10/01/09 18:34:02 0
楽しみにしてるよ
451:夢見る名無しさん
10/01/09 23:10:35 0
楽しみにしてるぜよ
452:夢見る名無しさん
10/01/11 00:22:58 0
楽しみにしてないぜよ
453:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/12 23:59:22 0
日帰り浅草・上野旅行が終わっても
まだその余韻に浸っている生徒は授業内容も耳に入らないほどのほほんとしてるらしく
気が抜けたことから起こる、学級内での不祥事も相次いだ。
とはいっても自分の学校は周辺の中学に比べ平和なほうだったと思う。
隣の学校のように週に1回窓ガラスが割れたり、校内暴力があったりなどということは一切ない。
一番印象に残ってる出来事といえば
3組のお調子者が消火器を破裂させたことぐらいだ。
2階の廊下が一面真っ白になった。霧でも出てるんじゃないかと思うくらいに。
3学期の中盤
旅行の2週間後には
文化祭というものがあった。
正直、1年生のときにみた文化祭はあまり記憶に残ってない。
ただ、先輩達がものすごく盛り上がっているのをみて
「すごーい。」と思ってただけだ。
しかし今年の文化祭は違う。
やはり一番盛り上がってたのは3年生だが、俺たちもかなり盛り上がっていた。
部活などで一番お世話になってる学年の先輩達が
ステージにあがって歌い、踊り、演奏をしている。
生徒会企画というものも今年はやけに面白かった。
454:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/13 00:01:01 0
来年の文化祭の主導権は俺たちに与えられる。
教師曰く、毎年3年生は先生達から何を言われるまでもなく
自分達から率先して企画し、文化祭を盛り上げるのだという。
俺は文化祭のステージにあがりたかった。
あがって宮崎にカッコイイところを見せたかった。
やれることといったらバンド演奏くらい。
俺はさっそくバンドメンバーを集めることにした。
自分は小さい頃からドラムをやっていた。
なのであとはベースとギターだけで十分。
当時そこまで知識の無かった俺はただベースとギターのできるヤツを集めようとしていた。
脳内検索にまず引っかかったのはケイン。彼はギターが上手いと評判である。
早速誘ってみると「俺も同じことを考えてた」と即刻OK。
次はベース、と探そうとしてると
「なぁ七男」
ケインが声をかけてきた。
「何?」
「お前、ただベースやってる人を誘おうとしてるんじゃないよな?」
455:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/13 00:04:13 0
「お前、ただベースやってる人を誘おうとしてるんじゃないよな?」
「そのつもりだったけど・・・」
「あほか!」
文化祭が終わり、放課後片づけをしてる生徒会の人達が
ケインの怒鳴り声にこちらを振り返った。
ケインは声のトーンを落として続けた。
「あのな、ベースやギターを持ってるヤツなんてその辺にごろごろいるんだよ。
だけどそういうヤツらの大半は、ただカッコつけたくて持ってるだけで
ろくに練習しなかったり実力が無かったりするんだ。」
「うむ。」
「良いベース持ってて、実力もある最高のヤツがいるんだ。そいつを誘おう」
「あてがあるのか。」
「おう。」
よく考えてみればそうだった。
ドラムやキーボードをやっている、という人は少ないが
いわゆるDQNと呼ばれている部類に属する人達はほとんど
安いベースやギターを所持してそのことを異様に自慢してくる。
帰りの支度をした俺らは急いで学校を飛び出して、ケインの進めるベーシストのもとへ向かった。
456:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/13 00:12:13 0
「ところでそいつは誰なんだ?」
「あぁ。5組ののっぽだ。」
彼は背が高いのでここではのっぽとする。もちろんのっぽはニックネームでもなんでもない。
のっぽはイケメンで無口でクール。
こうもバンドメンバーにイケメンが集まると俺が目立たない・・・なんて考えてしまっていた。
既に俺の中ではのっぽはバンドメンバーだ。
彼の家に着く。
息を切らせながらチャイムを押すケイン。
のっぽの家は大きい一軒家。のっぽには兄がいて
あとで聞いた話だとのっぽの持ってるベースは全て兄のおさがりらしい。
インターホン越しに誰かと話をしてるケイン。
このなれなれしさはきっとのっぽ本人だろう。
俺はというとそこまでのっぽと話したことがなかったので少し引き気味だった。
まぁのっぽがイケメンすぎて近づけなかったということもあるのだが。
玄関のドアが開き、相変わらずスラッとしたスタイルののっぽが出てくる。ジャージ姿だ。
「寒い。」
のっぽが言う。
457:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/13 00:16:16 0
「寒いのはわかった。なら単刀直入に言うよ。俺らと一緒にバンドやろうぜ!」
ケインが威勢よく言う。
俺が軽く会釈をする。のっぽは会釈を返してくれた。
「いいよ。 でもベースしかできない。」
「ベースを探してたんだよ!」
「二人は。」
「俺はリードギター。こいつはドラム。ほら、七男だよ。バスケ部の。」
「そっか。ギターもう一人。」
「わかってるって。明日までに探しとくからさ!」
「じゃあ。」
のっぽとケインの会話を聞いているとどうも気が抜ける。癒される。
ボーッとしてるとのっぽが家の中に入っていってしまった。
「これでOKだな。あとはもう一人ギターを・・・」
そこで俺は単純な質問をぶつけてみた。
「ギターって二人も必要なの?」
その質問を繰り出した後、ケインからバンドというものについて2時間程熱弁食らった。
458:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/13 00:20:27 0
翌日。
放課後、俺のもとにケインがある男子生徒を一人引っ張ってきた。
「こいつ、ギターやるって!こいつならまじめに練習してくれそうだし!」
そう言い放つケインに「まだやるとは言ってないです!」と必死に抵抗するも
力ずくでケインに取り押さえられているのは
後輩の1年生、タツヤだ。
小4の頃から、親の影響でギターを弄っているらしく、その噂を聞きつけたケインが無理やり引っ張ってきたのである。
「ギター、できるの?」
「コードぐらいなら・・・」
俺の問いに控えめに返事をするタツヤ。
「よし、これで4人揃った!来年の文化祭まで、猛特訓だ!まずは曲決めだな!」
相変わらず威勢のいいやつだ。いつからこんなんになった・・・。
とりあえず「カタチ」だけはこうして、俺たちのバンドはできあがった。
Dr.七男 Gt.ケイン Bs.のっぽ Gt.タツヤ。
そしてそれ以降特に何も無いまま
2年3学期も終わり春休みに入った。
来年はいよいよ学校の最上級生なるわけだが
もちろん俺に実感など無かった。
459:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/13 00:21:37 0
今日の更新はココマデです。
見ていただいてありがとうございます。
次回更新→01/15(土) 23時頃
おやすみなさい!
460:夢見る名無しさん
10/01/14 14:09:37 0
今北産業
461:夢見る名無しさん
10/01/14 23:10:06 0
乙
・・・明日は推薦の試験だorz
462:夢見る名無しさん
10/01/14 23:26:39 O
1月15日は土曜じゃないよ!
463:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/14 23:29:45 0
>>460はじめまして!
>>462申し訳ないです。
訂正・・・
01/16(土) 23時頃 です。
>>461ぜひ推薦試験のほうを優先してください・・・
464:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/16 23:23:35 0
これまでの中学校生活2年間
俺はほとんど遊んですごしていた。
成績も学年でちょうど真ん中の辺り。良いわけでも悪いわけでもない。
高校受験というものを何も知らなかった新3年生の俺は
授業初日から先生達による「受験」責めにあい、ぼろぼろになった。
それから毎日のように教師に急かされ、遊ぶヒマなどとてもじゃないけど無かった。
それは宮崎も、ケインも同じようだ。
部活も今年の夏で引退。それなりに頑張っていただけあって、少し悲しかった。
つい2ヶ月ほど前の話なのだが
その時は驚くほどバレンタインデーやホワイトデーについて少しも騒ぎがおこらなかった。
よっぽど仲の良い幼馴染とかで無い限り、男女でのチョコ交換は行われなかったようだ。
それは単に面倒だからなのか、それとも・・・。
俺は春休みに一度宮崎と会っている。
なぜかと言われれば、一番適切な答えは宮崎のきまぐれなんだろうが
そんな気まぐれでさえ、俺を勘違いさせてしまうような、
それでも宮崎はただヒマつぶしの道具として俺を使ってるだけなんだろう。
しかし宮崎が他の男子ともこうして会っているのかと思えばそうではなく
そう思うとまた俺は何か勘違いをしている。その繰り返しだった。
465:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/16 23:25:15 0
宮崎に呼び出されたのは春休みはじめのほうで
「うちにきて」
とだけ言われていた。
平日だったので親がいないのか?俺が家にあがってもいいのか?と心躍らせていたが
いざ家に行ってみると宮崎は家の前で待っていた。
「おぉ、時間ぴったりだぁ」
と、宮崎は相変わらずのふわふわ声でゆったりと喋りながら自転車を押す。
「じゃあ学校の近くのスーパー行こ」
そう宮崎に言われたとき、俺は初めて
あぁ、家にあげてくれるわけじゃないんだな
とテンションがガタ落ちしたが、今日の俺にとってはデートのようなこの日に
宮崎を失望させてはいけないと思って俺は必死に振舞った。
「でもさ、俺と一緒にいるところ見られてまずくないの?」
学校や校外行事などでも
俺と二人きりで話したりするときは決まって人目のつかない場所に移動して話してた。
それは宮崎自身が男性関係の噂を立てられたくないと考えてるからに違いなかったが。
俺の問いに宮崎は「開き直った!」と短く返事したあと、少し時間をあけてつけくわえた。
「仲良しなお友達と一緒に遊んで何が悪いの?ってことだよ。」
466:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/16 23:28:21 0
あぁ、これで人目をはばからず宮崎と話したりできるぞ、と嬉しい反面
自分は宮崎にとって「友達」にすぎないんだという切なさがこみ上げてきた。
どうしても悔しくて、俺は口にしてしまった。
「友達、かぁー。」
俺の一言に宮崎は驚いて
「友達って言っても、男子の中で普通に話せるのは七男くんくらいだから・・・
ちょっと特別っていうか・・・」
「ふむふむ」と相槌を打っていたが、それ以降宮崎は黙ってしまった。
うつむいてる宮崎を見てるといじめたくなってきた。
「ありがとね、あおい」
「こら!」
「だって今二人っきりじゃん」
「そうだけど・・・」
俺に下の名前で呼ばれることがまだ恥ずかしいらしく
ほっぺをふくらませて軽く俺を睨んだ後
「ふんっ」と言って早足で行ってしまった。
俺もあとから追う。スーパーはもうすぐそこに迫っていた。
467:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/16 23:30:54 0
スーパーについた。
割と大きいスーパーが俺の通う学校のすぐ近くにあり
スーパーのフードコートは生徒達の溜り場にもなっていた。
そんなスーパーの3階 洋服売り場
ここが宮崎の目的地らしい。
3階に着いた途端、恐ろしいスピードで洋服売り場に向かい、選別を始める。
「あー!これかわいいー!」とか騒いだりするのかと思えばそうではなく
静かに一着一着眺めて回るだけだった。
ふと宮崎がつぶやく。
「なんか恥ずかしい。」
なんで?と聞くべきか、恥ずかしいことなんてないじゃん!と言うべきか迷っていると
「黙らないでよ・・・もう・・・」
と、ちょっとアブナいムードになったので
俺はとっさにすぐ近くにかかっていたピンクのフリフリミニスカートを手に取り、腰にあてがった。
そして宮崎のほうを向き
「これ、似合うかなー?」
と言うと宮崎は「ばっかじゃないの。」と言った。
468:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/16 23:33:08 0
俺と宮崎はお互いに手に取ってた服を元の場所に戻す。
宮崎が固まる。
俺も隣で固まる。
「ふふっ・・・」
宮崎の鼻笑いをキッカケに
しばらく二人で爆笑してた。
「これだから七男くんといると楽しいんだよー」
宮崎が笑いながらそんなことを言ったような気がしたが、俺は気に留めなかった。
それから宮崎は俺に「どう?似合うかな?」と微笑みながら何着も服を見せてきた。
結局宮崎は確か服を2着ほど買って、スーパーの一階に降りた。
予想通り、フードコートには休日ということもあり人が多く
同じ学校の後輩なんかも何人かいた。
空いている席を見つけ、座る。
俺が宮崎に「宮崎って紫と白好きだよね」というと「そんなことないよ」となぜか否定してきた。
と、いうのも宮崎の私服には白や紫を基調としたものが多いように思えたからだ。
宮崎が「うちには何色が似合う?」と聞いてくるもんだから
俺は「黒。宮崎は腹黒いから黒。真っ黒。」と答えると
宮崎が「あー、バレたー?」と言うのに続いて、また二人で笑っていた。
469:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/16 23:35:11 0
こういうノリの良さと、くだらないことでも笑い合える異性ってのは
そうそういないんじゃないかと思うし
こんな宮崎と、何か事情があってお付き合いすることになったとしても
自分ごときが果たしてこの人と釣り合うのか、なんて考えて自己嫌悪に陥ることもよくあった。
俺たち二人だけの漫才はとどまることを知らない。
「あおい、なんか食べる?」
「七男くんは?」
「うち、太るからいいやー。」俺はなぜかオカマ口調で話した。
「何その喋り方w じゃあうち、クレープ買ってくるから!」
「あいよ」
傍から見ればただのバカップルのようだし
俺もそう勘違いされることに抵抗は無い。
ただ宮崎がどう考えてるのかはわからない。なぞに包まれた人、ってカンジだ。
あぁ、俺も一緒にクレープを買いに行けばよかった、と後悔した。
しかし荷物もあるし、それを見張らなくてはならないのでどっちにしろ一緒に買いにいくことは不可能なワケだが。
「案外すいてたよー」
といいながら席に着く宮崎の両手には一つずつクレープが握られていた。
「さぁ七男くん。イチゴ生クリームとチョコバナナどっちがいい?」
470:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/16 23:36:39 0
俺は根っからのチョコバナナ派なので
「俺はチョコバナナで」と言うと
「じゃあうちがチョコバナナね!七男がイチゴー」といって左手に持ってるクレープを差し出してきた。
やれやれと思いながら、しかしクレープを買ってきてくれた宮崎の優しさに心を打たれ
とりあえず代金を払ってクレープを受け取った。
俺がありがとね、と言うのも聞かず
「いっただきまーす!」と元気よくクレープをほおばる宮崎を見てるとなんだかのほほんとしてくる。
汚くない、お上品な食べ方で、そんなところも宮崎の魅力の一つだった。
さて俺も頂くか、とクレープにかじりつこうとすると
中に入ってる果物が見えたのだが
イチゴらしきものは一つもはいっていない。
チョコと絡み合ってるバナナがたくさん入ってる。
宮崎が食べてるほうのクレープは確実にチョコバナナだ。バナナが見える。
ということは・・・?
