03/09/09 00:24
「…いや、いるね。すぐ近くまで。」
『ホントに?』
「ああ。出てきてはどうかな…そこの見えないお嬢さん?」
ばれている。
「君に危害を…ああ、違うね。君たちとこの学校に危害は加えるつもりはない。安心したまい。」
「うっさんくせー人間がいきなり現れて、人間、はいそうですかって納得できると思ってんのか?」
「第一、既に学校には危害…というか被害が出ているんだ。隣の美術室の惨劇を見てみろ。」
「…ふむ。それは確かに。では単刀直入に言うが…、静・ジョースター君。」
「な、何よっ!」
「今すぐ、彼女のために身体を貸してあげてほしい。」
間。10数秒の空白。
「ふッ…ふざんけんじゃねぇぇえ!!」
「ていうか、俺たちの話は無視かよ!」
「(相変わらず言葉のキャッチボールをしない人だな、この人も。)」
吉良はふぅと小さくため息をついて既知の間柄である男を見た。
今はお互いに分かっていて無視しているから気が楽ではあるけれども、この男のこういうところは苦手だ。
「ああ、大丈夫大丈夫。
明日…いや、今朝までには君に所有権が戻ってくるから安心したまえ。」
「安心しろとか、大丈夫とか! そういう問題じゃないのよ! もっと常識で物事考えてよ!!」
現在の自分の行動と矛盾した言葉を吐きながら静は怒る。完全に自分の事は棚上げで。
「まいったな。本当に危害を加えるつもりはないんだ。
こっちの事情を話したら少しは協力してくれる気になるかい?」
「しない!」
「うん、そうかい。ありがとう。それじゃまず何処から話そうかな…。」
「だから聞いてよ人の話ィ!!」
「今から4年前の話だ。」
「……どうする、先生? こいつ語り始めたぞ。」
「適当に聞き流せ。この男が話してる隙に警備員呼ぶから、お前らは隠れてろ。」