08/09/03 23:27:42
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三郷幼児放置死事件 男児なお『ママ悪くない』
「ママは悪くない。僕がご飯を自分だけ食べて、弟や妹にあげなかったから。僕が本当に全部悪い」
二歳の男児が餓死しているのが見つかり、保護責任者遺棄致死傷罪で起訴された島村恵美被告(30)の初公判で、
検察官が双子の弟妹とともに十一日間置き去りにされた長男(6つ)の調書を読み上げた。
小学校に上がる直前に出て行った母なのに、そこに恨みの言葉はなかった。能面のようだった島村被告が肩を震わせて泣いた。
豪邸の中は「ごみ屋敷」だった。室内に残飯やおむつが散乱。男児の双子の妹も脱水症状で入院した。
検察官「自分だけ風呂に入り、かわいそうと思わなかったのか。子供がどうなるか想像しなかったのか」
島村被告「しなかった」
弁護人「祖母から『子供を見ているから遊んできなよ』と言われたことは」
島村被告「なかった」
一月ごろから子供を放置して居酒屋に入り浸り、また別の男性と交際。三月三日、長男に「ママはもう居なくなるから」と言い残し、
自宅近くのマンションでこの男性と暮らし始めた。長男は寂しさと不安から一日三十回も電話をかけてくることがあった。
九日後、長男の「弟が起きない」との電話で自宅に戻った。玄関で声を掛けたが、動かない次男を見て不安になり、引き返した。
その二日後、今度は「弟が血を吐いている」との電話。「体を揺さぶって起こせ。人工呼吸しろ」と長男に伝えたが、手遅れだった。
「ママも悪いけど、おまえも悪い。自分一人でご飯を食ってんじゃない」。激高し長男を平手でたたいた。
「ママのシチューとカレーが大好き。ママが帰ってこなくて寂しかった」。保護された長男はそう話したという。
「長男は今もあなたをかばっている。どう思うんですか」。法廷で検察官に問いただされた島村被告は、泣くしかなかった。
長男と長女は今、施設で暮らしている。
検察側は懲役八年を求刑。判決は三日に言い渡される。(さいたま支局・望月衣塑子)