10/03/13 22:48:08 0
告示前の一月二十七日、小沢の指示で現地入りした筆頭副幹事長・高嶋良充は長崎市の
市町村会館に周辺市町の首長ら約五十人を集めた。自治体の名前が呼ばれると、各首長が高嶋の前に
進み、恭しく公共事業などの要望書を手渡す。「幹事長室で検討させてもらいます」などと高嶋が答えて
儀式は終了する。首長の多くは自民党系だった。
「選挙に協力すれば予算を付ける」という誘い水であり、その裏には「協力しなければ干す」という脅しが
込められていた。
元首相・田中角栄から小沢が受け継いだ手法だった。
副幹事長には商工会議所や農業団体など自分が担当する省庁所管の各種団体をくまなく回らせた。
必ずトップに会い「要望があればお聞きする。少なくとも今後三年間は民主党が予算を組むことになるので
よくお考えになった方がいい」と伝えろ、と小沢は指示した。
衆院予算委員会が紛糾した公共事業費の予算配分方針(個所付け)伝達問題もその戦略の一環だ。
前原や副大臣・馬淵澄夫ら国交省の政務三役は、衆人環視の下で配分額を決めていく公正・透明な
新方式への転換を表明してきた。
それに小沢率いる幹事長室が「待った」をかけた。自治体や国会に資料を出す前に、まず党に情報を
伝えるよう国交省担当の副幹事長・阿久津幸彦に調整させた。個所付け情報を党勢拡大・選挙戦に
生かさない手はない、という小沢の教育的指導だった。予算審議が始まる直前、阿久津を通じて
県連代表に渡った仮配分方針の一覧表は瞬く間に全国に伝えられた。「ご尽力のお陰です」
「選挙の時はよろしく」。多くの民主党議員が地元首長に恩を売ることになった。
URLリンク(seiji.yahoo.co.jp)