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屍鬼
尾崎敏夫編 第髏苦話
信明を連れて行った徳次郎への見舞いはさしたる会話もなく、あっさり終わる
帰りの車中で、村に蔓延する症状に何か思いをめぐらすふうな信明
尾崎医院、敏夫は恭子の回復を諦め、吸血に来た辰巳にも好きにさせてしまう
そしてその最期を看取った直後、妻に語りかける敏夫
「恭子…たのむ 起き上がってくれ」
もし恭子が起き上がれば連中のサンプルが手に入る
そう考えた敏夫は、周囲にはまだ妻が生きているように装い
防腐処理を施しながら死体を自分の管理下に置いておくことに。
その間にも村では、医院や寺の者関係なく、発症者死亡者失踪者が相次ぎ
新たにできたという葬儀社が話題になる
そんな中、桐敷家への手紙を一通したため、出しておくように頼む信明
一方尾崎医院では、恭子の死後丸4日が経過
いつバレるともしれない状況に限界を感じ、明日の朝を期限に定める敏夫
上手く防腐処理が効いている様子の妻の死体を前に
これなら死んだばかりだと誤魔化せるなと、安堵の息を吐きながら
何気なくチェックした脳波計にわずかな反応を見付け、敏夫は目を見張る
そのすぐ背後でベッドから起き上がる恭子
9月号につづく