09/08/26 23:43:28 D5UeX3rQ0
Golden age5「桃城の決意」
真田「不運だな」
柳「ジャックナイフを 得意技とする桃城が―、パワーもキレも倍以上の
ジャックナイフの使い手に運悪く当たってしまうとはな」
幸村「…いや、それも計算の内だとしたら」
跡部「なる程、俺達中学生選抜を少し黙らせるのが狙いなら…成功かもな」
忍足「せやけど誰やアイツ……桃城(クセモノ)やで」
鬼「その手首じゃあもう戦えねぇ。お前はまだ若いんだ、早めに棄権…」
桃城「棄権はしないっスよ」
桃城、ラケットを持つ。
桃城「俺はアンタを助けるために、絶対負けられないんだ!!」
鬼「入江から余計なことを聞いたな…!!」
回想。
入江「やあ桃城君。十次郎と当たったみたいだね…実は君にお願いがあるんだ」
桃城「…なんすか?」
入江「十次郎に勝って欲しいんだ」
桃城、驚く。
入江「僕と十次郎は幼稚園からの付き合いでね…十次郎は本当は、笑顔の素敵な少年だった。
幼稚園のお遊戯でジャックと豆の木をやった時、先生が相談なしに十次郎を人食い鬼役にした時も、
小学校の時に節分の日の給食で出た豆をクラスの男子全員から追い掛け回されて一斉にぶつけられた時も、
中学の頃、ずっと好きだったクミちゃんに『ありえねーよ』とフラれた時だって、いつもニコニコしてた。
でも…高校にあがり、誤ってダブルスのパートナーを殺害してしまってから変わってしまった」
桃城「そんなことが…!!」
入江「それから十次郎は、わざと自分の顔を傷つけたり、ぱっちり二重を無理から一重にしたり、
似合わねえオールバックにしたり、妹の歯ブラシを勝手に使ったり、おかしくなってしまった」
入江「頼む桃城君!!君の手で、十次郎を元に戻してくれ!!たとえどんなにクラスメイトに『おーい渡る世間!!』とバカにされても
『はーい僕が鬼でぇーす』とおどけてみせた、あの笑顔の眩しい十次郎に!!」
桃城「だから俺は負けるわけにはいかねぇ!!たとえこの両腕がイカれても!!譲るわけにはいかねぇ!!」
鬼、ラケットを落とす。号泣している。
鬼「お前…!!昨日会ったばかりの俺のために、そこまで…!!」
桃城「仲間でしょう、俺ら……」
亜久津「ちくしょう…!!鬼の目にも涙かよ…!!」
合宿中が泣いた。