03/09/16 21:22
廊下をスキップする、ルンルン気分の静。
窓から吹き込む爽やかな風が心地良い。
「ご機嫌じゃないか。なにか良いことあったのかい?」
静と一緒に歩いていた聶歌が尋ねる。
「よくぞ聞いてくれましたァ!」
静は立ち止まり、聶歌の肩をバンバン叩いた。
「今日はねぇ、ピンクダークの少年の発売日なの! 単行本の!」
「・・・なんだ、そんなことか」
「そんなことか、とはなによ!? 今回は巻末に露伴オジサマのコメントがついてるのよ!」
静はうっとりとする。
どんなことが書いてあるのだろう。
今後の展開? 執筆中の裏話? 近況報告?
あ~、読むのが楽しみ!
「バカバカしい」
その冷めた一言で、静は現実に引き戻された。
「ナンデスッテ!?」
「バカバカしいよ。そんなモノ見なくても、君のすぐ近くに本人が住んでるじゃないか!
買うだけ無駄だと思うけどね。無駄は嫌いだ・・・・・・」
「う、うるさいわよッ! もしかしたら、私に言ってくれないようなことが載ってるかも、じゃない!」
「君に言えないようなことが、単行本に載る訳ないだろう。バカジャナイノ?」
「う、うううう~~~、聶歌のバカッ、アホッ、幼児愛好者ァーーーーー!」
静はわめき散らしながら、ダダッと走り出した。
廊下にいた生徒の視線が、聶歌に集中する。
「なっ! 誤解されるだろう! 僕はロリじゃないッ! 年上の方が好きだ!!」
聶歌は慌てて、静の後を追った。
『DJT』で、以前のように周りの人の記憶を消しておくのも忘れない