06/12/06 22:20:28
一年戦争史 『ギレン死せず』 アナハイム文庫
カズヒサ・コンドゥ (著)
内容(「BOOK」データベースより)
あの、ア・バオア・クーでギレンは死ななかった!ジオンの遺託を受けた孔明は、神算鬼謀、連邦への反撃に起つ。
最強の軍事集団「デラーズ・フリート」を従え、ジオン公国再興に必死の策をめぐらす…。暗殺に倒れることなく、
ギレンを存分に活躍させたら歴史はどう変わったか?「一年戦争史」愛読者の永遠の夢を実現した、"奇想・一年戦争"。
元ネタ URLリンク(www.amazon.co.jp)
宇宙世紀200年に出版されてる仮想戦記の感想を語ろう
前スレ
ギレン死せず
スレリンク(x3板)
URLリンク(anime.2ch.net)
2:通常の名無しさんの3倍
06/12/06 22:22:06
ってゆーか もしガルマの替わりにキシリアが死んでたら。
3:通常の名無しさんの3倍
06/12/06 22:23:43
デラーズフリートがアクシズに合流してたらの職人さんもいたな
4:通常の名無しさんの3倍
06/12/06 22:33:52
>>2
・リアリストが居なくなり軍がロマンチシズムで溢れかえる
・海軍戦力も持つことなく各地で孤立。
本気でジオンを勝たせるのなら、一番邪魔なのはギレン。
5:通常の名無しさんの3倍
06/12/07 12:50:37 hnRloXnt
>>4
話の筋としてはじわじわジオンが後退してたわ
6:通常の名無しさんの3倍
06/12/11 00:09:13 mVZTmMEl
ほしゅ
7:通常の名無しさんの3倍
06/12/11 14:28:55
あれ?
職人が失踪して1年は経つ、てのになんでまた立ってんだ?
せめて新職人募集くらいしろよ。
8:通常の名無しさんの3倍
06/12/11 17:50:30 mVZTmMEl
新設定の新職人さんがこの間の10月から書いていたのですよ。
見つけてくれるといいなぁ
9:通常の名無しさんの3倍
06/12/11 18:00:56
諸葛亮の北伐でifを語るなら、街亭以外にないだろう…。
235年の蜀がどうやれば魏に勝てるんだよ…。
10:通常の名無しさんの3倍
06/12/12 20:06:45 dtRYWJ5C
あげ
11:通常の名無しさんの3倍
06/12/12 21:09:11
暗殺されなかったら
ア・バオアクーで勝っていたかな?
勝ったらどうなっていただろう?
経済力では圧倒的に連邦有利だけど、レビル将軍も死んでるし
講和に向かうのかな?
むしろレビルの後継が気になる・・・
12:通常の名無しさんの3倍
06/12/12 21:49:34
>レビルの後継
ジャミトフ以外無いでしょう。ただルウム戦役で捕虜になってた?なので
停戦→捕虜交換→ジャミトフ復帰→デラーズ戦役で評価→連邦軍内での権力掌握→ジオンに宣戦布告(第二次ジオン戦争)の流れで
ギレンVSジャミトフ の戦いが勃発!人類滅びそうだ
13:通常の名無しさんの3倍
06/12/12 21:52:04
南極条約破棄の予感
14:通常の名無しさんの3倍
06/12/13 14:22:47
>>4
前スレ読め馬鹿
15:通常の名無しさんの3倍
06/12/13 14:55:02
キシリアがニューヤークで戦死したした事により
かえって指揮系統が一本化されて
キシリアお抱えのエース部隊が捨て駒にされて・・・
って流れだったか?
その捨て駒にされた部隊が主に描写されてたから押されてたイメージがあるけど
実際はそうでもなかったんじゃない。
16:通常の名無しさんの3倍
06/12/13 16:13:24
>>2は前スレの職人作品のコンセプト書いてるだけなのに、
必ず>>4みたいな俺様理論ひけらかそうと必死なやつが出てくるな
あと前スレから気になってたが、>>1の文面が一ヶ所孔明のままになってるな
17:通常の名無しさんの3倍
06/12/14 11:53:01 wzjTm5pP
( ̄▽ ̄;)!!ガーン気づかなかったわ
これでは某志茂田的仮想戦記になってしまう(;´▽`A``
18:通常の名無しさんの3倍
06/12/14 15:15:32
>>12
ルウムかどうか解らないけど、ジオンの捕虜になった事があるのは手下のバクスの方じゃなかった?
19:通常の名無しさんの3倍
06/12/14 16:27:21
>>18
記憶が曖昧で…なので(?)付けてます。だれか詳しい方いませんか?
どちらにせよ、「レビルの後継はジャミトフ」の線は変わらないかと。
20:通常の名無しさんの3倍
06/12/14 21:48:19
あの・・・
もう一年くらい保守してるきがするんですが
21:通常の名無しさんの3倍
06/12/14 23:32:49 wzjTm5pP
>>20
前スレの10月見るよろし。新職人さんがキタ━(゚∀゚)━!
でも新スレ立てるの間あいちゃったなー
見つけてくれー><
22:通常の名無しさんの3倍
06/12/19 22:25:21
保守
23:通常の名無しさんの3倍
06/12/23 00:25:31
ほしゅ
24: ◆u2zajGCu6k
06/12/25 13:31:55
0087年10月23日、ソロモン宙域周辺部、地球連邦軍第401哨戒戦隊
3日前、コンペイトウ基地から発進した哨戒戦隊は不運に見舞われていた。
まず発進して二時間後に旗艦であるサラミス改級巡洋艦<エグゼター>が、エンジントラブルにより帰還を余儀なくされた。
そして、次の日には整備中の搭載MSジム・クゥエルの約半分(6機)にセンサーの異常が発見された。だがこれらは始まりにすぎなかった。
ナカッハ・ナカト中佐は苛立っていた。それは新たな問題が発生したからであった。
「第2小隊が帰還時刻になっても戻らないだと?」
第2小隊の4機は久方ぶりの演習を兼ねて偵察に出ているはずだった。
「はい、最後に入った通信から判断すると、ジオン残党と交戦状態にはいったとおもわれます」
「交戦状態…また面倒が増えたのか。相手の兵力はわかるか?」
「交戦にはいったという通信があってからは、音信不通の状態が続いています…」
(まさか全滅したのか? いや、センサーに異常があったという報告があったな。おそらく報告の遅れはそれが原因だろう。どちらにせよ、増援は送るべきだな)
第1・第3小隊のジム・クゥエル8機が発進したのは、その30分後のことであった。
通常なら命令の10分以内に発進するところだが、この時期の連邦軍宇宙艦隊の士気の低下は深刻な状態にあり、
そのため20分近く発進が遅れてしまった。そして、この時間の遅れが後に取り返しのつかない事態につながってしまう。
25: ◆u2zajGCu6k
06/12/25 13:34:35
同日同時刻、第343MS連隊、選抜偵察小隊
既に敵小隊は全滅していた。彼等は敵戦力の評価を間違っていたのだ。
だが、それも無理はなかった。敵は2機の旧型MS、自分達は新型4機。
戦力差は2倍以上、簡単に勝てると思ってしまったのだろう。
そして、致命的であったのは敵戦力の情報を味方部隊へ伝えることができなかったことだ。
なぜならば、次にやって来た部隊も同じミスを犯してしまったからだ。
8機の連邦軍MSは敵を見つけると、バラバラに突っ込んできた。
ここでも彼等はミスを犯した。戦場では個々に戦う8機よりも、連携の取れた2機の方が力を発揮する。
「フン、連邦め、もう勝った気でいるようですね。」
「らしいな、では教育してやるか。行くぞカリウス!」
26: ◆u2zajGCu6k
06/12/25 13:35:41
アイアン・フィスト作戦、参加兵力(第2艦隊のみ)
ソロモン突入艦隊:デラーズ・フリート(駐留艦隊撃破後、ソロモンを占領する)
司令長官:エギーユ・デラーズ大将(旗艦グワデンより主に艦隊戦の指揮を取る)
副司令:ユリー・ハスラー中将(MS主力の第3艦隊(囮艦隊)を指揮する)
参謀:ヴィリィ・グラードル中佐
第2艦隊(デラーズ大将直率艦隊)
第3戦隊
戦艦×2 <グワデン><グワンダン>
重巡洋艦×1(チベ改級重巡洋艦)
軽巡洋艦×4(ムサイ改級軽巡洋艦)
第2水雷戦隊
軽巡洋艦×1 <ペールギュント>
駆逐艦×8
第5戦隊
戦艦×1 <グワレイ>
重巡洋艦×2(ティベ級重巡洋艦)
軽巡洋艦×2(エンドラ級軽巡洋艦)
第2艦隊所属MS部隊
第343MS連隊:司令アナベル・ガトー中佐
第1大隊:ガトー中佐直率、(ゲルググ系列×18機)
第2大隊:大隊長ウォルフガング・ヴァール少佐、(ガザC×24機)
第3大隊:大隊長ラカン・ダカラン少佐、(リックドムⅡ×24機)
独立第501重MA中隊:ケリィ・レズナー少佐
ヴァル・ヴァロ、試作MA小隊(ジャムル・フィン×3機)、ノイエ・ジール(長期整備中の予備機)
27: ◆u2zajGCu6k
06/12/25 13:48:09
どこまで投下したか忘れてしまったので、重複していたらすみません。
新しいスレなので設定をまた書いておきますね。
一年戦争から「星の屑」作戦開始までは史実と同じ歴史です。
デラーズ・フリート→「星の屑」作戦早期失敗により、戦力の大部分を保ったままアクシズに合流(主要メンバーは全員生存)。
アクシズ→ハマーンはアクシズの実権を完全には握れず、デラーズ派+諸勢力と派閥抗争を繰り広げる。
また戦力は増強されたものの長期間の作戦行動が難しいため、史実より早期の地球圏侵攻作戦を目論む。
地球連邦軍→観艦式での被害無し。「星の屑」作戦が失敗したため、地球連邦政府にジオン残党の脅威を植え付けることはできなかった。
ティターンズは結成されたが史実よりも小規模で一部精鋭による独立部隊(ペズンの教導団レベル)。
地球連邦軍の実権は、ティターンズ・エゥーゴのどちらにも属さない主流派閥が握っている。
エゥーゴ・カラバ→ティターンズ勢力が史実より小規模なため結成されていない。
シーマ艦隊→連邦軍との裏取引が成立。ティターンズ特殊部隊に編入。
アクシズ(戦力増強)VS地球連邦軍による、グリプス戦役よりも大規模な、第二次ジオン独立戦争です。
続きは全然書いていないのですが、冬休みなので頑張って書いてみたいと思います。
28:通常の名無しさんの3倍
06/12/25 14:35:16 iiPs0Nrs
おかえりなさーいヽ(´▽`)ノ
見つけてくれてよかったー(T∇T)
29:通常の名無しさんの3倍
06/12/25 17:11:01
乙
でもギレンは死んじゃってるのね・・・。
30:
06/12/26 02:56:05 jokWHSG+
ねぇ、ザクは?ザクはでないの?
次期主力MSはゲルググじゃなくてガザCなの?
あと期待してます。
31: ◆u2zajGCu6k
06/12/26 12:43:29
宇宙世紀200年12月、アナハイム文庫仮想戦記ラインナップ
「晴れた日はセイバーに乗って」
斜陽の連邦軍航空部隊が可変MS部隊に挑む。空の覇権を賭けた大決戦!
「私の父はパイロット」
私のパパは不死身の第四小隊の小隊長さんです。アリサ・バニング氏の送る感動巨編が文庫で復刊。
「ジオン本土決戦」
ア・バオア・クーを生き延びたギレン・ザビが、サイド3での本土決戦に挑む。
「地球連邦の興亡、ソロモンにジオンの旗を」
歴史の闇に隠された「星の屑」を追う。ダイスケ・サトウ二年ぶりの新刊。
「デギン公王最後の勝利」
グワジン級宇宙戦艦グレートデギンの生涯を描いた異色短編集。
「オデッサゲルググ戦闘録」
一人のパイロットの視点から、史実とは異なる一年戦争を描いていく。
「遥かなる星」
南極条約が決裂し、全面核戦争によって世界は崩壊した。偶然と幸運により生き残ったサイド7は外宇宙への進出を目指す。
32:通常の名無しさんの3倍
06/12/26 17:53:21
>>31
パナマ3早く出せ大輔。
33: ◆u2zajGCu6k
06/12/28 13:56:29
0087年11月3日、太陽落下軌道、ジェイムズ・ランド中尉
機体のエンジンは沈黙していた。暴走が止まったのは、積み込んでいた推進剤を全部吐き出してしまっていたからだ。
既に友軍の航宙艦が追尾できない速度までMSは加速し、太陽に向かって落下する軌道をとっていた。
通信機も作動しなくなり、救援船が来る可能性はまったくなかった。
仮に通信機が無事であっても、あれだけの大戦闘が起こっていたのだから、
一人のパイロットを救出するために向かう艦艇はどこにもないだろう。
考え得ることは、太陽の周回軌道で振り回され、あるいは放出されるガスによってブレーキがかかり、母港近くのどこかで救助されることぐらいだった。
しかし、その確率はほとんどゼロであったし、運良く回収されたとしてもそこまで生き延びられることなどはできないだろう。
もう時間の経過も分からなくなった。暖房の効かなくなったコクピットの中で、手足の感覚は無くなっていたが、
不思議と呼吸の苦しさは感じなかった。宇宙での最も苦しい死にかた、つまり酸素欠乏は避けられそうだと思った。
私は太陽に落下するうちに、吹き上げるコロナに吸い込まれて焼かれるのだろうか?
それともゆっくりと機内温度が上昇し生きたまま焼かれていくのだろうか?
