02/01/27 18:50
シロツグとリイクニとの乖離を決定的にするのは、宗教の殻に閉じこもるリイクニの
態度に業を煮やしたシロツグが、暴力で体を奪おうとした翌朝のシーンである。
昨夜の自分の行動を詫びるシロツグに対して、リイクニは、ふたりの間のセクシャルな
問題は目をつむり、ただ、あなたを殴るということは、私がしてはならないことだった、
といって逆に謝る。
自分に都合の悪い現実、自分の持つ肉体からは目をそむけ、宗教によって見ろ律しようと
するのだ。前夜の、リイクニがおそらく売春もしくはそれに類する行為によって金を稼い
でることを暗示する短いショットと考えあわせれば、このシーンの持つ意味はいっそう
明確になるだろう。
シロツグはセックスを拒まれたことによってではなく、リイクニのこの態度によって、
彼女との間の超えがたい溝を実感する。