「おぉ、気付いたかね七男くん。ほんとは、さっき買ってきたクレープ二つともチョコバナナなんだー。」
「え?」
「七男くんがチョコバナナ好きなことぐらい知ってるよー」
471:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/16 23:39:02 0
俺は泣きそうになりながら
ただありがとう、ありがとうと言ってクレープを食べた。
目の前で「美味しー。」と言ってる宮崎を抱きしめたくなったが
場所が場所だけにちとキツい。
ここが公園だったり
家だったりしたら・・・
宮崎を目の前にして彼女を巻き込んだ妄想をするのは失礼にあたると思い
俺はクレープを食べることに集中した。
---------------------------------------------
今日の更新はココマデです。毎度見てくださってる方ありがとうございます。
過去を振り返ると黒いことばかりで少々恥ずかしいですが、面白いものです。
次回更新→01月20日(水)
472:夢見る名無しさん
10/01/17 19:13:43 0
更新待ってまーす
473:夢見る名無しさん
10/01/18 01:33:55 0
更新乙
次も期待してま~す
474:夢見る名無しさん
10/01/18 23:40:01 0
おっつ~
待ってるぜよ
475:夢見る名無しさん
10/01/19 04:28:40 0
更新乙です。
次回待ってますー
476:夢見る名無しさん
10/01/19 16:48:35 0
とある女も応援してますわ。
スレリンク(yume板)
477:夢見る名無しさん
10/01/21 00:11:32 0
待ってるよ~!
478:シベリアよりのお手紙@七男
10/01/21 02:15:00 0
シベリア郵便局スレ代行さんに依頼しました。七男です。
規制のため書き込めません・・・。解除され次第すぐ更新します。
申し訳ないです。
479:夢見る名無しさん
10/01/21 03:01:01 0
寒いw
480:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:07:33 0
更新再開します
481:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:09:08 0
「まだ規制中だろうな・・・」と思って書き込んだら書き込めた・・・嬉しい・・・。
まだ見てくださってる方はいるのでしょうか。とりあえず投下します。
------------------------------------------
春休みのつかの間の出来事にしばらく浸りながら
1,2週間はあっという間に過ぎた。
高校というものを意識してきたことで
中学校卒業まであと1年を切ったのだし
今からでも遅くない、宮崎と付き合いたいという気持ちは増していった。
3年生ともなると
先輩がいなくなった開放感から気が緩み
とんでもないことをしてしまったりして
後にそれが黒歴史になるということは言うまでもない。
そして3年生に進級して早々
1学期中盤に修学旅行がある。
学業を修めるという意味では
卒業間近に実施するべきだと思うのだが
周辺の学校と日程が重ならないようにすると
どうしても「順番」というものが生まれてしまうんだからしかたない。
しかし俺の同級生達はみんな乗り気じゃなかったようだ。
482:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:17:14 0
修学旅行に向けて学年集会やプリント配布がされるたびに
まわりの生徒はため息をつく。
正直自分は楽しみだった。
なぜなら
俺は宮崎と同じクラスになったからだ。
修学旅行の話はさておき
新しいクラスとなり
各クラスでは委員会決めが行われることになった。
「来週の月曜日に委員会決めるから考えとくように」
金曜日の帰り際に、そう生徒達に伝える俺らの担任は
この学校に一番長く勤めている男性教師。
経験豊富で生徒とも仲が良いことで有名。
先生の言葉を聞いてざわつく生徒をよそに
日直が帰りの挨拶をする。
するとざわついた雰囲気はそのまま、生徒達は帰路につく。
その日の夜。
宮崎からメールが届いた。
483:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:22:18 0
宮崎からメールが届いた。
「七男君 入る委員会決めた?」
委員会は、全員が絶対にはいらなくてはいけないというわけではない。
半分くらいの生徒は委員会に入らなくて済む。
俺は委員会になど入る気は全く無かった。
何かと責任を負わされる3年生になってまで
いちいち面倒なことをやるつもりはなかった。
「まだ決めてないかな」
俺はそう返事した。
するとすぐに返事が返ってきた。
「図書委員、一緒にやらない?」
大歓迎です宮崎様。
高ぶる気持ちを抑えて慎重に返事を返した。
「いいよ。」
慎重に返事を返した結果がこれです。
送信したあと、ちょっと冷たかったかなと反省した。
484:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:28:21 0
しかし人間と言うものはこうも一瞬で変われるものなんだなと感じた。
ついさっきまで委員会をただの面倒事として除け者にしていたのだが
宮崎に誘われたことにより一瞬にして委員会に入ってやる気になった。
「じゃあ、来週の月曜日。図書委員会希望のときにちゃんと手挙げてねー!」
委員会決めは立候補制だったので
俺と宮崎はこう打ち合わせして一緒に委員会をやることになった。
もう色々嬉しくって、この土日は眠れなかった。
委員会はどれも男女1人ずつ
二人一組なので
俺と宮崎が同じ委員会になっても何もおかしいことはなかった。
しかし二人の男女が同時に同じ委員会を希望するとなると
まぁ少なからず何人かの生徒は俺たちが裏で打ち合わせしてたことに気付くだろう。
しかし気付かれても構わない。宮崎がどう思うかは別として、俺は宮崎と仲良しだということをまわりのヤツらに自慢してやりたかった。
月曜日。
いつも以上にテンションの高い朝を迎えた。
学校に着いてから俺は周りの男子に挨拶をした。
普段挨拶なんてしない俺なんかに挨拶をされた男子達は
何か怪奇現象を目の当たりにしたかのような目でこちらを見てきた。
485:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:32:52 0
委員会を決める時間は1時間目。
道徳の時間を削って決めるようだ。
1時間目が始まる。俺はニヤニヤしていたと思う。
「道徳の時間にやりたいことがあるから、委員会決めは極力スムーズにやるように。
あとは学級委員に任せる。」
そういって教室の隅のイスに腰掛ける担任。
過去2年間の委員会決めの様子からして
とてもじゃないが、先生の言う「この時間にやりたいこと」はできないだろう。
1時間をフルに使ってやっと決まるようなのが委員会だ。
もっとも
誰も希望しない委員会が残ってしまい、それに誰が入るかで
話し合いがゴタゴタするのが原因なのだが。
学級委員だけは事前に決めてあった。
それらしく見える女子とクラスのリーダー的存在の男子がこのクラスの学級委員だ。
うむ、悪い気はしない。
「じゃあまず給食委員からぁー」
ふわふわした声で話す学級委員の女の子の声を聞いてるとなんだか眠くなってしまう。
しかし図書委員会を立候補するタイミングを逃すわけにはいかないので
進行する委員会決めをしっかり見て、聞いていた。
486:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:40:19 0
暫くすると、ついにやってきた。
「じゃあ次ー。図書委員会ー。」
「はい!」
元気よく手をあげる宮崎。
少し離れたところで無言で手をあげる俺。
ここまで順調に進んでいる委員会決めに安心したのか
ぐっすり寝てしまっている担任。
・・・それともう一人。
手をあげている女子が一人。
「!?」
口には出さなかった俺は驚いた。
学級委員が言う。
「男子は七男くんで決定でいいですねー?
女子は二人希望者がいるのでジャンケンにでもしましょうー。」
そうだな、話し合うよりジャンケンのほうがよっぽどいい。
ってちょっとまった!
宮崎以外の女子が立候補するなんて聞いてないぞ!
487:夢見る名無しさん
10/01/25 23:42:42 0
更新がんば!ちゃんと見てるよーww
488:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:43:58 0
宮崎も明らかにたじろいでいるようだった。そりゃそうだ・・・。
もし宮崎でないほうの女子がジャンケンに勝ち
一緒に図書委員会をやることになんてなったら
俺はどうしたらいいのかわからない。
教室の後ろのほうでジャンケンを始める宮崎ともう一人の女子。
それを待たずに次の委員会へと進行していく学級委員。
頼む、宮崎。勝ってくれ。
489:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:48:33 0
・・・
俺は嫌な汗をかいている。
寒い。変な緊張感だ。
ジャンケンが終わったらしい。
二人は席に戻る。
・・・と思いきや、宮崎でないほうのもう一人の女子だけは黒板のほうに向かう。
宮崎の表情は冴えない。
こちらを向いて、口パクで「ごめんね」と言っているように見えた。
俺は察した。
もう一人の女子と学級委員の女子が話している。
学級委員が告げる。
「先ほどの図書委員の女子は、柴咲さんに決まりましたー。」
彼女がこちらに向かってくる。
俺の机の横で止まった。
柴咲は見覚えのある、あの悪魔的な笑顔で
「よろしくね、七男くん。」
と言ってきた。
俺は何も言葉を返せなかった。
490:七男 ◆RaOe7CTARw
10/01/25 23:51:18 0
>>487ありがとうございます><
何日も間が空いてしまいましたが
まだ見てくださってる方が一人でもいたことに驚きました。
本当にありがとうございます。
もしよろしければこれからも宜しくお願いします。
次回更新→01月31日(日)
491:夢見る名無しさん
10/01/26 17:39:48 0
いっきに読んだ。
やばい、はまったw
本を出せばいい。
492:夢見る名無しさん
10/01/26 20:50:08 0
のんびりやっていけばいいよ
493:ま
10/01/27 17:43:31 O
更新待ってます
494:夢見る名無しさん
10/01/28 00:49:28 i
まってたよー。
更新乙です。
次回も待ってます。
495:夢見る名無しさん
10/01/28 12:09:12 O
以前縦読み書いて一文字ずれてその上規制食らってた者だが、ずっとROMってたが今日復活した!
よし引き続きがんがれ!
496:夢見る名無しさん
10/01/28 18:03:14 O
昨日ここ見つけて、一気読みしたよ。
気長に待ってるから、続き書いてね♪
497:夢見る名無しさん
10/01/30 00:29:09 O
更新まってますわ
498:夢見る名無しさん
10/01/31 19:27:10 O
あと4時間切ったなぁ
カモン七男
499:夢見る名無しさん
10/01/31 22:26:03 0
やっと追い付いたぜ
ここまで一気に読んだが4回ほどおっきしてしまった
こんな俺どうよ??