自分の死を待つだけという苦痛を紛らわせるために、なるべく他のことを考えるようにした。
だが、途切れがちになる意識の中で思い浮かぶことは、この漂流の原因となった戦闘のことだけであった。
34: ◆u2zajGCu6k
06/12/28 13:58:39
「ランド小隊長、残党軍のやつらは何に乗っているんですかねぇ?」
「先発隊からの報告によると、タイプ14らしいぞ」
「ゲルググですか。何でもスペック上はガンダムより強いらしいですよ」
「そいつは凄い。まさにジオンの新型機だ!」
小隊内の通信が笑い声でつつまれた。彼等の乗っているジム・クゥエルこそ、昨年配備されたばかりの新型機であったからだ。
しかし、その笑い声もすぐに止む事になった。前方を進む第1小隊の一機が閃光に包まれたからだ。
それは対MS戦闘の模範となるような見事な射撃であった。その機体はコクピットだけを打ち抜かれ、爆発もせず宇宙空間を漂う残骸となった。
「畜生! 各機散開をやめ編隊を組め、シュヴァルムを作るぞ!」
バラバラに進んでいたMSは2機ずつの編隊となり、それぞれの死角をカバーする戦闘隊形になった。
この編隊を組む間にも、敵MSは小憎らしいほど統制だった機動で、第1小隊を蹂躙していった。
「ゲルググごときにあんな機動ができるはずがない!」
敵機は息の合った連携で我々を翻弄していた。特に青く塗装された機体はゲルググとは思えない異常な機動性を見せていた。
(よほどの熟練パイロット、まさかニュータイプを相手にしているのか…?)
35: ◆u2zajGCu6k
06/12/28 14:00:15
「すみません、小隊長。背中を守ることができなくなって…」
爆発が起きた。ついに私の列機まで失われてしまった。味方はもう自分だけだ。
制空隊の私達が2機のゲルググに撃破されているうちに、敵は対艦攻撃部隊を我々の艦隊へ差し向けていた。
MSの護衛がない艦隊がどうなるのかは想像もしたくない。
「こうなれば、せめてあのMSだけでも道連れに!」
私はあの青いゲルググに向かって突撃をかけた。しかし、無念にもその願いを果たすことはできなかった。
そのMSが撃ったビームがジム・クゥエルの融合炉に損傷をあたえたのだ。
表面上は無傷であったが、機体は暴走し見当違いの方向へ加速を始めた。
ジェイムズ・ランド中尉は知ることがなかったが、彼の戦ったMSは純粋にはゲルググではなかった。
その青いMSは物資の少ないアクシズにおいて、装甲・推進・操縦系統を大幅に改修したリゲルグと呼ばれる機体であった。
36:通常の名無しさんの3倍
07/01/04 14:03:37
ほしゅ
37:通常の名無しさんの3倍
07/01/07 04:59:29 fLwBtedy
アゲ
リゲルグキター!
38:通常の名無しさんの3倍
07/01/13 23:02:14
>>35の中ではMSの開発状況はどんな感じなんだ?
アクシズ(ジオン)はリゲルグが出来てるからZZ時代のMSは出来てそう。
ティターンズ(連邦)はZ時代初期あたりかな?
39:通常の名無しさんの3倍
07/01/22 04:58:16
あげてみよう。
また職人消えたんか?
40:通常の名無しさんの3倍
07/01/27 07:43:39 n+2qFDUO
挙げ
職人戻って来てくれ…
41:通常の名無しさんの3倍
07/02/04 01:04:51 wBEaEm9D
age
42:通常の名無しさんの3倍
07/02/12 14:12:34 cNFUt59E
今までの作品が読みたいのですが、読めるところはないのでしょうか?
43:通常の名無しさんの3倍
07/02/13 04:34:10 WOBg2z/y
URLリンク(blogs.yahoo.co.jp)
でも、これ途中まで。保管サイトもうひとつなかったけ?
どうしても読みたければ、前スレをよめるようにいらいしてみそ
44:通常の名無しさんの3倍
07/02/21 01:45:30
>>27
WBのメンバーとシャアはどうなったの?
45:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 15:48:03
保守
46:通常の名無しさんの3倍
07/03/11 00:01:15 ZybdRhF9
保守っておく
47: ◆u2zajGCu6k
07/03/19 01:17:15
就職活動などで投稿が滞っていて申し訳ありません。
5月までには再開したいと思っております。
あと自分の書いたものをまとめてみました。
URLリンク(blogs.yahoo.co.jp)
>>38さん
そんな感じで考えています。エゥーゴの機体でジオン系MS(リックディアスなど)はアクシズに出してみたいと思っています。
>>44さん
WBメンバーはアムロが軟禁されているなど史実と同じです。
シャアは地球圏にいますが後でアクシズに合流する予定です。
48:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 22:45:16 QYGSpZff
職人帰還記念あげ
ガンガレ!
49:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 22:58:45
>>47
まぁ、低学歴の馬鹿なお前は自分の文章に酔ってるんだろうがね
語彙が貧弱なんだよ
文章の才能が無いお前のss読んでも面白くもないしもう止めてくれ
だから過疎なんだよ、分かるか?
50:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 23:01:34
>>49のツンデレ振りにワロタ
51:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 23:09:47
文章力のない職人と日本語も理解できない住民ときたか
お終いだな・・・
52:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 23:15:29
>>51
>>49は嫌ならスルーすればいいのに構うからツンデレなんて言われたんだろ。
まあ、いきなり学歴が出てくる時点で変だと思うがな。
>>49は学歴コンプレックスなんだろうか。
53:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 23:31:45
そもそも>>49の文章をどう読んでも「ツンデレ」とは解釈できまいよ
寧ろ荒らしをスルーすればいいものをわざわざ返してくる住民の程度が知れたものだ
54:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 23:38:46
>>53
流石に>>50は冗談だか皮肉だろw
>>49はツンデレでもなく、ただの春厨だしな。
55:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 23:44:19
何このスレ?
56:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 23:56:18
>解釈できまいよ
言い草が中学生みたい
57:53
07/03/20 23:57:16
>>50>>52>>54
ならば初めからそう書き込めばよかろうに
それにその冗談だか皮肉とやらは言及されずとも当然ながら容易に理解できよう
ここは過疎スレだから全て同一人物によるものなのだろうな
どちらにしろこのスレの程度がこれで明らかになったな
58:通常の名無しさんの3倍
07/03/20 23:59:30
>>57
えーと・・・。
構って欲しいのかな?
さびしんぼめw
59:通常の名無しさんの3倍
07/03/21 00:00:43
よかろうに
理解できよう
どう見ても中二病です
本当にありがとうございました
60:通常の名無しさんの3倍
07/03/21 00:02:07
こういう時は
「春だな」
と言えば良いんだっけ?
61:通常の名無しさんの3倍
07/03/21 00:03:07
職人さん気にせず頑張りやがれ
62:53
07/03/21 00:17:47
>>56
理解し難い書き込みだな
何の根拠も無しに安易に「中学生」と断定するなど茶番もいいところだ
もしくは単なる釣りなのだろうか?
>ツンデレ振りにワロタ
>冗談だか皮肉だろw
寧ろこの幼稚な書き込みこそ中学生またはそれ以下のレベルだとは言えないだろうか?
君は気づいていないかもしれないが今、ここは単に煽り合いのスレになっている
そもそもの原因は荒らしに適切な対処をできなかったここの中学生レベルの住民だろうな
職人の文章力と住民の精神年齢から鑑みて放っておいても過疎のまま終わるだろう
63:通常の名無しさんの3倍
07/03/21 00:17:56 jZ3L6wHG
自演乙w
64:通常の名無しさんの3倍
07/03/21 00:23:37
>>53は荒らしなので、以下スルー。
65:通常の名無しさんの3倍
07/03/21 00:24:35
【総帥】
ギレン・ザビ
グワジン ジオン・ズム・ダイチン 88% 419 ACE 256 84888戦75118勝9770敗 あと0日17時間18分
あとすこしで死ぬよ
66:通常の名無しさんの3倍
07/03/22 19:40:02
このスレにも春が来たか。
少し遅めだったな。
67:通常の名無しさんの3倍
07/04/01 00:18:10
、 ∩
( ゚∀゚)彡 ジーク・ジオン
⊂彡
68:通常の名無しさんの3倍
07/04/17 16:01:01
保守
69:通常の名無しさんの3倍
07/04/27 12:13:41
スレタイを見た瞬間、板垣退助のヒゲが頭に浮かんだ。
70:通常の名無しさんの3倍
07/04/30 03:46:52
オデッサ戦のは完結したのか?
71:マ・クベ
07/05/02 20:32:40 vsLZ7IQU
完結もなにも…オデッサには戦略的な価値は何もありません
72:通常の名無しさんの3倍
07/05/12 15:33:28
>>71
おっ、本当にマっぽいな。
73:通常の名無しさんの3倍
07/05/18 14:49:25
5月も半ばを過ぎましたね・・・
74:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 21:01:37
ギレンは死んでないよ
大陸に渡ってチンギス・ハーンになったんだよ
75:通常の名無しさんの3倍
07/06/03 06:11:44
ギレンが生きていればア・バオア・クー戦は勝てたかも知れないと思っているんだが、おまいらはどうよ?
76:通常の名無しさんの3倍
07/06/03 22:04:06
スレ違う
77:通常の名無しさんの3倍
07/06/18 15:23:33 sWd2cXOG
結局一年戦争はどうやって終結したんだ?
78:通常の名無しさんの3倍
07/06/18 17:50:15 rerhVpAl
>>11
レビルの後継は順当にいけば
宇宙軍ティアンム・・・ティアンムが戦死してるならコリニー
地上軍ゴップ
だろ多分・・・・
79:通常の名無しさんの3倍
07/06/21 23:12:34 UR/R5Ctb
アヒャ
80:通常の名無しさんの3倍
07/06/24 05:37:00 WtRY7ZYl
0700801何かが帰ってくる・・・
81:通常の名無しさんの3倍
07/06/27 17:59:54
ここらで保守
82:通常の名無しさんの3倍
07/07/16 07:05:33 /txXTuQa
ギレンは初回放映当時は30歳の設定だったがいつから35歳になったのか
すべての出版物が30歳だったはずだ ドズル27歳 キシリア24歳 ガルマ20歳と離れすぎてる
セシリアとの恋物語も現実味のないものになってしまう
シーマガラハウあたりが出たことによるあとづけの変更だろう
83:通常の名無しさんの3倍
07/08/10 01:36:31 lFNXr+QT
ティターンズが弱小でエゥーゴは結成されてないならアムロは連邦に飼い殺しのままで活躍できないよな?
