teokoukashira
101:まったくの初心者
03/04/11 20:47 R8jB5ybe
どうもです
小説楽しませてもらってます
初回版なんですが秋葉で2巻のみ新品でゲットしました
実は私、本放送を生で見ていた人間なんですよ
東と原でしたか・・・番組名があと少しで出てこない w
金銭的に余裕が出てきたから買う事にしたんです
内容はそこそこ覚えているんですが97で教えてくださったヤフオクの件でいまだ未開封です w
通常版もそろえることにしました
では
102:風の谷の名無しさん
03/04/11 21:02 jy0A0cDD
主人公の巣米良気アイカより、デルモの方がスキです、はい。
103:研究所
03/04/11 22:36 EcYKfwb6
いいタイトルですね~「ランジェリーズ」(笑)
もとのゲームは知りませんが、このスタッフなら期待できそう。
104:研究所
03/04/11 23:33 Loo3DduP
102の名無しさん
私も「デルモ」派ですね。好きな順番から言えば、
白デルモ>青デルモ>黒デルモ>藍華>リオン>黄デルモ>桃デルモ
といった感じです。
105:超初心者
03/04/12 12:08 lZ56zk54
94の続きデス^^もう、支離滅裂になって参りました^^;;;
~オルタネート・メタル~
そのころ、張本人であるニナ・エスコが何をしていたかといえば…際限なく長くなりそう
だったナターシャとの電話をうまくきりあげた後、4人の黒デルモたちと共に、ビスチェの
到着をひたすら待ち続けている。確かに今度の事のような重要案件がなければ、まだ彼女と
長電話の最中だったろう、花ゆめ派の契りの深さは知るひとぞ知る。しかし2時間ほど前、
公園を出る時点で電話をよこした部下から、ビスチェ入手の報告を受けているニナ・エスコ。
今や時間的にはもうそろそろか、いや少し遅いくらいである。心配顔の黒デルモが堪らず、
迎えにいってきましょうか、と申し出るが、大丈夫、もう少しすれば必ず戻ってきます、
と落ち着かせるのは上司の努め。それからしばらく経ったであろうか、押し黙った重苦しい
時間は、勢いよく開けられるドアの音で破られる。戸口に背を向けていた黒デルモたちが、
はっと振り向くとそこにいたのは…。
「あッ!」ただ驚きの一言しか発せない黒デルモたちに比し、白デルモの方は黙って、ドアの
前に佇む女を見据えていた。「あなたたち、りおんをどこへやったの、返しなさい!」
相変わらず怒りの炎燃え盛る藍華が、迫力の視線で女たちを睨んでいる。気おされる
デルモたちの中から一人、一歩前へ出て、静かに語りだすニナ・エスコ。「ミス藍華。
あなたが来るかも知れない、と思っていました…」「ということは、心当たりがあるのね、
りおんのこと…」漸く手がかりを掴んだと思う藍華、ドアから一歩二歩、前へ進む。と、
黒デルモたちは一旦前へ出たニナ・エスコの面子など構わず、白デルモを守るように
後ずさる。上司の身を案ずる部下としては当然の対応である。
(続きマス↓)
106:超初心者
03/04/12 12:13 lZ56zk54
「ええ…。あの人は無事ですし、ちゃんとお返しします。ですから、あなたのそのビスチェを
ちょっとの間、貸して欲しいの…」白デルモがそこまで言った時、藍華のボルテージが一段
上がる。「ふざけないで!こんな重大な罪を犯しておいてよくそんなことが言えるわね。
どうしてこんな事をするの…!?」ナターシャのいた2階を押さえてからこの5階に上がって
くるまで、りおんの姿求めてくまなく探し続けてきた。途中3階4階にいた黒デルモたち
5人を気絶させたが、毛頭それで済む話ではない。眼前の白デルモが犯行を認めたとならば、
早々にもりおんを取り戻し、この悪だくらみの全貌を問い質す必要があった。ただこれは
あくまで藍華の視点である。翻って倒された黒デルモたちの立場で見ればとんでもない
濡れ衣の極致。遅くまで真面目に働きクタクタだった彼女たちの前に忽然と姿現した藍華が、
それこそ問答無用に拳を、エルボーを、キックを放つ。こんな深夜のこと、それぞれ大きな
部屋に一人きりで残業していた女たちばかり、それがいきなり飛び込んできた烈火の攻撃を
無防備な身体に受けたのである。「ううッ」…「おおうっ…」…「んぐッ!」…「えうぅッ」