500:夢見る名無しさん
10/01/31 22:27:23 O
500
501:七男@レス代行さん
10/01/31 23:33:18 0
>>491
ありがとうございます><でも本を出すだなんてとんでもないです。文章力のカケラもございませんので・・・。
>>492>>493
そう言っていただけると嬉しいです。
>>494>>497>>498
お待たせしました><
>>495
私を一瞬だけ勘違いの渦に巻き込んだ、あの縦読みの方ですね!お久しぶりです。
まだ読み続けて下さってて嬉しいです。
>>496>>499
初めまして!新年度が始まる一歩手前、3月中には完結すると思います。
高校編は割りと内容が薄くなってしまっているので・・・濡れ場は多いですが。笑
自身、300回はおっきしてるので大丈夫です。
>>500お・・・おめでとうございま・・・す・・・。
アク禁により、スレ代行様経由で更新再開します。
502:七男@レス代行さん
10/01/31 23:37:14 0
次の日。
俺は学校を休んだ。
今思えば、相当自分勝手な行為だが
それほど俺はショックだったのだ。
しかも無断欠席だ。
朝、自分が家を出て近くのアパートに隠れて
しばらくして両親が仕事に行くところを見送り
こっそり家に帰宅したというわけだ。
たった30分ほどの外出を終え、家に着き
ふと我に返ると学校を休んだことをすごく後悔した。
その日は自室でのんびりして1日が終わった。
無断欠席だったので家に電話とかかかってくるんじゃないかとビクビクしてたが
何も連絡は無かったようだ。
503:七男@レス代行さん
10/01/31 23:40:43 0
翌日。
また俺は同じ戦法を使い学校を休んだ。
やはり朝のうちは学校に行きたくないという思いで胸がいっぱいなのだが
昼ご飯となるポテチを頬張っている頃に、我に返り、後悔した。
案の定、ちょうどお昼休みの時間にあたる頃に電話が鳴った。
だいたい予想はついていたが、いざ電話がかかってくると話す内容が思いつかない。
どう説明しようか。マニュアルでも落ちてないのか。
「学校から電話がきた」ということによって
まず始めに浮かんだのは柴咲の顔。
思い出すとイライラして、やりきれない気持ちになった。
そうこうしているうちに電話が切れてしまった。
しかし間を空けることなくもう一度電話が鳴った。
俺はすぐに受話器をとった。
504:七男@レス代行さん
10/01/31 23:44:08 0
「はい。もしもし。」
電話は担任からだった。
いつもの優しそうな話し方とは少し違かった。
俺には怒っているように聞こえた。
「どうした、学校は」
「休んでます」
「わかってる。休むなら連絡をするべきだと思うんだけどなぁ。」
「すいません。」
「調子悪いのか?」
「色々あって。」
俺は、次に先生が「色々って何だ?」と聞き返してくるのを期待してそう言った。
ただの構ってチャンになっていた。
しかし意外にも先生は俺の期待を大きく裏切ってくれた。
505:七男@レス代行さん
10/01/31 23:47:33 0
「そうか。休むときは連絡して、できればちゃんと学校に来いよ。」
俺の出したサイレンを
先生がわざと無視しているように思え、俺はとんでもないことを言ってしまった。
「もう、学校には行きません。」
自分がなんで急にこんなことを言ったのかわからない。
中学3年になってまでこんなわがままばかり言ってるのは
自分くらいだったんじゃないかと思う。
「どうしたんだ急に。」
「学校に行きたくないんです。」
「・・・もしかしていじめられてるのか?」
506:七男@レス代行さん
10/01/31 23:55:09 0
先生が不登校といじめを結び付けているのにまた腹が立ち
言わないハズだった正直な理由を包み隠さず話してしまった。
「お前・・・委員会のことがそんなに心残りなのか」
「はい。宮崎さんと同じ委員会に入るって約束してたんです」
俺は泣きそうになった。
こんなことを話してる自分の虚しさ、弱さに。
「あのなぁ、七男」
先生は呆れているようだった。
「厳しいことを言うようだが、そんなんじゃ将来何もできないぞ。
こんな俺に言わせて見れば些細なことでヘコんでるようじゃ成長できないぞ。
弱いままじゃダメなんだよ、強くなるんだよ。」
507:夢見る名無しさん
10/01/31 23:57:15 0
まってましたぜ
508:七男@レス代行さん
10/01/31 23:59:41 0
俺は返事ができなかった。
先生の話す言葉一つ一つが胸に突き刺さった。
「じゃあ、先生は学校で待ってるからな。」
そう言って先生は一方的に電話を切った。
この二日間、学校を休んでいた事は両親には運よくバレなかった。
まぁバレたとしてもどうってことはなかったのだが
ただ理由を説明するのが恥ずかしいというのはあった。
次の日。
俺は学校に登校した。
何人か心配してきてくれた人がいたが、ただの風邪だと言ってごまかした。
先生に何か言われるんじゃないかと思ったが特に何もなかった。
ただ、朝のホームルームの時に俺をチラと見て、それだけだった。
509:七男@レス代行さん
10/02/01 00:04:10 0
その日の下校前に
先生から生徒達にこう伝えられた。
「明日の放課後、委員会があるから
委員会に所属してるやつらはきちんと出るんだぞー」
「きちんと出るんだぞ」
その言葉が俺に向けられているような気がして
俺はうつむいてしまった。
明日は金曜日。
週末はテンションが上がるハズなのだが
明日は最悪な金曜日になりそうだ。
510:夢見る名無しさん
10/02/01 00:04:35 0
がんばれ
511:七男@レス代行さん
10/02/01 00:07:40 0
俺が絶望に浸っていると
携帯に1件のメールが届いた。
「七男くん。話したいことがあるんだ。明日の放課後、会って話せない?」
宮崎からメールが来るだけでも嬉しいのに
会って話したいと言われてしまったらもう俺の興奮はおさまらない。
どんな話なんだろう。相談かな?
とにかく宮崎のおかげでついさっきまで抱いていた絶望感などブラジルのほうまで吹っ飛んでしまった。
明日と言わず、今すぐ話を聞きたい!と思って
「今から電話する?」
と、メールをしてみたが
「ううん。会って話したいの。」
とことごとく断られた。
512:七男@レス代行さん
10/02/01 00:09:25 0
しかし中学3年生の男女2人が会って
ただ話すだけで終わるはずが無い、と俺は考えてた。
これは何かエロゲ的な展開でもあるのでは?と想像を膨らませ
その夜は何度も宮崎を想い、抜いていた。
翌日。
授業内容など耳に入るはずもなく、俺はただ斜め前に座る宮崎の後姿を見て
アレを勃たせてばかりいた。ごめんね、宮崎。
放課後になり委員会活動場所に集まる。
この後、幸せなことが待ってるとはいえ、柴咲が隣にいる状態で真剣に活動できるわけがない。
心臓の鼓動が早まる。柴咲に聞こえてるんじゃないかと思うくらい、俺の胸の中で心臓がのた打ち回った。
513:七男@レス代行さん
10/02/01 00:12:06 0
どれくらい経っただろうか。
運が良かったのか、今回の委員会活動中、柴咲とは一言も口を利かなかった。
というよりあちらから何も話しかけてこなかった、と言った方が正しいだろう。
担当の先生の「解散。」という言葉が聞こえた瞬間、俺は教室を飛び出し、帰路についた。
近くの公園に着くと
ベンチにはポツンと一人、宮崎が座っていた。
小さい公園なのだが、宮崎しかいないことによって少し広く見えた。
「ごめんね待たせちゃって。」
514:七男@レス代行さん
10/02/01 00:15:17 0
「大丈夫。こっちこそいきなり会いたいなんて言っちゃってごめん」
「大丈夫だよ。」
この後しばらく沈黙が続いた。
何か話さないと、と思ったが宮崎が今にも泣き出しそうな顔をしてたので言葉が詰まってしまった。
宮崎はそっと話し出した。
「うち、七男くんを、心から、信頼してるから。」
「うん。」
「誰にも、言わないでね。絶対に。」
「うん。」
途切れ途切れで話す宮崎に
俺は「うん」と答えることしかできなかった。
つくづく自分の男としての小ささを思い知らされた。
515:七男@レス代行さん
10/02/01 00:19:05 0
宮崎は続けた。
「うちね、」
「・・・」
「中学2年生の時に、ケイン君に」
「・・・」
「処女を奪われてるの。」
嘘だと 言ってほしかった。
516:夢見る名無しさん
10/02/01 00:23:40 0
ええええええええええええええええええええええええ
ちょケイン\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?
517:七男@レス代行さん
10/02/01 00:26:22 0
今日の更新はここまでです。
このスレと私はいつもレスしてくださる皆さんや、レス代行を快く引き受けてくださる方など
様々な人によって支えられてます。
こうして続けていられるのもみなさんのお陰です。本当に嬉しいです・・・。
これからもよろしくお願いします。
次回更新→02月06日(土)
518:夢見る名無しさん
10/02/01 00:28:14 0
おつかれ
楽しみにしてるよ
519:ま
10/02/01 00:28:23 O
待ってるから!
いつもちゃんと見てるからね
520:夢見る名無しさん
10/02/03 23:11:53 0
待ちきれない・・・
早く続きをーー
521:夢見る名無しさん
10/02/06 00:20:19 0
はやくー
522:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 11:05:36 0
再開します。
------------------------
「本当に?」
「うん。本当。・・・もう消えちゃいたい。」
なんと言葉をかけたらいいのか分からず
またしばらく沈黙を作ってしまった。
「でも中2の時は、あおいはケインと付き合ってなかったよね・・・?」
「うん。だから相談したの。このこと。」
「・・・無理やりされたってこと?」
「うん・・・。」
それから宮崎は全部話してくれた。
中2の夏、突然会いたいといわれケインの家に行ったら
家にあがって早々押し倒されたんだとか。
付き合ってたときは優しかったケインに
今自分が何をされようとしてるのか把握できないまま
無理やり服を脱がされ、挿入されたらしく
ゴムらしきものはつけてたらしいものの、怖くて声が出なかったらしい。
「それからうち、男の人が怖くなっちゃって」
「俺は男だけど・・・」
「七男くんは別。平気。」
523:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 11:12:20 0
男恐怖症とでもいうのか
なっても仕方ないだろう。
しかし自分だけは違う、自分は平気と宮崎が言ってくれた。
今しかチャンスが無いと思った。
正直、俺の好きな宮崎という人を無理に犯したケインを殴ってやりたかったが
それ以上にうらやましかった。
男の欲望というものは怖いもので
悲しむ宮崎に同情するどころか、そんな宮崎を俺も無理やり犯してやりたいという気持ちまで芽生えた。
「あおい。」
「何?」
「俺は他の男子とは違う、特別なんだよね?」
「まぁ・・・ちょっと言い方変だけどね。」
このまま宮崎を丸め込んで
自分の地位を宮崎の上につければ、宮崎は俺の思い通りになる。
「例えばだけど、俺とならどこまでできる?」
「できるって・・・何を・・・?」
「あおいならよくわかってるハズ。」
「・・・。」
524:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 11:15:03 0
そうだ、この調子だ。
しかし嫌われてしまってはもともこもないので慎重に話を進めていく。
押しすぎず、引きすぎず。
「例えば、何をするの・・・?」
「キスとか。」
「ダメだよ!そんな・・・」
「まわりの人もしてるしさ、俺達もそろそろいいんじゃないの?」
「・・・」
よくこんな意味のわからない謳い文句で宮崎を抑えることができたな、と今も思う。
もしくはこのときから宮崎は俺のことが好きだったんじゃないかと思う。
「キスするときは、お互いに目ぇ瞑るんだからね・・・っ」と恥ずかしそうに言いながら目を閉じる宮崎の唇に
俺はそっと自分の唇を重ねた。
ベンチに2人並んで座っているのでこのままずっとキスしていると首が痛い。
俺は一旦唇を離して宮崎の両腕を掴み、立たせた。
そのまま宮崎の前に回りこむ。
半歩ほど、若干後ろに引いた宮崎の肩を抱いて引き寄せ
さっきよりもやや強引に、再び唇を重ねた。
525:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 11:44:42 0
夢や妄想ではなんども宮崎とキスをしたことがあるが
やっぱり生は違うなぁ、と改めて感じた。
やわらかい唇の感触。
ディープキスってどうやるんだろう。
過去に全く経験がなかったのでやり方は全くわからなかったが
とりあえず舌を突っ込むということだけは知っていたので俺は宮崎の口内に舌を伸ばした。
「んっ」
宮崎が一瞬声を漏らしたかと思えばすぐに口を閉じてしまった。
歯によってガードされてしまってはどうしようもない。
また一旦唇を離し、宮崎に言う。
「あおい。」
少し強めの口調で言ってみた。
効果は抜群。
再び唇を重ねたときには、しっかりと口をあけて俺の舌の侵入を許してくれた。
宮崎はたった今、俺の手中に堕ちた。そう感じた。
526:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 11:48:44 0
俺はたまらなくなって立ったまま宮崎の胸を右手で鷲掴みにした。
さすがに宮崎も驚いたのか、急いで唇を離して「ちょっと!」と抵抗した。
辺りはもう暗くなってきていた。
「いいじゃんー」と言いながら俺は宮崎の体を半回転させ
ちょうど俺が宮崎の後ろから抱きつくような形にした。
俺は両手にすっぽりと収まる宮崎の胸の感触を味わった。
程よい弾力、本当にこの感触はたまらない。
しばらくは「ちょっとー」とか「ねぇ、終わりにしよ?」とか言ってた宮崎だが
諦めたのか、少し経つと何も言わなくなった。
宮崎は体操着。薄着である。
ブラの形とか普通に手に伝わってきてます。
俺は我慢ならなくなり
宮崎のズボンの中に右手を突っ込んだ。
すると宮崎はすごい勢いで腰を引いて首を横にぶんぶん振った。
俺は構わずズボンの中を片手で探索した。
パンツに触れたようだが予想とは違う感触、素材。
ちょうど女性器にあたる部分にも触れたが、予想とは違うごつごつした
骨に皮をかぶせただけ、という感じだった。
527:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 12:01:13 0
よくイケない漫画やノベルにある「ぷにぷに」や「びらびら」などから連想されるものとは全く違った。
そしてここで童貞のスキルが遺憾なく発揮された。
想像してた秘所、その想像が裏切られたとわかった瞬間
一瞬にして萎えてしまい、賢者タイムにはいった。
俺は何をしてるんだろう。 こんな夕暮れの公園で。
人が通るかもしれないのに。 こんな汚いところに手突っ込んで。
宮崎怒ってるんじゃないかな。 ケンカになる?まぁ仕方ないか。
これ、右手とか臭くなってないだろうな?
