静・ジョースターの学園ラブコメat CSALOON
静・ジョースターの学園ラブコメ - 暇つぶし2ch686:ジェスタ
03/08/31 12:56
>>674-676続き
原作では吉良が余裕で入ってたけど
まぁ、ホラ、その…ね?

「平良ッ!」
平良清がそこにいた
「な、何であんたがここに…」
「何言ってんだ、あんな大声で話してたら月からだって聞こえるぜ?」
言いながらスタンド『ボール・パーク』を出す
「『ボール・パーク』で壁を引き寄せる、と当然壁は重過ぎて引き寄せられない
 代わりに俺が壁に引き寄せられるゥッ!!」
ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンン
「て、わけだ、ほら手を貸しな」
壁の上から清が手を差し伸べる


「あれ?」
宿直室で夜食を作っていた大柳賢はモニタの異常に気が付いた
「あれは…」
モニタは今ちょうど校門の辺りを映していてそこには二つの影が映されている
背丈からして高校生だろうか?片方はメガネをかけているようだ
「…仕方ないな」
ガスを止め、上着を羽織り宿直室を出る

687:ジェスタ
03/08/31 12:57
「きゃッ!!ちょっとどこ触ってんのよ!?」
『ボール・パーク』で二階の『一年C組のベランダの手すりを引き寄せている』途中で静が暴れだす
「バカッ、何やってんだ?落ちるぞ?」
慌てて姿勢を制御しようとするが時すでに遅し、二人は自由落下を始めた
「痛ッ!!」
なんと云う幸運、自由落下が始まったのはベランダにたどり着いた直後だった
「あれ?ベランダ?あぁ、何とか潜入成功ね…」
「静~」
痣になったかしらなどと思いつつ辺りを見回す
「まっ、取り合えず平良には感謝しなくちゃね」
「重い~」
辺りは暗く不思議な静寂に満ちている
「平良?平良~、ちょっと何処行ったのよ?」
「頼むから気付いてくれ、そしてどいてくれ」
声は下から聞こえてくる様な気がする
下…?そう云えばベランダの感触は石のそれではない
「平良?なんであんたがあたしの下にいるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
「逆だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
しかしまぁ、気持ちよかったからいいか…などと思いながら立ち上がる平良だった


688:ジェスタ
03/08/31 12:58
「そういえば早人が言ってたな…」
 :
 :
時はさかのぼること数時間
「『ぶどうの杜』の今月号の特集が『七不思議』だったんだ」
川尻早人と学食で夕食をとっているときだった
「ん?校内新聞?あぁ~七不思議ねぇ~いつまであんのかな?ああいうの」
勿論自分達の世代でも在った
「何だっけ?『開かずの地下室』、『屋上から飛び降りる少年』、『血塗れのトイレ』…」
「ほかには…『体育館の泣き声』と…う~ん、何だっけ?」
「あ~そうだ、七つ目の不思議が傑作だったよな?」
「えっ、ああ七不思議なのに、六つしかないってやつ?変だよねぇ
 じゃなくてさ、『ぶどうの杜』で七不思議の特集があるとさ、調べに来るやつがいそうじゃない?」
「七不思議を調べに?あぁ、俺行ったわ…」
「それ、止めた方がいいと思うんだ…ほら、一人いるだろ?いかにもな」
 :
 :
「あれ、静か?眼鏡かけてたし」

689:611 ◆YMXGRjSTq6
03/08/31 22:32
真夜中―静の家に忍び寄る、一つの影があった。
黒尾鴉子である。
堂々と、庭に不法侵入し、窓から静の寝室を覗く。
(フフフ、あったわ……)
静の幸せそうな寝顔の横に、今宵の標的があるのが見えた。
シンプル・精密・大音量の、セイ○ーの目覚し時計。
(よーし、『キューピッド・アンド・サイケ』!!)
目覚し時計の傍に、一瞬にして無数の点が出現し、拳を形成してゆく。
蚊が群れているようで、ちょっと気持ちが悪い。
(いけーーッ!!)
心の叫びと共に、C&Pの拳が目覚し時計を粉々に粉砕した。
(これでよし、次は、汐華君の家ね~!)
鴉子はスキップしながら、夜の闇に消えていった……。

「遅刻、遅刻~!」
朝の道路を、一人の少女が爆走している。
頭には寝癖がつきまくりで、口にはジャムが塗られたパンをくわえている。
静・ジョースターだった。
(なんで、目覚まし壊れてるのよ~!)
そのせいで、静はすっかり寝過ごしてしまった。
まさか、夜中にあんな事があったとは、露ほども思っていないが。
(今は八時五十分……まだぎりぎりで間に合う!)
静は、100m13秒の俊足を生かし、凄まじいスピードで角を左へ曲がった。

次の瞬間、からだがフワリと浮いた。
「うわッ!」「痛ッ!」
静は、丁度曲がってきた人を巻き込んで、盛大にすっころんだ。
そのまま、もつれるように倒れ込む。
「いたた……ちょっと、どこ見てんのよ!」
「そっちこそ! 危ないじゃないか!! ……あれ、静?」
「! 聶歌じゃない!!」
二人は重なり合ったまま、しばし見つめあった。

690:611 ◆YMXGRjSTq6
03/08/31 22:35
「よしッ! 大成功ッ!!」
物陰から、その光景を眺めていた鴉子は、思わずガッツポーズをした。
『曲がり角で、『C&P』の『線』を静の足に引っ掛けよう! 作戦』は見事に成功した。
(フフフ…やっぱ、出会いといえばこのシチュエーションよね!
 この時はケンカして別れるけれど、後に劇的な再会をして、そして二人は……キャー!!)
鴉子はポッと顔を赤らめた。

(……あれ?)
鴉子は、静と聶歌の様子がおかしいことに気付いた。
その時にはすでに立ち上がっていたが、二人は、なにか大声で言い争っている。
鴉子の隠れている所は少し遠いので、詳しい会話の内容は聞こえない。
だが時折、「重いからどいて、失礼じゃないの!」「重いから重いって言ったんだろ!」というような怒鳴り声が聞こえてくる。
「しまった!」
鴉子は己の失敗に気付いた。
このシチュエーションは、『一方が転校生でないと成立しない』! ということに!!
「うう…失敗した……ごめんね、静……もう一回、計画練り直さなきゃ……」
鴉子はとぼとぼと帰っていった。

その日は一日中、二人は口をきかなかった。
ちなみに、授業には完全に遅刻。
鴉子はサボり。

691:マロン名無しさん
03/09/01 03:17
>>637の続き
第691話 「老人は楽しく暮らしたい」

静「・・・・てことで、今から連れてくる人にあなたの能力を使ってほしいのよ」
老人「いいとも・・・・ そのかわり条件がある」
静「条件?」
老人「そいつに私の『オール・エイジス』を使ったあとで、君にもこの能力を試させてもらう」
静「じいさん・・・ あんた一体・・・・?」
老人「『ハーレム』じゃよ」
静「ハ・・・・!?」
老人「そう 私の長年の夢だった『ハーレム』を実現するのじゃ!!
   私の能力『オール・エイジス』ならできるッ!
   もうすでにナースとスチュワーデスは取り込んだ!
   あとは女子高生さえモノにすれば私の長年の計画は完成するのじゃァァァーーーッ!!
   ウハハハハハハァァァァァ―――――ッ!!!!!!!」
静「・・・・(なにこいつ・・・・吐き気がしてきた・・・・でも・・・・・)
  いいわよ まずは私の条件を実行してからね・・・・」

692:マロン名無しさん
03/09/01 03:21
―翌日―
露伴「・・・・・一体なんだい、こんな所へ呼び出して・・・」
静「(小声で)ほらじいさん、早く早く・・・・」
老人「うむ 『オール・エイジス』ッ!!」
 ―スタンドが露伴の目を閉じさせ、そして・・・・・
静「露伴おじさま・・・・目を開けて・・・・・」
露伴「ん・・・」
静「ドキドキ・・・・・」
露伴「ハッ!静くん!なんで僕は今までこんな素敵な女性を今までほっておいたのだろうッ!
   綺麗だ!可愛らしい!愛しいよ静くん!是非僕と交際してくれ!」
静「ヤッタァァァァァ――ッ!!!!!!ついに念願の露伴おじさまゲット――ッ!
  杜王町に来た甲斐があった・・・ これでもう思い残すことはないわ!
  『静・ジョースターの学園ラブコメ 完』!もうこのスレッドには書き込めませんッ!!!」
老人「これで君の条件は済んだ 次は私の番だが・・・」
静「フフ、せっかく露伴おじさまをゲットしたのに今更ハーレムの一員になんてなるもんですか!
  『アクトン・ベイビー』ッ!私の姿が透明になって見えなくなるッ!」
老人「あぁ!しまったッ!」

693:マロン名無しさん
03/09/01 03:22
露伴「おや・・どこへ行ってしまったんだい愛しの静くん・・・・
   せっかく君のために『ピンクダークの少年』の新作を持ってきたというのに・・」
透明静「え!新作!? よし透明なままでこっそり露伴おじさまのカバンから持ち出して・・・っと
    さ、透明なままでジックリ公園のベンチにでも座ってゆっくり堪能しようかしら・・・」
―しかし・・・・・
露伴「ひっかかったね・・・・『ヘヴンズ・ドアー』ッ!『透明の能力を解除』ッ!!」
姿を表す静「え!?え!?」
露伴「君なら絶対マンガを読むと思ったよ・・・・
   いや種明かしをするとね、僕に『オール・エイジス』は効いていないんだよ
   昨日のうちに汐華くんが忠告にきてくれてね・・・
   君が何か企んでるんで気をつけたほうがいいって」
静「あの・・・・クソガキ・・・」
露伴「それでこの老人に頼んで一芝居うったってわけさ
   もちろんこの老人にもスタンドを悪用できないように書き込んだけどね」
老人「・・・・・」
静「いや・・・違うんですおじさま・・・これは・・・・その・・・」
露伴「いいかい静くん、人の気持ちというのはお金やスタンドではどうにもならないものなんだ
   たとえ惚れ薬を使ったとしても、恋をするメイクをしたとしても、
   結局本人に気持ちがなければいずれダメになってしまうものなのさ・・・
   重要なのは気持ちなんだよ静くん 君はニセモノの恋愛をしたいのではないだろ?」
静「すみません・・・・・」
露伴「わかればよろしい ま、君はまだ若いからいろんな無茶をするだろう
   今回は大目にみよう ただし、ちょっと罰をやってもらうけどね・・・・」
静「罰・・・・・?」

―後日
静「クッソー・・・なんで霊園の掃除なんか・・・・・
  どうせ誰も人なんてこな・・・・ヒィッ!なんか音がした――ッ!
  エ――――ン!!!もう帰りたいよ――!!!
  は~あ、今日の静の恋愛運は絶不調だッ!シクシク・・・・」

to be countinued・・・・・

694:マロン名無しさん
03/09/01 09:28
>『静・ジョースターの学園ラブコメ 完』!もうこのスレッドには書き込めませんッ!!!

ワロタ

695:マロン名無しさん
03/09/01 16:48
とりあえずSS書いた奴はレス番号まとめてほしい

もうどれがどれかわからんw

696:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/01 18:42
今、改めてスレを読み返して気付いたんだが
静と聶歌の出会いはまさに>>689-690のまんまだったんだなぁ
はずかスィ…


>>695
俺が書いたのはこれだけです
>>611-612 >>614
>>626-627 >>629-632 >>641 >>645
>>666 >>679-683 >>689-690


まとめサイトを作ってくださる神は降臨されませんか?