…ひとたまりもなく昏倒気絶していく黒デルモたち。その中には慌てて柱にある警報スイッチ
を押す者もいたが、システムは既に解除されており当然作動などする訳がない。藍華の顔を
覚えているだけ余計パニックに陥っている黒デルモ。そんな哀れな女に力を振るうという
のも、傍目から見れば如何なものかと思うは自然。どちらが犯罪者か知れたものではない。
(続きマス↓)
107:超初心者
03/04/12 12:14 lZ56zk54
そして5人目の女は、瓶底メガネを近づけていた机からふと目を上げた時、藍華が自分の
間近に迫っているのに気付き、絶望の悲鳴をあげている。「いやあ!た、助けてえっ…!」
動転している黒デルモとしては、藍華のことをオフィス強盗と勘違いしたのかも知れない。
それは藍華にとってどうでもいいこと、この場も相手を倒すことだけに専念する彼女である。
が、恐怖に引き攣るメガネ顔に向け、短い一言を添えるくらいは良かろうと考えるのは単なる
気まぐれだけとも言い切れない。「大丈夫、苦しいのは一瞬よ」ドブウッ「うぐうぅッ…!」
椅子から転げ落ち、仰向けに倒れたその場で気絶する黒デルモ。瓶底メガネが外れれば、
そこには、愛くるしくも苦悶に歪む寝顔…力なく投げ出された四肢、股間へ鋭角に食い込む
白のハイレグパンティなども、藍華にとって、もう何度となく見飽きた光景である。それでも
このたびは、その回数が増えるにつれ、胸の奥に引っ掛かる例の染みが着実に大きくなって
いく…どうにもできないジレンマに気付かされる藍華なのであった。
(続きマス^^↓)
108:超初心者
03/04/12 12:16 lZ56zk54
今、5階研究開発本部のメイン研究室内。5人のデルモたちに対峙している藍華は、少しの
間、白デルモの動向に注目している。彼女が鍵を握る者なら、こうした不慮の事態を想定して
何かの罠でも仕掛けている可能性があると思ったからである。警戒怠らない藍華へ向かい、
ニナ・エスコの方も落ち着いた口調ながらきっぱりとした返事。「理由は…言えません…」
「じゃあ…無理にでも教えてもらうしかなさそうね…」意気込みのセリフを口にしながら
如才なく室内を見渡す藍華。メインルームだけあって、かなり広い空間である。広い、という
より奥が深いという表現が正確か、ずらり並んだシステム機器群の威容は壮観。遥か最も奥の
方には、巨大な石らしいものも見える。しかし、一通りの注意を払った限り、近くに罠らしき
気配は感じられない、藍華としてはずんずん前へ歩み出る。つられて何歩か後退したデルモ
たちも、緊張の糸には限界がある。藍華が更に一歩を踏み出した時。「やああっ!」
「はあああッ…!」一斉に飛び掛る4人の黒デルモ。数の上では4対1だが結果はといえば
歴然。あの駐車場で、ハーゲン艦で、ペロロンガホテルで、白銀基地で、犬吠島で…何度も
何度も敗れている黒デルモたち、しかも現在の彼女たちは格闘の現場から半年以上も
遠ざかっているのである。まさに赤子の手をひねる、という言い方がぴったりか、藍華は
先ず飛び込んで来た女の拳を頭を下げてやり過ごすと、下から強烈なアッパーを叩き込む。
次いで二人目、三人目が同時に繰り出す膝蹴りを今度は飛び上がってかわすと、突き出した
開脚を回転させながら二人の腹部へ蹴り入れる。最後の一人が必死に放つハイキックは肘で
がっちり受け止めたあと、がら空きの鳩尾へ正拳の一撃である。ドブッ「あぐううッ!…ん」
先に気絶していった仲間の後を追うように倒れ込んでいく黒デルモ。このビルに入り込んで
初めての抵抗らしい抵抗も、数秒とかからないあっけない幕切れであった。
(続きマス↓)
109:超初心者
03/04/12 12:18 lZ56zk54
「さ、これであなただけよ。先ずりおんはどこ?」最後に倒した黒デルモのコは確か5度目の
気絶ね、と内心しっかり数えながらゆっくりと迫る藍華。都度、距離を保とうとする
白デルモ。後ずさりするその女が平静を装ったところで、顔面に表れる蒼白の相は、やはり
隠しおおせるものではなさそうである。それでも、この質問への返事は比較的素直だった。
「彼女は、このフロアの突き当たりにあるデータルームにいるわ…」それが嘘かどうかは
すぐわかる。今は先に全容解明を進めようと藍華はさっきの質問を繰り返す。「何故こんな
