静・ジョースターの学園ラブコメat CSALOON
静・ジョースターの学園ラブコメ - 暇つぶし2ch950:ジェスタ
03/10/07 00:42
夏休みに入ってからも絵美はよく学校に来ていた
美術部の集まりだから…と云うわけではない
まぁようするに…

「どうだい?うまく描けた?」
絵美が顔を上げたところへ鳥栖が声を掛けた
「はい…」
久しぶりに納得のいく作品になったと思う
鳥栖が絵美の後ろへ回り作品を見ている
少し前までは自分作品を見られることに特に感情は抱かなかった
だけど今は、なんだか恥ずかしい気分だ
何故だろう?鳥栖が相手だからか?
「どうですか?」
沈黙に耐えられなくなったので聞いてみた
「うん…よく分からないな」
正直過ぎるのもどうかと思う

951:ジェスタ
03/10/07 00:43
沈黙が場を支配した
今美術室にいるのは鳥栖と絵美の二人だけだ
二人は互いに見つめ合う
二人には、声には出さずとも、互いの気持ちが分かっていた
多分、自分の気持ちを声に出せば、受け入れられる
だけど、今は…
絵美は、目を閉じて、あごを上げる
(きっと先生はキスしてはくれない…)
鳥栖は、絵美の頭に手をやる
(きっと絵美は待っていてくれる…)
絵美は、鳥栖の胸に顔をうずめる
(だけど、約束を…)
鳥栖は、絵美を引き寄せる
(誓いを…)
絵美が眼を開ける
鳥栖の声は、暖かい
「君が卒業したら、ずっと一緒にいよう」

952:ジェスタ
03/10/07 00:46
そろそろ日も沈む
絵美は軽い足取りで昇降口へ向かっていた
自然と笑みがこぼれる
あんな風に心が通じるなんて
自分は今、人生で最高に幸せなのかもしれない
いや、ずっと先生といられたなら、その時が
先生がお茶に誘ってくれた
早く靴に履き替えて駐車場まで行かなくては
でもあんあところをもし、誰かに見られていたら
そう思ったら顔が熱くなった
今日の作品はきちんと色を塗って仕上げよう
完成したら先生にプレゼントしようか?
「君、ちょっといいかい?」
そんな声が取り留めのない絵美の思考を止めた
アレは、中等部の時の瀬戸先生…
夏休み最後の日…絵美は失踪した

953:ジェスタ
03/10/07 00:53
(改行)
そして鳥栖は、25年間慣れ親しんだ名を捨て『狗』と呼ばれることを選んだ
ただ、絵美のために

to be continued

↑を追加
とりあえず終わらせたが、はしょりすぎだなぁ

次スレは970かな

954:ジェスタ
03/10/07 01:28
ぶどうヶ丘高校図書委員長ドミノ工場氏へ
これは『wooly colder parody』の続きなのだが蛇足なので図書館へは入荷しないで頂きたい

もうどれくらい経っただろう
この部屋へ案内されてから30分は経った気がする
その間鳥栖は『老人』と名乗る老人と一言も声に出さず向き合っている
襖が開いて、スーツ姿の人物が入ってきた
この部屋へ案内した人物とは違っていた
その男は懐からディスクを取り出し『老人』に渡した
不思議なディスクだ、プラスチックの様な気もするが、生物の様でもある
男が『老人』にディスクを渡した時、ぐにゃりと曲がった様な気もする
「鳥栖一…といったな?」
『老人』が声を掛けてきた
「お前の望む力…幽霊に身体を与えること…
 このディスクに込められた能力ならば…或いは可能かもしれない」
自然と手を伸ばしていた
『老人』が見せ付けていたディスクを引っ込める
そこで我に返る
「本当に、そんなディスクで…」
「そんなことは知らん」
鳥栖の問いかけとも独白ともつかない言葉を『老人』が一蹴した
「お前の精神力が強ければ、強く望めば、願いは叶うかもしれない
 我我はそのきっかけを与える、そしてその代償を受け取る、それだけだ
 お前が得た力を個人的にどう使おうと、失敗しようと、我我の知ったことではない」