697:マロン名無しさん
03/09/01 18:53
>出会い
『足に引っ掛けよう作戦』をするまでもなく、毎朝繰り返されてる光景だったりしてw

>まとめ
「誰が書いたか」よりも
『1話』ごとにまとめてもらった方が良いかな…と思う


698:ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊
03/09/01 19:29
やせ細った月と貧弱な光を発する星。そんな夜空が職員室の窓から見える。
「職員室に侵入成功っと…。」
その部屋にいきなり人影が現れた。
アクトン・ベイビーの能力で一時的に透明になっていた静と平良である。
「よっしゃ、今のうちに美術室の鍵を貰っていくぞ!」
「アンタが仕切るなッ!」
軽口を叩きあいながら必死で壁に掛かった鍵の束を捜索していく。
が。
「美術室の鍵が無い…ッ。」
ない。何故か、美術室の鍵が無い。
ご丁寧に美術準備室の鍵もなくなっている。
(恐らくその理由は、美術準備室が美術室と扉一枚を隔ててあるためだろうと推測される。)
「どうするんだ? ま、俺としちゃあこのまま夜の学校でデートってのも悪グハッ!」
平良の顎にアクトン・ベイビーのアッパーが決まった。
そのパンチの切れ筋、ディモールト・ベネ(非常に良しッ!)。
「しっかし参ったわね~…鍵が無きゃ美術室に入れないじゃない。」
「何も照れ隠しに殴らなくてもいいじゃねぇか…素直じゃねぇなァ。」
「ん~、待てよ~? ここに鍵が無いってことはつまりぃ…。
 既に誰かがココに来て、美術室へ行ったってことになるのかしら?」
「って、俺の話無視ですか?」
「そうよね! これだけ学校に人がいるんだもの。
 あたし以外にも美術室の幽霊を調べようって人の、一人や二人や五人や十人ッ!
 いたっておかしくないッ! むしろそれが普通! 世界のあるべき姿ッ!」
「(また無視かよッ!)…フツーかぁ~?」
「普通なのッ! あたしが普通と思えば普通!!
 なによぉ~今日のあたしったら冴えてるわッ!
 テストの時もコレくらい冴えてたら良いのにってくらいに冴えてる!
 よし、遅れを取り戻すわよーッ!」

「へぇ…それは良かった。」

699:ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊
03/09/01 19:31
「―うあッ?!」
「誰だっ!?」

彼はそこに居た。自分の存在を主張しないように、空気に溶け込んでいた。

「き、吉良吉則…。」
「ご名答。」
その笑顔は憎らしくもさわやかだった。
「なんでアンタがここにいるの?」
「静かに…ここの騒ぎが聞こえていたらしい。
 警備員が近くまで来ているんだ。君たちの質問には後で答える。」
警備員という単語を聞いて、静はぐっと言葉を詰まらせた。
「(なぁ静。)」
隣にいる静にしか聞こえないようにボソボソと平良が尋ねた。
「(こいつ一体何者なんだ?)」
「(スタンド使い…らしいけど、よく分かんないのよ。)」
「(よく分からない? なんだそりゃ。)」
「(スタンドを使っている所をまだ見たことが無いから。だから『らしい』なの。)」
「(なるほどな…。それで警戒してるのか。)」
「(とは言っても向こうもあたしたちの能力に気付いているとは思えないけどね。)」

静は、自分のスタンド能力が既に吉則にバレているとは露ほどにも思っていない。
しかしそれは仕方がない。吉則のアイアン・メイデンの能力発動により、時は巻き戻されたままだからだ。
従って、静は―いや、由紀子も聶歌も―ついこの前起こった小競り合いのことを覚えては居ない。
分かっているのは、この吉良吉則にはスタンド能力があるらしいというコトだけだ。

一方、吉則の方は彼女らの能力を断片的ながら知っている。
静は物体を透明にする能力。
聶歌の能力は自分の『一部』を犠牲にすることで、他人の『同じ部分』を向上させることができる。
由紀子の能力はどうやら戦闘向きではないが、こちらの動向がわかる能力であること。

700:ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊
03/09/01 19:32
ここまで分かっていて何故に彼女と接触を試みたか。
答えは単純。より詳しくスタンドのデータを得る為だ。

静は何時間、何十分まで透明化できるのか。どのくらいの大きさまで完全に透明化できるのか。
聶歌の能力はどこまでを自分の一部と認定するのか。
いや、それ以前に由紀子のスタンドについては憶測で言っているだけで本当は違う能力ではないのか。
そういった疑問が頭をよぎる度に、
『今、自分は人生に大いなる禍根を残そうとしているのではないのか』と思えてくるのだ。
だからこそ、ここにいる。彼にとって平穏な人生を生きる為の最大の努力をしているに過ぎないのだ。
そして、調べるチャンスがめぐってきた。今日の昼休みのやり取りを偶然聞いていたのだ。
三人一緒に現れたらどうしようかと思案していたが、運命は自分に跪いた。
たった一人でこの夜の学校に―邪魔者が来ない確率が高いこの場所に現れる。
非常に都合が良かった。

しかし、予想外のアクシデントが起こった。彼女が、一人ではなかったのだ。

吉則は予想外の事態にあせりながらも、ふと思う。
(ジョースターと行動を一緒にしていることから考えてこの平良もスタンド使いである可能性が高い。
 と、いうコトはこの男ともいずれは戦う事になるのか? これも運命の一端というわけか?
 『人は、運命を避けようとしてとった道で、しばしば運命に出会う』…か。ふん、忌々しい。)
しかし、だからといってここで戦うわけにはいかない。
姿の見えない人間や能力の不明な人間と戦う愚は避ける。
ならば、取る行動は一つだ。
今だけだ…今だけ君たちの協力者になってやるよ。

「どうやら警備員は向こうへ行ったみたいだな。さぁ、美術室に行くんだろう?
 急がないとまた警備員が戻ってくるぞ。」

あっけに取られたような静と平良の表情を見ながら、
二人に気取られぬように残酷な笑みを浮かべてそう言った。

To Be Continued…

701:ドミノ工場です
03/09/01 19:35
と言う訳で、何故か絡んできた吉良吉則!
ひょんなことで吉則のしっぽを捕まえるのか大柳賢!
夫婦漫才してる場合じゃないぞ、静・ジョースターに平良清!
これより目指すは美術室ッ!
美術室で幽霊とファイトクラブさながらの熱い戦いが展開されるのかッ?!
                                          …それはないな。

などと次回予告風に言ってみるテスト。

えーと、今まとめサイト作ってます。
自分用にちまちまと作ってたヤツなんで不備やらがあるかもしれませんし、
このスレの500までしかうpしてませんが、
それでもよければとりあえずドゾー( ・ω・)ノ□
URLリンク(www.geocities.co.jp)

702:ジェスタ
03/09/01 20:03
オ…オォォォォォォォォォォオォォォォォォォォォォッ!!!!!
>701
ありがとう、ありがとう
しかしッ!!!
あと、10分早くうpしてくれれば…(涙

703:ジェスタ
03/09/01 20:08
>695
とりあえず私のは
>>479,>>488-489
>>496-497,>>508-512
>>541
>>607,>>622-624
>>643
>>678,>>686-688

>ドミノ工場です
『ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊』は氏が続けるのかね?
それと私が書いた部分は適当に編集してくれてかまわんので…

704:ジェスタ
03/09/01 20:13
んで、一話毎
>>17
>>65
>>116-119
>>159-160
>>185
>>232
>>266-267
>>281
>>302,>>307
>>312-314
>>341
>>373-376
>>383-384
>>432-434


705:ジェスタ
03/09/01 20:17
>>454-455
>>479,>>488-489,>>492-497,>>508-512
>>518-520,>>548
>>554-555
>>583-586
>>598-599
>>637,>>691-693
>>642
>>643

706:ジェスタ
03/09/01 20:22
>>564,>>576,>>590-591 ,>>607,>>611-614 ,>>622,>>626-632,>>623-624
*631→>>651,>>641,>>645
>>666,>>679-683,>>689-690
>>674-676 ,>>678, >>686-688

て、とこか…小ネタも入れると結構あるな

707:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/01 20:35
>>701
ディ・モールト! 最高です

一つ要望があるのですが
俺のを載せる場合は>>683>>690の最後に
To Be Continued…をいれてくださると嬉しいです


>>ジェスタ氏
乙ー

708:マロン名無しさん
03/09/01 20:52
微妙に設定が違うが、ここにも静ネタがあったりする
スレリンク(csaloon板:128-134番)

709:ジェスタ
03/09/01 21:17
↑見てきて無責任ネタ(要放置)
「静~、静~、あれ?人違い?」
「あ…あのぅ、もしかして私と双子みたいに似ている人を知っているんですか?」

関係ないけどもう一つ(要放置)
第709話
「あ、仗助お義兄ちゃんと微妙に仲良しの私立探偵の噴上さん」
「お~ッ、静ちゃんッ!!赤ん坊見なかったか?赤ん坊?
 俺の子供なんだけどよ~ッ、生まれたとたんスタンド出してかっとんでちまったんだ」

710:マロン名無しさん
03/09/01 21:19
>708
実は>11 で既出


711:マロン名無しさん
03/09/01 21:31
いいなーw噴上Jr.
時速60kmのハイウェイスターでも追い付けないぶっ飛びスタンドを生まれた瞬間からw
どんな能力だろ


712:マロン名無しさん
03/09/01 21:48
>>711
ラディカル・グッド・スピード
あるいはハイパー・グッド・スピード

713:ジェスタ
03/09/01 22:11
い~や違うねッ!!
『ボーン・トゥ・ラン』ッ!!これだッ!!

714:マロン名無しさん
03/09/01 22:12
しばらく見ない間にずいぶんスレが活気づいたな

このDIOが生まれた頃は馬車しか走っていなかった

715:ドミノ工場です
03/09/01 23:22
聶歌と学園祭とボス・ドッピオのSSうp完了ーヽ(´ー`)ノ

>>ジェスタ氏
まとめ乙です。カレードゾー( ・ω・)ノ●
スッゲェ助かりました。ありがとうございます。
幽霊話はオチはあるのに途中が書けないというトラップに陥ってます。
とりあえず自分でガンガッテ書いてみます。

で、あと10分早くうp…… 正直スマソカッタ。

>611 ◆YMXGRjSTq6氏
了解しました。
次の更新時に入れておきます。

716:マロン名無しさん
03/09/02 00:14
>>ドミノ工場

激しく乙

717:ジェスタ
03/09/02 01:28
第717話 『走る為に生まれてきた』

夏休みが始まって二日目、静・ジョースターはお気に入りの『ピンクダークの少年』(イタリア語版初版第一刷)を読んでいた
早朝と云うには遅いが、杜王町が昔武家の避暑地だったと云うだけありクーラなしでも涼しい
リビングのドアが開き義兄の東方仗助が入ってくる
「おっ、静、まだ真昼間だぜ、学校はどうした?」
ソファから身を起こし振り返る静
「ふふっ、お義兄ちゃん何言ってるの?もう昨日から夏休みよ
 夜勤明けお疲れ様、紅茶でも入れる?」
「夏休みぃ~、あ~そんなこと言ってたな、そうかもう夏休みか
 じゃぁもう暇なのか…よしっ、どうだ『トラサルディー』行くか?バシッと一番高いもん食いにッ!!」
「えぇ~、ホントに~?やっぱレストランは食べに行くところよねッ
 お義兄ちゃんだ~い好きッ!!」

718:ジェスタ
03/09/02 01:32
車の窓を全開にして信号待ちをする仗助と静
「お義兄ちゃんてさ~よくこんな車みつけたよね、向こうでも全然走ってないよこんなの」
少しでも涼を求めようと車外に身を乗り出す静
「ねぇ?なんかもっとこうクーラが欲しいって言うか、ガタガタしないって言うか
 いや、こういうのも『渋くていいなッ』とは思うけどやっぱり…きゃっ」
周りの車が動いていないにもかかわらず仗助は車を発進させた
念のため信号を見たがやはり『赤』だ
「どうしたのお義兄ちゃん、まだ信号赤なのに…」
見ると仗助はどうも『キレ』ているようだった
その視線の先に見えるのは…
「静~お前も見たよなぁ~あの単車っ!!この俺の目の前で信号無視なんかしていきやがったぜぇ~
 おまけに歩行者轢きかけてよぉ~絶対ぇにっ!!ゆるさねぇっ!!!」
この時の静には「『トラサルディー』…」とつぶやくのが精一杯だった

719:ジェスタ
03/09/02 01:39
車の窓を全開にして信号待ちをする仗助と静
「お義兄ちゃんてさ~よくこんな車みつけたよね、向こうでも全然走ってないよこんなの」
少しでも涼を求めようと車外に身を乗り出す静
「ねぇ?なんかもっとこうクーラが欲しいって言うか、ガタガタしないって言うか
 いや、こういうのも『渋くていいなッ』とは思うけどやっぱり…きゃっ」
周りの車が動いていないにもかかわらず仗助は車を発進させた
念のため信号を見たがやはり『赤』だ
「どうしたのお義兄ちゃん、まだ信号赤なのに…」
見ると仗助はどうも『キレ』ているようだった
その視線の先に見えるのは…
「静~お前も見たよなぁ~あの単車っ!!この俺の目の前で信号無視なんかしていきやがったぜぇ~
 おまけに歩行者轢きかけてよぉ~絶対ぇにっ!!ゆるさねぇっ!!!」
この時の静には「『トラサルディー』…」とつぶやくのが精一杯だった

720:ジェスタ
03/09/02 01:49
「手前ぇッ!オラッ!そこの単車ァ!止まれって言ってんだろうがぁ!!」
運転席の窓から顔を出して叫ぶ仗助を見ながら静は最早無事家に帰れることを祈るしかなかった
(あぁ、全知全能の主、大いなる父よ、もうタダ飯たかろうとか、 友人と売り言葉に買い言葉でけんかしたりとか
 日本には教会がないから毎週毎週お祈りに行かなくてもいいやなんて思ったりしませんッ!!
 どうか、どうか無傷とは言わないから無事におうちに帰してください)
胸元のロザリオを握り締めると…無情にも車は大きくカーブする
(氏の予感…)
瞬間ッ!!
激しいGで前に投げ出されるかと思った
(止まった?)
と思うが早いかドアが開きそして閉まる音が聞こえた
静もそれに習い車外に出る
「噴上裕也~ッ?」
仗助の声がする方を見る
「じょっ仗助ッ!!赤ん坊見なかったか?赤ん坊?
 俺の子供なんだけどよ~ッ、生まれたとたんスタンド出してかっとんでちまったんだ」
どうやら信号無視の犯人は仗助お義兄ちゃんの知り合いだったらしい
赤ん坊?スタンド?何を言っているのだろうこの人は?
裕也が静に気づいた
「仗助、ちょ~ッと若過ぎやしねぇか?」
「『クレイジィ・ダイヤモンド』ッ!!」

ウオッ!!すまん鬱だ…
しかも『ラヴ』コメにはなりそうもないことに今更気付いて更に鬱…逝ってくる

721:マロン名無しさん
03/09/02 04:23
噴上ジュニアのスタンド能力は「他人の成長する『スピード』を追跡する」。
要するに、ターゲットと同じ年齢になる能力!
でも中身は乳児だからターゲットにセクハラを働く。
これでラブコメ化・完了。