ことをするの…?」「……」口を真一文字にしながら、それだけは何とか守り通そうとして
いるらしい白デルモに対し、藍華も瞬時考える。ここで拷問に持ち込むことは容易だが、
眼前の華奢な女はこちらが期待する答えを返す前に気絶してしまうような気がするのである。
その時ふと思い出す、この白デルモとあの白銀基地で会ったことがある、名前をニナ・エスコ
と言っていた、と。彼女を肘うちで気絶させた記憶も甦ってきた藍華は、少し質問を
変えてみることにする。
「あなたが首謀者なの…?司令や副官の命令なんじゃないの?」すると、それまで押し黙って
いた白デルモが途端に目を大きく開き、堰を切ったような多弁に転ずるのである。
「いいえ!司令や副官は関係ないわっ!これは私一人が決めたことなの。司令や副官にも
秘密のこと。それどころか、私の部下数人以外はこの会社の誰も、このことを知らないわ。
司令やみんなに黙って…でも…でも、私がやらなければいけないのよぉっ…」
(続きマス↓)
110:超初心者
03/04/12 12:20 lZ56zk54
その必死の訴えに見え透いた嘘もなさそうだと感じる藍華。司令や副官を心のどこかで
信じていた彼女としてもご同慶の展開である。しかし同時に背中がヒヤリとするのを覚える。
だとすれば、このビル内で気絶させた多くのデルモたちは無実…!?この甚だしい勘違いの
後始末をどうつけるか、一瞬くらっときたところでいや待って、そもそもの責任はこのコに
あるんでしょ、謝るにしても一緒に回ってもらわなきゃ、と早くも現実的な算段である。
とにかくも事の真相はまだ不十分、もう少し会話を続け糸口を拡げようと藍華は思う。
「もし、あなた一人の計画だというなら…それなりの覚悟は、あるんでしょうね…」
この一言の凄みは、取り繕ってきた白デルモの平静を内側から打ち崩し、全身震え上がらせる
に充分だった。言葉の随所に動揺が混じる。
「え、ええ…覚悟してる。ど、どんな責めでも負うわ…」「あなた、ニナ・エスコって名前
だったわね。あの白銀基地で、あなたも懲りたんじゃなかったの?もう一度私の当て身を
食らいたいの?今度はあんなもんじゃ済まされないわよ…」「わ、私をどうするの…!?」
「そうねえ…もう二度とこんなこと思いつかないように厳しいお仕置きをしてあげる…」
「お、お仕置き…!?」○×△□…ここで藍華が並べる言葉は、とても原語で表現するなど
憚られる、ニナ・エスコの弱みを完膚なきまでに押さえる代物。だから、と藍華は続ける、
そんな風になりたくなかったら、この企みの目的や狙いを話しなさい、と。
(まだ続きマス^^;↓)
111:超初心者
03/04/12 12:21 lZ56zk54
「それは…言えない…どうしても…」女の足元はがくがくと震えているが、これから自分に
降り懸る責めをいよいよの覚悟で待ち受けるつもりか、返事にも頑とした姿勢が貫かれて
いる。ホント余程の秘密をしまい込んでいるのね、と思いながら詰め寄っていく藍華。
先ほどから後退に後退を続けていた白デルモも、ある時ドン、と背中が突き当たる。
いつの間にかあの巨大な隕石を背にしているのである。これ以上後ろがない女に対し、藍華は
もう一歩を進め、ゆっくりと、しかし引導を渡すように重い言葉を投げていく。
「これが最後よ。どうしてこんなことをしたの…?」藍華としては、もしこれでも返答がない
場合、ナターシャやポーラに行ったのと同じ責めを与え、多少の片鱗なりと聞き出すつもり
だった。○×△□…などとは言ったものの、あれは単なる脅し文句。今回も例の一撃から
入ろうと、右手にゆっくりと拳を作っていく。「あ…あぁ…」隕石に張り付くように直立
しながら、藍華の挙動をただ呆然と見守るニナ・エスコ。小刻みな震えは全身にまわり、
色を失った顔は、びっしょり噴出す汗だけでなく既に両の目尻からこぼれる涙の洪水に
のまれていた。「答えないの…ね…」最終確認と共に右腕をきりりと後ろへ引き絞る。
あとは狙い定めた部位へ突き入れるだけ…どうしてこんな馬鹿なことをしたの、と今でも
心の中で念じながら、いよいよの動作に入りゆくところ。時間にして、そう、コンマ5秒後
にはあの特製の責めが開始されるのである。右腕に貯めた力が一気に開放され、拳の先端が
唸りをあげて白デルモの腹部めがけ発射される間際。ついに。これも、ついに堪えきれなく
