静・ジョースターの学園ラブコメat CSALOON
静・ジョースターの学園ラブコメ - 暇つぶし2ch666:611 ◆YMXGRjSTq6
03/08/30 01:32
「クロオカラスさん?」
「そう、黒尾鴉子先輩よ」
「……変な名前だな」
「先輩も、『汐華聶歌』に言われたくはないでしょうねぇ」
「…………」
放課後の教室。もうみんな下校して、教室に残っているのは数人だけだった。
その数人の内の二人―静と聶歌は、放課後の勉強会について話していた。
先日のテスト、静は当然として、聶歌もかなり成績が落ちていたのだ。
テスト直前に、いろいろやっていたのだから、当然といえば当然なのだが。
とにかく、成績が落ちてしまった。
そこで今日の放課後、由紀子の家にて、三人でお勉強をすることになった―
「―はずだぞ。なんで、その『先輩』とやらの家でやるんだ?」
直前までそれを知らされていなかった聶歌は、少々不満気だ。
ちなみに、由紀子とは近くのコンビニで待ち合わせの予定。
「それがね。黒尾先輩が話を聞いて、私が教えてあげるわよって言ってくれたのよ!」
「…その先輩は、頭が良いのか? 悪いんだったら、そんな奴に教わりたくないんだが」
「先輩は凄いのよ! 苦手な文系科目でも偏差値は60以上。物理なんかトップを常にキープ!
 ハァ…憧れるわよねェ……」
「ふぅん……」
「行きたくないの?」
静は聞いてみた。が、その問いには答えず、聶歌は黙りこむ。
聶歌はそのまま、俯いて考え込んでいたが、やがて顔を上げた。
「嫌な予感がするんだが……行くとしよう」
「わぁい!」
静は満面に喜色を浮かべた。背景にバラが描かれそうな、極上の笑み。
聶歌の顔が、少し赤くなる。
「は、早く行くぞ! ほら!」
聶歌は、鞄を乱暴に引っ掴むと、ロボットのようにギクシャクとしながら教室から出ていってしまった。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
置いて行かれてはたまらない。っていうか、
「あんた、黒尾先輩の家知らないでしょう!」
静は慌てて自分の鞄を掴むと、聶歌の後を追って教室を出た。


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