僕には、失敗したらどうするとかそんなことを考える余裕はない
ただ、もう一度絵美をこの手に抱けるなら
否、もう二度と絵美をこの手に抱けないのなら…どうなろうと構わない

955:ハーツ
03/10/07 18:44
>>940

 突然、平良(中身は吉良)が立ち上がった。
瀬戸(大柳)「? どうした?」
平良(吉良)「いえ、ちょっと・・・」
 と、静(聶歌)と四田(黒尾)に目配せをすると、教室を出て行った。

 1分後、廊下にて。
静(聶歌)「どうした? 目立つのは嫌いじゃなかったのか?」
平良(吉良)「皮肉ならあとでいくらでも聞いてやるさ。
       それより、僕はこれから『狗』を始末しに行く」
 びしり、と言い放つ平良(吉良)。
四田(黒尾)「らしくないわね」
平良(吉良)「なりふりかまってられる状況じゃないだろう。
       君たちだって、そうすべきだと思ってるんだろう?」
静(聶歌)「・・・まあ、確かにそれはあるな。能力が『暴走』している感じがする。
      ほうっておくと取り返しのつかないことになりそうだ」
平良(吉良)「だろう? 協力してくれ」
 二人を交互に見つめる平良(吉良)。
四田(黒尾)「・・・ますますらしくないわね。
       いったい何をたくらんでるの?」

956:ハーツ
03/10/07 19:06
>>955
平良(吉良)「たくらむとは人聞きが悪いな・・・。僕はただ事件を解決したいだけさ。
       それも円満に・・・ね」
四田(黒尾)「・・・」
平良(吉良)「そんな顔で見ないでほしいな。僕はそれほど信用がないのかい?」
四田(黒尾)「ないわ」
 びしり、と言い返す黒尾。さすがの吉良もむっとする。
四田(黒尾)「私は反対よ。暴走してるんだったら、本体に罪はないじゃない?
       それに、また尾行される日々に逆戻りするのなんてお断りだわ」
 以前、『彼』から聶歌を救い出したことで、黒尾は組織にマークされ、しばらく監視されていたのだ。
四六時中監視されている聶歌にとっては、なにをいまさら、ともいえるせりふではあるが。
静(聶歌)「僕も反対。静や平良だけなら騙してこっそり抜け出せすこともできるだろうけど、数が多い。
      先生もいるしな。今後活動しにくくなるぞ。目立つのは嫌いなんだろ?」
平良(吉良)「・・・そうか。じゃあ頼まないよ。『アイアン・メイデン』!!」



 突然、平良(中身は吉良)が立ち上がった。
瀬戸(大柳)「? どうした?」
平良(吉良)「いえ、ちょっと・・・トイレに」
瀬戸(大柳)「そうか。まだ何か異変が起こるかも知れないから、気をつけろよ」
 教室を出て行く平良(吉良)。誰一人としてその行動を疑うものはいない。

吉良(異変が学校内だけで起こっているということは、『狗』は学校の中にいるということだ・・・。
   異変が起こったのは今朝。限界まで巻き戻せば、大体事件の1時間前ぐらいまでいけるはずだ。
   あと30分以内に、なんとしても『狗』を見つけ出し、原因を聞き出してやる!)

957:ハーツ
03/10/07 19:20
うーん、カッコが読みづらいなぁ・・・。もうちょっとうまい表記方法はないものか。
狗との絡みのほうはジェスタ氏におまかせします。あと解決案も。

958:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 20:25
んじゃ、俺もうぷろうかな
最近規制がきついし、>>948ということもあるしね