カミーユとかも。
84: ◆u2zajGCu6k
07/08/12 15:39:40
0087年10月24日、ソロモン外縁ザーン宙域、ハスラー艦隊(第3艦隊)
デラーズ艦隊は連邦軍哨戒戦隊を撃破して順調な進撃を継続しているが、ハスラー中将の第3艦隊は連邦軍主力艦隊に捕捉されつつあった。
連邦軍ソロモン艦隊司令のブライアン・エイノー大将は、彼が「主力部隊」と判断したハスラー艦隊をこの日のうちに叩き潰そうとしていた。
空母を率いた艦隊こそが主力であり、決戦を挑まねばならないからだ。しかし、彼は気付いていなかった。
事実はその逆であり、アクシズが空母を「陽動部隊」として、「主力」の戦艦をソロモンへ突入させようとしていることを。
「うまく餌に食いついてくれた、か」
ハスラー中将は、空母群が攻撃されているという報告を受けて呟いた。既に護衛のMS隊は駆逐されており、四隻あった筈の空母のうち半数は暗礁宙域に変わっていた。
通常の戦闘ならば撤退の判断を下すべきである。だが、敵戦力を引き付けること任務であり、デラーズ艦隊のためにも一秒でも長く耐えることが必要であった。
「さて、次も守りきれるかね?」
敵の第一波は損害を受けながらも何とか撃退することができた。現在邀撃に出ているのは、主力を旧ジオン系列のMS部隊である。
正確な損害はまだわからないが、戦力半減に近い損害を受けたらしい。この残存部隊と第44MS連隊を投入すれば、第二波も防ぎきれるかもしれない。
「難しいですね。敵空母部隊総がかりとなれば話は別です」
ハスラー中将の問い掛けに参謀長が答えた。連邦は次で決めようとする。
第一波以上の戦力が投入されるだろう。虎の子の新鋭機があろうとも、数の暴力に勝利することはできない。
「そこで提案があります。彼等に送り狼をやらせましょう」
85: ◆u2zajGCu6k
07/08/12 15:42:51
アイアン・フィスト作戦、参加兵力(第3艦隊)
第3艦隊(ハスラー中将直率囮艦隊)
第4戦隊
戦艦×1 <グワンバン>
重巡洋艦×2(ティベ級重巡洋艦)
第1機動戦隊
空母×2(パゾク級MS母艦)
駆逐艦×6
第2機動戦隊
空母×2(パプア級MS母艦)
駆逐艦×4
特殊突撃戦隊
重巡洋艦×1 <シュベルト・クロイツ>
軽巡洋艦×3 <グラーフ・アイゼン><レヴァンティン><クラール・ヴィント>
第3艦隊所属MS部隊
第44MS連隊(ガルスJ×24、ガザD×36)
第753MS連隊(旧ジオン系MS×160機)
第400突撃戦隊(ジッコ突撃艇×24、ドラッツェ改×12)
86: ◆u2zajGCu6k
07/08/12 15:48:47
アイアン・フィスト作戦、参加兵力(連邦軍)
司令長官:ブライアン・エイノー大将
副司令:エイパー・シナプス中将
参謀長:ヘボン少将
第38機動部隊(ソロモン駐留艦隊)
(第一群)ブライアン・エイノー大将直率
空母×2 <サラブレッド><トロイホース>
軽空母×2(コロンブス級軽空母)
戦艦×2 <ブル・ラン><バーミンガム>
重巡洋艦×2(アレキサンドリア級重巡洋艦)
軽巡洋艦×4(サラミス改級航空巡洋艦)
駆逐艦×16
(第二群)
空母×2 <スタリオン><アルビオン>
軽空母×2(アンティータム級軽空母)
戦艦×1 <ツーロン>
重巡洋艦×2(トラファルガー級全通甲板型重巡洋艦)
軽巡洋艦×4(サラミス改級航空巡洋艦)
駆逐艦×16
第38機動部隊所属MS部隊
ジムⅡ:約100機
ジム・クゥエル:約250機
先行量産型ハイザック:約100機
その他:アルビオンに少数の可変システム実験機が搭載されている
87: ◆u2zajGCu6k
07/08/12 16:17:06
長く投下時期があいてしまってすみませんでした。
待っていてくれた方々、ありがとうございます。
これからなるべく定期的に投下できるよう頑張りたいです。
88:通常の名無しさんの3倍
07/08/12 16:30:12
投下乙ですー
レイテ沖海戦ですね。まぁ、栗田提督と違ってデラーズは引き返したりしないんでしょうが。
エイノー大将は「世界は此れを知らんと欲す」などという電文を打たれてしまうわけですね。
そして特殊突撃戦隊吹いた
きっと戦隊のコードネームはヴォルケンリッターに違いないw
89: ◆u2zajGCu6k
07/08/15 21:09:48
ドラッツェ
出典:ジェーン・ブッホMS年鑑(財団法人ブッホ・コンツェルン出版)
デラーズ・フリートの宇宙用量産型MS。ザクの上半身とガトル級宇宙戦闘機のプロペラントタンクを足部分に組み合わせたリサイクル的意味合いの強い機体。
宇宙空間での機動性を重視し、両肩にスラスターポットを装備、脚部を排除し、大型のプロペラントタンク兼スラスターを装備している。
武装は右腕部に固定された40mmバルカン砲と、左腕部シールドに固定されたビームサーベルのみで、戦闘力は非常に低い。
主に使用された戦場は、0083年の茨の園防衛戦とその後の撤退戦。これら戦いではその低い防弾性能から茨の園で生産された大多数が撃墜され、連邦軍に多くのエースを生むきっかけとなった。
また、この戦いの後に連邦軍パイロットに以下のジョークが流行りだしたことが、連邦軍がドラッツェにどのような評価を下したかの証左であろう。
「ドラッツェの撃破率は150%。正面を貫いた弾丸が後方の機体まで撃破する確率が50%の意味」
しかし、その後にアクシズの技術供与を受けて改修されたドラッツェ改は…
90: ◆u2zajGCu6k
07/08/15 21:13:10
0087年10月24日、ソロモン外縁ザーン宙域、軽巡洋艦<グラーフ・アイゼン>
「出撃命令が出た。第400突撃戦隊は予備も含めて全力出撃だ。あたしも出る!」
突撃戦隊隊長の少佐は決意を込めていた。遠くアクシズまで聞こえてきた、あの嘲笑を許せるわけがない。
茨の園での借りは、何としても返さねばならなかった。
「第一目標、敵空母! 第二目標、敵空母! 第三目標、敵空母だ! あたしは今回、貴様らの生還は喜ばない。空母アルビオンの撃沈のみを喜ぶ!」
カタパルトから攻撃隊が続々と発艦し、先に発艦した突撃艇と合流していく。
彼等の愛機であるドラッツェ改は性能上航続力が短いため、突撃艇に曳航される必要があった。
「突撃艇を数に入れても連邦との戦力差は10倍以上。ドラッツェの汚名を返上するにはいい機会だぜ」
この数年間、砂を噛むような思いで彼女達は練成を続けていた。
人体実験のような訓練も、幾多のパイロットを失った事故も、全てはドラッツェで戦果を挙げるためであった。
数度の改修により以前の面影を失った愛機には、戦艦の装甲すら貫ける武装が追加されていた。
自分達の矜持にかけてドラッツェの真価を証明するのだ。
91: ◆u2zajGCu6k
07/08/15 21:18:14
――二時間後、第38機動部隊ピケットライン、軽巡洋艦<パナマ>
「敵機来襲!」
「ブル・ランに敵襲を知らせろ! 対空戦闘用意、全兵装使用許可!」
敵機(突撃艇?)が向かってくるに気付いたパナマは、状況を旗艦に知らせ敵機侵入を阻止すべく、直ちに対空戦闘を開始した。
パナマは一年戦争後に大改装が行われたサラミス級巡洋艦である。
ミサイルポッドを2つから6つに増設し、二連装メガ粒子砲を2門、単装砲を4門追加している。
MSは搭載していないが、対艦と対空の双方をこなすことができる優秀な戦闘艦である。
「敵突撃艇編隊、大型ミサイル多数を発射しました!」
「ピケットラインで攻撃開始だと。後続の侵入にも警戒しろ!」
空母を主力とする艦隊の場合、基本的には中央に空母などの主力艦を置いた輪形陣を組むことがセオリーとなっている。
主力艦の周りを駆逐艦や巡洋艦が円形に固めることで、全方位の攻撃から空母を守ることができるからだ。
ピケットラインとは輪形陣の外周で、敵機の早期発見を目的とした前衛のことである。
30機程度の突撃艇では、第38機動部隊の主力に辿り着くまでには全滅している。
そのため、ピケットラインを攻撃して、後続の侵入を支援することもあるのだ。パナマ艦長の指示は的確なものだといえよう。
だが、このジッコ突撃艇から発射された物体は、パナマ艦長(第38機動部隊)の想像を超えたものであった。
92: ◆u2zajGCu6k
07/08/15 21:27:14
「イジェクション・システム、オン。エンジン・インストルメント、チェック。ジッコより離脱、ファーストエンジン、スタート!」
流線型の物体がジッコ突撃艇からゆっくりと離れた。
その脇を僚機が発射したミサイルが通っていく。このような光景が編隊の中で繰り返されていた。
発射作業によって編隊は、12機のドラッツェ改と24機のジッコ、72発のミサイルへと増加した。
「ユズキ、ユズキ、こちらシミズ。送レ」
「シミズ、こちらユズキ、感度良好、送レ」
「こちらシミズ、全機に達する! 各個に突撃開始! RATO及びデバイスの無制限使用を許可! 空母にぶちまけてやれ! 連邦を生きて帰すな!」
ジッコ突撃艇に曳航された対艦戦闘専用のドラッツェ改による襲撃。
これこそがハスラー艦隊による送り狼の正体であった。
第三艦隊にとって第一撃にして本命。特殊突撃戦隊による第38機動部隊への突撃が開始された。
93: ◆u2zajGCu6k
07/08/15 21:35:20
投下終了。
魔改造ドラッツェなんてものを出しました。
あと守護騎士の方が参戦しているのは秘密っす。
ドラッツェ改はMA状態しかないジャムルフィンのような機体ですね。
ようやく次から本格的な戦闘が始まります。
94:通常の名無しさんの3倍
07/08/15 21:46:21
おつでやんす
95:通常の名無しさんの3倍
07/08/29 22:21:10
まってたよ-ん!
96:通常の名無しさんの3倍
07/08/29 22:27:30 OhzDTDda
折角の投稿だし上げてみよっか
97:通常の名無しさんの3倍
07/08/29 23:59:57
投下乙です
中の人バロスwww
98:通常の名無しさんの3倍
07/08/30 18:28:15
投下乙!
待ってたよ!
99:通常の名無しさんの3倍
07/09/01 10:29:50
ドラッツェ改か…。
ドラッツェの弱点は打たれ弱さと攻撃力の不足だから改善点はそこらへんか?
ただ特攻兵器としてなら武器の強化のみ?
100: ◆u2zajGCu6k
07/09/07 15:35:42
ピケット艦による敵機襲来の報告は、すぐさまブル・ラン艦橋の第38機動部隊司令部、ブライアン・エイノー大将の元に届けられた。
「突撃艇による攻撃だと? 敵部隊は叩いたはずじゃなかったのか。どういうことだ?」
エイノーは思わず尋ねていた。無論、全ての命令を下し終えたあとで。
彼の命令によって、輪形陣内の艦艇も迎撃が開始され、敵艦隊の攻撃から帰還した部隊を収容中の空母からも無理やり直援MSが発進していた。
エイノーの驚きには理由がある。敵襲の直前に帰還した攻撃隊の報告では、敵空母は全て撃沈しており、他の艦艇も撃破に成功したとあったからだ。
「おそらく、戦果の誤認があったものと思われます。なにしろ今回の戦闘が初出撃というパイロットが多いですからな。」
参謀長のヘボン少将が答えた。エイノーはしばし瞑目した後、半ば覚悟を決めたように頷いた。
彼は一年戦争において、ジオン兵の技量の優秀さを体験している。
「よろしい。諸君、この一撃を凌ぎきり、残りの艦隊も殲滅してやろうじゃないか」
101: ◆u2zajGCu6k
07/09/07 15:40:20
一方、エイノー大将の命令を受けた各艦艇も動き出していた。
空母アルビオン艦内では、今では艦隊副指令まで昇進したエイパー・シナプスが育て上げた乗員達が、次々に行動していた。
MSデッキではキハール(試作アッシマー)の整備が中止され、弾薬の補給すら行われずに緊急発進された。
他にも可燃物であるプロペラントタンクの投棄など、過去の戦訓からダメージコントロールを重視した対応が行われた。
「10分もかかったか。やはり錬度の低下は否めんな…」
エイパー・シナプス中将は、腕時計で時間を測りつつ戦闘準備完了の報告を聞いた。
とはいえ、艦隊全体から見たら、歴戦のアルビオンは最も迅速であった。
乗員達の多くが四年前からジオン残党と戦っているのだ。
「なすべきことは一つだ!いかに犠牲をおさえられるか、ただそれだけだ!」
102: ◆u2zajGCu6k
07/09/07 15:42:10
連邦艦隊への強襲は、全てが同時に起こる中で開始されたように思えた。
ジッコが発射したミサイルの爆発、打ち上げられる対空砲火、四方から迫りくる直援MSの群れ。
それと同時に、攻撃隊の中のジッコが突如として編隊を離脱。彼等の先には天頂方向から阻止行動を開始したハイザックがいた。
自らを盾にすることで、空母までの進撃路を確保しようとしていたのだ。
このような犠牲を払うことでドラッツェ改の編隊は、軽微な損害のまま艦隊内周まで突入することができた。
また、この編隊へ行われた対空砲火は、見当はずれの方向にしか着弾しなかった。
ドラッツェ改は、MSにしては速度が早すぎ、MAとしてはサイズが小さすぎたからだ。
「やっぱりお前はいい機体だよ。いくぞ、ドラッツェ!」
突撃編隊の少佐は、RATO(補助ブースター)による加速に耐えながら叫んだ。
今日はエンジンも武装も問題がない。補助ブースターも機嫌がいい。
演習ではいつもご機嫌斜めだったドラッツェも、今回ばかりは本気を出してくれている。
(このドラッツェを見たら、あいつも喜んでくれるかな?)