722:ジェスタ
03/09/02 08:36
>>ドミノ工場

ジョジョの奇妙な冒険
 ~スタンド使いは惹かれあう(仮)~
 ~萌え尽きるほどヒート(次点)~

設定
 スタンドが出るとしても異次元に吸い込んだりとか物騒な能力ではない
 静が16歳だとして、1999+16=2015年

静 ジョースター
  スタンド名『アクトン・ベイビィ』
  静のイメージは某サイトの物と同じなのか?
  中学の卒業式から始まり、ぶどうヶ丘高校入学と共に7部スタート
  静は自分の本当の両親を探しに杜王町に帰ってきた
  男性のタイプは露伴おじさま
  『ピンクダークの少年』を愛読している(漫画コレクタのジョセフの影響でマンガ好き)
  バイト先はレストラン「トラサルディー」(トニオの料理喰えばお肌つるつるだから)
  赤ん坊の頃、水の中に落ちてなかなか助けてもらえなかった事がトラウマになりまったく泳げない
  日傘が必需品
  仗助お義兄ちゃん家に下宿
  球技が得意
  部活動はしていない

723:ジェスタ
03/09/02 08:40
登場人物(オリジナル)
 吉良 吉則 (静のクラスメイト、吉良吉影の甥、足フェチ)
        アイアン・メイデン
黒尾 鴉子 (静の先輩、頭がいい、他人の色恋ごとに首を突っ込みその仲を取り持つことを生きがいとする)
        キューピッド・アンド・サイケ
 汐華 聶歌 (転校生)
        デュエル・オブ・ジェスタ・アンド・タイラント
 首藤 繭美 (容姿、性格共に控え目で地味だが、実は爆乳)
        非スタンド使い
 辻  マヤ (辻彩の妹、姉の後を継いでエステシンデレラを建て直す、メイクの腕は姉譲り)
        スノー・ホワイト
 平良 清  (転校生、野球部員、早くもプロが目をつけている)
        ボール・パーク
 広瀬 由紀子(康一・由花子夫妻のの養子(?)、静の友達、静と仲がよい)
        トゥー・マッチ・ラブ・ウィル・キル・ユー
 噴上 Jr. (噴上裕也の子供、名前はまだない)
        ボーン・トゥ・ラン
 『老人』  (謎の老人、何かの組織の長らしい、世界制服征服実行中?)
        オール・エイジス
 『彼』   (『老人』の部下)
        コンプリケイテッド・ゲーム
 静パパ   (ぶどうヶ丘高校の理事長?)

724:ジェスタ
03/09/02 08:46
登場人物(オリジナル)
 大柳 賢  (ぶどうヶ丘高校の教師、サッカー部顧問、静がスタンド使いだということを知っている)
        ボーイ・Ⅱ・マン、ボーイ・Ⅱ・サン(仮)、ボーイ・Ⅱ・クラフト・ワーク(仮)
 音石 明  (インディーズではあるものの杜王町のライブハウスで人気沸騰中)
        レッド・ホット・チリ・ペッパ
 川尻 早人 (ぶどうヶ丘高校の教師、写真部顧問、女子生徒の憧れの的、静がスタンド使いだということは知らない)
        非スタンド使い
 岸辺 露伴 (漫画家)
        ヘブンズ・ドアー
 東方 仗助 (警察官?バイク屋?医者?)
        クレイジー・ダイヤモンド
 東方 朋子 (教頭?国語教師?)
        非スタンド使い
 広瀬 康一 (スピードワゴン財団杜王支部・超自然部門長官?出版社に就職、露伴の担当?)
        エコーズ
 広瀬 由花子(PTA会長)
        ラブ・デラックス
 噴上 裕也 (私立探偵、警官である仗助とは商売上時に対立し時に利用しあう微妙な間柄)
        ハイウェイ・スター

725:ジェスタ
03/09/02 08:52
登場スタンド
 アイアン・メイデン
    本体:吉良 吉則
    能力:スタンドパワーをストックしておく、ストックを開放することで時を自分の意思で数秒から数十分逆行させる
       時の逆行には何者も逆らえない(本体も『Ⅰ・M』すら)、ただし、本体の記憶だけは逆行しない
       破壊力:A、スピード:B、持続力:D、精密動作性:B、成長性A
 キューピッド・アンド・サイケ
    能力:無数の点を操る群体型のスタンド
       無数の『点』を集めて『線』を作ったり『線』を集めて『面』を作ったり『面』を集めて人型のスタンドにしたり出来る
 デュエル・オブ・ジェスタ・アンド・タイラント
    本体:汐華 聶歌
    能力:1:自分が損していることの80%程度を相手に得させる
       2:自分が自ら損することの60%程度を相手に得させる
       破壊力:C、スピード:A、持続力:B、精密動作性:A、成長性:C
 スノー・ホワイト
    本体:辻 マヤ
    能力:シンデレラとほぼ同じ能力,ただし、試練と引き換えに効果を永続させることができる
 ボール・パーク
    本体:平良 清
    能力:形を指定して物体を引き寄せる能力,引き寄せるパワーは、形の正確さに比例する
 トゥー・マッチ・ラブ・ウィル・キル・ユー
    本体:広瀬 由紀子
    能力:髪の毛を植え付けた相手の感情を知る
       破壊力:-、スピード:B、持続力:A、精密動作性:C、成長性:B 
 オール・エイジス
    本体:『老人』
    能力:目を閉じさせる,そしてその目を閉じてしまった人間が次に目を開けた時、最初に見た人間に強制的に 惚 れ て し ま う
 コンプリケイテッド・ゲーム
    本体:『彼』
    能力:必要に応じて職人の方が適当に使って下さい

726:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/02 17:26
>>725
 キューピッド・アンド・サイケ
    破壊力:C  スピード:B  射程距離:B
    持続力:A  精密動作性:D  成長性:A

スノー・ホワイト
    破壊力:-  スピード:B  射程距離:C
    持続力:A  精密動作性:A  成長性:C

ボール・パーク
    破壊力:A~E  スピード:B  射程距離:B
    持続力:C  精密動作性:C  成長性:B
 
オール・エイジス
    破壊力:A  スピード:B  射程距離:C
    持続力:B  精密動作性:E  成長性:A
 
 ボーン・トゥ・ラン
    本体:墳上純也(ジュニアのもじり)
能力:ただひたすら『速い』スタンド
    破壊力:E  スピード:A  射程距離:E
    持続力:A  精密動作性:E  成長性:A


能力値はこんな感じでどうですか?
墳上Jr.の名前も考えてみたけど

727:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/02 17:28
>>726
訂正
墳→噴
素で間違えた…

728:マロン名無しさん
03/09/02 20:00
静「…そうよ、…そう、ぶどうヶ丘総合病院の分娩室…からもう移動したかも知れないけど。
  そこに聶歌連れて行って、さっき言った通り、 噴上さんの奥さんに『平常心』譲渡させて。
  それからマニッシュ先生にも声かけて。奥さんが眠りさえすれば、後はおさえててもらえるから。
  それと由紀子、あんたのお父さんは?…大阪に出張中!?
  もう、肝心な時に!音石さんもツアーで大阪に行ってるって言うし、
  一体大阪に何があるって言うのよ!!…関係ないって?分かってるわよ!
  それじゃ、頼んだわよ」
静が携帯を切るのと同時に
仗助「おい静、お前の学校についたぞ。こんな所で何をするんだ」
静「いた!大柳先生ーっ、平良ーっ、こっちよ!」
二人が駆け寄って来る
平良「うわ、本当に凄い車だな」
静「早く乗って!兄さん、すぐ噴上さんを追いかけるの!」
仗助「ああ、だがなぜ回り道してまで、この二人を?」
大柳「それは、この車のままでは間に合わないからです。
   仗助さん、モンスターカーでのカーチェイス、自信ありますか?
   無ければ僕が運転代わりますが」
仗助「?」
静「先生、早く!」
大柳「分かった、いくぞ!『ボーイ・II・マン・ホイール・オブ・フォーチュン』ッ!!」


729:マロン名無しさん
03/09/02 20:02
静「『赤ん坊』は障害物を器用に避けながら、西に向かって時速250km程で飛行中!
  現在噴上さんが単車で追跡中だそうよ」
平良「お、あれがその噴上さんじゃないのか?
   という事は…あそこに飛んでるのが『赤ん坊』だな。よし、俺の出番だ!
   『ボール・パーク』!引き寄せて速度を落とせ!」
目に見えて速度が落ちる『赤ん坊』。と、噴上の体からスタンドが飛ぶ。
仗助「よしッ、『ハイウェイ・スター』がとらえた!もう大丈夫か」
平良「それにしても、『赤ん坊』のくせに凄いちから……が増した!?ウオォッ!」
静「ああっ、『ハイウェイ・スター』を振り切っちゃった!」
仗助「どういう事だ!ヤツが『赤ん坊』のスタンドパワーを吸収したはずじゃないのか!?」
大柳「…もしかしたら、あの『赤ん坊』の能力は『高速飛行』などではなく、
   『勝手に飛んで行く本体を、「減速」させる』じゃないだろうか?
   つまり、力を奪えば逆効果……」
静「そんな、それじゃあどうやって…」


もちろん考えてませんwラブコメにも、したくてもしようが無いしw


730:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/02 21:27
>>729
そこで「D・J・T」ですよ
Jrのスタンドパワーを上げるのです
その場合、聶歌のスタンドパワーも減ってしまうのだろうか?

731:ジェスタ
03/09/02 21:44
>726
乙ッ!!

>729
本体はどうやって『勝手に飛んでいる』んだ?秒速70メートル(!)で
んで、『ボーン・トゥ・ラン』は、『ハイウェイ・スター』みたいに人の養分を吸い取る
『ハイウェイ・スター』と違って(スタンドが)直接触れる必要はなく、
多くの人から少しずつ吸収する
或いは吸収するのは養分じゃなくて『速さ』とかね
もうアレやね、ラブじゃなくていっそ静の母性を書こう…書けるかな…書いて下さい

732:マロン名無しさん
03/09/02 22:19
次スレは、スレタイにラブコメ抜きってことで、どうよ?

>>731
静の母性心の底からキボンヌ

733:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/02 23:27
ぶどうヶ丘高校には、奇妙な人物が数多くいる。鴉子も、もちろんその中の一人だった。
彼女は今、踝まで隠れた長いスカートをはき、マスクをして、釘バットを手にしている。
その服装はまさに、昔懐かしいスケ番のそれであった。
(変装は完璧! 後は静が来るのを待つだけね)
鴉子はほくそえんだ。
今回の作戦は、題して『不良に絡まれた所を助けてくれた彼にメロメロ作戦』(長いなぁ)!
そのため、鴉子は持てる知識の限りを尽くし、不良ファッション? に身を包んでいるのであった。時代錯誤も甚だしい。

「ねぇ、静。あの黒尾先輩には気をつけなさいね……」
由紀子は気の毒そうに言った。
「あの先輩、あなたとか聶歌君のことをいろいろ調べてるらしいわよ」
「ただの噂でしょ!」
静は、一言のもとに否定した。
彼女にとって、鴉子は憧れの存在である。そんな話など、信じるわけもなかった。
「あなたが信じたくない気持ちはわかるわ。でもね、この前先輩の家に行ったでしょ?
その時に、私聞かれたのよ。静と聶歌君は付き合ってるのか、って」
由紀子は、頭の弱い子を優しく諭すように言った。その態度に、静もさすがにムッとした。
「だから何だっての!? もったいぶってないで、とっとと結論を言いなさいよ!」
「だからね、静。先輩はきっと―」

734:マロン名無しさん
03/09/02 23:33
バカバカしい。
静は荒々しく、教室のドアを閉めた。
言うに事欠いてあんなこと―信じる方がどうかしてるわ!
静は怒りながら、化学実験室に向かった。次の時間は、移動教室なのだ。
歩き出そうとした時、後ろから声を掛けられた。
「おう、お嬢ちゃん。ちょーいと待ちなァ!」
振り向くと、何やらコスプレをした女性が立っていた。
その顔には、見覚えがある。
「黒尾先輩? 何してるんです?」
「黒尾? 誰よ、それ? 私は、通りすがりの名も無きスケ番。
黒尾なんていう美人は知らないわ」
そう言って、そのスケ番はおもむろに静の胸倉を掴む。
表情を歪め(怖い顔のつもりらしい)、語気を荒げた。
「おうおう、姉ちゃん。金出しなァ! 出さないと、痛い目に合うぜェ!?」

(さぁて、これで後は汐華君が通りかかればオッケー!)
聶歌も次は移動教室で、この廊下を通る事は事前に調査済みだ。
そのあたりの準備に、抜かりは無かった。
(汐華君の一撃で、私は倒されて、静は彼といいムード!
 そのまま、愛の告白! そしてゴール・インッ!!
 いいわ……! 凄くイイ……!! これぞ『愛の天使』の醍醐味よね!)
彼女は、すっかり自分の妄想に陶酔しきっていた。

735:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/02 23:34
一方、そんな鴉子の様子を見て、静は顔を引きつらせていた。
由紀子の言った言葉が、脳裏をよぎる。
(まさか…まさか、そんな……!)
「……そうだったんですね」
静は呟いた。
「えっ? なんか言った?」
「先輩、私の胸を掴んでうっとりするなんて……信じてたのに……」
「????」
鴉子は、よく事情が飲み込めていない。
「先輩……私、先輩のこと好きだし、別に先輩の趣味を否定するわけじゃないけど……
私はやっぱり、男の子の方がイイんです! ごめんなさい!!」
静は鴉子の腕を振り払うと、ものすごい勢いで走り去っていってしまった。

数秒後、悲痛な叫びが校舎全体に響き渡った。
「ちょっとォォーーー! なんか勘違いしてないーーーー!?」

To Be Continued…

736:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/02 23:39
つかれた……

コメディはつかれる。っていうか、コメディになってないよ
バトルをもっと混ぜるべきか?

