10/06/23 23:04:36
出来の落差が激しい作画状態にではない。
いつまでも煮えきらないというか、そもそも煮え切る必要のない安全地帯に置かれ続ける主人公と、整合性やテーマより見せたい画を優先した状況の描き方。
試練と言えば三角関係の清算くらいしかない主人公の空疎ぶりは、
個性的な美少女たちに振り回される没個性的な主人公という現在のライトノベル、ギャルゲーの基本フォーマットの源流と言ってもよく、こりゃ明らかにガンダムゆイデオンと違うな、と。
どっちかって言うと、当時大ブレイク中だったあだち充の一連のラブコメとか、うる星やつらとかに近い感覚で、別にそれはそれでありかもしれないけど、
この人たち一応戦争してるんだよね?って我に返るところで引くというか、欲望に忠実……てか欲望しかない天真爛漫な作りに気恥ずかしさを覚えるというか。
(中略)
おもしろいはおもしろいけど、でもこれって間口狭くない?
なんたって、欲望は個々に違うものなんだから。
共通する部分をくすぐられる感覚はあるけど、それだけのこと。
どうせ聞くなら、オレは内実のある大人の話が聞きたいし、本や映画にはそういうのがいっぱいある。
ヤマトからガンダム、イデオンを経て、アニメでもそうしたドラマを語れる素地ができたのに、似たような皮をかぶって現れたこやつは何者だ?……と、これは当時現役の中二だった筆者の気分。
(電撃HOBBY 5月号より)