「ごめん」と言って俺は宮崎の体から離れる。
宮崎にバレないようにそっと右手の匂いを嗅いでみたが
案の定、宮崎のイイ匂いが濃くこびり付いていただけだった。
むしろ嬉しくなった。また性欲が湧いてきた。
しかしここからまた無理にいやらしい展開にもっていくわけにもいかず
その日はとくに何も無く、別れた。
帰ってから
やり場の無かった性欲を、一人妄想によって爆発させ
その後宮崎に一通のメールを送った。
528:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 12:06:49 0
俺は宮崎に一通のメールを送った。
「明日会える?」
きっと宮崎は警戒してるだろう。
自分が信頼を置いていた男子にまで、こんなことをされたんじゃ
もう会いたくなくなるのも当然だと思ってた。
返事が来た。
「いいよ。お昼過ぎからなら大丈夫だけど。」
やっぱり宮崎だ。こいつは宮崎なのだ。
天然で、可愛くて、優しくて
お調子者で、みんなに好かれていて
俺は宮崎のことが好きで。大好きで。俺は宮崎の事をわかったつもりでいた。
「じゃあ13時に俺の家に。」
「わかった。七男くんの家久しぶりだから、なんだか楽しみ(*^ ^*)」
さすがに家に誘ったら断るだろうと思ってたが
宮崎はそれどころか喜んで家に来ることを承諾した。
この時、俺の中にまたドス黒い欲の塊が生まれた。
529:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 12:10:55 0
俺の中に生まれたドス黒い欲の塊
明日にでも、これを爆発させてやろう。
翌日の朝
俺は急いで近くの薬局に向かう。
探すのに手間取ったが、見つけた瞬間すぐにその商品を手に取りレジにむかった。
会計を済ませ、店を出ると
店の入り口脇に小さな自動販売機があった。
「なんだ、コンドームの自動販売機なんてあったんだ。わざわざ店で買うことなかったな。」
俺はそんなことを言いながらため息をつき
急いで家に戻った。
宮崎が来る時間まで
あと2時間。しっかりシュミレートしておこう。
530:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 12:13:20 0
今日の更新はここまでです。
いつもレス下さる方、ありがとうございます><
更新ペースあげます。
2,3日おきに投下したいと思ってます。
宜しくお願いします。
531:夢見る名無しさん
10/02/06 13:54:13 0
おつ!
これって創作?
532:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/06 14:44:35 0
>>531
>>238にも書きましたが、創作ではありません。あしからず・・・。
533:夢見る名無しさん
10/02/06 19:32:24 0
続きが楽しみすぎで困るww
534:夢見る名無しさん
10/02/06 23:44:53 0
推薦・・・受かった。
受験終わった。
これからは、ゆっくり読める。
応援してるぜよ
535:夢見る名無しさん
10/02/07 00:40:03 0
>>534
おめーー!!
俺も高校受験来月あるから頑張るわ
536:夢見る名無しさん
10/02/09 00:41:21 0
age
537:夢見る名無しさん
10/02/09 16:40:34 0
更新乙です。
次回も楽しみに待ってますー。
538:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:13:59 0
>>533お待たせしました!
>>534おめでとうございますっ!これからも頑張ってくださいー><
>>535中学生の方でしょうか・・・?年齢層が意外に低くて驚きました!
>>537ありがとうございます。更新再開します。
539:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:16:33 0
今、隣には宮崎がいる。
柴咲を家にあげたときと同じ
俺と宮崎の間には拳3つほどのスペースが空いていて
二人して俺のベットに腰掛けている。
宮崎はさっきから俺の部屋をぐるぐると見回している。
よくも飽きないものだ。
家にあげてから5分か10分は経っただろう。
俺達は「おじゃまします」「どうぞ」以外の言葉を交わしてない。
気まずすぎる雰囲気。どうにかせねば。
宮崎が口を開く。
「ねぇ。」
「ん?」
宮崎から不意打ちを食らった俺は、つい声が裏返ってしまった。
それを聞いた宮崎がクスクス笑っている。
しかしその微笑みもすぐに消え去り、宮崎が続けた。
「昨日のうちとのキスってさぁ・・・ 七男くん、ファーストだったの?」
540:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:21:25 0
恥ずかしいのか、宮崎の発する言葉がだんだん小さくなっていっていく。
最後の「だったの?」なんて聞こえるか聞こえないかくらいの声量になっていた。
さて、なんて答えたらいいのだろうか。
男遊びが過ぎていることで有名な柴咲と一度でも付き合ったことがある、だなんて言ったら
きっと宮崎は俺のことを軽蔑するだろう。でも嘘をつくわけには・・・
「うん。初めてだったよ。」
俺は嘘をついた。
「初めてがうちなんかで良かったの?」
「うん。」
「だってうちなんかとしたって・・・」
「大丈夫だよ。」
「・・・。」
嘘だ。宮崎、俺は昨日のキスが始めてじゃない。
だから「初めてがうちなんかで良かったの?」って質問にも
なんの抵抗も無く「うん」と答えられた。
いや、仮に本当にファーストキスが宮崎とだったとしても
俺は一向に構わない。むしろ大歓迎だ。
いや しかし俺は嘘をついている。
541:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:25:23 0
やはり耐えられない・・・。
耐えられない。
「いや、」
俺の言葉に反応し、宮崎がこっちを向く。
可愛い仔リスみたいな顔だ。
どうか次の俺の言葉によって
その可愛い顔が、悲しみだとか、怒りだとかで歪みませんように・・・。
「昨日のキスは初めてじゃない。」
「えっ?」
宮崎は驚いてるようだった。
宮崎の顔を見てみる。怒ってはなさそうだ。ただ、驚いている。
「でもさっき・・・」
「うん。俺さっき嘘ついた。」
「うん・・・。」
542:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:30:37 0
宮崎はどうしたらいいのかわからないようだった。
俺は自分の襟足をいじる。
緊張したり、焦ったりするといつもこうする。
先生に怒られているときも、親に核心を迫られているときも、俺は襟足をいじってる。
「俺は去年、柴咲とキスしてる。」
「柴咲って・・・うちのクラスの?」
「うん。」
「うそ・・・。」
宮崎は自分の膝を引き寄せ、立てて
そこに顔をうずめてしまった。
どこかで見たことある光景だ。
だけどあの時とは違う。あの時は恥ずかしがってたんだ。
今は泣いている。
声を押し殺して、宮崎が泣いている。
なぜだかわからないが、俺はこのタイミングでこう言った。
543:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:36:35 0
「あおい、付き合ってほしい。」
宮崎は泣き止んだ。
しかし顔をあげない。
鼻を2,3回啜ってようやく顔を上げる。
「からかってる?」
かすれた声で、精一杯喋っているようだった。
「からかってなんかない。」
「本気なの?」
「本気だよ。」
俺は宮崎を抱きしめた。
宮崎が耳元で「ばかっ」って言ってくるもんだから
それからというものの、俺は勃起したTNTNを隠すのが大変だった。
そのまま宮崎の上に覆いかぶさるように押し倒す。
ゆっくりと、丁寧に。乱暴はいけない。
544:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:41:48 0
仰向けになって、片手で口元を押さえている宮崎。
宮崎にまたがるようにして、宮崎の顔を上から覗き込む俺。
「何その手。キスが嫌なんだ。」
「ち、ちがくてっ! これは・・・ただ・・・」
「ただ?」
「びっくりしちゃって・・・。」
てっきり本当にキスを拒否されているのかと思った。
でも拒否されても不思議ではない。
俺達はまだただの「友達」なんだから。
「告白の返事はいつくれるのー?」
返事はすぐにもらいたかったが、今回ばかりは宮崎に嫌われたくないがために慎重になっていた。
「返事ならもう決まってるけど・・・」
「え?」
545:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:46:29 0
宮崎の意外すぎる言葉に、ぽかーんとしてしまう俺。情けない。
「返事はOKだよ。 異議はありますかぁー?」
いつものふんわりした喋り方に戻った。良かった。
いつもの宮崎だ。俺はひとまず安心した。
しかし申し訳ないけど、欲を抑えることができないので早速イかせていただきます。
俺は半ば乱暴に宮崎にキスをする。
かなり長い間口付けをしてた。
「うーーーん」と宮崎が呻いたので口を離すと
「長い!呼吸できない!死ぬ!」と言いながら肩をぱしぱし叩いてきた。
俺は何も言わず宮崎のシャツを脱がしにかかる。
宮崎はシャツの裾を掴んで「恥ずかしい・・・」と抵抗しているが、そんなのお構いなしだ。
シャツをめくると真っ白なブラジャーがあらわれた。
宮崎の呼吸に合わせて、無駄な肉のついていないお腹や胸が上下する。
非常にセクシーだ。
これを言うのが何度目か分からないが、俺は裸体よりも下着姿に興奮する。
546:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:52:33 0
ブラの上から宮崎の胸の感触を堪能する。
Cカップほどだろうか。両手にすっぽり収まる大きさ。うーん、ベスト。
興奮しすぎてたまに強く揉んでしまうことがある。
すると、宮崎様から「痛ッ」と苦情がくる。
それにしてもほんとうに柔らかい。中学3年生の胸はこんなにも柔らかいのか。
俺はズルズルと下にずれていく。
二人でもぞもぞしていたせいか、ズボンが少しずれてパンツのゴムの部分が見えている。
赤。
「へぇー。赤いパンツ穿いてるんだー」
「言わないでっ!しかも全部赤なわけじゃないしっ!」
「そっかー。じゃあ確認しよーっと」
そう言って俺は一気に宮崎のズボンをおろす。
「あっ!」といってズボンを押さえようとするも、さすがに男子の力には勝てないのだろう。
簡単に脱がすことができた。
「もう・・・いやぁ・・・」
547:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/09 23:55:35 0
そんなこと言いながら両手で顔を隠している宮崎。
確かに全部が赤いわけではなかった。
ゴムの部分、縁だけが赤いラインになっていて
他は真っ白。純白のパンツだ。
俺はズルズルとまた宮崎の上半身のほうまでのぼり、宮崎が見てないのをいいことに一気にブラをずらした。
「ちょっ!」と宮崎が驚いて両手を顔から離した時には
俺はもう宮崎の胸にしゃぶりついていた。
本当に「しゃぶりつく」という表現が一番しっくりくるような
なんのテクニックも持たないガキの、必死の「攻め」。
調子に乗った俺はそのまま右手を下ろし、宮崎のパンツの中に手を突っ込む。
直後に宮崎は伸ばしていた足をたたんで、ヒザを立てた。
反射的なメス特有の行動なのだろうか。
俺は何も知らない。
攻めるべき場所も、方法も。
俺は無我夢中で指を一本
宮崎の「ソコ」に無理やり突っ込み、出したり抜いたりを繰り返した。
ヌチャっとしている。これは濡れているのか?何もわからない。
AVでよく女性が大きな喘ぎ声を出しているのを思い出して
どうか宮崎も喘がないものかと試行錯誤を繰り返した。
指の角度を変えたり、弄る場所を変えたり、かき回したり。
最終的にたどり着いたところが「高速ピストン」。
ただむやみに、挿した1本の指を高速で出し抜きしてみた。
548:夢見る名無しさん
10/02/10 00:15:37 0
止まった…だと!?
549:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/10 00:33:35 0
結局その日は宮崎の喘ぎ声一つ聞くことができなかった。
反省点を探しながら、俺は宮崎の服を整える。
「いい。」と言って宮崎は俺の手を振り払い自分で服を着始める。
少しムッとした顔で服を着ている彼女の横で
何もできないでいる彼氏。
ほんとうに情けない。なにをやっても冴えない。俺はダメだ。
自己嫌悪に陥る。
「あれは、濡れていたのか?」
どうしても気になったので聞いてしまった。
どこまでも最低な男である。
宮崎は沈黙している。
「そっかー。気持ちよかったんだな。」
また俺はとんでもないことを言ってしまった。
言った直後に後悔した。
強がった結果の卑劣な言葉。
とてもこんな状況でかけるべき言葉ではないはず。
絶対に気持ちよくなんかないはずなのに。
550:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/10 00:39:27 0
「うん。気持ちよかったよ。」
一瞬、え?本当に?と思ってしまったが
これは違う。今の宮崎の言葉に、感情は全くこもってない。
・・・宮崎は俺を喜ばそうとしているのか?
「すごく気持ちよかったよ。」
気持ちよくなんかないはずだ。
無理してるのか?俺が無理させているのか?