愛機を空母への進路へ向かわせつつ、彼女はこの機体に初めて会ったときのことを思い出していた。
103: ◆u2zajGCu6k
07/09/07 15:46:13
アクシズの仮設MS工場で彼女はそれと再開した。彼女は半壊したそれの領収に赴いていた。
普通なら破棄を命じられるところだが、彼女はボロ負けした茨の園でそれに乗り、敵MSを3機撃墜する戦果を挙げていた。
彼女も上官もまだドラッツェには可能性があると思っていた。
修理と改造が終わったそれを見て、彼女は受領する機体を間違えてしまったのだと思った。
しかし、それは修理に出した愛機であった。その証拠に出撃前に機体に書き込んだ、「轟天爆砕」の四字熟語が記されていた。
ただでさえドラッツェは異質な機体であった。足はなく肩には大きな球体が二つ付いていた。
だが、目の前のそれはさらに異形なものへと変化していた。なにしろ、AMBACに必要な腕すら失われていたからだ。
彼女が呆然としていると、この改造を担当したらしき技術者が声をかけてきた。
「腕なんて飾りです! 偉い人にはそれが分からんのです!」
茨の園の独特なマーキングについて
茨の園では整備員と搭乗員達が必勝を祈る一心で、機体に様々な四字熟語が書き込まれる風習があった。
連邦軍の記録フィルムを見ると「疾風迅雷」「飛駆寒虫」「石破天驚」などのマーキングも確認されている。
一説には難解な言葉が好きなアナベル・ガトー中佐の影響があるといわれている。
104: ◆u2zajGCu6k
07/09/07 15:51:04
投下終了です。
本格的な戦闘が始まりませんでした。
次でドラッツェ改の詳細が明かされます。
調べてみたら、ドラッツェのスラスター推力ってかなりの性能ですね。
リックドムの二倍以上ですし、アクシズ製MSと同等でしたよ。
105:通常の名無しさんの3倍
07/09/10 10:29:51
そこはかとなく乙だよ
106:通常の名無しさんの3倍
07/09/14 19:33:21
保守
はやく続きを~。
107: ◆u2zajGCu6k
07/09/20 11:38:49
本編の執筆に行き詰ってしまったため、短編を投下いたします。
世界観はいつもの作品と同じです。まぁ、あまり関係ないですが。
108: ◆u2zajGCu6k
07/09/20 11:40:22
短編「Lucky Star」
1.序章にかえて(宇宙世紀0123年、フロンティア4戦争博物館館長、ロイ・ユング退役准将)
「事実は小説よりも奇なり」
このMSの運命を言い表すのにうってつけの言葉だ。
私が数年前より館長を勤めているこの博物館には様々なMSが展示されているが、
この機体ほど数奇な運命をたどったものはないであろう。
MS-05B、ジオニック社が生産した一般的には旧ザクと呼ばれる機体だ。
もちろん、よく知られているように初めて量産されたMSでもある。
実戦に投入された一年戦争では、既に旧式となっていたが、その活躍(戦闘以外の任務)はこの機体に傑作との評価を与えても良いものだろう。
だが、現存しているMS-05Bは片手で数えるほどしかない。生産された機体のほとんどは、その後の戦乱で失われていったからだ。
その貴重な生き残りの一体こそが、これから紹介する「MS-05B- JA22AR」である。
では、そろそろ本題へと入ろう。この機体識別番号(JA22AR)を名づけられた彼は、他の兄弟と同じようにジオニック社の工場で産声を上げた。
時に宇宙世紀0077年11月29日のことであった。この時から彼の数奇な運命は始まっていく。
109: ◆u2zajGCu6k
07/09/20 11:42:58
2.憂鬱
多くの人々からの祝福を受けて生まれた彼であったが、その人生(?)の始まりは憂鬱なものだった。
彼が工場からロールアウトされた時、隣の生産ラインからもある機体の先行量産型が生み出されていたのだ。
MS-05Bは良いMSであったが、機体各部の動力パイプを全て装甲内へと内蔵式としたことや
ジェネレーター出力の低さから十分な運動性能を発揮することができず、
キシリア・ザビ氏を筆頭とした軍部に、この機体の性能と生産性をより向上させたタイプの開発を要求していた。
彼の隣のラインで生まれた機体はMS-06Aといった。
多くのエースパイロットを生み、ザクの名を戦史に刻み付けたMSである。
この機体の生産が軌道に乗ったため、MS-05Bの生産は縮小されてしまう。
その結果、彼自身は新しいのにもかかわらず、旧型の烙印を押されてしまったのだ。
彼に搭乗するパイロットからも、皮肉をこめて旧ザクというありがたくない渾名をいただいてしまう。
しかし、この当時の彼は憂鬱かもしれなかったが、後の時代から比べれば幸福であった。
推進剤も基準量を満たし、装備も機体も定期的に整備されていた。パイロットも熟練者が揃っていた。
緊張を含んでいたが、まだ宇宙は平和であった。
110: ◆u2zajGCu6k
07/09/20 11:44:56
2.溜息
彼が生まれてから半年が経過した。宇宙世紀0078年の彼は溜息をつきたくなっていた。
彼も先月までは連邦軍との開戦に向けて、搭乗員育成や戦技研究などに参加していた。
だが、6月に入ってからはコロニーの外壁補修を行っていた。
「俺は大工になりたくて国防軍にはいったんじゃねぇ!」
パイロットの悲痛な叫びがコクピットに響いていた。
彼の所属は戦闘部隊から工兵隊へと移っていた。
武装もマシンガンやヒートホークから、ドリルやハンマーなどのある意味では強そうなものに変化していた。
「今回の人事異動は左遷なのかなぁ…」
パイロットは溜息をつきながらも、黙々とデブリで破損した部分を補修していった。
このコロニーの補修作業が後に重要な意味を持つようになるのだが、
その事実に彼等が気付いたのは全ての作戦行動が終了してからであった。
111:通常の名無しさんの3倍
07/09/20 18:50:54
らき☆すたとハルヒワロタ
つか超弩級期待。
112: ◆u2zajGCu6k
07/09/20 21:05:55
3.退屈
さらに五ヶ月が経過した。
「畜生、今度は宅配便かよ!」
コロニーの補修作業からは開放されたものの、
今度は途方もなく大きいエンジンの輸送に従事することになっていた。
そのエンジンはコロニーを動かすために製作されたものらしく、大きさは彼の数倍もあった。
退屈な仕事。そう表現しても良いだろう。
加速と減速の作業を除けば、輸送作業の大半は大きなエンジンを横目に併走するだけであるからだ。
これが戦時ならば警護の緊張感もあるのだが、今は平和だった。
そのため、パイロットも手持ち無沙汰らしく、出撃前に隠し持ってきた雑誌を読んでいた。
「あーあ、ガイアのやつも偉くなったもんだ。中尉様とはなぁ。
それにしても、この黒いマーキングはかっこいいな。同じ機体とは思えないぜ」
パイロットの読んでいる雑誌には、黒い三連星というトリオの記事が載っていた。
検閲によって分かり難いが、搭乗している黒い機体は彼の兄弟であろう。
そうこうしているうちに、減速作業に移る時間になった。
退屈な仕事であったが手抜きは許されない。一歩間違えれば大惨事が起こるのだ。
その後、彼等の働きによってこの核パルスエンジンは、
サイド2の8バンチにある「アイランド・イフィッシュ」と交差する軌道へと移された。
113: ◆u2zajGCu6k
07/09/20 21:08:02
4.消失
宇宙世紀0079年1月3日から同月10日まで、「JA22AR」という識別番号を付けられた機体は、
ジオン公国には存在していないことになっている(公式戦史には記載されていない)。
一年戦争後の混乱期によって、ジオン公国の資料の多くが失われていたが、
ここまであからさまだと、逆に誰かが抹消したのではないかと考えたくなる。
兎にも角にも一週間戦争の間、彼は消失してしまったのだ。
ここから先は当時を知る人物からの伝聞と筆者(ロイ・ユング)の推測とで話を進めていきたい。
核パルスエンジンの輸送作業を終えた彼は、ジオン本国に戻ると同時に、
改装を受けるため生まれ故郷のジオニック社の工場へと戻っていたらしい。
ここで彼はある特殊作業を行えるように専用装備を増設されたらしい。
ここに一枚の写真がある。一年戦争後、ジオン公国で軟禁されていたあるジャーナリストが発表したものだ。
この写真にはジオニック社の工場から出てきたMS-05Bと、宇宙の蜻蛉として有名なシーマ・ガラハウ氏が写っている。
撮影日時は宇宙世紀0078年12月、ちょうど彼が改装を受けた時期だ。
写真の機体にはGG(ダブル・ジー)も運用可能なコンプレッサーが装備されていた。
同一の機体ではないものの、彼もこの機体と同じ改装を受けたのではないか?
114:通常の名無しさんの3倍
07/09/20 22:17:52
>>111
俺にはわからんが良し
115:通常の名無しさんの3倍
07/09/20 22:50:42
は、早く続きを…。
耐えられない…。
116: ◆u2zajGCu6k
07/09/21 21:41:24
5.暴走
以上の文章は私の推測にしか過ぎない。これは私の下種の勘繰りであると信じたい。
そして、彼の識別番号は宇宙世紀0079年1月11日から復活する。
ここから先の数ヶ月は、今までの彼の人生に比べると激動の日々であった。
むしろ彼自身が鬱憤を晴らすかのように、望んで暴走を始めたのかもしれない。
個々の事例を挙げていくと、紙面が足りなくなるので箇条書きで書き表したい。
宇宙世紀0079年1月14~16日、ルウム戦役で連邦軍と交戦(戦果なし)
同月20日、サイド3のズムシティにて戦勝記念パレードに参加。
2月1日~25日、宇宙要塞ソロモンにて、砲台増設作業に従事する。
同月26日、突撃機動軍に編入。地球降下作戦の護衛部隊に配属。
3月1日、第一次地球降下作戦発動、連邦軍迎撃部隊と交戦(戦闘機2機を撃墜)
同月11日、第二次地球降下作戦発動、敵機と交戦中に被弾、修理のため後方へ。
同月14日~28日、地球降下部隊へ物資が優先されたため、一時工場内で放置される。
その後、教育隊編入のため修理と複座に換装。
4月9日、サイド3教育MS群に編入、同乗パイロットは臨時教官に。
4月12日~10月5日、約半年間、高等練習機として搭乗員育成を行う。
10月6日、ガルマ・ザビの国葬に参加。その後、戦力不足により実戦部隊に再編入。
10月10日、宇宙要塞ア・バオア・クーに着任、以後同地で守備任務に就く。
以上が一年戦争前半における彼の活躍である。
実際に挙げた戦果は少ないものの、彼の兄弟の多くが撃墜されていることを考えると、
生き残ったこと自体が最大の戦果であろう。
そして、特筆すべきが半年間の教育部隊での活躍である。
彼に搭乗していたパイロットは鬼教官として恐れられていたが、
その指導により多くの新兵が才能を開花されたのであった。
117: ◆u2zajGCu6k
07/09/21 21:43:12
6.動揺(1)
地球からの撤退、絶対国防圏ソロモン要塞の陥落。
宇宙世紀0079年12月は激動の日々であった。
彼も相棒も内心では動揺していたが、古参兵としての威厳を示すため平静を保っていた。
「こんな旧式も満足に動かせないとは。うちの整備兵も質が落ちたなぁ…」
今日の彼は右腕を動かすことができなかった。弾薬も推進剤も基準には程遠い有様だ。
度重なる敗北による前線の混乱と決戦兵器(ソーラ・レイ)へ資源を優先させた結果、
彼等前線部隊の補給は滞りがちになっていた。そのため、MSの稼働率が徐々に低下し、
一部では戦力崩壊の序曲である共食い整備(注1)すら行われ始めた。
それでも彼は旧型であるが故に幸運だった。
多くの故障に対するマニュアルが一年戦争以前から完備されており、
他の部隊を襲った悪夢のような稼働率よりはよほどマシであった。
(この当時(ア・バオア・クー戦)の稼働率は、
ザク系列:約75%、ドム系列:約50%、ゲルググ:約60%との調査報告がある。
一年戦争後、敗北したのにもかかわらずジオン残党勢力が多くのMSをもっていた理由は、
このような稼動できずに撃墜を免れた機体が多数存在したからとの説もある。)
注1:同じタイプの良好な機体を分解して整備や修理に必要なパーツを確保すること。
一機を犠牲にすることによって、他の機体を稼動状態にすることができる。
だが、戦力崩壊の始まりとして部隊指揮官からは忌み嫌われている。
118: ◆u2zajGCu6k
07/09/21 21:45:56
6.動揺(2)
このような状況の中で、彼等はその年の終わりを迎えることになった。
宇宙世紀0079年12月31日、ジオン公国の終焉が近づいていた。
「…既に形骸である。あえて言おう、カスであると!」
スピーカーから耳障りな声が聞こえる。彼等の最高指揮官の大演説だ。
彼等はア・バオア・クーで死力を尽くしていた。機動兵器であるはずの彼は、
数度の出撃で推進剤の補給が間に合わないため、今は要塞の固定砲台として戦っている。
「任務は簡単、要塞を守るだけ…か」
演説をしている人物から二時間前に出された命令だ。
演説の内容が本当ならば、連邦のMSが要塞に取り付いているはずはない。
彼自身も既に限界に達しようとしていた。
度重なる出撃で機体はオーバーヒート寸前であった。
ヒートホークも既に焼ききれて使い物にならない。
「弾切れか。機体もがたがきている。補給に戻ろう」
彼の相棒も限界を悟ったらしく、要塞内の整備施設へと帰還することになった。
119: ◆u2zajGCu6k
07/09/21 21:47:48
6.動揺(3)
「大佐殿、我々には休息が必要です!」
「必要ない。死んでから休めばいい。再出撃だ」
「…畜生いつか殺してやる」
彼の音声記録に残る相棒と上官の会話の一部だ。
これはア・バオア・クー内の整備施設で行われた会話らしい。
補給に戻った彼はすぐに上官に見つかり、弾薬補給だけを行って再出撃の命令を受けた。
連邦軍の攻撃は激しく、既に要塞内に侵入した部隊も増加していた。
このまま再出撃をしたならば、彼は他の兄弟と同じように鬼籍に入っていたことだろう。
だが、天は彼を見放してはいなかった。
整備区画の隣の宇宙船ドックで慌しい動きが行われ始めた。
彼の相棒は激昂していて分からなかったが、
これはギレン総帥の戦死とドロスの撃沈などによる戦艦の離脱行動であった。
「その旧ザクは…もしかして教官ですか?」
要塞から脱出しようとしている戦艦所属のMSから、突然通信が送られてきた。
送り主は数ヶ月前に相棒と彼に乗った新米パイロットであった。
「アサルムはすぐに脱出します。早く中へ!」
相棒は脱出と上官の命令を天秤にかけ、即座に決断を行った。
彼等の一年戦争はここに終結した。激しい動揺を胸に抱えながら。
120: ◆u2zajGCu6k
07/09/21 21:51:25
投下終了。
教官の旧ザクさん、ようやく一年戦争が終わりました。
これから先、彼と相棒に訪れる運命はいかに!
残るは陰謀・憤慨・分裂・驚愕ですね。どう料理すればいいのやら…
121:通常の名無しさんの3倍
07/09/21 22:10:57
乙んつん
懲罰大隊のネタかなあ?
122:通常の名無しさんの3倍
07/09/24 10:45:11
サイドストーリーとは意外な展開w
ジムニーの車両形式みたいなナンバーだね。
乙!
