12/03/09 22:02:58 /r7dQunw
その時のこわ～い話じゃ。
あっこは島が二つあろう？
どっちかは忘れたが西郷ゆうとこの近くで合宿しとったんじゃ。
でな、アホな（全員そうじゃったが、その中でももっとアホなんが）奴らが浜辺に置いてあった船に勝手に乗り込んで沖に出たんじゃ。
わしゃそん時昼寝してて知らんかった。
調子こいて出たのはええが、なんと島と島の間に出て速い流れに流され始めたゆうのじゃわ。
伊勢の漁師の息子が魯を漕いでいたが、なんと！！！！その櫓がぽっき～んと折れたんじゃ。
もう後は流されるだけじゃったそうじゃ。ちっこい船に５，６人も乗っておって、どうしようも無い。
船は左右に揺れて生きた心地もない、漁師の息子が船外に出て船縁に掴まりながら魯の役目を果たそうとしたが役には立たん。
流れの先に岬が出て来て、これも今治出身の元気な奴がいちかばちかで岬へ泳ぎ渡り救助を頼もうと流れに飛び込んだちゅうのやで。
わしが昼寝から起きて飯まだか～？ゆうても浜から戻ってきた連中はなんやら押し黙っておったんじゃ。
奴らは浜から船が流されたのを目撃したんじゃね。けんど、勝手に乗った船じゃから地元の人に伝えるんがなかなかでけん。
結局日が落ちるころ連絡して大騒ぎになったんじゃ。
夏じゃからまだ明るかったけどな。
結局、今治の奴は裸足で崖を登り、岬の尾根を歩いて疲労困憊し、体中に傷を負いながら夜の9時ころ宿に駆け込んできた。
ところがそこには船の連中が皆戻っておったんじゃ。その時の奴の表情が忘れられんわい。
驚きと安堵と後悔でふにゃ～っと座りこんだ。
船の連中は流され続けておったが、途中で帰港する漁船を見つけ全員で手を振り、漁船も気づいてくれロープを投げてくれてそれを船首に結んで港まで曳航してもらたんじゃて。
浜の漁協のオヤジさん達からたっぷり絞られたで、そいつら。
オヤジさん達が言うにはあのまま流れたらどこまでも流されて命の保証は無いちゅうことじゃった。
翌日の島の回覧にこの馬鹿どもの事が載っておったわ。
中国ちほぷの昔の凄いところじゃ。