そうだ。俺が言わせてしまってるんだ。
「七男くん、すーっごい上手だし。」
思ってもないことを言わないでくれ。
それ以上、言わないでくれ。
宮崎、お前も苦しいはずだろう。
「驚いちゃった。本当に気持ち良いし・・・。」
もう十分だよ、宮崎・・・。
わかったよ・・・。
「うち七男くんのことますます好きになっちゃったなー」
551:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/10 00:45:56 0
宮崎・・・。
もう大丈夫だから・・・。
「これから七男くんと・・・」
「もういいよ!」
つい大声を出してしまった。
「だって七男くんが・・・」
「いいんだ。もういいんだ。あおい、ごめん。」
「・・・。」
しばしの沈黙。いつものことだ。もう慣れた。宮崎はどう思ってるかわからないが。
「・・・でよね。」
「え?」
宮崎が何か言ったような気がしたが、うまく聞き取れなかった。
「・・・らないでよね。」
552:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/10 00:49:26 0
「・・・え?」
「ケインくんの二の舞にならないでよね!」
そうだ。
つい昨日知らされた事実。
それを聞いた瞬間、ケインに殺意まで湧いた俺だが
今の自分がしてることはケインと大して変わらない。
宮崎に、また同じ想いをさせてしまっていたのか。
「うち、帰るね。」
「ごめん。」
「怒ってないよ。七男くんのことは本当に好き。うちらは付き合ってるんだから。
これからもずっと。だけど今はちょっと一人になりたくって」
そういって宮崎は俺の家を出て帰宅した。
それからケインを責める気にもならず
かと言ってバンドを続けるにはあまりにも複雑な思いが交差しすぎていて辛いので
バンドは解散することにした。
なにも無い、平和な毎日が過ごしたかった。
553:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/10 00:52:50 0
学校生活において
上半期委員会でとくに柴咲との出来事も無く無事に委員会を終えることができた。
受験が近づいてきたせいか、柴咲も頭を丸めたのか
最近は男がらみの噂を耳にすることは無くなった。
宮崎との仲も良好で
ケンカもなく、月に1度お出かけしたりなど
あれから宮崎のカラダを貪るようなことも一切しなかった。
まぁキス中にどさくさにまぎてれおっぱいタッチなんてことはしょっちゅうあったけれども。
この物語において、何か重要そうな伏線を引いておいた「修学旅行」も
特に大きな出来事もなく穏和に終えることができた。
ケインたちと出場する予定だった文化祭は、やはり当日になるとバンド解散したことを後悔したが
ハンパな気持ちで舞台に立つよりはマシだと自分に言い聞かせていた。
そして時は過ぎ
中学校生活最大にして最重要行事が迫っていた。
──卒業式である。
554:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/10 00:55:30 0
今日の更新はここまでです。
先日は久しぶりに関東にも雪が降り
大はしゃぎして外で遊んでたら風邪をひきました。
みなさんも風邪にはご注意ください。
試験など大事なことが控えてる方は特に・・・。
それではまた次回!!
555:夢見る名無しさん
10/02/10 01:04:43 0
とうとう卒業か…更新待ってます
556:夢見る名無しさん
10/02/10 19:49:32 0
なんか終わりが近づいてくると悲しいなぁ・・・
乙です。更新待ってますー
557:夢見る名無しさん
10/02/11 22:38:09 0
wktk
558:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 02:14:38 0
普段粋がっている男子も
チャラチャラした生意気な女子も
卒業式のリハーサルこそ不真面目に受けていたわけだが
当日になると笑ってしまうほど真面目に式に出ていた。
卒業証書をしっかりと両手で受け取り
一歩一歩踏みしめながらゆっくりと階段を下りる。
中には卒業証書を受け取ったときにはもうボロ泣きしてしまっていて
校長先生をあたふたさせてしまうような生徒もいるくらいだった。
俺はというと
ここに書いていないところでもそこそこ中学校生活をエンジョイしていただけあり
式中はずっと声を押し殺しながら泣いていた。
まぁ泣き虫のヘタレ男が
卒業式で泣くなというほうが無理な話であるわけで。
559:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 02:15:40 0
さて
全員が証書を受け取り終わり
泣くばかりでろくに歌えてない校歌を歌い終わり
3年生は一旦退場となる。
体育館を出た3年生は、各教室に戻り担任から最後の指導を受ける。
指導と言っても、少しお話をするだけなのだが。
うちのクラスの担任は
前にも書いたように割とキャリアのある先生だったので
どんな感動的なお言葉を下さるのかと期待していたが
そんな俺の浅はかな期待の大きく上を行ったことを先生はやり始めた。
俺達生徒全員に
一人一人メッセージを送り始めた。
もちろんこのクラスの生徒にだけだが
それでも30人を超す生徒に一人づつメッセージを、だなんて
改めて担任を見直した瞬間だった。
先生はあまりにもサラッと
生徒達にメッセージを送っていくので
それが妙に悲しくて、今まで泣いていなかった生徒も次々に泣きだした。
560:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 02:17:01 0
先生は俺に
「お前はひまわりだ。先生はひまわり好きだぞ。」と言ってくれた。
その時は全く意味がわからなかったが、今になってなんとなくわかってきたような気がする。
ただ先生に会釈をして返すことしかできなかった自分を悔やんでいる。
各クラスとも、担任からの最後の指導が終わったようで、
ずらずらと廊下に出てくる3年生。泣き声しかしない。
順番に下駄箱から外に出る。
泣きじゃくる卒業生達を迎えてくれたのは
在校生と卒業生の親達。
俺達3年生のために
下駄箱から校門までの花道をつくってくれていた。
まぁ毎年恒例のことなんだが
去年までの自分は、道の両脇に立って「卒業おめっとさん」と声をかける側だった。
今年は声をかけられる側だ。
なんて気持ち良いんだろう。
寝たり食ったりする時、オナニーの時などとは違う
本当の気持ちよさだ。
561:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 02:18:05 0
校門を出てすぐに帰路につく生徒は少なく
ほとんどの生徒が在校生や同級生との写真撮影会に花を咲かす。
俺もその辺の男友達とパシャリパシャリと撮っていたわけだが
突然後ろから声をかけられた。
「七男先輩・・・」
声をかけてきた子は
一つ下の後輩、名前や顔はしっていたが話した事は無い、小さくて可愛い女の子だった。
少し声の高い、目がくりくりした、いわゆる「癒し系」たる女の子だ。
こんな子に声をかけられたんだ。悪い気はしない。
「どうしたの?」
「あのー・・・」
もじもじしてなかなか次の言葉が言い出せないようだった。
彼女の後ろの方では、彼女の友達らしき女子は2,3人こちらを見てクスクス笑っている。
この子は俺に告白でもするのか?いやぁ、まさかな。
「先輩、第2ボタンください!」
562:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 15:12:04 0
ほう。聞いたことがあるぞ。
第2ボタンをもらった女の子は、くれた男の子と結ばれるんだっけか。
と、いうことはこれってまさか・・・
「俺のボタン?きみがほしいの?」
「はい。私、ほしいんです。」
ktkr!
俺はニヤニヤしたくなる衝動を抑えつつ
「大切にしてねー」
といってボタンを渡した。
第2ボタン。
本来なら彼女である宮崎にあげるべきなのだが
今まで宮崎から第2ボタンについて何も言われなかったので
有頂天になってた俺は簡単に後輩にあげてしまった。
ものすごく嬉しそうにしながら
ボタンをにぎって友達のところに戻っていく彼女は
本当に可愛かった。恋人にしようとかの可愛いとは少し違ったけれど。
この光景をみていた同級生に少し冷やかされながら
俺はまた写真撮影会に勤しんだ。
563:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 15:15:31 0
ふとまわりを見回すと
少し離れた場所にいる宮崎と目があった。
宮崎は自分の右手に持っているデジカメをぷらぷらさせながら
あごで俺を呼んでいる。
書かなかったが、3年生になってから今までの間で
宮崎の性格が徐々に
今となってはガラリと変わってしまっていた。
いわゆるツンデレというやつだ。
こんなに出来すぎた話はないのだが
しばらく会えない日が続き、俺が謝ってばかりいると
宮崎はなぜかツンツンするようになり
同時にデレることも多くなってきていた。
宮崎の元に行くと
宮崎は「写真、撮る?」と一言。
ここまでまわりには内緒で付き合ってきたのに
今一緒に写真を撮ったらバレてしまうんじゃないか、と宮崎に問うと
「撮りたいんだからいいじゃん。もう秘密とかいいよ」
と言ってあまり人のいない場所に俺を引っ張っていき
宮崎はノリノリでシャッターを切った。
564:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 15:18:10 0
「はいこれ宝物ー」
そんなことを言いながら今撮った写真を確認している宮崎。
相変わらずいい匂いがしますね、宮崎さん。
それからしばらく
学校の校庭にポツン置かれた朝礼台に座って宮崎を談話していた。
用の無くなった在校生は、先に帰ってしまい
残るは、いまだに撮影会を続けてる3年生だけとなった。
「そういえば、うち欲しいものがあるんだけどー」
「なになにー?」
「第2ボタン、ちょーだい!」
565:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 15:22:30 0
これほどまでにびっしゃり冷や汗をかいた日はないだろう。
「どうしたの?七男くん」
「いや・・・その・・・」
「・・・あ、これボタン外してるんじゃなくて、ボタン無いの?」
第1、第2ボタンはいつもあけていたから
ボタンが無くなっていてもパッと見わからないのだが
宮崎にばれてしまった。
「ごめん!さっき後輩の子にちょうだいって言われて・・・あげちゃって・・・」
「そっか。なら・・・」
「いや、返してきてもらう!今すぐ取ってくるから、ここで待ってて!」
「え、ちょ」
俺は無我夢中で走り出した。
後ろで宮崎が何か叫んでいるが聞き取れない。
566:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 15:26:07 0
校門を勢いよく出ると
俺はケインに引き止められた。
こんなときになんだってんだ。
「七男。俺が言う資格はないだろうが言わせてもらう。」
「なんだよ。」
「宮崎を幸せにしろよ。」
ははぁ。
まぁそりゃぁ一緒に写真とって、くっついて座って話してれば恋人同士だと思われるわな。
でも、こんな相変わらず上目線で、普通なら逆ギレしてもおかしくないような立場におかれていた俺には
全く怒りの「い」の字も感じず
むしろ「わかりました、ケイン様」といった感じだった。
ケインは無理やり宮崎を犯したが
そのあとすぐに俺自身も同じようなことをしようとしていた。
同じ獣にはかわりないのだ。
俺はなるべく明るく「あぁ!」と返事してまた走り始めた。
567:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 15:29:34 0
本当はケインと高校に行ってからバンドを再結成して
メンバー集めてステージで披露したかったが
ケインがどこの高校に行くのか
そういえば全く聞いておらず、わからず仕舞いだった。
まぁきっと同じ高校ではないだろう。バンド再結成の夢は絶たれた。
俺と宮崎は、高校は別の学校になる。宮崎の学力に俺がついていけなかったのが原因なのだが。
そんなことを考えながら俺はひたすら走る。
ボタンを渡した後輩の子の家など知るはずも無い。
しかし一緒にいた友達の家が
だいたいこっちの方面だろうというのはわかっていたので
とりあえず思い当たるほうへ走ってみた。
少し大きめな公園にたどり着く。
運が良いのか悪いのか、そこには彼女と彼女の友達がいた。
俺は息を荒くしつつもなんとか説明をしてボタンを返してくれと頼んだ。
俺は酷いことをしてるわけだし、彼女が泣き出しても、怒り出してもおかしくない
それくらいのことは覚悟してた。
しかし彼女は
「そうですよね。彼女さんのほうが大事ですもんね。」と
少し物悲しそうにボタンを返してくれた。
俺は何度も謝って急いで学校に戻った。
学校から公園まで、走って片道10分ほど。
・・・間に合う!このまま急げば・・・!
568:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 15:35:39 0
学校に戻ると
まだ校門の前にはちらほらと3年生の姿が見受けられた。
よし。まだ帰ってないな。
校庭に向かう。
朝礼台が見える。
しかし宮崎はいない。
近くにいた教師から
宮崎は先ほど泣きながら家に帰っていったということを聞かされた。
第2ボタンを右手に握り締めながら
校庭の隅で泣いている俺は
いつになく小さくて弱く思えた。
569:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/15 15:37:45 0
今回の更新はここまでです。
さらに寒さが厳しくなっている中
いつも見てくださってる方には感謝しています。
それではまた次回。
570:夢見る名無しさん
10/02/15 22:39:45 0
楽しみに待ってるぜ!
571:夢見る名無しさん
10/02/15 23:09:32 O
軽い人ってやだよね
しかも両刀使い(笑)
572:夢見る名無しさん
10/02/16 03:36:06 O
他の女の話とか過去の女の話なんか聞きたくないの!
ぼぉけが
573:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/16 16:00:43 0
>>570ありがとうございます。
>>571中学生の時
軽いのもありますがすごい勘違い男でした。
>>572
この話
恋愛メインで進行するので女性のことばかり出てきます・・・
不愉快でしたら見ないことをオススメしますが、本当に迷惑なようでしたらやめます。
574:夢見る名無しさん
10/02/17 00:15:43 0
乙。俺は問題ないと思うよ
575:夢見る名無しさん
10/02/20 05:03:15 O
ageとくか
576:夢見る名無しさん
10/02/21 18:47:23 0
更新マダー?
577:夢見る名無しさん
10/02/21 20:28:20 O
楽しみに待ってます
578:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/21 21:59:54 0
俺は心底驚いていた。
なぜこいつがいる。
高校の入学式に
なぜケインがいるんだ?
「よう七男。バレないようにするの、大変だったぜ」
高校生活初日からいらぬサプライズを仕掛けられた俺は
とても疲れた。
ケインは俺と同じ高校を受験した。
見事二人とも合格して、と言いたいところだが
定員割れしている高校を受験して、落ちるほうが珍しい。
高校生活をエンジョイ!と思っていたが
どうもクラスメイトの編成をみるとエンジョイなんてできそうにもない。
まず、受験の日や出願の日にチラと見かけた可愛い女の子達が
なぜ全員同じクラスじゃないんだ?