123: ◆u2zajGCu6k
07/09/30 21:08:17
7.陰謀(1)
売国奴
この言葉はジオンという名の国家に所属する者が良く使う言葉だ。
例えば、彼等はこのようにこの言葉を使用する。
「我々が前線で死力を尽くしている間に、ジオン公国を連邦に売り払った売国奴」
「本国と一般市民を守る義務を放棄し、辺境に逃げ去った売国奴」
彼と相棒は後者の売国奴に属していた。
一年戦争終結後、アステロイドベルトに逃亡した集団があった。
彼等は小惑星基地の名を取り、自らをアクシズと呼んだ。
宇宙世紀0081年、彼等は資源基地であったアクシズを要塞化し、地球連邦への復仇を果たし始めようとしていた。
要塞の建築を始めたアクシズは、彼にとって絶好の働き場所であった。
旧式であるが故に汎用性(戦闘以外での)が高く、稼働率の低いゲルググやドムに代わって様々な現場に出張した。
相棒も以前の経験(コロニーの修復など)があったのも幸いし、アクシズの大黒柱として働くことができた。
アクシズでの生活は困難であったが、そこには絶望はなく希望があった。
124: ◆u2zajGCu6k
07/09/30 21:10:23
7.陰謀(2)
本来アクシズは、ジオン公国が建設に着手した小惑星基地で、火星と木星の間のアステロイドベルトに存在し、
ソロモンやア・バオア・クーを地球圏に送り出すことや、木星ヘリウム輸送船団の拠点としても利用されていた。
そのため、最大で数千人が居住できる環境(モウサ)があった。
だが、一年戦争後に逃亡してきた者達により、総人口は3万人を超えるようになっていた。
この状況に対処すべく、要塞化と並行して居住空間と資源採掘の拡大が行われるようになった。
「いくらヘリウム3が貴重だからって、石炭を使うとは。煙や煤は出る。
中世の人間だってもっとマシな燃料を使ってるぜ。少なくとも宇宙で使うもんじゃねぇ!」
彼等は資源の節約のために、代替燃料となる石炭を採掘していた。
ヘリウム3のエネルギー効率を考えれば、石炭など使う気も起こらないが、
仕方のない選択であった。ヘリウム3はMSや艦艇の戦闘時に必須であり、
グラナダから持ってきたものを除けば補充される見込みは薄いからだ。
「ミラー拭き、農作業、炭鉱夫、俺達は何でも屋だなー」
平穏な日常だった。だが、彼等は知らず知らずのうちに、アクシズの主導権争いをめぐる陰謀に関与することになる。
125: ◆u2zajGCu6k
07/10/06 22:41:40
7.陰謀(3)
採掘作業を始めて数日後、この場にそぐわない人物がやってきた。
一年戦争の英雄。シャア・アズナブル大佐であった。
現場の責任者であった相棒が、しどろもどろになりながら大佐に説明をしている。
「…でありまして、鉱脈は発見できたので、もう少しで採掘も軌道に乗り始めます!」
「そうか。ところで、君の乗っている機体は珍しいな。旧ザクではないか」
「はい!自分もあいつも頑丈なだけが取り柄であります!」
その後、大佐と相棒との間で何らかの約束があったようで、大佐は彼に搭乗して直接現場を見に行くことになった。
相棒は大佐を一人で炭鉱へ向かわれるのには反対したが、大佐本人が独りの方が気楽でいいという事で待機することになった。
後に相棒が大佐の動きを参考にしようと彼のデータ端末を見たが、大佐は用心深いらしく、視察していた間の全ての記録が抹消されていた。
126: ◆u2zajGCu6k
07/10/06 22:43:31
7.陰謀(4)
彼と相棒は休暇をもらえることになった。全ての人間が忙しいアクシズでは、
休暇は珍しいものであったが、相棒が大佐を相手にうまくやったのだろうと思った。
とはいっても、ここはアクシズである。彼は整備場でゆっくり休むとしても、
相棒は休暇を楽しもうにも娯楽施設はほとんどない。唯一、一年戦争前からの酒場があるくらいだ。
その酒場で相棒が安酒をあおっていると、突如としてアクシズ内に警報音が鳴り響いた。
彼はすぐに思考を切り替え、パイロットの習慣で整備場へと向かった。
「炭鉱で事故があったみたいだぜ。視察に来ていたお偉いさんが何人か巻き込まれたらしい」
顔馴染みの整備兵が事故の状況を知らせてくれた。事故の現場は彼がいつも担当していた場所だった。
ちょうど昨日も大佐が視察に来ていた。相棒は不幸中の幸いだと感じた。
伝説的なパイロットが事故死など考えたくも無かった。
この事故で死亡した者は、どういう訳かギレン派の将校が多かった。
また、この時期から派閥抗争が活発化し、マハラジャ・カーンが結果的に権力を握ることになった。
127: ◆u2zajGCu6k
07/10/06 22:47:51
投下終了です。
有名キャラを出すのは難しいですね。
128:通常の名無しさんの3倍
07/10/06 23:05:13
>>127
OKOK
こりゃ週一は保守しとかんといかんな
129:通常の名無しさんの3倍
07/10/06 23:08:01
おつんつん
130: ◆u2zajGCu6k
07/10/13 20:38:35
8.憤慨(1)
「そしてその時、戦争は人間が耐えられる限界を超えるであろう」
―ギレン・ザビ
破局は、誰もが予想したような形で始まらなかった。それは劇的でもなければ、納得できるような手順を踏んでもいなかった。
どちらかといえば、全ての人々が状況をつかみきれなくなったために引き起こされたのだった。
宇宙世紀0087年10月、アイアン・フィスト作戦によるソロモンの制圧と、
小惑星アクシズ本体のゼダンの門(ア・バオア・クー)激突によって、
アクシズ勢力はジオン公国の絶対国防圏であった宙域を奪還することに成功した。
これらアクシズの一連の軍事行動によって、連邦軍艦隊は多くの戦力を喪失し、
アクシズへ即応できるものは、ルナツーか本星艦隊しか存在しないという状況に追い込まれてしまう。
これはアクシズを阻むものがいなくなった事を意味していた。無論この程度の損害で連邦軍が降伏するわけではない。
数日の猶予があれば、予備兵力で艦隊を編成しなおし、ソロモンの奪還とアクシズの殲滅も可能であろう。
だが、このときにもっとも重要なものは時間であった。
連邦軍の準備が整う前にアクシズはサイド3(ジオン共和国)の帰還に成功してしまったのだ。
131: ◆u2zajGCu6k
07/10/13 20:40:02
8.憤慨(2)
「我等はアクシズ。我々は世界の枢軸であるが故に」
―ハマーン・カーン
彼と相棒は無謀にも戦闘に参加することになった。理由は明確であった。
ジオン共和国に進駐したくても戦力が足りないからだ。先の戦闘でアクシズは連邦軍を退けたが、
自らも戦力の過半数を喪失していた(特にデラーズ艦隊は全滅に近い状況であった)。
そのため、使えるものなら作業用の機体ですらも戦闘に投入していた。
MSならまだマシな方で、中にはソロモンで鹵獲したボールを護衛用に配備される部隊もあった。
彼と相棒は死を覚悟して出撃した。
先の戦闘では旧式MSが七面鳥のように打ち落とされていたからだ。
「前方にMSを視認。おそらく連邦のザクもどきだ!」
彼等の所属する部隊で唯一の第2世代モビルスーツである隊長機からの通信が入った。
「姿形はザクだが、中身は別物だ。俺達もここまでか…」
だが、そのMSは隊長機が牽制に撃ったライフルの一撃で撃破されてしまう。
彼等の目の前に現れた敵は、連邦軍のハイザックではなく、ただのザクであった。
132: ◆u2zajGCu6k
07/10/13 20:41:29
8.憤慨(3)
「やっとこさ戦争が終わってみりゃどうだい。共和国にとって、あたしらは厄介者扱いだ、帰る国もありゃしない!」
―シーマ・ガラハウ
ジオン共和国と連邦軍との間の安全保障関係は、共和国の思惑として国力が正常な状態になるまで、
軍事一切を連邦軍に委任することで軍事的コストをなるべく安く抑え、
経済成長に傾けるのが狙いであり連邦軍の庇護下に置かれることであった。
そのため、サイド3へのアクシズ勢力の進駐に対して、国防軍たるジオン共和国軍の抵抗は弱々しいものであった。
ジオン共和国軍は軍事力の多くを本土に駐留する連邦軍に委ねており、
固有の戦力は一年戦争当時の旧式MSであった(共和国軍の反乱防止という理由もあった)。
また、連邦軍から派遣されていた部隊もサイド3の治安維持が任務であったため、
アクシズの進駐に対し有効な迎撃を行うことができなかった。
これらの理由から、アクシズ勢力に対して共和国軍・連邦軍は敗退を重ねることになり、
宇宙世紀0087年11月には組織的抵抗が不可能になった。
そして、サイド3の安全が確保されると、ハマーン・カーンはミネバ・ラオ・ザビを掲げ、
ザビ家再興を図り、アクシズ改めネオ・ジオンの建国を宣言した。
133: ◆u2zajGCu6k
07/10/13 20:44:38
8.憤慨(4)
「悪魔でいいよ。悪魔らしいやり方で話を聞いてもらうから」
―ある戦技教導官の言葉
ネオ・ジオンという国家はまさにガラスの王国であった。
事実上、僅か20歳のハマーン・カーンを頂点とする権力機構は奇怪ですらあった。
この当時のジオン共和国の一般市民は一様にネオ・ジオンを敵視していた。
民衆にとって彼等は、自分達を捨てて逃げた卑怯者であり、せっかくの平和を脅かす侵略者であったのだ。
そのような場所に「解放者」として帰還を果たそうとした、
ネオ・ジオン上層部の現状分析能力には疑問を抱かざるを得ない。
そして、「現実」と直接向かい合う一般兵は「憤慨」という感情を持つことになった。
相棒は8年前とは正反対の雰囲気の繁華街を歩いていた。
一年戦争当時は軍服を着ているだけで尊敬の眼差しを向けられた。
酒場では多くのサービスを受けることができた。
しかし、長年の連邦軍による圧制から「解放」したはずのこの国は違っていた。
軍服を見れば通行人からは避けられ、繁華街の店は全て閉まっている。
(俺達は何のためにサイド3に戻ってきたんだ?)
このような状況の中で、ネオ・ジオン上層部は一つの結論に辿り着いた。
彼等によれば、ジオン共和国には地球連邦への内通者が存在するため、
民衆が解放を謳歌することができないとのことであった。
始まりはマッカーシー元少将による、共和国国務省に連邦出身者が勤務しているとの告発だった。
ネオ・ジオン上層部はこれを大いに利用し、自らに反対する者を偽の「連邦内通者リスト」の提出に代表される、
様々な偽証や事実の歪曲や自白や協力者の告発、密告の強要までを取り入れた強引な手法で排除していった。
この青狩り(ブルーパージ)によって、数万人が逮捕・拘禁され資源小惑星での強制労働に従事されることになった。
134: ◆u2zajGCu6k
07/10/13 20:46:47
投下終了です。
書きたい部分を外伝で先に書いてしまう。
某御大と同じ症状が出ていますね。自重せねば。
135:通常の名無しさんの3倍
07/10/19 00:27:45
ホシュ
136: ◆u2zajGCu6k
07/10/21 21:43:30 AXkbBIzn
保守をかねて投下です。
137: ◆u2zajGCu6k
07/10/21 21:45:13
宇宙世紀200年10月、アナハイム文庫仮想戦記ラインナップ
「Cat Shit One」
泥濘の一年戦争東南アジア戦線。
連邦軍偵察チームに所属する、パッキー、ラッツ、ボタスキーの戦いを描く。
※彼等の下半身が裸に見える人は大至急で病院に行く必要あり
「月は出ているか?」
地上に残されたザメルの孤独な戦い。
人工衛星による着弾観測システムを駆使した砲撃戦。
「静かなる夜のために」
動乱の地球圏、月面都市「エアーズ」でクーデターが発生した。
クーデターを支援したアクシズの真意とは。
「宇宙のパンジャンドラム~マリアとタイヤとギロチンと~」
サイド2にはパンジャンドラムという大英帝国の遺産が存在していた。
べスパのドゥカー・イク少佐は、次第にその兵器に惹かれていく。
「マ・クベは大切なものを盗んでいきました」
テキサスコロニーで死んだと思われていたマ・クベは生きていた!
「ウラガン、それは既に棄てた名前だ。今の私はエゥーゴのクワトロ・バジーナである」
「死線の太平洋~Ocean Pacific Peace~」
一年戦争後、降伏することを拒んだジオン潜水艦隊は、連邦軍への襲撃を繰り返していた。
太平洋に平和を取り戻すため、ドン・エスカルゴが再び飛翔する。
「ミノフスキー粒子? 私の祖先はレーダーも無い時代から潜水艦に乗っているのだよ」
138: ◆u2zajGCu6k
07/10/28 19:22:57
9.分裂(1)
青狩りをはじめとする何度かの粛清によって、ジオン共和国国民を恐慌状態へ陥れたネオ・ジオンであったが、
このとき軍事・外交的には地球連邦に対して勝利を収めていた。
宇宙世紀0088年初頭、前年10月に地球圏へ帰還し、
サイド3(ジオン共和国)を制圧したネオ・ジオンは、地球圏全体に混乱をもたらせていた。
戦術的に見た場合、連邦軍が有していた宇宙要塞二つとサイド一つが敵の手に渡っただけであるが、
その衝撃は地球連邦内部に不協和音を生じさせることになった。
この時点で、地球連邦軍には三つの派閥が存在していた。
ジャミトフ・ハイマン中将を筆頭とするアースノイド至上主義派、
コロニー出身者が属しているスペースノイド派、
そして一年戦争の英雄ゴップ元帥の保守派であった。
三大派閥の中で最大の保守派はアクシズとの妥協を求めていた。
特にゴップ元帥は連邦議員と太いパイプを持っており、これ以上の戦争は彼等が許容できるものではなかった。
だが、武力の行使も厭わないティターンズの存在によって、連邦軍は内部から崩壊の兆しを見せ始めた。
彼等の反乱行為により、ネオ・ジオン勢力への反抗作戦の遅れは致命的なものになってしまった。
139: ◆u2zajGCu6k
07/10/28 19:24:45
9.分裂(2)
一方、アクシズでも派閥抗争が激しくなっていた。
青狩りによって権力の大半を手中に収めたハマーン派は、その牙を軍内部の異分子へと向けるようになった。
狙われたのはエギーユ・デラーズ大将を中心とするギレン派の将校であった。
実弾演習中の誤射、帰宅途中での事故死、原因不明の突然死など、あらゆる暗殺手段が使用された。
これにより、今まで一糸乱れぬ統率を発揮していたデラーズ艦隊にもハマーン派への転向が相次ぎ、
残った高級将校は子飼いのアナベル・ガトー大佐のみという有様だった。
さらに外部からジオン・ズム・ダイクンの理想を継ごうとするシャア・アズナブルの扇動によって、
将校だけでなく一般兵も月面都市へ亡命するという事態が起こってしまう。
迷走するサイド3で、彼と相棒にも転機が訪れようとしていた。
その日、相棒が宿舎に戻ると封筒が郵便受けに入っていた。
その封筒は日常的に行われるようになった検閲を受けた形跡が無く、
相棒は不審に思いながらもその封を開けた。
「久しぶりだね」
封筒の中身はビデオレターであった。画面の中の人物は、以前一度だけ会ったことがあり、
今では一部に神聖化すらされつつあるシャア・アズナブルであった。
140: ◆u2zajGCu6k
07/10/28 19:28:06
9.分裂(3)
ビデオレターを内容は亡命の誘いであった。彼の所属している組織(エゥーゴといった)は人員不足に嘆いているようだった。
特にそれはMS搭乗員で顕著らしく、一個大隊の編成も難しいとのことである。
「一連の戦闘でベテランはみんな死んじまったからな。まさに猫の手も借りたいってやつか」
アクシズは元から戦力が少なく、連邦軍も長年の大艦巨砲主義によってMS搭乗員は少なかった。
その搭乗員が一連の戦いで消耗してしまったのである。
残っているのは一握りのエースと操縦もおぼつかないルーキーだけ。
工兵出身の相棒とはいえ、10年間近くもMSに乗っている人物は確保したい存在であった。
また、シャア・アズナブルは相棒にとって重要な情報を教えてくれた。
「キケロ送りの予定に君の名前があった。亡命するなら今しかない」
141: ◆u2zajGCu6k
07/10/28 19:31:03
9.分裂(4)
赤い彗星に関する噂は本当だったんだな。相棒はそう思っていた。
