09/09/25 22:53:11
>>549
「私の名前を言ってみて?」
暗闇から声がする。どこから発せられているのかも分からない。
そもそも声の主はこの部屋にいるのか。もしかしたら放送やマイクではないのか。
「私の名前を言ってみて?」
もう一度声がした。抑揚もなく、人間の声かすらも分からない。
「私の名前を言ってみて?」
―後ろだ。
後ろなんてものじゃない、真後ろだ。
それも、耳元から―
「ふふ、捕まえた」
後ろから白く浮かび上がるように腕が伸びてくる。
そしてその指は僕の首に絡み付き、氷のような冷たさが僕の首に――
という電波を受信した。