でも、完結は難しいかな・・・今日中になんとか・・・

>>ハーツ氏
個人的には、中身を前に、体の方を()で括ってもらえた方が読み易い
『吉良(体は平良)』みたいな感じで

959:マロン名無しさん
03/10/07 20:30
「そろそろ日も暮れたわね…」
静の声に、マンガ(ちなみに『ピンクダークの少年』)を読んでいた由紀子が顔を上げた。
「ホント、いつのまにやら真っ暗ね…。まるで私の心を映したかのよう……とっとと帰りたいわ」
「由紀子ぉ~、今度何かおごるからさぁ、機嫌直して?」
「トラサルディーのイタリアンジェラートね」
「う……わかったわよ。あれ、高いんだけどなぁ……」
「静さぁ、いい加減こういうことに首突っ込むの止めたら? いつか取り返しのつかないことになるかもよ?」
「だって―」
『静かに!』
静の抗議は、小さくも鋭い聶歌の声に制された。
「な、なによ?」
(窓だ、見ろ)
静が窓を見ると、ライトの光が写っていた。
ゆっくりと左右に揺れ動きながら、徐々にその照度を増していく。
(なに、あれ?)
(用務員が見回りにきたんだろう)
耳を澄ませば、二人分の靴音が聞こえた。
この学校の用務員も、確かに二人だ。
静も何度か会ったことがある。なかなか頑固な性格の人たちだ。
靴音が近づいてくる。音の大きさからして、今は教室から数十mといったところだろう。
(なるほど、用務員…考えてなかったわ。あの人たちに見つかったら、結構うるさいかも……)
(こういうときに限って……!)
靴音が止んだ。
(ヤバイ、立ち止まったぞ)
ドアが開いた。

960:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 20:30
あ、しまった 名前欄が


「ありゃ? 話し声が聞こえたような気がしたんじゃがのう」
「誰もおらんぞ。ウメさん、ボケとりゃせんか?」
「いやいや、確かに聞いたんじゃよ、シゲさん。少年の声と、少女の声……」
「風の音じゃろ。気にせんでもいいわい」
「そうじゃろうか……」
「そうじゃ、そうじゃ。ほれ、さっさと用務員室へ行かんかい」
「……おかしいのう」

961:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 20:33
「行ったか」
ドアが閉まったのを確認して、聶歌が呟いた。
「ふふ、私に感謝しなさいね。とっさの判断、見事だったでしょ?」
『アクトン・ベイビー』を解除して、静は言った。
三人の姿が現れる。
「いや、当然だろ? むしろ君が姿を消してくれるのは当たり前だと思ってたけど」
「なにさ! たまには誉めてくれてもいいじゃないの……」
聶歌の言葉に、むくれる静。
由紀子が時計を見上げる。
「いつのまにやら七時だわ。時間の経つのは本当に早いわね」
「そうか…なら、ここを出ようか。ウメさんとシゲさんには見つからないように慎重に行動してくれ、静」
「何で私だけに言うのよ?」
「君が一番ヘマをやらかしそうだからだ」
「ふん! あんたが失敗したら、思いっきり笑ってやるから!」
「あり得ないね」
「いーえ、あり得るわ」
「あり得ない!」
「あり得る!」
「静かにしなさい! いい加減にしてよ、なんでいっつも私が仲裁しなくちゃならないの?
 あんたたちの口喧嘩を聞いて、また用務員さんが来るかも…………あれ? おかしいわ…消えた!?」
「どうしたんだ?」
と聶歌。
「用務員さんよ! 髪を植え付けておいたんだけど、教室を出てすぐに…消えちゃったのよ。思考が感じられない……」
「……どういうことよ、聶歌?」
「……用務員室に行くって言ってたな……『大穴』にドア…中に部屋…人影…まさか!」
聶歌は教室を飛び出した。
「聶歌?」
静と由紀子もその後を追う。
聶歌は廊下に立ち尽くしていた。
「やっぱり……!」
視線の先には『大穴』……そこには、『ドア』が出現していた。

962:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 20:35
「やはり間違いなさそうだね」
聶歌の呟きに、「そうね」と由紀子も同意する。
「なにがよ? ていうか、いつまにあんなの…さっき見た時は無かったのに……」
いつも通りと言うかなんと言うか、静だけは状況を理解していない。
「……説明が面倒」
「なんでわからないんだ?」
由紀子と聶歌の辛辣な言葉。これもいつも通り?
「まあとりあえず入ってみよう」
提案をしたものの二人の返答は待たず、聶歌は『ドア』に歩み寄った。
「ふむ、やっぱり『スタンド』のようだな。ただ、普通の人にも見えるようだけど」
『ドア』は不思議な雰囲気を纏っている。その存在感は希薄で、だがそれは確実に『在った』。
この世のものとは思えぬモノ。
「開けるぞ」
聶歌はドアノブをひねる。