737:ドミノ工場です
03/09/02 23:45
吉良吉則関連のSSうp終了。
長編と短編の二つにカテゴリをわけてみたりなんたり。

しかし、こうして改めて見直すと物凄い大作だということに今更ながらに気付き、正直驚愕。
皆さん、ホンットーに乙カレーですたッ!

>>ジェスタ氏と611 ◆YMXGRjSTq6氏
激しく乙です。
なんかもうホントに色々していただいてすみません(;´Д`)
『登場人物の設定とかどーやって纏めよー』とダラダラ悩んでたところです。
是非使わせていただきます。

>736
勘違い静になんかワロタ

738:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/02 23:58
>>737
乙ー
SSの途中が組みなおされてるのに感動
グッジョブ!!

739:マロン名無しさん
03/09/03 06:07
>>736
だからバトルはいらないんだってば

740:マロン名無しさん
03/09/03 18:01
ラブコメにならないので(=重要な話じゃないので)あっさり決着させます。スイマセン


静「何やってるのよ!とにかく追いかけるのよ!!」
静だけは必死に叫んでいるが、皆の心はほとんど諦めが支配していた。
『赤ん坊』はますます速度を上げ、もはやモンスターカーでもとても追い付けない。
みるみる小さくなっていき、見えなくなるかと思われたその時!
丁度『赤ん坊』の横にあった電線が輝いたかと思うと、『赤ん坊』を飲み込んだ!
そして驚く静達のそばの電線から、その輝きが降りて来た。
レッド・ホット・チリ・ペッパー「フッフッフッ、救世主登~場~♪」

由紀子「私の『トゥー・マッチ・ラブ・ウィル・キル・ユー』は
    髪の毛を植え付けた相手の感情を知る能力だけど、いざって時には逆に
    特定の髪の毛を植え付けた相手に救助信号を送る事も出来るのよ。
    万が一の時のためにって、父さんと母さんに無理矢理植え付けさせられてたんだけど、
    まさか本当に使う時が来るとは思わなかったわ。しかも自分以外のために」
レッチリ「で、連絡を受けた康一くんが、同じ大阪にいた俺を捜し出したという訳さ。
     文字通り電光石火で動ける俺には、杜王町と大阪の距離なんて問題にもならんからね。
     おっと!そろそろライブの時間なんで失礼するよ。
     なんせ俺のスタンドがギターに宿ってないと、どうにも良い音が出せないもんでな」
バシュッ!病室のコンセントへ消えるレッチリ
マニッシュ「もう大丈夫ですよ。母子ともに健康です。
      お母さんの方はさっきからですが、今は坊やも一緒に、楽しい夢を見ていますよ」


741:マロン名無しさん
03/09/03 18:04
噴上「…以前関わった事件の中に、スタンド使いが相手だったものがあってな、
   俺が一人で解決した…いや、解決したと思っていたから別に誰にも言わなかったんだが
   実はその時、今の家内が攻撃を喰らってたんだ。
   『他の物体に触れていなければ、重力や慣性力の影響が遮断される』
   状態なんて、大した事無いと思ってたんだがな。服一枚着てれば防げるしな。
   それがよりによって、こんな事になろうとはな……」
回想
医師「おめでとうございます。元気な男の子ですよ。…おおっと!」
父親である噴上の目の前で、とりあげたばかりの『赤ん坊』を、手を滑べらせ落としそうになる。
もちろん本当に落とす事など絶対に無いという自信があるからこそ、この医師が時々やる
いたずらであった。実は噴上の方もこの医師の評判で知っていたので、別に焦らなかった。
だがこの時ばかりは違っていた。医師の手が空を切る。
医師「!?」
噴上「なんだとッ!?」
医師の手をすり抜け、噴上や看護師達の間をすり抜けて、分娩室の扉から抜け出る。
飛び去るわが子の姿に、噴上が見た物は
噴上「ス、スタンドッッ!!」


742:マロン名無しさん
03/09/03 18:05
噴上「一度『ハイウェイ・スター』で捕まえかけた時、感じたんだ。
   こいつは、わが子ながらとてつもなく強大なスタンドパワーを持っているってな。
   それこそ話に聞いていた『DIO』にも匹敵するんじゃないかと思えてしまうくらい
   …いや、親バカじゃねーぞ?
   こいつは…その力で、自分にかけられた攻撃から身を守る能力を
   胎内で必死ではぐくんできたんだろうな…」
大柳「なるほど。『地球の自転』から取り残されてるとしたら、このあたりの緯度なら
   時速約1300kmで西に飛ぶように見えるはず。つまり差し引き
   『時速1000km程度で無重力空間内を飛ぶ能力』だったわけか」

静「私ね…小さい時からおじいちゃんによく聞かされてたんだ。
  私が透明になるたびに、おじいちゃんや仗助兄さんがどれだけ苦労して助けてくれたかって。
  だからもし、またスタンド能力を暴走させた赤ちゃんがいたら、今度は
  私がその子を命がけで助けてあげようって、ずっと思ってたの。
  母性だなんて、そんな立派な物じゃないわ。
  でも…この子は凄いよ。私なんて、暴走してかえって逆に見つけられなくして
  結局本当の親とは離ればなれになっちゃったのに、
  この子はちゃんと、一生懸命お父さんに向かって飛んでたんだから……」


743:マロン名無しさん
03/09/03 18:05
露伴「とりあえず『親の許可が無いとスタンド能力を使えない』と書いておいたから
   目覚めてまたすぐぶっ飛ぶという事は無いだろう」
噴上「ありがとう!皆本当にありがとう!!恩に着るぜ。仗助も…あれ?仗助がいない?」
静「兄さんなら、追跡の時に巻ぞえで事故った人や物を、治しに行ったわ。
  それが終わったら、署に行って始末書書きですって。
  元々夜勤明けで、私を連れて『トラサルディー』で食事のはずだったのに、大変よね」
噴上「そうか、そいつは悪い事しちまったな。
   よし、奴や康一、音石への礼はまた改めてするとして、
   とりあえず皆への礼は『トラサルディー』で、俺のおごりで食べ放題ってのはどうだ?」
皆「おおーーーーっ、やったー!」
静「あ、噴上さんに兄さんから伝言があるのよ」
噴上「何て?」
静「『俺達のはスタンドで一時的に強化した車だから良いが、お前の単車は
   あのスピードは違法改造じゃないのか。後で署まで来い!』って」
噴上「うへぇっ、勘弁してくれよ」
ワッハッハッハッハ……


ラブコメどころか、大昔のチープなホームドラマみたいなオチにしてしまいました。スミマセン


744:マロン名無しさん
03/09/03 20:12
何か忘れてるような気が…ーと思ってたら
「To Be Continued…」つけるの忘れてました


745:ジェスタ
03/09/03 20:30
第717話 『走る為に生まれてきた』
>>717-720
>>728-729
>>740-743

大団円サンクス!
チープなホームドラマみたいなオチ?イヤ、betterだがbestだッ!!

746:マロン名無しさん
03/09/03 23:40
ブラボー!ブラボー!

747:マロン名無しさん
03/09/04 21:44
妙な夢を見た。

我々の妄想の産物に過ぎないはずのこのスレの内容が
最近はゲーセンでもあまり見かけなくなった『3部ゲー』のような
格闘ゲームになっていた。

画面上からいなくなったり、見えない何かを投げつけたりする静(攻略ライター泣かせ)。
技が発動すると、相手は「隙も大きい強攻撃」自分は「素早い弱攻撃」(あるいはその逆)
しか使えなくなる聶歌(地味で、ドクロートにしか使えない)。
ラウンドが始まってから途中までの攻撃や、場合によっては前ラウンドの結果まで
無かった事に出来る吉良吉則(プレーヤーにとっては喉から手が出る程欲しい技だが、
所詮ボスキャラ)。
相手に強制的に間合いを詰めさせたり、普通の飛び道具とは逆に相手の後ろの
画面外から物をぶつけたりする平良清(一応、バットで殴る)。
変幻自在、多彩でトリッキーな攻撃を仕掛ける黒尾先輩。
ジョジョマニアが泣いて喜ぶ色々なマイナースタンドを操る大柳賢。

……鬱。


748:マロン名無しさん
03/09/04 22:20
やりてぇ

749:ジェスタ
03/09/04 22:36
静・ジョースターの超必殺技
 『スタンド大暴走』
  超必ゲージがたまると勝手に発動
  ゲージがなくなるまで画面全体が真っ白になる

750:マロン名無しさん
03/09/04 23:09
大柳賢の超必殺技
『じゃんけん』
三回じゃんけんして(派手なエフェクト付)勝ったら相手はスタンドを出せなくなる

751:ジェスタ
03/09/04 23:28
>ドミノ工場
スマン、書いちまった

『ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊』
大柳賢が『開かずの地下室』に『ボーイ・Ⅱ・クラフト・ワーク』で『罠』を仕掛け終わって屋上へ向かっている途中数人の足音が聞こえた
足音を忍ばせて追いかけるとどうも職員室から出て上に向かっているようだ
彼等は鍵を使って美術準備室へ入っていく
「美術室?どんな噂があったけ?」
さてどうするべきか…
単に怪談を調べに来ただけならほうっておいてもよさそうではあるが、、やはり一抹の不安は残る


752:ジェスタ
03/09/04 23:34
「ねぇ、あんたは何か知ってる?『美術室の幽霊』について」
美術室を見回しながら静が聞く
「いや、全然知らねぇと云うよりそんな話は今回始めて知った」
清がデッサン用の裸婦像を撫で回しながら答える
「大体そんなことは先輩や先生に聞いたほうがいいんじゃないのか?」
吉則は興味がないのだろうか椅子に座ってミネラルウォータに口をつける
それを聞いて静かは腰に手を置き怒った様に言った
「ちょっと、やる気あるの?私達はね、美術室の幽霊を調べに来たのよ?
 何でもいいわ、幽霊と関係なくてもいいから何か噂とか聞いたことはないの?」
「平良君、さっき『そんな話は今回始めて知った』と、言ったな?
 『そんな』とはどういう意味だ?」
吉則がそう聞いたが、清は言い回しが気に入らないのか口を開かない
「どうなの?平良」
静に促されて口を開く清
「いや、俺が転校して来てすぐさぁ野球部で合宿があったんだよ
 それで怪談の話になってさ、『七不思議』も話題に出たんだよ」
(注:野球部合宿→夏、『ぶどうの杜』七不思議特集号→秋とでもしといてくれ)
「そこで聞いた話は…あ~『血塗れのトイレ』!!『屋上から飛び降りる少女』!!『体育館の亡霊』!!
 え~『音楽室で鳴るピアノ』!!それと…なんだったっけなぁ~
 オォッ!!『プールに引き込む手』ェ!!それに『血の出る水道』ッ!!これで全部だ」
指折り数えながら必死で思い出した清…に静かのツッコミが入る
「ちょっとぉ~何言ってるの?まだ六つしかないじゃないッ!」
それを吉則と清が同時に諭した
「だから『そんな話は今回始めて知った』なんだろ?」

753:マロン名無しさん
03/09/05 00:00
どうでもいいが吉良はラスボスじゃなかったか。

754:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 00:09
>>753
吉則?
決定では無いかな
俺は『老人』だと思ってるんだけど
吉則は幹部クラス

それはさておき
俺も、SS1本書きました
はっきりいって、長いです

今回はラブコメの「ラブ」がテーマ
って言ってもそんなたいしたことないけど

755:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 00:11
日曜日―
静と聶歌は、オープンしたばかりの「ぶどうヶ丘遊園地」に来ていた。
静は、傍から見ても上機嫌で、落ち着きなく園内を見回していた。
聶歌は、傍から見ても不機嫌で、落ち着きのない静を睨んでいた。
「ほら、もっと楽しみなさいよ。遊園地なのよ。楽しまなきゃ損じゃないの」
「君は、この遊園地に来たかったのかもしれないが……」
「うんうん、チケットをくれた黒尾先輩に感謝しなきゃね」
「……なんで僕まで来なくちゃいけないんだ?」
「それも先輩のおかげよ。是非汐華君と行ってねって。感謝しときなさいよ」
「誰がするか! 僕は遊園地が嫌いなんだ。
 こんな、何の役にも立たない所……無駄なんだよ、無駄無駄。」
「文句言ってないで、楽しむのよ! あれなんてどう?」
静はゴースト・ハウスを指差した。
最新の技術の粋を集めて造られたお化け屋敷は、その怖さに定評がある。
「いやだ」聶歌は即座にはねつけた。「あんなの子供だましだよ」
「じゃあ、あれ!」
静はウォーターシュートを指差した。
今日のような暑い日にはうってつけの、爽快なアトラクションだ。
「いやだ」聶歌は再びはねつけた。「水に濡れたくない」
「仕方ないわね。じゃあ……あれしかないわ」
静は『それ』を指差した。
全長2480m! 最高時速173km! 最大落差98m!
この遊園地の目玉の、日本最凶のジェットコースターだ。
「いやだ」聶歌は三度はねつけた。「いやったら、いやだ」

756:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 00:13
「もう、あんたは!」
静はとうとう怒り出した。
「いやだいやだって、小学生じゃあるまいし。本当は怖いだけなんじゃないの?」
その一言に、聶歌が明らかに取り乱す。
「そそ、そんなわけないだろう! 失礼だな!!」
額に汗を浮かべて狼狽する聶歌。
「やっぱりそうなんだ。ふーん……」
静の口元に、薄く笑いが浮かぶ。
「そんなに怖いのが嫌なんだったらッ! ―」
静は、少し離れた所で子供たちと戯れている着ぐるみ(この遊園地のマスコットキャラクター)をビシィッ! と指差した。
「―あの子と遊んでなさい!!」
聶歌が、それを見つめる。
不恰好な胴体、それと同じ大きさの頭には、不自然に大きな目が張りつけられている。
ブタか、カバか。よくわからない謎の生物、いや無生物。
「不細工だな。大体、どんなにそれらしく振舞っても、中には人が……」
「中の人などいない!」
静は、思わずそう叫んだ。聶歌がその迫力に押されて、黙り込む。
あらためて着ぐるみを見て、静は呟いた。
「かわいいじゃない」

757:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 00:16
近くの茂みの中で。
「今よ! 二人が言い争ってる!!」
鴉子は、側に座った平良に言った。
「二人の間に進展がなかったのは、『焦り』が無かったからよ。
 今回の作戦! 題して!! 
 『突然のライバルの出現に、嫉妬して思わず告白大作戦』!! の決行の時ね……」
「長いッスね」
「うるさいわよ。
 あなたという『恋のライバル』が現れて、静と仲良くする。
 すると、汐華君は嫉妬しまくり! 焦って告白、というわけよ……わかった?」
「って言うか、あの二人は別になにもないと思うんだけど。
 それに、ライバルって言うんなら、俺は前々からそのつもりで……」
「つべこべ言わないの! あなたのバッティングフォームを、
 生物学的・力学的見地から改善してあげたのはどこの誰?
 打率が一割アップしたのは誰のおかげ!?」
「うう…それを言われると弱い……」
「あなたは私の言うとおりに動けばいいの! OK!?
 じゃあ、行ってきなさい!!」
「はぁーい……」

758:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 00:17
「よお、静と汐華じゃん! 奇遇だな」
平良は、怪しまれないよう、さりげなく声を掛けた。
「あ、平良! 丁度よかった。いま一人?」
「ああ、そうだけど。それがどうかしたのか?」
それを聞いて、静が平良の手を取り微笑んだ。
「この遊園地、一緒に回りましょう!」
平良清、十六歳。まさかッ! まさか、こんなに積極的に誘われる時がくるとはッ!!
「おお、回ろう!! 回り尽くそうぜ!!」
平良は静の手を、わずかに握り返した。
白くて小さなその手は、強く握ると壊れてしまいそうだったから。
「じゃあね、聶歌。私は平良と一緒に行くわ。あんたはどうするの?」
「そこら辺りをぶらぶらしてるよ。ここは売店も多いしね」
「わかった……。
 平良! 今日は全部制覇するわよ!」
「合点承知!」
平良は去り際に、鴉子の潜む茂みをちらりと見た。
(これでいいんだろ?
 だがな、俺のこれからの行動は、あんたとは関係無い。
 俺は今から、俺自身の意思によって行動するぜ)

759:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 00:18
日も暮れて―
平良とのデート? は意外と楽しかった。
ゴーストハウスではちょっとビビッたけど、その後の平良のお喋りのおかげで幾分か和んだ。
ウォーターシュートの後は、水滴を『引き寄せて』、服を乾かしてくれた。
ジェットコースターに乗った時は、スタンドを使って、速度を(少しだけ)速くしたり……。
「今日は楽しかったわ。ありがとね」
「いや、静のためならなんでもするぜ……っと、センパイガヨンデルヨ……」
「ん? なんか言った?」
「え、ああ、用事があるんで、俺はそろそろ帰るよ
 じゃあな。今日は楽しかったぜ」
平良を見送ったあと、静はベンチに腰掛け、一息着いた。
(確かに楽しかったけど、ちょっと物足りないような気がするな……)
「静! 静・ジョースター!」
大声で呼ばれ、咄嗟に顔を上げた。
そこには、聶歌が立っていた。手に何か持っている。
「あれ? 聶歌、まだいたの?」
「まだいたの、とは随分だな。君を待っていたのに。ほら」
そう言って、手に持っていた包みを投げてよこす。
「これ、なに?」
「開けてみろ」
静は、かけられたリボンをほどき、包み紙を破った。
その中には―「ぬいぐるみ?」
それは、この遊園地のマスコットキャラクターのぬいぐるみだった。
「プレゼントだ」
聶歌が言った。
静は、そのぬいぐるみを握ってみた。ふかふかして気持ちいい。
「……意外。あんたが、こんな気の利いたことするなんて」
「偶然店で見つけたんだよ。かわいいって言ってたろ?」
「ふふ、うれしいわ。これ、ホントにかわいいわ。中に人は入ってないしね?」
「ふん!」
聶歌の顔は、夕焼けの中でも分かるほど、真っ赤だった。

760:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 00:21
鴉子は、すぐ側のカフェからその様子を眺めていた。
「先輩、そろそろ帰ろうぜ~」
平良が隣で喚いている。
(告白させるのは無理だったけど。…作戦は成功、かな?)
鴉子は微笑んだ。
「じゃあ、帰りましょう。もちろん、あなたのおごりね」
「げッ! マジで? 今月ピンチなんですけど……」
平良の訴えなど、当然ながら無視する。
席を立つとき、鴉子はもう一度、静のほうを見た。
赤く染まった風景の中、静が楽しそうに笑っている。

それは、平良と一緒にいたときとは違う、極上の笑顔だった。

761:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 00:23
長!!
ここまで長いとは思わなかったよ…
ごめんなさい…

でもさ、こんだけラブ?を書いたんだから、
バトル書いてもいいよな?な?
次で一応最終回の予定なんだけど…

762:ジェスタ
03/09/05 00:33
>761
次回最終回?
そ、そんな、『ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊』がまだまだ収拾付かないんだけど…
できたら今スレは一年生の話ってことにしない?で、次スレを二年とか…
うぅ~『美術室の幽霊』が無駄に長くなっちまうしラブ要素もまだ出てきてねぇし

と、まぁそれはそれとして乙ッ!!
素晴らしいラブだッ!

763:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 00:38
>>762
黒尾先輩編が、ってことです
紛らわしい書き方してすみません…

764:ジェスタ
03/09/05 00:41
>763
むちゃくちゃビビッたよ

(学校の怪談か…)
賢も自分が高校生だった時怪談を調べに深夜忍び込んだ
あの時は教師や警備員には見つからなかったがピアノを壊してしまいちょっとした騒ぎになった
だからこそ、怪談は受け継がれたのだろうし、学校の警備も厳重になったのだろう
(ヤレヤレ、やはり注意した方がいいな…
しかし…美術室(準備室)にまつわる怪談なんてあったか?)
そんなことを思いながらドアを開ける
「こんな夜中に何をしてるんだい?」
ドアを開けるとともに声を掛けた…と、少し驚いた
不思議な組み合わせだ
「学校の怪談でも調べに来たのかい?その…やっぱりジョースター君が」
彼等は意外にも素直に姿を現した
てっきり『アクトン・ベイビィ』で姿を消すかと思ったのだが
(当然『ボーイ・Ⅱ・クラフト・ワーク』で罠は仕掛けておいたがね)
(注:髪の毛か何かを『固定』しておけば相手の動きが数瞬止まる)
「はいですが…」
言いかけたのを無視して言葉を重ねる
「で、君達は付いてきた、と
 とりあえず警備員に見つかると面倒だ、宿直室に…」
そこまで言ったとき隣の部屋で物音がした

765:ジェスタ
03/09/05 00:52
「最悪だ…」
吉則が呟く
「ちょっとぉ~平良ッ、何やってるのよ」
静が声を抑えてなじる
清が裸婦像を倒し壊してしまったのだ
鈍い音がして裸婦像は腕が欠けてしまった
「ち…違うんだ、今隣の部屋で物音がしただろ?」
清は必死で弁明する
「大丈夫だ、俺が何とかする」
その言葉を聞いて清は薄笑いを浮かべ道を開ける
そんなものを見せられた静は思った
(やっぱり同世代の子はだめね、恋愛するなら絶対年上って云うか露伴おじさまね)
何か…違和感がする
(絶対年上?でも…)
コトッ
全員が一斉にそちらを見る
美術室と美術準備室をつなぐ扉がホンの少し開いている
全員を射程距離内に呼び、『アクトン・ベイビィ』で透明になる

力尽きた、ドミノ工場氏どうよ?

766:マロン名無しさん
03/09/05 21:28
さすが両氏とも面白いなあ

>美術室幽霊
3人と大柳との駆け引きと思いきや、あっさり合流
という事は、本格ホラー調?

>黒尾先輩
バトルで散っちゃうのか、惜しいな。結構いいキャラクターだと思ったけど
ここで提案・C&Pが『ストーンフリーみたいに』集合して一体となる時は
人型じゃなくて『馬型』になるというのはどうだろう
「私がプロデュースする恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて新弟子前!」


767:ジェスタ
03/09/05 22:29
「ちょっと待って、先生」
賢は言われて振り向く
「そのドアは開けない方がいいかもしれません」
こんな時によくそんなに冷静でいられるものだ、何故こいつが静と一緒にいるのだろうと思う
一旦部屋の奥に戻り小さい声で話す
「どうしてドアを開けない方がいいと思う?」
賢としては正直夜食も食べたいし、仮眠もしたい
できればさっさと音の正体を調べて静たちを帰らせたいのだ
「ご存知でしょうか?、今月号の『ぶどうの杜』に七不思議の特集が在ったんです」
「知っているよ」
なるべく『馬鹿馬鹿しい』と、云う空気を強調する
「その中に『「美術室の幽霊」について、皆さんからの情報提供をお待ちしております。』と、書いてありました
 おかしいですよね?記事にするならきっちり調べておくはずです…それで少し調べてみたのですが…」
「数年前まで『美術室の幽霊』なんて不思議はなかった…だろ?」
自分が年をとったからだろうか?賢は(何でこんな面倒くさいことをするんだ?)と思う
「それだけではありません、他の記事に比べれば何も書いてない、と言っていいほど書いていないんです
 つまりここ最近、いや数ヶ月かひょっとしたらここ数週間で出来た噂かもしれない
 例えば先生…学校に住み着いているスタンド使いの浮浪者がいる、とは考えられませんか?」
だが、賢は聞きながら別のことを考えていた
(何故こいつはこんなに必死なんだろう?まさか『静の為』とか言わないだろうな?
 最初は『何か悪い』目的で近付いてきたのかと思ったが…)
「幽霊の正体は…」

768:ジェスタ
03/09/05 22:32
「幽霊の正体はスタンドts…」
思わず大きな声を出しそうになったところを抑えられる静
「君は人の話を聞いていなかったのか?僕はそう考えられる、といったんだ、オッと…」
吉則は『静の保護者』に凄い形相で睨まれたので『アイアン・メイデン』で『2秒逆行』させた
(ry
「静、お前はどう思う?
 このままさっさと帰るか、スタンド使いにしろ幽霊にしろホンの少し調べて帰るか…
 因みに『さっさと帰る』がお勧めだ」
『お勧め』と云う様な表情ではないのに気付いているのかいないのか、静はなんともあっさり答える
「調べる」
清が寄ってきて耳打ちする
「おいおいいいのかよ静ァ~、アレは絶対怒ってるぜ…ここはひとつ素直にさぁ」
「え?私は素直だけど?」
そうだった、そう云えばこいつは16年間アメリカで暮らしてたんだ…
どうするか?ここで『保護者』の点数を稼いでおきたいが説明するのは結構難しそうだ
「行くぞ、静、調べるならさっさと調べて帰る」

769:ジェスタ
03/09/05 22:44
『ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊』
長すぎる…
>>674-678
>>686-688
>>698-700
>>751-752
>>764-768

770:ジェスタ
03/09/05 22:50
>766
サンクスッ!!いや、よくあるといえばよくある話なんだが…フフッ
>611 ◆YMXGRjSTq6
もし『老人』がラスボスならこうやね
「静・ジョースター、組織が君の干渉することはないだろう…それじゃぁお別れだ
 元元組織から君を守る為に学校に残り続けたんだからな…」
「そんなッ!!(ry

771:ドミノ工場です
03/09/05 22:55
アアアワアワヽ(´Д`;ヽ=ノ;´Д`)ノ
アクセス規制くらってる間にすげぇ話が進んでるッ?!

本当に申し訳ありません、ジェスタさん。
話を投げっぱなしにしちまってスミマセンスミマセンスミマセ(ry
とりあえず、SSうpしてみます。
展開的におかしくなりそうだったら内容をあぼーんしてください…。

壁|・ω・`)ノ□ ドゾー…

772:ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊
03/09/05 22:58
『来ないの。まだ来ないの。あの子が来ないの。』
扉の向こうからビリビリと空気が振動してくるのが解る。
「そうだな。理由は幾つか思いつくが…。」
『あたしの呼び掛けが足りなかったの?』
「いや。それはないだろう。」
『凄く頑張って呼びかけたのに。まだこないなんて。』

こつこつと小さく響く足音は一人分。だが、聞こえる声は二人分だ。
いや、声というより思念がそのまま心に響いてくる―という方が正しいだろうか。
それなのに、普通の人間が発する声よりも幾分空気が震えすぎのような気がする。

「(あの声って…まさかッ?!)」
「(ああ、そのまさかだな。)」
「(本当に居たのか…。)」
「(だが、残りのもう一人の方は誰だ?)」
ヒソヒソと小声で相談しあう静たちにまぎれながら、衝撃に打たれている男が一人居た。

(…なんで。なんで、こんなところに『彼』がいるんだッ…?!)