強制収容所へ行くよりはと提案にのってしまったが、亡命計画は素人が見ても杜撰なものであった。
「君はMSでサイド3を脱出。月の周回軌道で落ち合おう」
MS搭乗員としてはともかく、赤い彗星の指揮官としての能力は劣悪なものと判断するしかなかった。
亡命先での生活に一抹の不安を覚える相棒であった。
そして、その亡命計画は見事なまでに破綻してしまう。
まず規定以上の推進剤を彼に搭載することを主張したため、整備兵に不審をもたれてしまった。
次に予定外の発進を宇宙港管制官に発見されてしまう。さらに定時哨戒中のエンドラ級巡洋艦に接触してしまったのだ。
その後、彼は敵性機体と判断され、巡洋艦の砲撃を受けて大破してしまった。
唯一の希望はエゥーゴの艦隊らしきものが救援に来るという情報だった。
哨戒中の巡洋艦は戦力の消耗を避けるため、既に撤退を始めていた。
「本当はお前も一緒に連れて行きたかったんだがな…」
すまない。相棒が発した言葉だった。それを最後として彼の端末は停止された。
相棒の亡命に成功し、彼は宇宙を漂うデブリの一つになった。彼の生涯も終わりを告げるかに思われた。
142: ◆u2zajGCu6k
07/10/28 19:33:08
投下終了。
次でこの短編もラストの予定です。
途中の本編にも手をつけないとですね。
143:通常の名無しさんの3倍
07/10/29 22:08:36
お、更新されてた。
>>142
保守しとくので、ゆっくり筆を進めてくれ。
144:通常の名無しさんの3倍
07/11/03 19:25:58
ほぜんしてやんよ
145: ◆u2zajGCu6k
07/11/04 21:02:48
保守支援ありがとうございます。
途中までですが投下します。
146: ◆u2zajGCu6k
07/11/04 21:03:54
10.驚愕(1)innocent starter
子供のようにただ憧れを求めるだけでは、何も見つからなくて大切な物を見失うだけ。
サイド1「シャングリラ」に暮らしている彼にはそれが理解できていた。
一年戦争後、サイド1の社会福祉は底辺まで落ちていた。彼はその日の生活費と妹の学費を稼ぐために、
自らは学校にも行かずジャンク屋として、ガラクタを相手に奮闘していた。
「こっちだ、ジュドー。すごいもんを見つけたぜ!」
「落ち着けよ、ビーチャ。そんなにスゴイお宝なのかぁ?」
「ああ。あれをマニアに売れば、俺達大金持ちだ!」
「なんだって、急ごう!」
彼等が向かった先は、暗礁空域から流れ出してきたデブリを集めてあるゴミ捨て場である。
このシャングリラにはジャンクを扱う中小企業が多くあり、急がないと他の業者に横取りされてしまう恐れがあった。
結果から言えば、その不安は杞憂に終わった。
彼の友人が見つけたというお宝はまだそこに存在していた。
だが、彼の見るかぎりその「お宝」は本当にただのガラクタにしか見えなかった。
147: ◆u2zajGCu6k
07/11/04 21:05:37
10.驚愕(2)Take a shot
「ビーチャ。お前がお宝だというから急いで来たんだぞ」
「おいおい、こいつが何だか分からないのか?」
「ただのMSだろ?」
そこにあったのは破壊されたMSであった。
MSの装甲などは希少金属で作られているため、確かにお宝とも言えなくは無かった。
しかし、未処理の核融合炉や使用されていない弾薬など、適切に廃棄されていないMSには危険要素が付き物であるため、
ジャンク屋からは厄介な代物として敬遠される風潮にあった。
「お前の目は節穴か? こいつの価値が分からないとはねぇ」
友人はため息をつきながらも、彼に説明をしてくれた。
友人がよると、このMSはMS-05B通称「旧ザク」と呼ばれる機体らしい。
この機体は戦時中に酷使され、現存しているものは少数であり、
その手のマニアには喉から手が出るほど欲しいものらしい。
さらに友人によると、サイド3のタイガーバウムを所有する成金が、
この機体に懸賞金をかけてまで探しているとのことだ。
懸賞金は妹を大学まで出してもお釣りが来るほどの額である。
「どうだ、ジュドー。こいつをレストアして成金に売りに行かないか?」
このコロニーに生まれ、自分の道も決められずにたたずむ自分がいた。
この境遇から脱出するチャンス。無数の願いを掴むためにも、彼が友人の誘いを断る理由は無かった。
148:通常の名無しさんの3倍
07/11/04 23:00:14
おお、ZZの時代まで進んだか。
まさか、更に時代がすすんでロイ将軍の博物館に展示というオチだったりなw
それも面白いが。
149:通常の名無しさんの3倍
07/11/08 23:04:12
保守
150: ◆u2zajGCu6k
07/11/09 19:30:59
10.驚愕(3)ETERNAL BLAZE
そこから彼等の戦いが始まった。まずはジャンク屋仲間を呼び出し、夜陰に乗じてトレーラーで旧ザクを運び出した。
ジャンク屋の倉庫に運び込めたまでは良かったが、その先の作業は悪戦苦闘の連続であった。
装備していた武器の弾薬を外し、搭乗員が脱出前に仕掛けたと思われるトラップを解除した。
最も難しかったのは永遠の炎とも呼ばれる、核融合炉の復旧であった。
一歩間違えれば大惨事である。幸いにも核融合炉は簡単に修復できた。
彼の友人は、旧ザクが最後に使用されたのは一年戦争中であり、よく再稼動できたなと不思議がっていたが。
他にも様々な問題があったが何とか解決し、どうにか稼動テストができる段階になった。
とはいえ、破損していた脚部や右腕の修理には出費がかさみ、この機体が売れなかったら借金地獄であろう。
「ところで、ビーチャ。こいつには誰が乗るんだ?」
「何言ってるんだよ。お前にきまってるだろ」
練習機だった頃には多くの学徒兵を乗せていた彼であったが、
高校生にもなっていない少年を乗せるのは初めてであった。
若干の不安を覚えながらも、彼にとって数年ぶりに相棒ができた瞬間だった。
151: ◆u2zajGCu6k
07/11/09 19:32:24
10.驚愕(4)BRAVE PHOENIX
そこは彼にとって同窓会の会場であった。
地平線の果てまで続いている敷地には、無数のMSが並べられていた。
一番手前に置かれた機体をながめた。アッガイだった。
左側を見る。悪趣味な塗装をされ、金剛力士像のようなポーズをとった彼の兄弟がいた。
さらに先を見ると、赤く塗られたザクや無数の撃墜マークを描いたズゴックがあった。
これらは全て戦後復興で成金となったスタンパ・ハロイ氏の所有物であった。
相棒とその仲間達は、彼をこのコレクションの一部にするためにやってきたのだ。
新たな相棒となった少年とは短い付き合いであったが、
彼はその短い間に初めて充実感を覚えるようになった。
別れは辛いが、余生を昔馴染みのいるこのコロニーで過ごすのも悪くないとも感じていた。
「ようこそ、タイガーバウムへ。知らせを聞いた時は驚いたよ。
君達のような子供がこの旧ザクをレストアできたとは。本当にありがとう」
「お礼はいいけど、肝心な報酬はどうなったんだよ?」
「それのことだが…君がパイロットのジュドー君だね?」
「そうだけど。オレになんか用なの、おじさん?」
「さっきの操縦を見てね。君とそのMSをスカウトしたくなった」
152: ◆u2zajGCu6k
07/11/09 19:37:42
突然の誘いだった。スタンパ氏は、昨年からコレクションのMSを使って、
各サイドが主催しているモビル・フットボール(MSを使用したサッカーのようなもの)に参加していたのだ。
昨年までMS不足のサイド3では開催されていなかったが、新総帥のなったグレミー・トト氏によって許可された。
許可された理由だが一説では、彼は連邦チームの紅一点、ルー・ルカ氏の大ファンだったと言われている。
「先日も相手チームのヴォルケンリッターに完敗してしまってね。
特にハイザックのギュネイ君にやられたよ。彼のような若い力を我がブレイブ・フェニックスにも欲しいんだ」
「オレはともかくとして、何でこんな骨董品も欲しかったの?」
「うちのチームにネオ・ジオンから亡命してきた整備兵がいるんだが。
そいつが言うには、第二世代以降のMSはジェネレーターをビーム兵器に使用しているので、
純粋な馬力で見たら旧ザクが一番いいんだとよ。それより、うちのチームに来てくれるかな?」
ジュドーの返事を待たず、隣にいたジャンク屋の仲間達は、自分達も雇用するならと大声で賛成と叫んでいた。
153: ◆u2zajGCu6k
07/11/09 19:42:22
投下終了。
なんだかZZ以降の登場人物は、幸せな人生を送りそうな感じがしてきました。
前にこれで最後と言いましたが。
色々と資料を発見したのでもう少しだけ続きます。
154:通常の名無しさんの3倍
07/11/10 19:28:54
ああ、続けてくれ。
何か幸せそうなifZZだな。
155: ◆u2zajGCu6k
07/11/12 00:46:53
10.驚愕(5)MASSIVE WONDERS
宇宙世紀0089~93年~緊張緩和の中で~
第二次ジオン独立戦争によって、これまでの国際体制はほとんど崩壊してしまいました。
数度に渡る宇宙での艦隊決戦に敗北した連邦軍は覇権国家として凋落の兆しを見せていました。
地球の各地方で放棄した反連邦勢力(北米合衆国・アフリカ解放戦線・バスク国民戦線)に対処することで精一杯でした。
また、勝利したネオ・ジオンも安定しているとは言えない状況でした。
なぜなら、ジオン公国の正当な後継者とされていたミネバ・ラオ・ザビが消息不明になり、彼女を擁立していたハマーン派は、
ギレン・ザビの息子を自称するグレミー・トト(旧ギレン・デラーズ派)によるクーデターによって粛清されていたからです。
このような混沌とした情勢の中、宇宙世紀0089年2月7日、
月面都市グラナダから地球連邦とネオ・ジオンに向けてある声明が発信されました。
それまで沈黙を守っていたエゥーゴが動き出した瞬間でした。
エゥーゴの実質的な指導者となっていたシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)は、
両勢力に対してこれ以上の戦乱は無意味として調停を持ちかけました。
この声明に対して、疲弊していた両陣営は歩みよりの姿勢をみせることになります。
数々の陰謀が囁かれる中で、同月14日、地球連邦はネオ・ジオンの独立を認めるバレンタイン講和条約を結びます。
まさに奇跡の種を拾い集めたような合意でした。
156: ◆u2zajGCu6k
07/11/12 00:51:09
この講和条約と平行して、宇宙での軍縮を目指すフォン・ブラウン軍縮条約が推進されました。
しかし、この軍縮も戦争の反省によって行われたものではありませんでした。
地球連邦とネオ・ジオンが疲弊した結果、艦隊(MS)戦力でエゥーゴが最大になってしまったからです。
両陣営はエゥーゴに足枷をつけるためにこの条約を締結させました。
これにより、表面上の戦力では軍縮が達成されたかに見えました。
しかし、その裏では軍拡競争が始まっていたのです。
艦艇やMSの保有量に制限が加えられたことにより、質的な向上が叫ばれました。
こうして生まれたのがベクトラ級戦闘空母計画や第四世代MS(サイコミュ搭載型MS)、予備役搭乗員制度でした。
特に最後の予備役搭乗員制度は全ての勢力で盛んに行われました。
これは第二次ジオン独立戦争で、MSパイロットが壊滅状態になってしまったからです。
前記のフォン・ブラウン軍縮条約で第一線に配置できる搭乗員の数は制限されていましたが、
いざ戦時になると条約は形骸化されると思われていました。
そこで戦時にMSパイロットして徴兵して、戦力の拡充を目指すという方法がとられます。
この予備役搭乗員制度を導入するために、白羽の矢が立ったのが0088年に設立された「モビル・フットボール」です。
この競技は今日では地球圏全体で行われていますが、当時のネオ・ジオン外相ヴァルター・ラーテナウと
地球連邦外務委員ゲオルギー・チチェーリンによる軍事秘密協定があったとされています。
これによりフォン・ブラウン軍縮条約で許されていない、規定数以上のMSの保有とパイロットの育成が可能になりました。
また、この軍事秘密協定は徐々に拡大され、MSを農業用トラクターとして保有することや、
農薬として化学兵器を研究することまで行われました。
157: ◆u2zajGCu6k
07/11/12 00:54:36
しかし、一般市民の観点から見れば新たなる娯楽の提供と思われました。
この「モビル・フットボール」では数々の英雄が生まれました。
(ネオ・ジオンのシャングリラ・チルドレン、スィートウォーターのギュネイ、地球連邦のノア・パラヤコンビなど)
彼等の中には徴兵され戦場に投入された者もいました。
特に有名なのがジュドー・アーシタでしょう。
宇宙世紀0092年7月、欧州のビスケー湾に面するバスク地方で大規模な反乱(バスク国民戦線)が起きました。
ネオ・ジオン総帥グレミー・トトは国民戦線軍の支援を決定し、早くも8月には最初の義勇MS部隊を派遣しました。
増援は続々と到着し、11月にはコンドル軍団が編成されました。
この軍団はアナベル・ガトー少将が司令官を務め、100機のMSと約5,000人の兵員によって構成されていました。
この反乱は地球連邦とネオ・ジオンにとって、新兵器や新戦術の格好の実験場になりました。
前述のジュドー・アーシタはMe2Rメッサー、MS-109Dスツーカに搭乗し、瞬く間にエースパイロットになります。
宇宙世紀0093年4月26日、彼はバスク地方のある地方都市を爆撃した後に消息不明になります。
ネオ・ジオンでは戦死として二階級特進されていますが、
一部では連邦軍女性仕官と共に離脱し、木星船団に参加したとも言われています。
このバスク国民戦線による反乱は宇宙世紀0094年には終結しますが、
後の地球連邦に対するテロリズム(環月面動乱)を予兆させるものでした。
―高校宇宙史Bより抜粋
(財団法人ブッホ・コンツェルン出版、0116年版)
158: ◆u2zajGCu6k
07/11/12 01:01:46
投下終了です。
主人公が出ていませんね。今回は状況説明になります。
ブクオフで見つけた資料を駆使して見ました。
「ジオンの再興」と「ムーンクライシス」風味を入れています。
159:通常の名無しさんの3倍
07/11/12 01:04:32
確かにこのドイツ臭は近藤っぽいな
160:通常の名無しさんの3倍
07/11/12 07:20:27
ムーンクライシスは大嫌い
161:通常の名無しさんの3倍
07/11/15 00:05:19
ハマーン派の残党の動向も気になる
162:通常の名無しさんの3倍
07/11/15 06:07:37
グレミーにデラーズ一派がつくのか…。
デラーズなら迂濶なグレミーを諌めてくれると思うが、グレミー暴走しそうだな…。
163: ◆u2zajGCu6k
07/11/16 22:03:40
11.約束(1)
宇宙世紀0094年3月15日、度重なる地球圏での混乱によって中止されていた、木星エネルギー輸送船団が再開された。
また、第二次ジオン独立戦争で破壊された木星船団旗艦に代わり、新造された「ジュピトリスⅡ」が旗艦となった。
そして、そのジュピトリスⅡには彼も乗船することになった。
彼は二年前まで相棒のジュドー・アーシタと共に競技用MSとして活躍していたが、
相棒の引退により彼も事実上の退役となってしまった。
その理由は彼を乗りこなせる者が存在しなくなったからだ。
数度に渡る改造で重MSとして通用するほどの出力となってしまったのだ。退役後の彼は相棒の友人達に引き取られ、
月面都市フォン・ブラウン(シャングリラから活動拠点を移した)のジャンク屋でモスボール保存されることになった。
あいつが生きている。ビーチャ・オーレグは、ジャンク屋の仕事を委託していた人物から、
唐突にジュドー・アーシタの生存と月への逃亡を聞かされた。
まずビーチャに訪れた感情は歓喜であった。またあいつとバカをやれる。
訃報を聞いてから疎遠になりがちな、かつての仲間達も喜ぶだろう。特にあいつの妹は。