なったのか。ただ震えるだけで済まされぬ精神の臨界を越えたのか。作為など微塵も無い、
ただ身体が命ずるままに。魂が最後の一滴まで絞り出されるように…まさに秒の流れを超えて
発せられる悲鳴がある。「い、いやあああぁぁぁっ…!!」
(続きマス↓)
112:超初心者
03/04/12 12:23 lZ56zk54
泣き叫ぶくらいなら、こんな大それたこと最初から手を染めるんじゃないわ、と藍華は思って
いる。今までもそうだったように、私はあなたたちを傷つけはしない。でも、いい加減
反省して。これはいわば愛の拳なのよ…刹那の心境にしては気がきいていそうだが、まだ
この時点で自分の過ちと反省に触れられていないのが知らぬが仏というものである。
だが、ひそかにご満悦のこの想念も、標的到達のコンマ1秒前で驚愕の中断を余儀なくされる
とは思わない。驚愕…いや、超自然という方がふさわしいのか。何故なら藍華自身、この瞬間
への対応を、そして次なる瞬間の認識を、平素の意思に依存していない。既に藍華であって
藍華でない…となれば只今の事象は容易に類推できる。かつて何度となく経験したあの
プロセス。そう…あれ、である。但し。あくまで一等最初にこの場を牛耳るのは極めて陳腐な
材料に過ぎないもの。それは、音。この事象が彼女自身によって自覚される前にいち早く
具現化される要素であり…また、唐突な中断の原因となった外部の存在を想起させるものと
して…。ピシイイイイイィィン…高周波で振動する機械音、又は金属音というべきだろうか。
絶え間なく連続する音が広い研究室内の壁を細かく震わせている。これが一体どのような現象
を指し示すのか、常人が俄かに理解するのは難しい。先ず一目、間近に向かい合って立つ
藍華とニナ・エスコは共に微動だにしない直立不動に見える。極限ぎりぎりに追い詰められ
半ば失神状態の白デルモの事情はわかるが、さっきまで拳繰り出そうとしていた藍華までが
何故?一言でいえば、これは人間の裸眼で見ることそのものに無理がある。特殊被写体用
撮影機材でのみ隙間見れるその実像は、いわば分子運動にも匹敵する超高速の律動。未だ人類
の解明し得ていない神秘の営み、接触とも衝突とも交合とも異なるのか、いやそうして安易に
断ずる人智こそを嘲笑うのか…。いたずらな巨神とも違う、ただそこに凛としてあるもの、
それがオルタネート・メタル…
(続きマス↓)
113:超初心者
03/04/12 12:25 lZ56zk54
しかも下衆の視点では、メタルが伸縮自在の金属程度にしか映らない。いま変形した
触手同士、至るところで激突しているというあたりが精々の受け止め方である。いや、敢えて
その視点に特化してみよう。限りないスローモーションで一連の動きを再現すれば、まず
藍華が拳を突き入れようとしていた時、ニナ・エスコがその全てを込めた叫び声をあげた時…
白デルモ背後の隕石から無数の触手が飛び出し、藍華めがけ殺到するのが見えたであろう。
それに呼応するのが藍華のビスチェ、これまた瞬時の変貌で多くの触手を形作り、押し寄せる
側の触手を完璧にガードする形になる。隕石と藍華のちょうど中ほどの空間で両者は数限り
なくぶつかり合い、まるで測ったような均衡を生む。実際恐ろしい程のエネルギーがこの地点
に集中している筈である。ところが凝縮された高密度反応は決して暴発することなく、而して
衰えることもなく延々と火花を散らしている。ミニサイズではあるが色とりどりに光眩い円弧
を描くエネルギーの輪…これに似た光景を実は藍華もニナ・エスコも知っている、それは
ラグ爆発によって宇宙に咲いた華。ただ違うのは、望みのない破滅でなく不易の存続であると
いうこと。普遍の摂理がこの小さな空間にもしっかり息づいていることを感じさせられる
のである。それにしても。ニナ・エスコはここまでの超次元を見越して、藍華を隕石の方へ
誘ったのか。メタル同士の反応を意図していたのか。そうすることによって自分の安全が保障
されると踏んだのか。答えは全てノーである。白デルモはまさに覚悟していた。藍華の拳を
甘んじて受ける覚悟だった。藍華の気の済むまで責めを受け続け、そのあとでビスチェ拝借を
願い出るつもりだった。当初の目論見が外れ、藍華自身がデルモ・コーポレーションに