『彼』。素性は元より、名前も知らない。
ただ分かる事は『老人』の影のように、常に側にいることだけ。
その『彼』なる存在を知る一人、吉良吉則は美術室の幽霊よりも『彼』の方に神経を集中させた。

773:ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊
03/09/05 23:00
「もしかしたら、もう来てるのかもしれないよ?
 心配なら君の力で迎えに行ってあげればいいさ。」
その『彼』の安心させるような微笑に少し空気が柔らかくなった。
「さ、やってごらん。きっと彼女は来てくれているさ…。自分を信じるんだ。」
その言葉と同時に、ぴぃんと張り詰めたような空気が辺りを支配し始める。

『お願い、もっとそばにきて。あたしのそばに寄ってきて。』

哀願とも切願とも言えるような声は、美術室に響いてガラス戸を振るわせ始める。

『この人たちの役にたちたいの。あなたが必要なの。
 あの人はあなたを求めているの。とってもとっても必要なの。
 あたしは死んだけど、それでもあの人の役に立ちたいから…。』

その声が美術室にこだますると同時に全てのものがふわりと中空に浮き始める。

『おねがい、来て?』
「―――!!!」

空気が咆哮を放つと同時に、美術室の窓ガラスは音の衝撃で割れていく。

『お願い、パープル・ピープル・イーター…。
 誰の目にも見えないあたしの代わりに彼女をここまで連れてきて。』

「(わたしを探してるって…ひぃっ、ガラス片がかすったぁ!)」
「(だけどよぉ~…これでハッキリしたことがあるぜ!)」
「(まず、彼女が…美術室の幽霊とやらが本当にいたこと。)」
「(そして、その彼女はスタンド使いという事だ!)」

静かに大騒ぎする四人には気付かず、彼女はひとりごちるかのように小さく小さくつぶやいた。

『お願い、早く来てね…あたしの肉体(ボディ)…。』

774:ドミノ工場です
03/09/05 23:09
美術室に忍び寄るは二つの影!
不穏な言葉を口にするのは美術室の幽霊!
今まで何の動きも見せなかった『彼』のその真意は?!
次回、まさかまさかのバトル勃発?!

い~や、違うねッ! 今度こそラブでコメな展開な筈ッ!


…いや、マジでゴメン。
とりあえず、この話の続きあるので2・3時間たったらもっかいうpしまつ…。

775:ジェスタ
03/09/05 23:10
>770、五行目
×組織が君の干渉することはないだろう
○これでもう『組織』が君に干渉することはないだろう

読んでみたら他にも結構矛盾とか誤植とかが…鬱

>ドミノ工場
『ぶどうヶ丘怪奇譚 美術室の幽霊』どの位まで考えてある?
最後まで纏められそうだったら纏めて下さい
新スタンド(?)とか出てきたし

776:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 23:15
やっべぇ!
『彼』を先に出されちまったよ……どうしよ
>>673で露伴に書き込まれてしまった『老人』を復活させようとか考えてたんだけど…

ドミノ工場氏は『彼』の能力とか考えてます?

777:ジェスタ
03/09/05 23:22
因みに『オール・エイジス』では『アイアン・メイデン』に勝てないので
『彼』(コンプリケイテッド・が眼)が吉良をけん制してるって脳内設定(そういうのは早めに家よ…うぅ

778:ジェスタ
03/09/05 23:31
が眼…いつかやるとは思ったがやっちまった
が眼→game→ゲーム
なんか無駄にレス消費しちまってスマン

お詫びにネタを…
ぶどうヶ丘高校は2020年まで『体操服はブルマ』をつらぬき通し
インターネット上某大型掲示板にて『最後の楽園』として話題になっています

779:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 23:32
>>777
吉則は別に、『老人』に立てつく気はないんでは?
だから、牽制はしなくてもいいような気が…

俺の中ではこうなってます↓
『コンプリケイテッド・ゲーム』
纏うタイプのスタンド。(ホワイトアルバムみたいな)
非常に硬く、ほとんどの攻撃(例えばスタプラのラッシュなど)にもびくともしない。
装着することで、身体能力も上がる。

破壊力:A  スピード:C  射程距離:E
持続力:A  精密動作性:B  成長性:B


ドミノ工場氏! 応答願います!!

780:ジェスタ
03/09/05 23:39
>779
オォッ!凄エェッ!
私もほとんど同じ事考えてた
私の場合は『射程距離内のスタンド能力を無効化』だった
もしかして『xtc』聞いたことある?

781:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 23:42
>>780
残念ながら、ないです
洋楽ですか? 洋楽は聞かないので…


今、執筆中なのですがドミノ工場氏の意向を聞かないことには進められません
『コンプリ~』もこの能力じゃないと、ネタが成り立たないもんで
とりあえず、途中までを上げますので、返答を早めに下さい

782:ドミノ工場です
03/09/05 23:42
>>ジェスタ氏
とりあえずエンディング自体は考えてありますんで、そこまで逝って見ます。

>>611◆YMXGRjSTq6氏
今回の話では『彼』のスタンド能力出てこないので、全然考えてませんでした。


いまエディタの前でもそもそ文章打ってる最中なので反応遅いです(;´Д`)ハァハァ

783:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 23:43
『体調が悪い』
汐華聶歌の、最近の悩みはそれだった。
ああ! 頭が痛い、お腹が痛い……
だが、その程度で学校を休む聶歌ではない。
というわけで、彼は今日も不元気に登校するのであった。

教室に入るなり、由紀子が詰め寄ってきた。
凄い剣幕で、聶歌に詰めかける。
「ねぇ。静と会わなかった!?」
「いや、会わなかったけど……。なにかあったのか?」
「寝坊してないか、ケータイに電話したんだけど……電話に出なかったのよ
 嫌な予感がしたから、杖助…静のお義兄さんね…にかけたら、もうとっくに 家を出たって……。もしかしてなにか事件に巻き込まれたのかな? とか心 配になっちゃって……。心当たりない?」
心当たり……は、ある。だが、その心当たりは口には出さなかった。
もし、この予想が正しかったら、由紀子を巻き込む事になる。
それは避けなければならない。
「いや、ないよ。どうせ、寄り道でもしてるんだろう。気にする事はないさ」
「そうだといいけど……」
聶歌の言葉に、由紀子はとりあえず自分の席に戻っていった。

784:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 23:44
(本当に寄り道してるんだったらいいけどな……)
だが心当たりはあっても、聶歌にはどうする事も出来なかった。
何をすればいいのかさえ、わからない。
(くそ……ッ!)
聶歌は拳を握り締めた。
(あれ、なんだ…?)
その拳の中に、何かの感触があった。
手を開くと、紙が入っていた。いつのまにか。
背筋がゾクリとする。得体の知れない状況への恐怖感。
震える手で、しわくちゃの紙を読む。
『静・ジョースターは預かりました
 返して欲しいんだったら、一人で○○工場跡へ来て下さい
 待ってますよ』
(やはり、『彼』か……)
『彼』しかいない。
それは推測ではなく、限りなく確信に近い。
紙を、握り締める。
聶歌は、由紀子に気付かれないよう、ひっそりと教室を出た。

785:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 23:45
(さて、行くか……。○○工場ってどこだったかな?)
「汐華君、それは罠よ」
後ろから声をかけられて、びくっとする。
振り向くと、最近よく出会う女性の顔があった。
「黒尾先輩…あなた、いつも背後にいますね……と、今なんて言いました?」
「それは間違いなく罠よ、って言ったのよ
 ついでに言っとくけど、私もスタンド使いなの。
 さらに言うと、『老人』の元部下っていうか、協力者よ。あなたと同じね」
「……そういう事は、早く言ってください
 それで? 罠だから行くなって言うんですか? そんなの……」
「あ~、待って待って。行くな、なんて言わないわ。
 むしろ、行ってほしいの! 是非とも!!」
「……え? ど、どうしてですか……」
「だって、さらわれた姫を助けるのは王子様のッ……コホン。
 まぁとにかく、行きなさい! 命令よ!!」
鴉子が頬を染め、そう言う。どことなく目が虚ろだ。
何を考えてるんだろうか?
「命令されなくても、行きますよ!」
「よし! それでこそ白馬の王子様!! 
 あ、ちなみにこれ、○○工場跡までの地図」
そう言って、鴉子が聶歌に紙片を握らせる。
「それじゃ、がんばってね~」
廃工場に向かう聶歌。そこには、何が……?

786:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 23:47
これで前編
あと、中編と後編がある予定です

>>782
返答ありがとうございます
とりあえず、コンプリはこの能力ということで、進めます

執筆頑張ってください
期待しております

787:ジェスタ
03/09/05 23:49
>781
『complicated game』 by xtc
前略
someone else wil come along and move it.
and it's always been the same.
it's just a complicated game.

まぁ、『c・g』は使うつもりはなかったんで最初に使う人に一任します
ドミノ工場氏は使わんみたいだから>779でいいんじゃない?

>>782
frame frame

788:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/05 23:50
焦ってたせいか、誤字脱字おかしな表現てんこもりですな
推敲はちゃんとしなきゃなー

789:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/06 00:06
>>787
英和辞書とにらめっこしてました

「『困難なゲーム』
誰か他の人がやってきて、それを動かすだろう
それはいつも同じ
まさに困難なゲームだ」

これでいいんだろうか
まったく自信ないですが

歌詞に即した能力もよかったですね

790:ジェスタ
03/09/06 00:24
>789
ショウジキスマンカッタ
私の訳だとこんなん

誰かがやってきて(元の位置に)動かしてしまう
(結局)いつも同じところにしかない
(それでも)複雑なだけで単なるゲームさ

791:マロン名無しさん
03/09/06 02:35
このスレ、ほとんど3人で回ってるのか

792:マロン名無しさん
03/09/06 16:20
>>791
そうです

793:マロン名無しさん
03/09/06 21:15
ageようか?
だれもageてないから気が引けるんだが

794:マロン名無しさん
03/09/06 21:23
必要ないでしょ

795:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/06 23:28
○○工場跡。街の外れ、誰も近寄らない所に、それはあった。
「遅いよ。もう来ないのかと思った」
『彼』は薄暗いその中で、一人立っていた。
いや、『彼』の後ろに、もう一人いるのに気付く。
「静……」
地面に転がっている静に、呼び掛けてみる。
だが、ピクリとも動かない。
(まさか……?)
「安心して。気絶してるだけだよ
 それよりも……いい知らせがあるんだ」
言いながら、『彼』は、聶歌の方にゆっくりと歩み寄ってくる。
「『老人』がね、復活したんだ」
「!!!!」
岸部露伴に『スタンドを悪事に使えない』よう書き込まれた『老人』。
復活した? どうやって?
そんな聶歌の思考を読み取ったかのように、『彼』は説明を始めた。
「静・ジョースターを盾に脅したら、すぐに書き込みを消してくれたよ。
 物分かりのいい人で、助かった。再起不能になってもらったけれどね。
 今頃は……女の尻でも追っかけてるんじゃないかな?
 ハァーハッハッハッハッ!!」
『彼』の笑い声が、工場内にこだまする。
聶歌は、『彼』をじっと見つめている。恐ろしさに、身を震わせて。
歩み続ける『彼』の、そのシルエットが、いびつな形の『鎧』に包まれていく。
一歩ごとに、ゆっくりと、だが、その圧倒的な存在感を放出しながら。

796:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/06 23:29
『コンプリケイテッド・ゲーム』
硬い、非常に硬い、究極の『鎧』を纏う。
その恐るべき力。
聶歌もよく知る、『彼』のスタンド。
勝てるか?
(……勝てない)
『D・J・T』程度のパワーでは、その鎧を打ち破る事は出来ない。
それだけ、圧倒的なパワーを誇るスタンド。
だが……聶歌の目的は『彼』を倒す事ではない。
隙を見て、静だけでも助ける事が出来れば……
「裏切り者は始末しなきゃならない」
スタンドは、完全に発現した。
「さて。悪いけど、君も再起不能になってもらうよ」
その言葉と同時、『彼』が地面を蹴った。
爆発的な加速力。間合いは一気に詰まる。
(落ち着け!)
聶歌は自分に言い聞かせる。
(恐怖で速く見えているだけだ。実際はそんなに速くない。
 かわして……一撃! それで、一瞬でも動きが止まれば……!)
『彼』が聶歌に肉迫する。繰り出される拳。
それを紙一重でかわし……目の前を通り過ぎる『彼』のわき腹に、一撃を加える!
作戦通り、だが……
「ぐうッ!!」
ダメージを受けたのは、聶歌の拳。
裂けた指の皮から、血が溢れ出す。骨は微塵に粉砕している。
(思った以上の、硬さ……!)
凄まじい痛みに、聶歌の動きが止まる。
『彼』が向き直った。

797:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/06 23:31
「お返しだよ」

ドグシャァッッ!!
聶歌のわき腹に、ダイヤモンドよりも硬い拳が突き刺さる。
一瞬の静止―聶歌はその場に、崩れ落ちた。


「味な真似をするね……」
『彼』が呟いた。
その視線の先、「C・G」の拳には、無数の『点』がびっしりとこびりついている。
攻撃の瞬間、『面』でその衝撃を和らげたのだ。
さすがに、防ぎ切ることはできなかったが。
「カラス……出て来てくれないかな?
 話したいこともあるしね」
その呼び声に応え、廃工場の陰から、するりと現れる。
漆黒の、『愛の天使』が。

798:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/06 23:32
これで中編
後編は鴉子バトル&エピローグです
明日、うpします