だが、次に訪れた感情は疑念であった。なぜ、この人物がジュドーの生存を知っているのだろうか。
ジュドーの死亡を知り自暴自棄に陥った時、歓楽街の裏路地に倒れていたビーチャを助けたのが彼であった。
その後、意気投合して倉庫に眠っていた旧ザクに興味を寄せた彼と共に、その修繕作業を行っているところであった。
「そう身構えなくてもいい。昔馴染みからの連絡だ。持つべきものは友人だよ。
ああ、あと修繕作業に追加が入った。MA-06のパーツが送られてくるらしい」
ビーチャにそう言い残すと、彼は修繕作業の続きに行ってしまった。
164: ◆u2zajGCu6k
07/11/16 22:06:32
11.約束(2)
数日後、ビーチャは病院に行った。指定された病室にはグレイ・ストーク(偽名だろう)という名前があった。
病室に入ると、衰弱しきった様子のジュドーと見知った女性がいた。
その女性はルー・ルカと名乗った。ビーチャは記憶を手繰り、その名前の人物をすぐに思い出した。
彼女とジュドーはモビル・フットボールで親交を深めていたのだった。
彼女はビーチャに向けて事の顛末を語りだした。
彼女もジュドーと同じように、バスク地方での反乱が起きたことにより連邦軍へ徴兵されていた。
彼女が現地に配属された時には、既にジュドーの活躍は伝説的なものになっていたという。
彼は10分間に8機のジムⅢを撃墜するなど、アムロ・レイに劣らない記録を残している。
彼女が言葉を信じるならば、ジュドーにはニュータイプの素質があるようだ。
この事がジュドーを戦場で際立たせることになり、結果的に彼が壊れかけてしまった理由だった。
ニュータイプは高い共感能力を持ち、交戦中の敵に対してもシンパシーを感じるらしい。
彼女は幾度かジュドーと交戦した経験を持ち、その中で彼の感情を知ることができた。
(彼女も連邦軍からニュータイプ候補とされていて、戦場では最新鋭機のMSZ-006A1に搭乗していた)
ジュドーはニュータイプとしての能力を過剰に肥大化させ、その感覚は戦場の悪意や哀しみを吸収し、
次第に自らの精神を疲労させていった。そして、ゲルニカ上空での遭遇戦で連邦軍の強化人間と交戦したことにより、
彼の強すぎる能力は人としての限界を超えてしまった。彼女が助けなければ完全に壊れてしまっただろう。
「ジュドー、お前にはオレ達がいる。どんなときでも…」
ビーチャが彼にかける言葉はそれしかなかった。
165: ◆u2zajGCu6k
07/11/16 22:08:22
11.約束(3)
彼等は木星船団へ参加することになった。
表向きの理由としては、ジュドー・アーシタとルー・ルカは軍を脱走しており、
軍からの追跡を逃れ数年間の潜伏をするためだった。
だが、彼としては人類に対する希望を見つけるために、最果ての地へと向かったといわれている。
彼等が木星に出発する前日に、ジュピトリスⅡへ搬入されるMSがあった。
それはビーチャ達が修繕作業を行っていた彼であった。
修繕作業中に急遽木星仕様にされた彼は、ただでさえ原型をとどめていない姿をさらに変容させた。
木星の高重力に耐えるため、MA-06の姿勢制御バーニアを機体各部に追加し、
競技用であり機体から排除されていた武装(プラズマ・リーダーも追加して)を再装備した。
こいつはガンダム・タイプとすら戦える。これはビーチャと共に整備した人物の言葉である。
このようにして、かつての相棒と共に木星へ旅立つ準備が整った。
「もう体の方は大丈夫なのか、ジュドー?」
「大丈夫。体調は万全だよ」
「絶対に戻ってこいよ。オレ達はここで待っているからな」
「ああ、五年後に、またこのフォン・ブラウンで」
166: ◆u2zajGCu6k
07/11/16 22:12:07
11.約束(4)
宇宙世紀0099年、地球圏は地球連邦、エゥーゴ、ネオ・ジオンの三竦みの関係により、
それまでの戦乱の時代よりは比較的平穏な状態を保っていた。
だが、この年に起こった「環月面騒乱」は地球圏全体に危機を与えることになった。
この事件は、地球圏に存在する三勢力の元首に対するテロが始まりであった。
レイニー・ゴールドマン地球連邦大統領暗殺未遂、ズムシティ同時爆破テロ、シャア・アズナブル襲撃事件、
幸いにもこれらの事件で元首が暗殺されることは無かったが、
各勢力が疑心暗鬼に陥り三竦みの関係がもう少しで崩れかけようとしていた。
この時期は誰もが戦乱の気配を感じていた。同年8月には、
マクナマラ・コロニーで地球連邦軍とネオ・ジオンとの間で小競り合いがおき、
両勢力の撤退が完了するまでの13日間は8月危機と呼ばれる緊張状態に置かれていた。
だが、事態は思いがけない方向から進展していった。
同年9月3日、月面最大の電力供給施設であるシッガルド発電所占拠、月面電力供給網(ルナ・エレコム)の破壊、
月面都市エアーズの蜂起という同時多発テロが発生する。
それと同時に新生ネオ・ジオン、ヌーベル・エゥーゴ、ニューディサイズによる声明(月の独立宣言)が行われた。
翌日、地球連邦政府ならびにエゥーゴは、月面都市住民に対する「人道的措置」として、
彼等の要求であった旧ティターンズ艦隊の譲渡と小惑星基地「ペンタ」(アナハイム保有)の返還を決定する。
この宥和政策には当時でも多くの批判があったが、地球連邦政府の日和見主義と、
エゥーゴ指導者のシャア・アズナブルが襲撃により入院していたことで、このような甘い処置になってしまった。
この当時の情勢を簡潔に表した言葉が現在まで伝わっている。
それは入院中のシャア・アズナブルを看病していた彼の第一秘書であるクアットロが、
月面独立宣言とそれへの対応策を伝えられた時に発した言葉である。
「俗物どもが!」
167: ◆u2zajGCu6k
07/11/16 22:25:18
投下終了です。
ムーンクライシスはマイナーですが面白い物語です。
まぁ、公式設定との整合性や月の破壊などの問題もありますが。
自分で書いたものをこうして見直してみると、
この時代でもオールスター総出演ができそうに感じます。
あと今回登場した勢力の設定です。
新生ネオ・ジオン:ベルム・ハウエル中将が組織の長。
旧ハマーン派残党や反グレミー派から構成されている。
ヌーベル・エゥーゴ:過激派リーダーのタウ・リンが首謀者。
数々のMSテロを行っていた人物である。エゥーゴ急進派により構成。
ニューディサイズ:数年前に廃止されたティターンズの残党。
自分達の組織を解体した地球連邦に対する反感で結成される。
環月面騒乱発生までは月面都市エアーズに潜伏していた。
168:通常の名無しさんの3倍
07/11/17 00:16:49
そう言えば、ティターンズやシロッコはどうなったんだ?
169:通常の名無しさんの3倍
07/11/22 01:04:11
保守
170:通常の名無しさんの3倍
07/11/24 16:24:27
保守
171:通常の名無しさんの3倍
07/11/26 23:20:25
晒せこらぁ
172: ◆u2zajGCu6k
07/11/27 10:40:44
11.約束(5)
「これは星の屑だ…」
デギン・ザ・グレート記念病院に入院していたエギーユ・デラーズ国家元帥が、
月面で蜂起した勢力の目的を看破した時、既に情勢は後戻りのできない段階に達しようとしていた。
宇宙世紀0099年9月5日、前日に月面独立勢力へ返還された小惑星「ペズン」は、
独立後の恒久基地として使用するため、月周回軌道へ移動することになった。
だが、翌日になるとペズンを移送していた新生ネオ・ジオンが、イグニッションレーザーによっての推進剤に点火、
ペズンは進路を月への落下軌道にコースを変更してしまう。
この暴挙によって、地球連邦政府とエゥーゴによる月面独立勢力との停戦は破棄された。
同年9月7日、一年戦争以来のコロニー落とし(実際には小惑星だが)の危機により、この段階になってようやく、
連邦軍、エゥーゴ、ネオ・ジオンの三勢力が協力して月面独立勢力討伐を行うという合意に至った。
彼等はペズンの月面落着を阻止するため、討伐部隊を即座に出撃させたが偶然と必然から、
ルナツーの連邦艦隊には復讐を願うニューディサイズが、
フォン・ブラウンから発進しようとしていたエゥーゴ艦隊には狂信的組織のヌーベル・エゥーゴが、
ソロモンから出撃したネオ・ジオン艦隊には復権を目指す新生ネオ・ジオン艦隊が立ちはだかった。
戦力的にはどの艦隊も月面独立勢力よりも優勢であり月面周回軌道には、
連邦軍のソーラ・システムとエゥーゴのコロニーレーザーの配備が完了し、
万全の体制であると過信してしまっていた。
173: ◆u2zajGCu6k
07/11/27 10:43:23
11.約束(6)
9月8日、各地の月面独立勢力は絶望的な抵抗を行っており、既に大勢は決するかに思えていた。
そして誰もが作戦の成功を確信した時、それは起こった。
「ペズンが照準から外れて行く!」
コロニーレーザー担当仕官からの悲痛な叫びであった。
ペズンは徐々に軌道を変更し、最終的に地球へ向かう進路へ修正されていった。
このために月面独立勢力は絶望的な抵抗を続けていたのであった。
彼等の抵抗により、出撃した連邦艦隊はニューディサイズと相打ちとなり、
エゥーゴもタウ・リンによる反応兵器すら使用した自殺的攻勢によって半壊していた。
何とか軽微な損害で勝利したネオ・ジオン艦隊も、発進を急ぐあまり予備の推進剤を搭載しなかったので、
ペズンが地球へ軌道変更を行った際に、艦隊は推進剤不足によってペズンの動きに追従できなくなっていた。
指揮官のラカン少将は、自らの読みの甘さを晒すことになり、騙されたと知った時に思わず「謀られた」と漏らしている。
そのため、ペズンの阻止限界点に用意できた戦力は、どの勢力も少数であった。
以下に9月9日時点で地球近傍に到達できた艦艇を挙げていく。
地球連邦軍:独立部隊ロンド・ベル(ラー・カイラム、クラップ級巡洋艦×4)
エゥーゴ:赤衛彗星艦隊(ネェル・アーガマ、ラビアンローズ)
ネオ・ジオン:帰還途中の木星エネルギー船団(ジュピトリスⅡ)
174: ◆u2zajGCu6k
07/11/27 10:53:42
投下終了です。
前回の小惑星基地「ペンタ」は「ペズン」の間違いです。
ペンタは宇宙ステーションでしたね。すみませんでした。
>>168さん
ティターンズは第二次ジオン独立戦争で、一年戦争の第13独立部隊のような扱いを受けます。
保守派のドン(ゴップ元帥)がまた厄介払いをしたことにしています。
戦闘によってティターンズの主要メンバーは戦死してしまい、
戦後になると英雄と祭り上げられますが、影響力はほとんどなくなります。
そして、ネオ・ジオンとの緊張緩和によって組織も解体されたのです。
環月面騒乱に参加したのは、ジェリドなど生き残ったパイロットが中心です。
シロッコの方は本編に関係するので詳細は伏せておきます。
この時点では既に死亡していると思います。
175:通常の名無しさんの3倍
07/11/28 10:02:20
乙です。
でもちょっと情勢が判り難くなってきたような気がします
そろそろまとめなどを書かれてはどうでしょう。
176: ◆u2zajGCu6k
07/11/28 21:39:50
>>175さん
自分でも複雑で分かり難くなってしまったと反省しております。
近日中にこの世界の年表と組織のまとめを書きますね。
おそらく今週はGジェネでつぶれてしまうと思いますがw
177:通常の名無しさんの3倍
07/11/29 20:51:44
保 守
178:通常の名無しさんの3倍
07/12/01 21:55:16
まあ、保守だ。
179:通常の名無しさんの3倍
07/12/05 01:45:02
保守
180:通常の名無しさんの3倍
07/12/09 01:49:35
がんばれや
181:通常の名無しさんの3倍
07/12/10 23:40:44 W8xfZ9sq
上げ保守
182:通常の名無しさんの3倍
07/12/13 03:17:35 fnEzajZG
保守
183:通常の名無しさんの3倍
07/12/13 10:44:17
凄まじい想像力…
これほど壮大にして緻密な仮想戦記をガンダムで描き出すとは素晴らしい
…というわけで保守
184:通常の名無しさんの3倍
07/12/13 14:00:00
URLリンク(www.nicovideo.jp)
185:通常の名無しさんの3倍
07/12/16 13:04:05
ほ
186: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:07:48
投下です。
187: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:09:23
11.約束(7)
宇宙世紀0099年9月10日、かつてジオン公国軍の主席参謀であったベルム・ハウエルによって準備された「オペレーション・グスタフ」は、
最終段階に移行した。小惑星「ペンタ」は四時間前に阻止限界点を突破し、地球落下まではあと一時間を切ろうとしていた。
もはやペンタを止める術は無い。
落下予想地点であった地球連邦軍本部のラサでは、政府高官や軍首脳部は我先にと脱出を始めていた。
このような状況で誰もが諦めようとしていたが、いまだ小惑星「ペンタ」に対して絶望的な抵抗を行う者達がいた。
「ああ、畜生。あそこまでやるのは俸給分を超えてる。ジオン十字勲章でもおいつかない」
ペンタはついに地球大気との格闘にはいっていた。摩擦熱で先端が赤く煌いている。
その赤色とは違う赤いMSの集団がペンタの周囲に張り付いていた。エゥーゴの赤衛部隊であった。
彼等はシャア・アズナブルの親衛隊であり、所属MSのパーソナルカラーは全て赤であった。
その彼等が最後の足掻きからか、無謀にもペンタをMSで押し返そうとしていた。
そのMSの姿を見てジュドー・アーシタは、木星仕様に強化された彼と共にジュピトリスⅡから飛び出した。
無論、彼等と共にペンタを押し返すためにだ。
彼等の行動はすぐに波及し、連邦軍、ネオ・ジオンの部隊もペンタに向かっていった。
そして、全速力でペンタに向かうジュドー・アーシタに不思議な声が聞こえてきた。
「ふざけるな!たかが石っころ一つ、ガンダムで押し出してやる!」
188: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:10:45
11.約束(8)
ジュドー・アーシタは幻聴を聞いたのかと思った。
だが、その声は確かに聞こえたのだ。
後にこの戦いに参加した者の多くが、同じ声を聞いたと非公式ながら認めていた。
特にロンド・ベル所属だった者は、あれはアムロ・レイ少佐の声だったと証言している。
ジュドーはその声に導かれるようにペンタに取り付いたが、
旧ザクというあまりにも場違いな姿に赤いMSから短距離通信が送られてきた。
「旧ザクまで、正気か? 莫迦なことはやめろ!」
「正気で戦争が出来るか! 木星帰りのこいつは伊達じゃない!」
しかし、木星での運用を考えられた彼の大出力をもってしても、地球に落下するペンタに対しては無力であった。
エンジンはオーバーヒートし、大気圏との摩擦で装甲が溶け出してきてしまった。
強気であったジュドーも諦めかけたその時、奇跡が起こった。
ペンタがオーロラ状の光に包まれ、地球から離れだしたのだ。
189: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:13:51
しばらく投稿できなくてすみません。
保守や応援している方には申し訳ありませんでした。
先日までOCN規制で自宅からの書き込みができない状況でした。
今日になってようやく書き込みが可能になったようです。
少し投下期間が長引いてしまったので、お詫びにまとめと没ネタも投下します。
190: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:14:45
ジオン公国軍機密信48/OH34BLI-5MN-DS 機密区分(国家機密)
通信網「ゴリアテ」あるいは「グライア」にて伝達
発:公国軍対外諜報部
宛:総帥官邸
本文
偉大なる総帥閣下!