同じクラスの女子は「美女!」と言えるような子が一人もいない。
「おい七男、このクラス編成に嫌気でも差してるんじゃねぇのか?」
579:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/21 22:03:10 0
「だけどなぁ、お前 宮崎という女を差し置いて他の女に手を出そうったって
そんなことこの俺様が許さねぇよ」
そんなことを言うケインに適当に返事をしたが
あいにく今の俺に宮崎の話題をふられると少し辛い。
中学校の卒業式以来
何度メールしても返事は来ないし
電話をしても出ない、留守電を残しても何も無し。
チキンなので宮崎の家に行く事もできず
結局あれから一言も話をしていない。
どうしたものか、と春休み中は一人ずっと悩んでいた。
このまま自然消滅、なんてことは絶対に避けたい。
宮崎がよく通っていると言う本屋にも何度か行ってみたが会うことはできなかった。
音信不通の恋人と付き合ってるだなんて
胸を張っていえることではないが
俺は今でも宮崎と付き合っているつもりだ。
よって他の女子とは
仲良くなれても「友達」まででガマンしよう。
我慢というより、それが当たり前のことなのだが。
580:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/21 22:13:26 0
それよりケイン
なぜお前が同じクラスなんだ。
あっという間に春が去り、夏が来る。
クラスの中でほんの少しだが話せる友達もできてきた。
中学の嫌な思い出しかない体育祭とは違い、高校の体育祭はものすごく白熱した。
走ることは好きだったので俺は長距離走選手に立候補した。
中学のテキトーに整備された地面とは違う、
高校のずっしりとした地面を蹴って思いっきり走った。
走っている時にまわりから声をかけられる気持ちよさ
あれは病み付きになる。
体育祭では良い成績が残せた。
高校生になって
俺は部活には所属しなかったものの毎日のランニングは欠かさずやっていた。
1日サボると、取り戻すのに1日かかる。サボることは無かった。
その成果が現れたのだろう。
581:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/21 22:18:07 0
さらに年月が過ぎ
合唱コンクールが近づいてきた。
高校にいけば合唱する機会も無いんじゃないかと思っていたが
案の定合唱コンクールは盛大に開催された。
中学の時の様に
「歌ってられっかよ」と教師に反発して全然歌わない、というような生徒は一人もいなかった。
もっともこれはうちの高校が平和だからなのだろうが。
いや、この学校が、ではなくこのクラスが平和なのだろう。
のんびりした人しかいないからな。俺のように。
こうして、高校1年生になってから
行事がある度に、中学校のときと比べては
ああだったな、こうだったな、と感傷に浸っていたのだが
いよいよ高校2年生になって、そんな余裕も無くなってきた。
高校2年生の春。
新高校生として入学してきた1コ下の後輩達を見て
去年は俺らもあんな感じだったのかな、と考えていると
廊下でケインに声をかけられた。
「明日のやつ、お前ももちろん行くんだよな?」
582:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/21 22:23:05 0
「は?」
「は?じゃねぇよ。ほら、宮崎の」
丸々一年
宮崎とは何の連絡もとっておらず
正直これはもう自然消滅しかないだろうと諦めて
もう宮崎のことなど忘れかけていた。
しかしケインの口から宮崎の名前が出た瞬間
俺は一気に過去の思い出が走馬灯のように蘇った。
「宮崎が、どうしたって?」
慌てて聞き返す俺。
「宮崎の母さんが亡くなったって話。聞いてねぇのか?」
「宮崎の・・・ 亡くなった・・・?」
「あぁ。明日、葬式があるみてぇだから 俺と一緒に行くか。」
聞いてなかった。
宮崎からはなんの連絡も無かった。
583:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/21 22:28:35 0
ケインより
少なくともケインよりは宮崎に近い存在であったはずの俺が
ケインの知っていることを知らなかった。
宮崎はケインには教えて
俺には教えなかったのだ。
この事実は変わらない。
だけど信じたくなかった。
呼ばれていない葬式に行っていいのだろうか。
だけど明日しか宮崎に会えるチャンスは無いかもしれない
「おう。行くよ。」
俺はそう返事した。
その晩
宮崎から葬式に関するメールが来ないかと待っていたが
結局宮崎からメールが来ることはなかった。
584:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/21 22:31:58 0
翌日
夕方になり、待ち合わせの駅に向かう。
そこにはケインがいた。
「よし、じゃあ向かうか。」
駅から少し歩いて着いた場所には
たくさんの黒服を着た人がいて
遠くのほうに はっきりとは見えないが
歩いている人たちにお辞儀をする、可愛いブレザーを着た宮崎らしき人物がいた。
心臓が張り裂けそうだった。
585:七男 ◆RaOe7CTARw
10/02/21 22:33:41 0
今日はここまでです。
来年度から忙しくなりそうなので
かなりカッ飛ばしで進行していきます。
3月上旬くらいには終わりそうです。
いつも見てくださっている方ありがとうございます。
586:夢見る名無しさん
10/02/22 01:11:40 O
気になるー!
587:夢見る名無しさん
10/02/28 21:38:50 0
カッ飛ばしてる?
588:夢見る名無しさん
10/03/04 22:53:23 0
>>535 ありがとう。ちょっと遅れたが受験がんばれ!
いつも更新乙 楽しみにしてるぜよ。
俺はこういった経験がしたいぜよ。
・・・実は、俺も中学生だぜよ。
589:夢見る名無しさん
10/03/13 14:54:22 0
規制か・・・
長いな
気長に待つか
590:夢見る名無しさん
10/03/13 16:53:03 0
スパイ養成機関・朝鮮総連に無許可で突撃してみた。
朝鮮総連に不利なものが映っている為か何度も削除されているので皆さんお早めにご覧ください。
多くの拉致被害者を返さない朝鮮総連に鉄槌を!
URLリンク(www.nicovideo.jp)
URLリンク(www.nicovideo.jp)
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(youtube編)
URLリンク(www.youtube.com)
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URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
591:夢見る名無しさん
10/03/15 20:51:47 O
待ってるよ~
592:夢見る名無しさん
10/03/20 08:50:50 0
まだ規制?
593:夢見る名無しさん
10/03/22 19:23:17 0
やめないで(;;)
ずっと待ってます
宮ちゃん可愛すぎー!!
594:夢見る名無しさん
10/03/23 01:25:57 0
やっと追いついた!!
なんか小説みたいでつい一気読みしてしまった
春から高校生になるけどこんなに中学校3年間濃くなかったな
尊敬します
高校生になってからは頑張ろう
更新、待ってます
595:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/23 18:07:44 0
一ヶ月以上も更新が滞ってしまい
待っていた方には本当に申し訳ありません。
規制と自分の都合もあり、書き込めませんでした。
もうスレ落ちてるんじゃないか?もう見てくれてる人もいないんじゃないか?
と思っていたら
温かい書き込みがいくつもあり、励まされました。
本当にありがとうございます。
予定を大きくオーバーしそうですが
必ず完結させますので、もしよろしければお付き合いください。
596:にk
10/03/23 22:54:48 i
見てますよ!待ってますからね
597:夢見る名無しさん
10/03/23 23:08:46 0
待ってました\(^^)/
しえん
598:夢見る名無しさん
10/03/23 23:20:26 0
あげ
599:夢見る名無しさん
10/03/24 01:46:38 O
>>219と>>525の矛盾点
そして、>>531-532のやり取り・・・嘘つきめ
600:夢見る名無しさん
10/03/24 04:10:16 0
更新待ってましたー
慌てずゆっくりと最後まで頑張ってください。
601:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 13:42:48 0
お待たせしました。
>>599
一見、確かに矛盾しているかのように思えます。
このスレでは過去を振り返りながら書き留めています。
昔から今にかけて古い順に思い出しています。
創作だと思ってこの話を見ている方も、実話だと思って見ている方もいると思います。
しかしこれらが事実かどうか証明しろと言われても方法が見つかりません。
ですので、どうとらえるかは見ていただいてる方の自由です。
>>219と>>525についてですが
>>219は柴咲さんのほうから舌を絡ませてきました。ただそれだけです。
>>525では初めて自分から舌を絡ませようとしています。その点で「過去に経験がない」と言っています。
言い訳にしか見えないかもしれませんが、これで納得いただけたでしょうか。
では投下再開します
602:夢見る名無しさん
10/03/24 13:59:49 O
自分も闇雲に柴咲の口の中を弄繰り回す。
自分も闇雲に柴咲の口の中を弄繰り回す。
自分も闇雲に柴咲の口の中を弄繰り回す。
自分も闇雲に柴咲の口の中を弄繰り回す。
自分も闇雲に柴咲の口の中を弄繰り回す。
603:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 17:41:47 0
>>602「闇雲に」「自分から」
改めて投下再開します。
604:夢見る名無しさん
10/03/24 17:47:17 O
つまんね
605:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 17:48:53 0
宮崎・・・?
遠目で見た女性は、確かに高校のブレザーを着た、あの頃と変わらない宮崎だった。
少し慎重が伸びただろうか?
実に1年ぶりの再会だった。
俺は放心状態で宮崎に近づいた。
ケインは俺の隣で無言で宮崎に一礼した。
俺もつられて宮崎に礼をする。
宮崎は本当に変わってなかった。
そこまで近くない距離にいるはずの俺にも
あの宮崎の良い匂いが漂ってきた。
きっと隣にいるケインも感じ取っていただろう。
「お忙しい中、足を運んでいただいてありがとうございます。」
宮崎はそう言った。
いやに丁寧で、少し距離を感じた。
606:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 17:52:12 0
「いえいえ。 ほら、いくぞ七男」
そう言ってケインは歩き出してしまった。
俺は動けなかった。
伝えなきゃいけないことがある、そう思っていた。
でもいまさら何を伝える?「俺達、付き合ってるんだよな?」とでも聞くのか?