799:マロン名無しさん
03/09/07 13:57
ワクワク

800:ジェスタ
03/09/07 14:14
遠足で外国行く高校なんてあるかなぁ?
あったら一本書いてみたい

ところで『デュエル・オブ・ジェスタ・アンド・タイラント』の邦題は『道化師と暴君の決闘』
これって平良と吉良or『老人』が静をめぐって決闘してるみたいだ

801:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/07 21:56
現れた鴉子は、まず聶歌に歩み寄り、彼の側にしゃがみ込んだ。
「情けないわね。あんなヤツに負けるなんて」
あんなヤツ、だって? その言葉に、『彼』は少しムカッときた。
「いきなり……それですか」
脇腹を押さえながら聶歌が、苦しそうにうめいた。
「『彼』は強すぎる。勝てませんよ……僕も、あなたも……誰もね」
「あら、あなたでも勝てるのよ、あんなヤツ」
「お喋りはそのあたりまでにして下さい……カラス」
穏やかなその呼びかけとは裏腹に、『彼』は内心、かなりイラついていた。
彼女は、『彼』の力を知っているはずだ。
鴉子……あんなヤツに負けるなんて、それこそ有り得ない。
余裕ぶりやがって……
「大した自信ですけど、本当に俺に勝てるとでも思っているのですか?」
『彼』は笑った。おまえが、勝てるわけない。
「勝てるわ」
鴉子が断言する。
「あんたみたいな、クソヤローには負けないわよ」
「どうやって勝つつもりかな? 君の攻撃は、私には効かない。そのくらいは、わかるだろう?」
「じゃあ、黒尾先生が丁寧に説明してあげましょう。御静聴願います」
そう言って、鴉子が黙り込む。何かやっているようだ。
その姿を凝視すると、彼女の前に『点』(少し固めてあったが)が浮かんでいるのが見えた。
「まず、私のスタンドは『点』を操ります。『点』は何次元ですか? そう、0次元ですね」
突然、教師口調で話し出す鴉子。
……コケにしてるのか? この俺を?
「何をわけのわからないこと言ってるんですか? いいかげん、そろそろ潰しますよ!」

802:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/07 21:58
「はい、黙ってね」
 ベゴォッ!!
鴉子のセリフと同時に、奇妙な音が聞こえた。『彼』のすぐ側から。
『彼』は最初、何が起こったのか理解できなかった。
激痛が襲ってきて初めて、ようやく理解する。
『彼』の右腕が、不自然な方向に曲がっていた。
「ば、馬鹿な……!!」
最硬の『C・G』が曲げられるなんて?
「あり得ないッ! あり得ない~~ッ!!」
『彼』の絶叫が響く中、鴉子が淡々と『授業』の続きを開始する。
彼女は次に、『点』を伸ばして『線』を作り出した。
「これが一次元。まぁ、物理学の基本中の基本よね」
さらに、それが引き伸ばされる。
「これが二次元です。いわゆる『面』ですね」
『彼』は、恐怖した。鴉子は、何をした? 何をしたんだ?
「カラスッ! 貴様、何をしたッ!!」
「黙れって言ってんだろ」
 ボゴォッッ!!
「グアァァァァァッッッッッ!!」
冷徹な一言と共に、『彼』の左腕もあっけなく捻じ曲がる。

803:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/07 22:00
何事もなかったかのように、『面』を重ねて『馬』のビジョンを作り出す彼女。
「さて……これが、三次元です。私たちのすむ世界ですね。
 順を追えば、次は……もうわかるよね?」
それがさらに引き伸ばされる。あり得ない方向に。
「これが『四次元』!! 見えないでしょう? いま、『C&P』は四次元空間にいるから。
 四次元から見た三次元は、つまり! 三次元から見た二次元と一緒。
 お前の自慢の『C・G』も、四次元ではペラッペラというわけね」
どんなに硬くても、薄さのないものを破壊するのは簡単。
四次元方向からの攻撃ならば、どんなものでも破壊可能。
「これが、『C&P・パーフェクト・ウェイ』! 『Q&P』の真の能力!!
 自分は四次元を見れるわけじゃないから、命中精度が低いのが難点なんだけどね……」
(予想外……カラスがここまで強かったとは……! ここは、一旦退くべき、か……)
なんとか落ち着きを取り戻し、彼は考える。
退却するしかない。ここで、再起不能にされるわけにはいかない……。
「カラス、この勝負、一旦預ける。次は、必ず……」
そう言い残し、彼は工場のひびの入った窓から、外へ飛び出していった。

804:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/07 22:01
「大丈夫? 汐華君」
「大丈夫です。しかし……先輩、強かったんですね」
「ああ、あれ? あんまり使いたくないのよね
 精神力の消耗が激しすぎるから……
 そんなことよりさ。私、静が目覚める前にいなくなるから」
「ハァ…」
「その前に、忠告があるの。
 汐華君。二人きりになったら、自分の正直な気持ちを、静にぶつけてやりなさい!
 私のことは言わなくていいわ。手柄は全部、あなたのもの。
 今のあなたは、とらわれた姫を助けた、白馬の王子様よ! 自信持って!!じゃあね!!」
風のように現れた鴉子は、こうして、風のように去っていった。

「ん、ん……。ん?」
背中の静が、目を覚ましたようだ。
途中から、気絶ではなく睡眠をしていたようだが……。
「ここ、どこ……?」
「君の家の近所だ。どんな目にあったか、覚えてないのか?」
「え? えーと、誰かに…さらわれたのよ! そう!!
 でも、それからの記憶が、全然ない……?」
「明日、学校でゆっくり話してやるよ。それより―」
聶歌は、鴉子の言葉を思い出す。
今こそ、言うべきだろう。
「君に言っておきたいことがあるんだ、静」
「何?」
静は少し、寝ぼけている。こんな状態で言っていいのだろうか?
まあ、いい。
静を背中から下ろし、彼女の目を見つめる。
「静。俺は―」
夕日をバックに、見つめ合う二人。永遠とも思える時間。

805:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/07 22:02
「俺は―おなかが減った!」
「は? いきなりどうしたの?」
静かの目が点になる。
「正直に言う。君のお守りは、もうたくさんなんだ
 くだらないことに巻き込まれるし、今日だって……
 だから、僕はもっと、君にわがままを言う資格があるんだよ!
 今まで我慢してきたけどさッ!!
 とりあえずは、おなかが減った。だから、夕飯をおごれ!!」
「なんか…とても理不尽な気が……。でも、迷惑かけてるのは確かだしなぁ……」

数分後、長く伸びる影はきびすを返し、トラサルディーへと行ってしまった……。

「忠告、ありがとうございました。
 おかげさまで、最近体の調子が悪かったのが、嘘みたいに良くなりました。
 きっと、知らず知らずの内に、ストレスを溜め込んでたんでしょうね。
 とりあえず、上手くいきました。先輩のおかげです!」
大声でそれだけ言うと、その後輩はすぐに、自分の教室へ戻っていった。
(そう、上手くいったのね……良かった!)
鴉子は嬉しくなった。やる気が、全身にみなぎってくる。
(さて、次は……山田君と鈴木さんね! あの二人も、奥手だから……)

今日も、鴉子は元気に勘違いをしている。

To Be Continued…

806:マロン名無しさん
03/09/07 22:06
全体的にちょっと焦り気味
説明口調すぎだよなぁ
それでいて、この長さか…鬱


>数分後、長く伸びる影はきびすを返し、トラサルディーへと行ってしまった……。

>「忠告、ありがとうございました。
最後のここは、場面転換です。わかりにくくてすみません


えー、とりあえず、黒尾先輩編はこれでおしまいです
ご愛読?ありがとうございました
あー、疲れた

807:611 ◆YMXGRjSTq6
03/09/07 22:07
↑は私です。名前入れ忘れました

本当に、焦りすぎだよなぁ…

808:ジェスタ
03/09/07 22:25
イイッ!!
てっきりほんの少し発展するかと思ったらそんなオチを持ってくるなんて


黒尾先生にSSの書き方を教わりてぇ

809:マロン名無しさん
03/09/07 23:42
あげる、よ?
いいね?

810:マロン名無しさん
03/09/08 03:28
新キャラの能力思いついたんだけど、書いていい?

811:ジェスタ
03/09/08 05:38
「いい?」…そんな言葉は使う必要がねーんだ。
なぜなら、オレや、オレたちの仲間は、
その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際にヤっちまって、もうすでに終わってるからだッ!
だから使った事がねェーッ。

>>809,>>810、オマエラもそうなるよなァ~~~、オレたちの仲間なら…
わかるか?オレの言ってる事…え?

『よかった?』なら、使ってもいいッ!

812:809でも810でもない
03/09/08 19:42
ではお言葉に甘えて、こんな話を『既に書き終わった』!

静、由紀子、聶歌の3人は、由紀子の部屋で勉強会をしていた。と、ドアがノックされて、
「失礼します。お茶をお持ちしました」
小学校高学年くらいの女の子が入ってくる。だが……
バァーーン!!
聶歌の前に置かれたのは、おしゃれなカップに入った香り高いレモンティー
チョコン
静と由紀子の前に置かれたのは、貧弱な湯飲みに入った番茶
お茶菓子にも露骨な男女格差があった。
由紀子「ちょっと由美子!!」
由美子「申し遅れました。私は広瀬由紀子の妹の広瀬由美子と申します。
    いつもふつつかな姉がお世話になっております。それでは、どうぞごゆっくり」
姉や静の方はちらりとも見ようとせず、最後まで聶歌に笑顔を向けたまま部屋を去った。
由紀子「しょうがないわね、あの面喰いめ」
毒づく由紀子に、目を輝かせながら静が話しかける。
静  「ねえねえ、もしかして!由紀子、ちょっとだけ妹さんの感情読んでみてよ!」
由紀子「読むまでもないわよ。見ての通りよ、全く呆れちゃうわ…」
聶歌 「これ…僕がこんなにいただいてしまって良いのかな?」
静  「いーのよいーのよ、ちゃんと食べてあげなきゃ可哀想よ。
    多分こっちの事気にしてるんだから……ほら、ビンゴ!!」


813:マロン名無しさん
03/09/08 19:42
いきなり静がドアの一部を透明にする。狭い範囲だったが、丁度その向こうには由美子の顔が!
ドアに耳を押し当てて、こちらの様子を聞いていたらしい。
互いに見える事に気がつくと、恥ずかしがってるような怒ってるような顔で
真っ赤になって静をにらみつけ、逃げていった。
由紀子「コラッ!」
静  「やーん、カワイイ~~!!よく黒尾先輩が
    『恋に燃える娘の顔を見てると、こっちまで幸せになってくる』
    って言ってるの、凄く良く分かる気がするわ!」
聶歌 「…今、いきなり見えるようになった事には驚いていたようだが、
    『木製のドアが透明になった』という異常事態には、さして驚いてないようだったな。
    やはりスタンド使いなのか?」
由紀子「そうよ、そのはずよ。スタンドは見えてるみたいだから。
    実際にスタンドを使ってる所は、本人も含めて誰も見た事無いけどね」


814:マロン名無しさん
03/09/08 19:43
厳密に言えばたった一度だけ、由美子がスタンドを出しているのを
彼女達の父親は見た事があるという。その時本人は眠っていたらしい。
康一 「怖い夢でも見たのかい?」
由美子「おぼえてない」
由紀子「どんなスタンドだったの?」
康一 「ひとかかえ程の大きさの、『卵』型だったな。
    僕の『エコーズ』も、最初は丁度あんな感じだった。
    だから何らかの『脅威』に出会えば、成長していくんだろうけど…」
由紀子「『脅威』…?」
康一 「そう、あの頃は怖い人が一杯いた。億泰くんの今は亡きお兄さんだとか、
    今でこそ気さくな『小林のおじさん』だって、
    出会った頃はヤクザかチンピラかという感じだったし。
    それにあの時は『吉良吉影』というとんでもなくヤバい奴もいた」
(ここまで思い出した時、「あれ、そういえば『吉良吉則』に名前似てるな」と思った)
康一 「でも、一番の『脅威』は母さんだったけどな」
由花子「やだもう、あなたったら」
娘達の眼から見ても無茶苦茶おっかない母親が、この時に限り妙に可愛かったのがおかしかった。
てゆーか、そのセリフってノロケてる事になるの…?
康一 「まあ親としては、正直、可愛い娘には『脅威』になど会わせたくはないけどね。
    だからずっと『卵』のままでも良いんじゃないかな。
    『エコーズ』に似てて、でも何もしないんだから…
    そうだな、『サウンド・オブ・サイレンス』とでも名付けようか」

静  「やっぱり『スタンド使いは惹かれあう』のねー♪」
間抜けなセリフで、回想から現実に引き戻された。


815:マロン名無しさん
03/09/08 19:43
二人が帰った後
由紀子「ちょっとやめてよ由美子!恥ずかしいじゃない!
    それに母さんにいつも、男は顔でも金でも頭でもなく『将来性』、
    じっくりと『将来性』が高い男を見極めなさいって言われてるじゃないの!
    ちゃんと母さんから産まれたあんたがそれを守れなくて、どうするの!」
ちなみにこの姉妹は、姉だけが血が繋がっていないという事実を知っている。
というよりむしろ、ごく普通にどの家にでもある『家庭の事情』の一つくらいにしか考えてない。
それどころか、これはあくまで由紀子の主観なのだが、不思議な事に
血が繋がっている妹よりも、そうでない自分の方が親から大切にされているような気がしている。
由美子「まあ失礼な!それじゃまるで汐華さんに『将来性』無いみたいじゃない!
    それともまさか、お姉ちゃんも汐華さん好きなの?」
由紀子「バカ言ってんじゃないの!そんなんじゃないわよ!」
由美子「あらそう、それなら排除すべきは、あの頭の悪そうなお友達だけね」
由紀子「いい加減になさい!!」

……ったく、困ったもんよね。
まあ、由美子が汐華君にちょっかい出すくらいはまあ良いとして、もっと問題なのは
肝心の静が、それに興味しんしんになってしまっている事ね。
これじゃあもう二度と、うちで勉強会は出来ないわね。
…そういえば静の知り合いに、凄く頭が良くて優しい先輩がいるって言ってたわね。
あつかましいようだけど、その方にお願いしてみようかしら。

もちろんこの時の由紀子には、その『先輩』がいかにとんでもない人物であるか、
そのせいで静と聶歌がどんな目にあうかなど、知るよしもなかった。

to be continued 666→



いかがでしょうか
もし可能なら、ジェスタ氏が構築中>>541 の「静お姉様」に繋げられたらな~と思ってますw


816:ジェスタ
03/09/08 21:03
>>812
>もし可能なら、ジェスタ氏が構築中>>541 の「静お姉様」に繋げられたらな~と思ってますw

覚えてたか…次スレ(静二年生)でやってみるかなぁ?
で、由美子(ロリ属性?)は結局何歳なんだ?