小官担当部局よりもたらされる報告の遅さに 驚かれていることと思います。
お怒りはごもっともであります。
外伝発表開始以後に生じた報告遅延は、閣下のあずかりしらぬ原因によって生じたものであり、
たとえいかなる説明が可能であろうとも、遅延の全責任が小官にあることは疑う余地がありません。
小官はその責任を痛感し、宇宙世紀の概況を御報告するとともに、
ただひたすら、偉大なる閣下の御寛恕を乞い願うものであります!
偉大なるジオン公国総帥にして、全世界の統治者ギレン・ザビ万歳!
ジーク・ジオン!
191: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:19:35
年表(◎は本編、☆は外伝(彼と相棒の行動)、■は設定)
U.C.0077/11/29 ☆MS-05B- JA22AR誕生
U.C.0078/06 ☆コロニーの外壁補修を行う
U.C.0078/11 ☆「アイランド・イフィッシュ」用核パルスエンジンを輸送
U.C.0079/01/03 ジオン公国、地球連邦政府に宣戦布告(一年戦争)
U.C.0079/01/03~10 一週間戦争(☆JA22ARの存在が抹消される)
U.C.0079/01/14~3/11 ルウム戦役~地球侵攻作戦(☆彼は暴走したかのように活躍)
U.C.0079/04/12~10/05 ☆彼と相棒、本国にて高等練習機と教官になる
U.C.0079/10/10 ☆彼と相棒、宇宙要塞ア・バオア・クーに配属
U.C.0079/12/31 ア・バオア・クーの戦い(☆アサルムによって脱出)
U.C.0080/01/01 地球連邦政府とジオン共和国臨時政府、終戦協定締結
U.C.0081/03/28 ジオン残党、アクシズに撤退完了(☆アクシズ改修工事に従事)
U.C.0081/06 ☆シャア・アズナブルと出会う、視察中の事故によりギレン派が多数死傷
U.C.0083/10/12 ◎連邦軍乙事件(RX-78GP02A強奪未遂事件)
■サウス・バニング大尉RX-78GP01の専属搭乗員になる
アナベル・ガトー少佐負傷、オーストラリアの残存兵力は潜伏
U.C.0083/10/23 ■ガトー少佐、HLVで軌道上に脱出
U.C.0083/11 ■シーマ艦隊、茨の園の情報を携えて地球連邦軍に亡命
U.C.0083/11/10 ■コンペイトウで連邦軍の観艦式
U.C.0083/11/13 ■連邦軍が茨の園に侵攻、デラーズ・フリートは脱出
アクシズ先遣艦隊と共に撤退する
U.C.0084/03/10 ◎デラーズ・フリート解散宣言
U.C.0084/05~ ■連邦軍内部で艦隊派とMS派による抗争が発生
この余波を受けて「ガンダム開発計画」が凍結
次期主力戦艦バーミンガム級の量産が認可される
U.C.0084/06~ ■環太平洋地域でジオン残党による蜂起
ザメル(吉良大尉)によるゲリラ的砲撃
連邦軍、「太平洋に平和を(OPAPI)」作戦を発令
U.C.0084/12/24 ■ジオン残党による襲撃を重く見た、ジャミトフ・ハイマン准将がティターンズ設立を提唱
U.C.0086/02/06 ◎アクシズ、地球圏帰還のため核パルスエンジンを点火
U.C.0086/12/24 ◎30バンチ事件、ティターンズと亡命艦隊(シーマ大佐)による毒ガス作戦
これにより後のエゥーゴとなる組織が結成される
192: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:23:04
U.C.0087/10/23 ◎アクシズが地球圏に帰還、アイアン・フィスト作戦開始
U.C.0087/10/24 ■デラーズ艦隊、コンペイトウ基地に突入
ガトー大佐が配備されていた反応兵器搭載型RX-178Aの奪取に成功
アクシズがゼダンの門(旧ア・バオア・クー)に衝突する
連邦軍宇宙艦隊は壊滅状態になり、反抗作戦に遅れが出る
U.C.0087/11 ☆ジオン共和国軍戦闘参加、アクシズ勢力がサイド3を占領
U.C.0087/11~ ☆サイド3にて青狩り(ブルーパージ)が発生
U.C.0088/01~ ■ゴップ元帥、第13独立任務部隊を再結成させる
U.C.0088/02~ ■連邦軍とネオ・ジオンで内部抗争が激化する
U.C.0088/04 ☆エゥーゴに亡命、彼は撃破されデブリになってしまう
U.C.0088/05 ■地球でティターンズによるクーデター
U.C.0088/06~ ■第二次ジオン独立戦争勃発
U.C.0089/01 ■ネオ・ジオンと連邦軍による最後の艦隊決戦
U.C.0089/02 ■サイド3でグレミー・トトによるクーデター
地球連邦でも保守派によるカウンター・クーデター
U.C.0089/02/07 ☆シャア・アズナブルによる声明
U.C.0089/02/14 ☆バレンタイン講和条約とフォン・ブラウン軍縮条約の締結
U.C.0090 ☆サイド1のシャングリラで彼が発見され修復される
ジュドー・アーシタらモビル・フットボールに参戦
U.C.0092/7 ☆欧州のバスク地方で大規模な反乱
グレミー・トト総帥は地球連邦の疲弊を狙い反連邦勢力支援
後に地球の全紛争地帯に介入(ソレスタル・ビーイング計画)
U.C.0093/04/26 ☆ジュドー・アーシタ戦死
U.C.0094/03/15 ☆木星エネルギー輸送船団再開
グレイ・ストーク(ジュドー)と共に彼も木星へ
U.C.0099/08 ☆八月危機(地球連邦軍とネオ・ジオンが緊張状態に)
U.C.0099/09/03 ☆新生ネオ・ジオン、ヌーベル・エゥーゴ、ニューディサイズによる
月面同時多発テロの発生と月の独立宣言
U.C.0099/09/04 ☆旧ティターンズ艦隊と小惑星「ペズン」を反乱勢力へ譲渡
U.C.0099/09/08 ☆小惑星「ペズン」地球落下コースに変更
U.C.0099/09/10 ■環月面動乱終結
U.C.0100 ■ネオ・ジオン国家社会主義共和国連邦崩壊、ジオン民主主義ムンゾ共和国が成立
U.C.0105 ■反地球連邦組織マフティーによる「ジュピトリスⅣ」占拠事件発生
U.C.0118 ■旧ジオン公国MS用秘密回線で謎の暗号が発信される
「オリンポスノボレ1208、JR」
U.C.123 コスモ・バビロニア戦争勃発
193: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:26:13
没ネタ1 「宇宙のパンジャンドラム」
参考:URLリンク(www21.tok2.com)
ベスパMS開発局局長「試作案は、パンジャンドラムとありますが?」
ドゥカー・イク「はい。パンジャンドラムです」
局長「パンジャンドラムとは何のことですか?」
ドゥカー・イク「タイヤです」
局長「え、タイヤ?」
ドゥカー・イク「はい。タイヤです。敵全員を踏み潰します」
局長「…で、そのパンジャンドラムをベスパで開発することで、何のメリットがあるとお考えですか?」
ドゥカー・イク「はい。敵が襲って来ても守れます」
局長「いや、ベスパには襲ってくるような輩はいません。それに人に危害を加えるのは犯罪ですよね」
ドゥカー・イク「でも、リガ・ミリティアにも勝てますよ」
局長「いや、勝つとかそういう問題じゃなくてですね…」
ドゥカー・イク「敵全員に100以上与えるんですよ。」
局長「ふざけないでください。それに100って何ですか。だいたい…」
ドゥカー・イク「100アインラッドです。ERとも書きます。アインラッドというのは…」
局長「聞いてません。帰って下さい」
ドゥカー・イク「あれあれ?怒らせていいんですか?使いますよ。パンジャンドラム」
局長「いいですよ。使って下さい。パンジャンドラムとやらを。それで満足したら帰って下さい」
ドゥカー・イク「運がよかったな。今日はゾリディアが足りないみたいだ」
局長「帰れよ」
194: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:30:21
没ネタ2 短編「月は出ているか?」
ジオン公国軍吉良大和大尉、彼は宇宙世紀も80年以上が経ったにもかかわらず、
自分の名前を連邦公用語(ジオン公国語でもある)で表記することは無い。
彼は自分の出身国であるニホンの「カンジ」という奇妙な文字を頑なに使用する。
彼の名前は特別な意味を持っており、その名前に殉じることこそ彼の存在意義であったからだ。
「吉良」と「大和」、この二つの単語だけで彼の家系を言い当てることができたら、
その人物は東洋史に造詣が深いといえる。
吉良家は、その確実な家系をニホンの戦国時代(A.D.1500頃)にまで遡ることができる。
五百年以上も前の家系図の信憑性に疑問があるが、彼の祖先は有名なため信頼することができる。
吉良家初代当主の吉良義央は、「海道一の弓取り」と言われた今川義元の嫡子、今川氏真の玄孫であるからだ。
そして、この吉良義央も悪い意味であまりにも有名な人物である。
彼を官位名で表せば思い出される方も多いだろう(特に日系コロニー出身者は)。
彼のもう一つの名は、吉良上野介である。
そう、大石内蔵助ら赤穂浪士四十七士に討ち入りを受け、斬り捨てられてしまった人物である。
宇宙世紀になっても日系コロニーでは、「忠臣蔵」がいまだに人気であり、
「悪役」として有名な吉良義央の評価は芳しくない。
吉良大和は祖先の汚名を返上するために、あえて自らの名を旧来の字体で表しているのだ。
195: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:32:12
「大和」
この単語からニホンの古い地名を思い浮かべる者は少ないだろう。
日系コロニー出身者に限らず、多くの者はある一隻の船を思い浮かべる。
旧大日本帝国海軍の「大和」である。
世界最大の戦艦、ニホンの誇り、時代遅れ、宇宙戦艦。
吉良大和の両親が意図して名付けたわけではないだろうが、
本人にとっては「大和」と言う名前は中世史を学んだ頃から誇らしいものであった。
そして、彼の名前に秘められた宿命は、宇宙世紀0083年から刻まれていくのだった。
196: ◆u2zajGCu6k
07/12/18 18:42:34
年表と没ネタの解説です。
年表はなんかもうFSSみたいな感じです。
あの作品と同じように、構想だけは浮かんでくるんですよ。
没ネタ1については有名なコピペですね。
パンジャンドラムは昔から大好きです。
没ネタ2も色々な意味で酷い作品だと思います。
吉良大尉は年表にもあるようにザメルに乗ります。
で、ザメルの主砲は旧北米合衆国に保管されていた46cm砲に換装されます(ぇ
あと他にも没ネタはいくつかあるので需要があれば投下します。
でも、今回投下したやつより酷いので覚悟してください。
例:「沈黙の船団」(セガール的な意味で)、「フラナガンのマーさん」
197:nameless candidate ◆BiueBUQBNg
07/12/18 19:15:26
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!11!!
超GJ!
”伊達じゃない!”ではマジ鳥肌立ったわ
没ネタも是非お願いします。
198:通常の名無しさんの3倍
07/12/18 19:19:22
>>190でお茶吹いたわw
ところでパナマ3はまだですか?