姿現した時点で最早言い逃れなど出来ない、洗いざらい自分の罪をさらけ出し、相応の償いを
したあとで許しを乞うつもりだった。自分がどうなろうとそんなことは問題でない、この
ひとつ身を犠牲にすることが藍華のめがねに適うのか、ビスチェを借り受ける要件を満たす
のか、それこそが問題だったのだから。
(続きマス^^;↓)
114:超初心者
03/04/12 12:28 lZ56zk54
しかし注目すべき点は他にもある。あくまで後になってこの場の人間に明かされる構図では
あるが。粗雑な解釈ながら先に暴露すれば、隕石の変形したメタルが必ずしもニナ・エスコの
意を受けて反応した訳でないということ。確かにあの瞬間彼女が責めを負うのを庇ったの
だろう。しかしそれは末節に過ぎない。ここで重要なことは、メタルからメタルへの濃密な
メッセージが、居合わせる人間たち全ての心を媒介としてこそ、的確に伝わるということで
ある。今、追い詰められているニナ・エスコの精神を引き続き安定状態に置かなければ効果的
でない、そのために更なる圧迫を加えようとする藍華の攻撃を妨げた、というのがありのままの
真相らしい。これは力の行使に優先するメタル自身の意志。明快な主体の発露でもある。
こうして藍華と白デルモ、共に能動の制御が及ばないところでメタルによる
コミュニケーション・モデルが構築されていく。先ほどの繰り返しだがこれは衝突という
言葉で表現するのが妥当と言い切れない。メタル自身が意義を見出す活動、それは思念の交流
を伴い、またその先にある様々な五感を発展的に追体験するもの。となれば、その過程は以前
ニナ・エスコが享受した体験に近似する。今、藍華の思念にも直接流れ込んでくるもの。
勿論その多くは彼女にとって未知なるもの、意外な情報が満載ではあろう、がメタルを介する
ことにより、決して取り乱さず整然と受け止めることが出来るのもニナ・エスコの時と同様
の展開なのである。藍華が察知する確かな存在。図らずもかつて大きな関わりをもった相手。
彼女の脳裏に浮かぶイメージとて間違えようもない、間近に感じられるのはあの、ハーゲンと
ネーナの二人なのだ…。
(しつこく続きマス^^;↓)
115:超初心者
03/04/12 12:29 lZ56zk54
これも繰り返しになるが、メタルは神の分身ではない。あくまでも地球に由来する普遍と
して存在するもの。しかも、この星の誕生から生命の隆盛に至るまで多くの事象が元素レベル
の記憶として内包されているだろうに、ここに集う人間たちの個性との共鳴が多くを占めると
いうのも面白い。一個人の重みなど悠久の歴史の中で本来僅かなシェアしか主張できない筈と
考えるのもメタルからすれば浅薄な決めつけに過ぎないのであろう。それは或る意味人間以上
に人間的な交流である。藍華はハーゲン兄妹に語りかける。今までいろいろな事があった。
大変だった。多くの危機があった。しかし、その責任を問うのではない。もし二人がここに
いるというなら、人間として何を思い何を見ようとするのか…単純でもあり味わい深くもある
問いである。二度とあのような暴挙を起こさないで、などという野暮な内容は思念ですら
持ち出すまでもないこと。対するハーゲン兄妹の答えも淡々としたものである。決して言い訳
でなく、強弁でなく。綺麗事ではない、人間誰しも持つ光と闇の両面を朴訥と語りゆく。
実際、メタルを通した伝達は人間の持つ様々な側面を余すところなく赤裸々に照らす。
オルタネートの文字通り、どちらがどう、ということもない相互の交流を何らの脚色なく
シンプルに実現する。そこでは敢えて、聞き上手、などと力を込める程の事も無い。嘘偽り
なく、という但し書きなど付言するまでもない。だからであろう、藍華の方も自分が一方的に
裁く立場でないことをより一層痛感する。更に言えば、ハーゲン博士が当初構想した地球浄化
の概念すら、藍華は一旦受け止める。どこまでも人間である彼の考え方を、同じ人間である
彼女がメタルを支点として向き合った時、自分でも驚くほど冷静に見据えることができる。
それは、ハーゲン兄妹にとっても同じ。何故メタルがあれほど藍華と相性が良かったか、
彼女の考え方がメタルを通し如何に魅力的に輝くことか。素直に羨ましいと思う。価値観の
安直な敵対や迎合ではない。ゆったりと、そして泰然と見合う互い同士なのである。
(続きマス↓)