817:ジェスタ
03/09/08 21:18
よしッ!!大筋は思いついた
明日か明後日書こうッ!!

818:美術室の幽霊(1/7)
03/09/09 00:24
「…いや、いるね。すぐ近くまで。」
『ホントに?』
「ああ。出てきてはどうかな…そこの見えないお嬢さん?」
ばれている。
「君に危害を…ああ、違うね。君たちとこの学校に危害は加えるつもりはない。安心したまい。」
「うっさんくせー人間がいきなり現れて、人間、はいそうですかって納得できると思ってんのか?」
「第一、既に学校には危害…というか被害が出ているんだ。隣の美術室の惨劇を見てみろ。」
「…ふむ。それは確かに。では単刀直入に言うが…、静・ジョースター君。」
「な、何よっ!」
「今すぐ、彼女のために身体を貸してあげてほしい。」

間。10数秒の空白。

「ふッ…ふざんけんじゃねぇぇえ!!」
「ていうか、俺たちの話は無視かよ!」
「(相変わらず言葉のキャッチボールをしない人だな、この人も。)」
吉良はふぅと小さくため息をついて既知の間柄である男を見た。
今はお互いに分かっていて無視しているから気が楽ではあるけれども、この男のこういうところは苦手だ。
「ああ、大丈夫大丈夫。
 明日…いや、今朝までには君に所有権が戻ってくるから安心したまえ。」
「安心しろとか、大丈夫とか! そういう問題じゃないのよ! もっと常識で物事考えてよ!!」
現在の自分の行動と矛盾した言葉を吐きながら静は怒る。完全に自分の事は棚上げで。
「まいったな。本当に危害を加えるつもりはないんだ。
 こっちの事情を話したら少しは協力してくれる気になるかい?」
「しない!」
「うん、そうかい。ありがとう。それじゃまず何処から話そうかな…。」
「だから聞いてよ人の話ィ!!」
「今から4年前の話だ。」
「……どうする、先生? こいつ語り始めたぞ。」
「適当に聞き流せ。この男が話してる隙に警備員呼ぶから、お前らは隠れてろ。」

819:美術室の幽霊(2/7)
03/09/09 00:25
彼女の名前は元宮絵美。ここの美術部員で、こよなく芸術を愛する少女だった。
テストでよい点数を取るとか、素敵な人と恋をすることも大切な事だとは解っていたが、
それ以上にそういった生活の中にある喜びを絵で表現したいという欲求のほうが遥かに強かった。
『拙い技術の中にあるポジティブな感情、センシティブな表現』
『生きる事の喜びに満ち溢れた絵』『ミューズの体現』
多くの評論家が分かる様な分からない様なたとえで、彼女の絵を評価した。
悪く言われているわけではないので、放って置いた。
しかし、少しだけ騒ぎが起こった。彼女が失踪した。

「で?」
結局話を最後まで聞いている静。
無論、今しがた発した『で?』と言うのはその話を聞かせた理由の催促だ。
「うん。それで彼女に身体を貸してあげて欲しいという話に帰着するわけなんだが。」
「いや、だから肝心の話が見えてこないんだけど…?」
「彼女は…表向きこそ失踪扱いだが、その裏は違う。何者かに襲われて死んだらしい。」
「それはご愁傷さま…って違ぇ!
 だからあんでそこで静を狙うってことになんだよ! アンタ意図的に話し逸らしてるだろ!」
苛だち叫ぶ清をいなす様に、更に『彼』は言葉を連ねる。
「まぁ落ち着きたまえ。焦るナントカは儲けが少ないというだろう。聞けば分かるはずさ。
 さて…ここに絵を描く事に一生を費やしかねないほどの情熱を持った少女がいる。
 だが、何の偶然か彼女は殺された。彼女は自分が死んだという事実は理解している。
 しかしソレと同時に理解したくない事も理解しなくてはならない。
 即ち…自分がもう二度と絵筆を持つことはできないって真実をね。」
すうっと息を吸い込み、『彼』は眼を瞑って何かを回想するようにさらに言葉をつなげた。
「ここで普通ならば自縛霊としてこの世にとどまることになる…はずだった。
 しかし、幸か不幸か…彼女はある能力を手に入れた。
 気付いているかもしれないが、スタンド能力と呼ばれるものだ。
 名前は『パープル・ピープル・イーター』。これは私が名付けたんだが、中々変わった能力でね。
 本体が幽霊であるという特性から来るかもしれないんだが…。」

「一種の狐付きと酷似した状態になるんだ。」

820:美術室の幽霊(3/7)
03/09/09 00:28
『生物の意識・記憶・身体…それらを乗っ取る能力。それがあたしのスタンド。』
見えない存在―元宮絵美は、そこで初めて彼らに語りかけた。
『でも、誰に対してでも使えるワケじゃないの。
 幽霊という概念が理解でき、なおかつあたしの存在を否定したりしない人でないとダメなの。
 そういう人はここまで来れない。あたしは自縛霊だから好き勝手には動けない。』
「じゃ何よ。わたしがここにいるのって、わたしの自由意志で来てるワケじゃないってコト?」
静のいらだった声に、静かに返す幽霊の声はとても思いつめている。
『そう、あたしがあなたを呼んだの。ううん…あなただけじゃなくて、多くの生徒に呼びかけたの。
 あたしの望みは唯一つ。あたしを殺した男を見つけること。
 その為に、人に乗り移ってあの男の肖像画を描こうと思っていたの。
 そして頼むつもりだったの。この男を探し出してくれってね。
 だけど誰も気付かない。気付いてくれても、有り得ないと心があたしを拒否してる。』
もしも、今。彼女の姿が見えていたら、胸に手を当てているしぐさが見えたに違いない。
『何とか新聞部の人にメッセージを送るコトが出来たけど…それでも結果はこの通り。
 それにあたしの力じゃ20分だけしか身体を乗っ取れないの。だから絵はまだ完成してない。
 でも、あたしにはわかる。あなたで最後なの。あなたで絵が完成するの。』
「一つだけ質問していい? もしその男を見つけたら…アンタはどうするつもりなの?」
『わからない…。殺すかもしれないし、殺さないかもしれない。
 でも…この心に残る無念を晴らさない事には、あたしはこの世を立ち去れない。』
空気が僅かに震えた。

「さて、どうするかい? 勿論受けるも受けないも君の自由意志だ。」
『彼』は確信している。彼女に―いや、ここにいる誰にも自由な意志などないことを。
これは強制参加のゲームにして長い長い茶番劇。

「うっさいわね…そんなの決まってるでしょ。
 そーいう事情なら…わたしの身体、貸してあげるわよ。」
『あ、ありがとう…!』

『彼』だけが勝てるように仕向けたゲーム。
今この時、重んじるべきは全て思うがままのこの事実。

821:美術室の幽霊(4/7)
03/09/09 00:30
かしゅかしゅと紙の上を木炭が滑る。その音だけが暗闇に響いている。
「まだ出来ねーのか?」
「ごめんなさい。あともう少し…で、終わるから…。」
清の疲れた声に応えた少女の声は弱弱しいものだった。
「…4年前の失踪事件、か…。」
教師はぼんやりと過去を思い出しながら独り言をつぶやいた。
「それが何か?」
その独り言に答えた人物―『彼』が口を開いた。
「いや…そういえばそんな事件が3・4件あったなと思い出していただけだ。」
「……………。」
「なぜ、彼女の手助けをするんだ? いや、それ以前にアンタもスタンド使いなのか?」
「私は…自分の損になるような行動はしない。それだけさ。」
「後半の質問については無視か。」
「スタンド能力について詳しい一般人がいると思っているのか?」

「…出来た。」

緊迫した雰囲気を静かに壊すその一言に、その場にいた人間は彼女の方を向いた。
「こりゃあ、なんつーか…。」
「普通の顔…だな。」
清と大柳は、いかな凶悪な人相を想像したものか。
紙に描かれていた平々凡々な男の顔を見て言葉を詰まらせた。
「でも、間違いないわ。こいつ。こいつがあたしを殺したの。
 あたしの身体を喜んで切り刻んでる姿を見てたもの。…何があっても忘れない。」
「絵美君。そろそろタイム・リミットだ。」
少女は『彼』の声にはっとしたように顔を上げて、ふと目を閉じた。
「わかった…。『パープル・ピープル・イーター』ッ!」

チィィィィ…チチピッチコチィ!!!

彼女の呼びかけに、4体の小さな紫色の人が中空に現れた。

822:美術室の幽霊(5/7)
03/09/09 00:31
「パープル・ピープル・イーター…この人たちの『記憶』を『喰らえ』ッ!」
「なっ…!!」
チィィィィィィィピィィィィィィッ!!!
主人の命令に歓喜の叫びをあげながら、ずぶずぶと脳の表面と脳膜との間へ―。
そして、脳室内まで陵辱していく。
「てめぇ…何、する…!」
「ごめんなさい、約束なの。あなた達から『彼』に関する記憶を『食べさせて』もらうわ。
 そして…目が覚めたらあなた達が覚えているのはあたしのことだけ。
 心配しなくてもいいわ。『彼』のこと以外はきちんと覚えているから…。」

そして、暗転。

「ん…。」
「静、大丈夫か?!」
「平良…あまり強く起こすな。静、この指何本に見えるか?」
「えーと…5本。」
『ごめんなさい。無理をさせちゃって。』
「あ、アンタは…!」
『あなたのおかげで絵は完成したわ。ありがとう。』
柔らかい空気が辺りに満たされていく感覚がした。


「で、結局…。今回の事はどういうコトだったんですか?」
「うん? どういうもこういうも…見たままの事が起こった…。それでいいじゃないか。
 第一、俺が彼女に頼んでいなければ君もあそこにいたんだからな。感謝しろよ?」
隣の美術室の様子を見ていた吉良吉則は『彼』に問いただした。
「感謝…しないわけでもないんですが、それ以前にこっちは色々と理解できないんですけどね。」
「そうかい…じゃあ簡単に説明するよ。」
「えぇ、どうぞ。」

「そも事の発端は『老人』のスタンドが封じられた事にある。」

823:美術室の幽霊(6/7)
03/09/09 00:32
「俺はまず、どうやったら元に戻るかを考えた。
 一番手っ取り早いのはスタンドを封じた者…岸部露伴に解いて貰うことだ。
 しかし、これはまず無理な話だから却下だ。」
『彼』はそういうと、首を僅かに振った。
「次に解いて貰うのが無理ならば、岸部露伴のスタンド能力から何か得るヒントはないかと考えた。
 見た限り、あの能力は命令したい対象に命令を書き込むことで思い通りに操る能力であるらしい。
 ならば…あの能力は大雑把に言えば一種の催眠術に近いものではないのかと俺は思った。
 そう考えるならば…催眠術を解く方法はいくつかある。
 催眠術師が解く以外の方法で…簡単に言えば、命令そのものを忘れさせてしまえばいいとね。」
「暴論ですが理解は出来ます。要は催眠術というのは思い込みの力ですからね。」
「そう、使えないと思うから駄目になるのなら…使えないと思う状態を無くせばいい。
 そこで彼女…元宮絵美のスタンド能力の話へとなる。
 時に、彼女は自分の能力について生物の意識・記憶・身体を乗っ取ると答えたが…ありゃ嘘だ。」
「嘘。」
嘘だったのか、あれは。だとすれば、かなり迫真に篭った演技である。
「まぁ…嘘とは一概に言い切れないのだがね。
 彼女にはこの能力を使って、身体を乗っ取ることが出来るという解釈を教えておいただけだ。
 本来の能力は意識や記憶を『食べる』能力だ。」
「食べる?」
「そのままの意味だ。
 意識を食べる事で彼女は意識をこの世に繋ぎ止め、記憶を食べる事で記憶の保持をし、
 意思を食べる事で成さねばならないことをしようとする。
 喰われた側は意識や記憶やらを少しだけ無くすわけだが…生きていく上では支障は出ないようだ。」
「…成る程。大体わかってきたぞ。つまりアンタの筋書きはこうなんだな?
 まず、あの能力で『老人』の記憶を『食べさせる』。
 そのことにより『スタンドを封じられた』という記憶はなくなりスタンドの復活…と。」
「その通り。理解力が高くて助かるよ。」


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