いつもの可愛い笑顔は見れなかった。
今日の宮崎は涙を必死にこらえていた。
俺がその場でもじもじしていると
宮崎が口を開けた。
「これが終わったら東口の横のトイレの前に来て。」
「えっ?」
聞こえていた。宮崎の声は聞こえていたが
もっと長く話したいが為に、俺はあえて聞き返した。
607:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 17:56:28 0
「いいから早く行って。」
宮崎は俺に小声でそう言った。
あとでゆっくり話せるんだし、と自分を慰め
俺は葬儀場に入り、ケインの横に腰掛けた。
「遅かったな。何してたんだ」
答えはわかってるくせに。こいつは俺に聞いてくる。
「黙らないと木魚で撲殺するぞ。」
俺はこう答えてやった。
先ほど、宮崎と交わしたわずかな言葉。少しの会話。
その間に渡せばよかった。どうなろうと、もうしらん。とにかく渡せばよかった。
俺は渡せなかった「ソレ」をポケットの中でぎゅっと握り締めた。
608:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:01:58 0
親戚の葬儀だと眠くなる。
母親の父親の弟の葬式では半分寝ていた。
しかし今日は眠気が全くこなかった。
一番前の列の右端に、宮崎と宮崎の父親らしき人物が座っている。
宮崎は後姿も美しかった。
一通り終わると、場所を変えて出席者達で食事をすることになっていた。
もちろん俺もケインも出席した。まわりは知らない人ばかりで俺達は少し緊張した。
いただきます、の前に
喪主を務めた宮崎の父から、出席者に対してお礼の言葉があった。
しかし、涙でほとんどまともに喋れていなかった。
隣に立っていた宮崎もただ下を向いていた。
突然、宮崎の父親が
「本日は、あおいの親友でもあります、七尾君とケイン君にも来ていただいて・・・」
と言い、大勢の人達から注目を浴びるはめになってしまった。
609:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:06:09 0
「良いお友達に恵まれたあおいは幸せです。そしてその母はもっと幸せだろうと思います。」
宮崎の父親はここまで言って黙り込んでしまった。
ハンカチを目元に当て、うつむいていた。
場内はしばらく静かになった。
父親が、宮崎を軽く小突いた。
宮崎はハッとしたように顔を上げた。
「本日は様々な料理を用意しました。どれも美味しいものばかりです。
えーっと・・・お寿司もあります・・・。あの、どうぞごゆっくりお召し上がり下さい。」
宮崎は一生懸命覚えたセリフを思い出しながら喋っているような、たどたどしい喋り方で
出席者達に料理を食べることを促した。
父親はまだハンカチで目元を押さえながら宮崎の肩と叩いて何かを伝えたようだった。
俺は泣いていた。ケインも泣きそうになっていた。
みんなはゆっくりとご飯を食べ始めた。
まわりのおじさんやおばさんが執拗に料理を勧めてくる。
俺達にとっては少し鬱陶しかった。
610:夢見る名無しさん
10/03/24 18:09:42 O
レイプしといてこれはないわwww
611:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:10:19 0
しばらく食事を続けていると、宮崎の父親がこちらに向かってきた。
何事かと思ったら、用があったのは俺ではなく俺の右隣に座っているおばさんにだった。
おばさんは宮崎の父親と少しの間話して
「じゃあ、ボクちゃん、失礼しますね。」
と言って席を移動してしまった。
左にはケイン。
右には誰もいない。
少し開放された気分になり
お腹も減っていたのでさらに食べ物を胃袋に放り込んでいると
「しっつれーい」と言いながら誰かが俺の右に座ってきた。
声からして明らかに女性だ。
こんな雰囲気の中、よくそんなハイテンションでいられるな。
こいつはチャラチャラしたギャルみたいなやつだ、絶対そうだ、と思いつつその声の主を見てみると
なんと隣に座ってきたのは宮崎だった。
612:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:14:19 0
「お久しぶり」
宮崎はそう言った。
「なんでそんな明るいんだよ。」
少し強めに俺は言い返した。
音信不通になったことに対して少し怒りもあった。
宮崎はうつむいてしまった。
動いたかと思えば、コップに注いだ俺のオレンジジュースをごくごくと一気飲みし
ふぅーと大きく息をして、魂の抜けたような顔をしながらどこかを見つめ続けていた。
「実感、無いんだよ。」
「え?」
「お母さんじゃ死んじゃったって。あんなに元気だったのに。
毎日笑顔でご飯作ってたのに。朝になるといつも起こしてくれてたのに・・・。」
「・・・。」
613:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:18:59 0
だんだん声がかすれてきている。宮崎の話は、とても聞いていられなかった。
聞いてあげたかったが、こっちまで涙が出てしまう。止まらないんだ。
「お母さん・・・」
「・・・。」
「お母さん、まだあの手袋・・・作りかけだったのに・・・」
「手袋・・・?」
「冬になっても寒くないように、って・・・うちのために毎晩少しずつ編んでたのに・・・」
「・・・。」
「まだ作りかけなのに!」
少し宮崎の声が大きくなった。
「『これが編み終わったら、あおいにも編み物教えてあげるね』って・・・言ってくれたのに・・・」
そこまで言って宮崎は黙って泣き出してしまった。
背中が震えている。
614:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:22:22 0
向かいにいるおばさんが宮崎のことを心配して話しかけてる。
やめてくれ、なにもできないでいる俺がかっこ悪く見えるじゃないか。
いや、実際本当にかっこ悪い。俺は頼りない。
高校生になってもヘタレ度合いは変わってなかった。
ケインが俺に耳打ちをした。
「出口の横の休憩所にでも連れてけよ、ノロマ野郎。」
俺はケインの鼻にグリンピースを3つほど突っ込んだ後、
宮崎を店の出口の脇の休憩所まで誘導した。
店を出るとき、なぜか宮崎の父親が俺の方を向きながら敬礼してきた。
べつにどこかに特攻してくるわけじゃないんですよ、お父さん。
休憩所には誰もいなかった。
俺は宮崎と二人きりになった。
「ありがとう。ごめんね。」
「どうして謝るの?」
「卒業式の日、すっごい酷いことしちゃった。」
615:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:26:14 0
俺がどのタイミングで切り出そうかと迷っていた話を宮崎のほうから振ってくれたので
俺はひとまず安心した。
「卒業式の後、七男くんが他の子にボタンあげちゃったの知って・・・
もう何も信じられなくなって・・・泣いちゃって・・・恥ずかしくって・・・逃げちゃって・・・
少し時間をあけてから七男君と連絡とろうと思ったけど・・・気まずくなっちゃって・・・」
「俺はまだ・・・」
「うちはまだ、七男君のこと好きだよ」
また宮崎に先を越されてしまった。
俺だって同じことを言おうとしてたんだよ、宮崎。
俺はポケットからある物を取り出した。
今、俺達二人がこうしてココにいられるのも
コイツのおかげかもしれない。
「はい、これ。あげる。受け取りたくない、とは言わせないよ。」
そう言って俺は宮崎に
中学校の制服の第2ボタンを渡した。
616:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:30:34 0
宮崎は黙って受け取った。
するとまた泣き出してしまった。
「ずるいよ・・・七男くん・・・」
宮崎がブレザーの胸ポケットから生徒手帳らしきものを取り出した。
表紙をめくり、俺のほうに差し出した。
生徒手帳の内側の透明のカバーのところに
俺と宮崎の2ショット写真がはさまっていた。
まわりの背景を全て切り取って
俺達二人だけを抜粋した
まさに「二人だけの写真」だった。
「宝物・・・」
「ん?」
「宝物、うちがそう言ったの覚えてる?」
俺はハッキリと覚えていた。宮崎が俺と写真を撮った後
「はい!これ宝物ーっ!」と言ったことも
そのときの宮崎の最高の笑顔も
写真が上手に撮れたかどうか確認する時の不安そうな宮崎の顔も
全部覚えてた。
617:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:32:54 0
「覚えてるよ。」
「ふふっ・・・嬉しい。」
「なぁ、あおい」
「何?」
「俺達、付き合ってるんだよな?」
「別れるつもりなんて、これっぽっちもございません。」
この後のニコッという宮崎の笑顔に負けて
俺は宮崎を力強く抱き寄せた。
しばらく抱き合ったあと、俺達は新しい連絡先を交換して休憩所を出た。
そこでまた良い事があった。俺らは1つ約束をした。
これからは更に幸せな人生が送れそうだ。
それにしても宮崎、だいぶ身長伸びたね。
618:七男 ◆RaOe7CTARw
10/03/24 18:41:17 0
今日の更新分はここまでです。
いつも見ていただいてる方、本当にありがとうございます。
ヘタレ男の拙い過去話ですので受け流す感じで見ていただいて結構です。
読みづらい文章、中身の無い内容ですので読んでいて不快に感じる方も多いと思います。
文章中の欠陥を指摘していただくことはありがたいことです。
しかし、ヘタレはメンタル面が弱いので
罵詈雑言を浴びせる前にこれを読むのをやめていただいたり
何か別の方法をとっていただけるとありがたいです。
それではまた次回。
619:夢見る名無しさん
10/03/24 21:33:01 O
更新乙!
次も楽しみだ!
620:夢見る名無しさん
10/03/24 22:35:45 0
更新乙
七男くんの文章すきです
621:夢見る名無しさん
10/03/26 20:22:57 O
更新ありがとう!
また待ってるネ☆
622:夢見る名無しさん
10/03/28 01:35:12 0
更新乙
楽しみにしてるぜよ
このあいさつ、まんねりってきたなwww
623:夢見る名無しさん
10/03/31 19:13:08 0
更新乙
俺もこんな風な「充実した毎日を・・・!」
なんて夢見てたら、あっという間に終わった学生生活
も う し に た い
624:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/09 00:42:18 0
ta
625:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/09 00:43:09 0
お久しぶりです。
またかなり間が空いてしまいました。
次は来週末までには投下したいと思います。
次回で最終回となります。
ここまでお付き合いいただいてありがとうございます。
もうすぐで終わりますので、あともう少しだけお付き合いください。
626:夢見る名無しさん
10/04/11 19:30:43 0
age
がんがれ!
627:夢見る名無しさん
10/04/11 23:58:44 0
頑張って下さいな
628:夢見る名無しさん
10/04/12 01:02:25 O
≫1から2日かけて
ROMってた(・∀・)
七男頑張れ!!
629:夢見る名無しさん
10/04/18 14:49:22 O
wktk
630:夢見る名無しさん
10/04/21 00:54:40 0
age
631:夢見る名無しさん
10/04/23 14:18:16 O
この週末に賭ける
632:夢見る名無しさん
10/04/24 11:39:36 P
構ってチャソだからねぇ
もっと沢山催促レスがつかないとでてこないかも
633:夢見る名無しさん
10/04/24 20:51:48 O
もう2週間になる(´Д`)
634:夢見る名無しさん
10/04/25 01:49:11 O
また規制じゃないか?
635:夢見る名無しさん
10/04/26 03:36:42 O
えwwwまだなのwww
規制だよね?
636:夢見る名無しさん
10/04/26 08:44:57 i
じゃ、、、、、無駄にあげておこうか
637:夢見る名無しさん
10/04/26 22:56:33 0
関係ないけど末尾iってなんだっけ
638:夢見る名無しさん
10/04/26 23:02:39 i
i-modeだよっ
639:夢見る名無しさん
10/04/26 23:05:20 0
thx!
640:夢見る名無しさん
10/04/26 23:08:30 i
www
641:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 02:21:35 0
毎度ご迷惑ばかりおかけしています。
投下再開します。
642:夢見る名無しさん
10/04/28 02:24:15 0
キタ━━(゚∀゚)━━!!!!!
643:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 02:37:43 0
俺は悩んでいた。
進路のこともあるが
1週間後に迫る文化祭に
俺なんかが有志としてステージにあがっていいものなのか、と。
教師達からは許しをいただいたが
試験を目の前にして自分の趣味に没頭している男子高校生は
そう多くは無いだろう。
高校3年生の秋。
進路担当の教師に
「お前が教師になるなんて無理だ」
と言われ続けたがなんとか自分の意思を押し通して国公立大学に進学することを決めた。
中学生の時から夢だった。
中学校の数学教師になることが。
もっとも大学にはいれるかどうかも分からず
その後の採用試験にも合格できるかどうかわからないというのに
まぁ、望みは高く、だ。
644:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 02:41:27 0
文化祭前日。
学校の飾り付けを後輩達に任せて
俺達有志メンバーは駅のすぐ近くのマックで夕飯を済ませていた。
ステージで何をするかというと
それはもちろんバンドメンバーで演奏をするわけだ。
メンバーの中にはケインもいる。
俺ら二人を含め合計5人の文句なしの自慢のメンバーだ。
俺以外の4人も同じ気持ちのようだ。
それぞれの将来があるのにも関わらず、こんなのんびりしていていいのかと。
みんなそう思っていた。
モチベーションだけは最悪と言えるだろう。
メンバーの一人が口を開く。
「今しかできないことに全力を尽くそうぜ」
645:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 02:45:48 0
お決まりの慰め文句なのだが
当時の俺達には効果絶大だった。
俺達はただ誰かに勇気付けてもらいたかっただけなんだなーと思う。
誰かがあの言葉を言い出すのを待ってたんだろう。
それからみんなでなぜか握手をし
それぞれの帰路についた。
文化祭当日。
例のごとく、夜は眠れなかった。
朝は早めに学校に集まる。
音楽室を占領し、音を出して最終確認する。
個人的には、舞台にあがる直前のこのソワソワが好きなのだが
他のメンバーはそれどころではないらしい。
手が震え、まともに指が動かないと嘆いている。
646:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 02:51:49 0
しかし練習の時間も限られており
メンバーはそれぞれクラスの出し物の準備に行った。
俺も別の階に移動し、お化け屋敷の準備に取り掛かった。
黒いビニールシートを指定された場所に貼り付けるという
「このぐらい前日にやっておけ」と言いたくなるような
なんとも面倒くさい作業を続けていると、俺の携帯が鳴った。
ほぼ完成状態の、広い教室を利用したお化け屋敷のど真ん中で
いきなり着信音が鳴られると非常にビビる。
俺の携帯の着信音を聞いた誰かが
遠くのほうで「キャッ」と声をあげ、驚いてたことを笑いながら
俺は電話に出た。
647:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 02:55:02 0
「もしもし。七男です」
「もしもしー。久しぶり。」
画面に名前が表示されていたので
電話の相手が誰なのかわかっていたが
俺はあえて聞いた。ちょっとしたいじわるをしてやりたかった。
「どちら様ですか?」
そんな俺の問いに宮崎は
「ご存知、ないのですかっ!?」と答えた。
このノリの良さが好きなんだよなぁ。
電話越しに少し笑いながら、用件を聞いてみると
なんでも今日の文化祭に来てくれるとのことらしい。
「でも、今日って何か用事があったんじゃなかったっけ?」
「なくなったの。だから今日は一日中そっちにいるつもりなんだけど・・・。
文化祭って何時から?」
「10時だよ。」
「わかった。じゃあそのくらいには着くようにするね!校門で待っててねー」
648:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 02:58:48 0
そう言って宮崎は電話を切った。
時計を見るとちょうど8時になったところだ。
もうすぐ作業も終わりそうだし、残った時間は機材運びに費やして
ちょうどいいくらいの時間になるだろうと
一人計画を練っていた。
やるべきことを済ませ、喫茶コーナーで休憩していると
ケインがあわててこちらにやってきた。
「宮崎が」
ケインがそこまで言った段階で、ケインの言いたいことがわかった。
宮崎が来たんだな。
「校門にいるの?」
俺がそう聞くとケインは首を縦に振った。
本当に来てくれたんだな、宮崎。
ふと時計を見てみると時刻は9時30分だった。
・・・少し早すぎやしないか?
