09/04/26 13:42:17
>>656
それはかなりニュアンスが違うな。
その元はユリイカ2007年9月号「特集 安彦良和」のインタビュー。
インタビュアーは更科修一郎。
―（略）ユーザーの高年齢化による懐古趣味もあるんでしょうが、ファースト原理主義は復権しつつあります。
安彦 それが本当にファースト原理主義というものであるならば、僕は大歓迎です。
『マクロス』や『エウレカセブン』とかとは違うんだと分かってくれたんですから。
今度は逆にオタク的なガンダムファンの在り方が問われるわけで、願ったり叶ったりです。
―それは「偽史化される『ORIGIN』の功罪」の功の部分だと思います。
ただ、たとえば福井晴敏さんとかは本当に分かっているのだろうか……と。
安彦 まさに彼はファースト原理主義的なものをいま書いていて、話していると
「うん、その通り」ということばかりで、まったく齟齬はないんだけど……（笑）。
―あまりにも屈託がなさすぎて判断に困ってしまうんですよ。
安彦 最初に思っていたよりもベタなオタクですたね（笑）。『ガンダム』に対してだけそうなのか、
それ以外も変わらないのかは分からないけど。
―「歴史的認識で必要なものは全部『ガンダム』から学んだ」と言いつつ
「新しい歴史の展開を自分らの世代が先導していかなきゃいけない」と言ってしまうのは、
そこに何かの含意があるにしても、まずいと思うんですよ。
その辺、神山健治さんにも似た危うさを感じているのですが……。
安彦 僕は福井さんの『Twelve Y.O.』や『亡国のイージス』を読んだとき、
あなたと同じような、逞しい新世代が出てきているんだなと思った。
ズルズルと付き合っている『機動戦士ガンダムUC』で、初めて「おや？」と思っているけど、
まだオタク右派として切り捨てる気にはならないな。
読めばわかるが、福井に対して厳しい見方をしてるのはインタビュアーの更科の方で、安彦はそうでもない。
このインタビューは更科が自分の論旨に誘導しようという意図が少し強すぎるきらいがあった。
たとえば、「偽史化される『ORIGIN』の功罪」とあるけど、これは更科の問題意識から出てきた用語だから、
この部分だけ読んでも意味が分からないと思う。