その先にあるのは天国か、地獄か―。



とりあえず休憩
今日は一気に進めます

963:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 22:24
まさにそこは天国だった。
壮麗な内装、豪奢な絨毯、天井から吊り下げられたシャンデリア、
部屋の中心に置かれたテーブルはいかにも値が張りそうで、
その隣にある小型のワインセラーの中にはたっぷりとワインが詰まっている。
さらにその傍ら、これまた高価そうなソファに座っている『老人』―それはまさしく、ウメとシゲだった。
突然踏み込んできた三人に驚くウメとシゲ。
「あ、あんたら……ななな何者じゃあ!? せせ生徒か? わしらをどうする気じゃあ……グブッ!」
見ていてかわいそうなほど狼狽したウメが、まくしたてた挙句ワインにむせてしまった。
「ウ、ウメさんッ!!」
「お花畑が見える…あ、あれは…死んだばあさんじゃあ…おーい……」
「ウメさん、死ぬんじゃねぇぞぉ! ウメさぁん!」
聶歌がその光景を見て一言、呟いた。
「……なんだこれ?」
「助けなきゃ!」
静が持ち前の人の良さを発揮し、ウメに駆け寄ろうとする。
「あ、ちょっと待て! 何か変だ、この部屋はどこかおかしいッ! 下手に動くんじゃあないッ!」
聶歌が叫ぶ。だが、静はその声が聞こえていないかのようにウメのそばに行ってしまった。

964:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 22:26
「人の話を………えッ?」
急に、聶歌の体がひっくり返った。
誰かに何をされたわけでもない、勝手に体が後ろを向いて……いや、由紀子の手が見えた。
由紀子が聶歌の肩を掴み、後ろを『向かせて』いるのだ。
(な、なんだ……、一体どうなって……?)
「ちょっと汐華君! さっきから喋ってるのに、聞こえてないの!?」
それはまさに唐突だった。
たった今耳栓を外されたかのように、突然由紀子の大声が聶歌の耳に飛び込んできたのだ。
聶歌は何がなんだかわからず、だが冷静に頭を働かせ……そして気付いた。
先ほどからの違和感の正体。
……音が『半分』聞こえないのだ。
この場合、『半分』というのは自分の前半分…正確には『視界』の中の音、それしか聞こえない。
自分の『視界』の外の音は、何一つとして聞こえない。
それは奇妙な感覚だった。
音だけでなく、まるで全てが……
「ああッ!」
由紀子が驚愕の表情を浮かべ、聶歌の後ろを指差す。
(まさか……)
聶歌は慌てて振り向いた。

予想は当たっていた。

965:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 22:26
「こんな芝居に騙されるとはのう。まだまだ青いわ! のう、シゲさん」
「本当じゃのう、ウメさん。フォッフォッフォッ」
静が茫然と立っていた。その白く細い首には、シゲのしわくちゃの腕が巻き付いている。
「な、なにこれ? どうして体が動かないの?」
「ちょっと静! あんた、首に……」
「無駄だ」
聶歌は由紀子を視界に捉えつつ、由紀子からも自分が見え、
さらに静と老人たちも見える、そんな位置に体を滑り込ませながら言った。
「この『部屋』のスタンド…この中では、視界外の出来事を認識できないようだ……
 自分の後ろでは、大声で叫ばれようが肩を叩かれようが気付かない……そんな能力らしい」
それが、聶歌が辿りついた結論だった。
だから聶歌は由紀子の呼びかけに気付かなかったし、由紀子がこちらを振り向かせようとしたのにも気付かなかった。
もしかしたら、振り向かされる前に肩を叩かれていたのかもしれない。
そして、首に回された腕に静が気付かないのも、この能力のせいだ。
聶歌の言葉を聞いて、ウメが笑みを浮かべる。
「よく分かったのう。最近の若者もなかなかどうして、大したもんじゃ……のう、シゲさん」
「そうじゃのう……『ケイヴ・イン』の能力に気付くとは…やるもんじゃのう」
「それはともかく、君…シオバナとか呼ばれとったの…シオバナ君、ここは見逃してもらえんじゃろうか」
「ここは、わしら二人の唯一の憩いの場なんじゃ…正式な用務員室はボロくてのう……」
「ここなら冷暖房完備で、酒も尽きることはなく、電気も水道も使い放題、ふかふかベッドもあるんじゃよ」
「食べ物はつまみ程度しかないんが玉に瑕じゃが」
「それを除けば、まさにここは『天国』なんじゃあ……!」
「だけども、校長(オサ)にここのことがバレたら……わしらはきっと怒られてしまう……」
「それだけは、それだけは……あいつ老人をいたわらんのじゃあ……」
交互に訴えかける老人たち。
聶歌は考える。
(別にいいんじゃあないか?)
このまま見逃しても害はあるまい。むしろ用務員としての仕事の効率が上がるんじゃないか?
聶歌は、そう結論付けた。
「よし、わかっ…」

966:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 22:29
「だめだめ! 内緒にするなんて!」
聶歌の声は、静のさらに大きな声にかき消された。
「おじいちゃんたちさ、私たちが何のクラブか知らないの?」
「知らんわい」
「知らんのう」
「あのね、私たちは! 泣く子も黙る『新聞部特捜班』! なのよ!!」
静は首を絞められている状態で、器用に胸を逸らした。
ウメとシゲの顔に動揺が広がっていく。
「新聞部…じゃと?」
「確かに…それじゃあ、黙っていることはできないのう…」
「残念じゃ…」
「残念じゃ…」
「残念じゃが……君たちにはここで死んでもらうことになる」
「ウメさん、そりゃ言い過ぎじゃ。ちょっと気絶してもらうだけじゃよ」
シゲの傍らの空間が歪み、徐々にスタンドとして発現していく。
それは奇怪なシルエットだった。
たくさんの小さな何かが、くるくると宙を舞っている。
よく見ると、それは箒であることに気付く。
さらによく見ると、箒の柄の部分は金属のようで、かなり厚くなっていることにも気付く。
「『ダスト・マイ・ブルーム』…私の『スタンド』じゃよ……当たると痛いんじゃ…これが」
シゲは凶悪な笑みを浮かべた。

967:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 22:33
ちょっと端折り

戦いは困難を極めた。視界外からの攻撃には為す術がない。
聶歌と由紀子はお互いにフォローし合うが、それでもかわすのが精一杯といったところだった。
それもひとえに、由紀子の『トゥー・マッチ・ラブ・ウィル・キル・ユー』 のおかげだった。
相手の思考を読むその能力がなかったら、とっくに仕留められていただろう。
「く……せめて静さえいなかったら……」
由紀子が苦々しげにうめき、素早く後ろに跳び退る。
一瞬の後、凶器と化した箒が由紀子のいた場所を通過する。
何回かその攻撃を食らったが、見た目のバカバカしさとは裏腹にかなりの破壊力を持っている。
『認識』しないので痛みは感じることはなかったが、それでも触ってみれば骨が折れていることがわかる。
「静! そのジジイを殴るなり投げるなりして、とっとと逃げ出しなさい!」
「え~。でも、お年寄りには優しくしなさいっておじいちゃん…ジョセフおじいちゃんね…が言ってたのよ……」
「緊急事態だ! 早く振り払え!」
「うう…ウメさん、ごめんなさい!」
シゲの脇腹にアクトンベイビーの強烈な一撃が入った。
「グホァッ! ……か、川が…大きな川が……」
「シゲさんッ! しっかりするんじゃ、傷は浅いぞ!」
浅いなんてもんじゃない。
見たところ骨は何本か砕けているし、内臓はちょっとヤバイことになっているだろう。
「見える…見えるよ…向こう岸でお母さんが呼んでる……」
「シゲさん、目を覚ますんじゃ! がんばれ、がんばるんじゃあ~~!!」
今度は演技ではない、本当に苦しそうにのた打ち回っている。
「ご、ごめんなさぁい!」
自由を取り戻した静が可愛らしく謝るが、シゲの耳には届かない。
「静をけしかけといてなんだけど、やっぱり老人には優しくしなきゃね……」
「容赦なしだな……かわいそうに」
聶歌が『JDT』を発動する。
聶歌は一瞬苦しそうな顔をしたが、すぐに平静な顔に戻る。無論、やせ我慢だ。
聶歌の頭の中では、帰りに仗助に会いに行くのは決定事項となっている。
怪我の2割ほどはシゲに残っているが、先に手を出してきたのは向こうだ、少しくらいはお仕置きしてもいいだろう。

968:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 22:36
エピローグ

「さて……帰るか……。
 シゲさんも…ウメさんも、こちらが何もしなければ……襲ってくることもないだろう……」
「え!取材は?」
「もう……いいだろう。謎は謎のままに…しておいたほうが良い……」
「スクープが……」
「まぁまぁ、スクープはまた今度でいいじゃない…私は眠くて眠くて……ホント、とっとと帰りたいわ」
「帰りに……仗助さんの所へ寄るからな……」
「お義兄ちゃん、寝てる所を起こされるの嫌がるんだけど……」
「妹の帰りが遅いんで心配してるだろうさ……夜も眠れんだろう」
「そうか……謝らなきゃいけないわね……」
そうして、三人は帰路についた……。


「痛むか、シゲさん……」
「だいぶ良くなってきた……ううッ!!」
「ど、どうしたんじゃあ?」
「ぎ、ぎっくり…ぎっくり腰……」
「シゲさん、死ぬなぁぁぁ!」
叫びはいつまでも校内にこだましていた……。

969:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/07 23:10
終わったぁ!

一気に書き込んじゃってスミマセンでした
気が付けば、もう970目前ですよ
次スレどうしますか?

970:マロン名無しさん
03/10/08 00:39
次スレいりません

971:ジェスタ
03/10/08 03:03
次スレです
【jojo】スタンド使いは惹かれあう【ss】
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972:ドミノ工場です
03/10/08 07:32
>>971
ジェスタ氏、乙カレードゾー( ゚д゚)ノ●
>>954はサイトに載せないという旨、了解しました。

973:611 ◆YMXGRjSTq6
03/10/08 07:55
>>971


しかし、スレタイが
【物語】ジョジョの奇妙なSS 【小説】
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と紛らわしいのですが

974:マロン名無しさん
03/10/09 13:27
ドミノ工場です氏がサイトに載せてくれるまで保守


ついでに感想
頑固ジジイかと思いきや
とんだひょうきんジジイだったのがワラタ


975:マロン名無しさん
03/10/10 17:56
俺達はとんでもない勘違いをしていたようだ(キバヤシAA略)
>>1 を見てくれ。
>「第1話」 うっかり自分の服を透明にしてしまう静
とあったために、「静は『おっちょこちょいキャラ』」という印象を持ってしまい
最終回では、その『うっかり』が周り全てに影響を及ぼすものとばかり思っていた。
だが!!
>「最終話」 アクトン・ベイビー・レクイエムで自分以外の人の服を透明にしてしまう静
…そう…ここには『うっかり』という文字が無い。
つまり、『自分以外の人の服を透明にしてしまう』というのは『うっかり』でも何でもなく
アクトンベイビィレクイエムが最終回における何らかの目的を
果たすために必要な『手段』もしくはその『結果』の事だったんだよ!!!


『別の漫画のネタ』の形で思いついたので、言いたくても
スレが終了した今まで言えなかったが


976:マロン名無しさん
03/10/10 18:21
>>975
レクイエムが暴走したんだろうよ…

977:マロン名無しさん
03/10/10 21:48
さてと、まったく違うジョジョ小説でも書くか

978:マロン名無しさん
03/10/10 22:43
>>977
がんがれ

いちおう張っとく
【物語】ジョジョの奇妙なSS 【小説】
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979:ジェスタ
03/10/14 01:17
埋めようか?

980:マロン名無しさん
03/10/14 17:24
>>979
ほっとけば?
無理して埋めんでもいいだろう

981:マロン名無しさん
03/10/14 17:59
980まで埋まったからもう勝手に落ちる


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