まぁいいか。
649:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:00:46 0
校門に着くと、そこには私服姿の宮崎が立っていた。
俺の好みに合わせてくれたのかどうかは定かではないが、ドストライクの服装だ。
周囲の生徒が宮崎のほうをチラチラ見てなにやら話している。
察するに、可愛いだのなんだのと話しているのだろう。
宮崎は可愛い。これもただの恋人バカかもしれないが。
「一人で来たの?」
「うん。友達と来ようと思ったけど」
「俺わりと忙しいし、ずっと一緒にいてあげられるわけじゃないよ?」
「覚悟してますよー」
本当によく出来た子だ。
俺がいない間、何をしているのかと問うと
宮崎は出店回ったりして時間を潰すという。
そうかそうか、と相槌を打ったがよく考えてみると一つ引っかかるものがある。
他校の生徒などに宮崎が絡まれてしまわないか心配だ。
こうなったら宮崎を一人にできるわけがない。
650:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:03:21 0
その旨を説明した上で宮崎には俺の担当する場所の手伝いをしてもらうことにした。
同じところで二人で働くだなんて
まるで夫婦みたいでステキなわけで
周囲の俺の友人達に少し冷やかされつつも、宮崎はすいすいと仕事をこなしていく。
と、いっても担当場所はお化け屋敷なのだが。
午後一番の演奏の準備に取り掛かるまで、あと2時間ある。
その間、俺は宮崎と一緒にお化け屋敷の受付をするわけだが
「いらっしゃいませ」
そう言う宮崎に
「結婚式場はここですか?」
とアホなことを抜かしては、俺に引っぱたかれるケインと愉快な仲間達。
悪い気はしないが、これには少々宮崎も苦笑い。
「あたし達ほんとに結婚しちゃったらどうする?」
651:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:05:48 0
その旨を説明した上で宮崎には俺の担当する場所の手伝いをしてもらうことにした。
同じところで二人で働くだなんて
まるで夫婦みたいでステキなわけで
周囲の俺の友人達に少し冷やかされつつも、宮崎はすいすいと仕事をこなしていく。
と、いっても担当場所はお化け屋敷なのだが。
午後一番の演奏の準備に取り掛かるまで、あと2時間ある。
その間、俺は宮崎と一緒にお化け屋敷の受付をするわけだが
「いらっしゃいませ」
そう言う宮崎に
「結婚式場はここですか?」
とアホなことを抜かしては、俺に引っぱたかれるケインと愉快な仲間達。
悪い気はしないが、これには少々宮崎も苦笑い。
「あたし達ほんとに結婚しちゃったらどうする?」
652:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:08:38 0
>>651誤爆です。
何を思って宮崎はこんなことを言ったのかわからないが
俺は結婚したいと思ってた。シアワセな家庭を築いてのんびり過ごしたかった。
だけど言えなかった。
「どうしよっかね。ほら、お客さん来てるから。仕事仕事」
そんなことを言って宮崎の気を逸らそうとする俺。
当の宮崎はほっぺたをふくらませて少し怒ってしまった。
相変わらず俺はヘタレなのだ。
二人並んで受付けをしているのだが
3秒に1度ほどの割合で
隣にいる宮崎が俺の足を思いっきり踏んづけてくる。
やめてください、と言うと
「あたしは本気だったのに」と宮崎。
ここで改めて宮崎からの愛を感じることができた寂しがり屋な俺は
あとで宮崎と二人きりで話す時間を作るから、今は我慢をしなさい、と言うと
宮崎は大人しくなった。
なんとか餌付けに成功した。
653:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:11:24 0
そんなこんなでのんびり仕事をしていると
俺達の次の担当の人達が到着。
交代して、俺達はやっと開放された。
案外2時間は早いものだ。
するとまたあの厄介者がやってきた。ケインだ。
「七男、そろそろ準備始めるぞ」
「今行こうとしたところだよ・・・」
「と、言おうと思ったが せっかくなら一回二人でお化け屋敷で遊んでから来い」
「え?」
「じゃあな。先に行ってるぜ。チビるなよ!」
そんなことをデカい声で叫びながらケインは颯爽と去って行った。
ふむ・・・たまにはアイツも使えるじゃないか。
宮崎を見ると首を横に物凄い勢いで振っている。
あぁ、怖いのダメなんだっけ。
しかしそんなことはお構いなしで宮崎をお化け屋敷に連れ込む。
654:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:14:30 0
受付けを済ませ、いざ潜入。
一歩入ったところで宮崎が俺を強く引っ張る。
「七男ー・・・」
「何?」
「ここの担当なんだよね・・・?」
あぁ、だいたい言いたいことわかったぞ、宮崎。
「あぁ。それがどうしたの?」
「なら、いつお化けが出てくるかとか全部わかるよね・・・?」
まぁお察しの通り全部把握してますが
「知らないな。俺はただ飾り付けただけだし。」
「うそー・・・」
そう言って半べそかいてる宮崎。どこかで女生徒の悲鳴が聞こえる。
それに驚いて俺の腕にしがみついてきた。
「ずっとそうしてれば怖くないよ。後ろつっかえちゃうし、進もう。」
655:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:16:35 0
宮崎の体が震えてる。マジで怖がってるんだな。
少し進むと最初のビックリポイントに差し掛かった。
ここでは後輩がお化け役を担当している。
しっかり宮崎を驚かせてくれよ。
「わぁ!!」
男の声だ。男が白い何かを身にまとって襲い掛かってきた。
といっても襲い掛かるフリだけで、直前で足を止めるのだが
「きゃぁぁぁぁぁぁああああああああ!」
宮崎があまりにもデカい悲鳴をあげてお化け屋敷のさらに奥に逃げていくもんだから
逆にこちらまで驚いてしまった。
暗いお化け屋敷を手探りで、ものすごい勢いで奥に進んで行く宮崎。
途中で空き缶が落ちてくるトラップやマネキンの生首が置いてあるポイントがあっても
宮崎は驚いたり止まったりすることもなく
ただ「いやぁ・・・いやだ・・・」と言いながらどんどん走っていく。
中腰になっているが、腰が抜けかけているのだろうか。
のんびり歩けば5分は楽しめるお化け屋敷を
俺達は1分ほどで出口まで来てしまったわけで。
出口の扉らしきものを見つけたとき
宮崎はその場にへたり込んでしまった。
656:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:32:07 0
近づいてみると宮崎は泣いていた。
立たせようとしてもなかなか立たない。
まるで鉛のように重い。
「ほら行くよ」
そう言っても宮崎はただ首を横に振るばかりだった。
仕方がないので俺は宮崎の横にしゃがみ
宮崎にキスをした。
いくらお手製のお化け屋敷をはいえ
こんなところでキスをするのは今回が最初で最後だろう。
キスを終えると、宮崎は俺の体につかまりながらのろのろと立ちあがった。
宮崎は俺を見上げながらニッコリ笑った。
これはキスをせがんでいる合図なのだが俺は宮崎の腕を引っ張ってお化け屋敷を出た。
「どうしてもう一回キスしてくれなかったの?」
宮崎、お前は気付いてなかったのか。
俺達のすぐ後ろに、後輩達が口をポカンと開けて立っていたのを。
657:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:34:22 0
俺は宮崎に一旦別れを告げ、体育館脇の倉庫に向かった。
そこには最終調整をしているバンドメンバーがいた。
「やっときたかー」
ケインがそう言いながらこちらに向かってくる。
「七男、楽しもうな。」
わかった。それはそうとケイン、顔が近い。
しかしケインが本番前に良いことを言いやがるので少し泣きそうになってしまった。
中学とは違い、高校の文化祭では時間がかなりもらえた。
俺達に与えられた時間は15分間。
はじめの3分はMCによる自己紹介なわけだが
そのMCがなんと俺。まぁ立候補したのだけれど。
演奏する曲は俺達の好きな曲のメドレー。
当時流行った曲を適当に繋ぎ合わせただけの高校生らしいメドレーだった。
658:七男 ◆RaOe7CTARw
10/04/28 03:36:27 0
生徒会の人たちに誘導され、幕の閉まったステージのこちらがわで俺達が準備をする。
ざわついている開場。
隙間から少し覗いてみると、数え切れないほどのお客さんがいた。
震えが止まらない。
ドラムのセッティングを早急に終え、俺はステージ横から宮崎を探した。
薄ピンクのパーカーを着ている女子を探す。
しかし客席は暗く、なかなか見つからない。
虱潰しに探していこうと思っていた矢先
客席の前から2番目の列の席に宮崎を発見した。
かなり遅く体育館に入ってきたのに
よくそんな前列が空いていたな、と驚いた。
宮崎がなにやらかばんをごそごそ漁っている。
こんなときにケータイとりだしてメールでもする気か?と思ったら
宮崎はバッグからビデオカメラを取り出した。
なんて用意の良い子なんだ。
659:夢見る名無しさん
10/04/28 05:26:32 0
あ、あれっ?
盛り上がってまた寸止めか・・・orz
660:夢見る名無しさん
10/04/29 00:40:41 0
乙だが豚切りで残念
661:夢見る名無しさん
10/04/29 19:41:16 O
乙
続き気になる
662:夢見る名無しさん
10/05/04 23:47:26 0
規制食らってました
再開します
663:七男 ◆RaOe7CTARw
10/05/04 23:48:28 0
「では準備をしてくださーい」
生徒会長の声が聞こえる。
俺達は立ち位置につき、呼吸を整えた。
ケインが奇妙な踊りをしている。目障りだ。
幕が開いた。
壮大な拍手。
宮崎の握るビデオカメラが、「録画中」を表す小さい赤い光を放つ。
俺は思わずピースをした。
そしたら何か勘違いした誰かが
「七男ーーー!」と叫んだ。
野郎にモテても嬉しくないが、こういってもらえるのは何よりも嬉しいことだ。
自然と笑みがこぼれた。
ドラムの横にあるマイクスタンドを傾け、マイクを口元に持ってくる。
俺の話に聞き入るお客さんたち。
話の内容は、バンドメンバーとの思い出話や結成秘話など。
あまりの清聴っぷりに俺は感動した。
俺の言葉をみんなが聞いてくれている。
先生も、生徒も 親も地域の方も。
664:七男 ◆RaOe7CTARw
10/05/04 23:59:56 0
俺が始めに話す事の内容は一切バンドメンバーには話してなかった。
バンドメンバーにも俺の話をじっくり聞いて欲しかったからだ。
長い話のシメとして
俺はバンドメンバー全員への感謝の気持ちを述べた。
「俺はお前達とバンドを組んで、こうして舞台に上がれていることがなにより幸せです。」
もっと言葉は続くのだが俺はそこで詰まってしまった。
一旦マイクから遠ざかる。
話す側の俺が泣いてどうするんだ。そう思うとさらに涙がこみ上げてきた。
客席から「頑張れー!」と声がかかる。
見かねたケインがマイクを奪い、話し始める。
「大変お見苦しいものを見せてしまいました。」
ここで場内が笑いに満ちる。
「ただし俺達バンドメンバーも全員、七男くんと同じ気持ちです。
この舞台に立てていること、これから演奏ができることが
この高校生活の中で一番幸せです。」
ケインに、いいところをもってかれちまったよ・・・。
665:七男 ◆RaOe7CTARw
10/05/05 00:06:28 0
始まった演奏は、これから10分ほど続くのに
俺にとってはものすごく早く流れていくように感じて
きっとそれは腕や足にも伝わり、曲自体がかなり走っていたと思う。
自分のソロが少しあったりしたが
そこはしっかり一音一音をかみ締め、笑顔でドラムを叩いた。
その笑顔は作ったものではなく、自然とこぼれてしまった笑顔だった。
幕が閉まって、ようやく実感した。
俺達の演奏は、たった今、終わったのだと。
メンバーは全員泣いていた。俺ももらい泣きした。
「素晴らしかったよ」
生徒会長にそう言われた。
ぶさいくな泣き顔を晒しながら、俺は会長に何度も頭を下げた。
余韻に浸っているヒマは無い。
後ろには次のダンス部の発表が待っている。
俺達は急いで楽器を体育館脇の倉庫に移動させた。
片付けも一段落し、体育館の後ろのほうからダンス部の発表を見ていると
宮崎が駆け寄ってきた。
666:七男 ◆RaOe7CTARw
10/05/05 00:14:13 0
「すごかった」
宮崎はそれだけ言って抱きついてきた。
体育館が暗くて、本当によかったよ。
こうして高校生活最後のお楽しみ会である
「文化祭」は終わった。
正確には文化祭は7時までやっていたし
その後も色々あったけど
あまり宮崎が関わってこなかったので割愛とする。
片づけをしている間、みやざきは近くのマックで時間を潰し
俺が学校から出てくるのを待っていてくれた。
宮崎の尽くしっぷりにはいつも驚かされるばかりであった。
あまりにも従順なものだから、裏があるのでは?と疑ったことも一時期あった。
学校を出る少し前に宮崎にメールをいれた。
俺が学校を出る頃には
宮崎は校門に立っていた。
667:七男 ◆RaOe7CTARw
10/05/05 00:19:58 0
「待った?」
「ううん。」
「じゃあ行こうか。」
自転車の後ろに宮崎を乗っける。
この高校から俺の家までは20分以上かかるのだが
宮崎の家までは近い。
高2の春に宮崎と再会してから
俺はほぼ毎日、部活で疲れた体を宮崎の家で癒していた。
宮崎の父は夜遅くまで帰ってこないので
宮崎家に9時や10時頃まで居座っていた、なんてことはよくあることだった。
こうして今日も宮崎の家にお邪魔する。
「今日は晩御飯ご馳走するね」
宮崎は機嫌が良いと晩御飯をおごってくれるのだ。
668:七男 ◆RaOe7CTARw
10/05/05 00:24:27 0
「いつもありがとね。」
「どういたしまして。カレーでいい?」
今日の晩飯は宮崎の十八番料理であるカレーだ。
エプロンをつけて腕まくりをし、鼻歌を歌いながら上機嫌で料理をする。
その後ろからこっそり近寄って「わっ!」と宮崎を驚かすのに最近ハマっている。
さすがに包丁を扱っているときは危ないのでそれ以外のときに実行をする。
今日もちょっと脅かせてみた。
宮崎は「きゃっ」と小さい悲鳴をあげて「もう!今日はさんざん驚かされたんだから、少し休ませてよ!」と頬を膨らませた。
しばらくするとカレーができあがった。
宮崎のカレーと俺のカレー。2人分をつくったようだが、俺のカレーは宮崎のカレーの量の倍近くある。
「たくさん食べてね。いただきまーす」
宮崎は美味しそうにカレーを食べている。
その姿を見ているだけでなんだか和んだ。
やはり美味しかった。宮崎の作ったカレーだからだろうか。そう感じるだけなのか?