10/04/15 01:51:07 ToIHjPKS0
むかしむかし、おじいさんとおばあさんが子供を拾って茨木童子と名づけました
床屋のおじいさんは、茨木に仕事を任せましたが、ある日客にケガをさせてしまいました
血のついた手を思わずなめてしまった茨木は、血の味を思い出しました
茨木は〝鬼〟だったのです
思い出した茨木は、客や父を殺して世に血を求めて彷徨いました
372:名無しさんの次レスにご期待下さい
10/04/15 01:51:49 ToIHjPKS0
いつしか、茨木の名は天下に轟くようになり、そんなとき鬼の大将が声をかけました
大将は〝酒呑童子〟といい、京の鬼の大将でした
茨木は、初めて受け入れてくれる者に出会い、とても幸せでした
373:名無しさんの次レスにご期待下さい
10/04/15 01:52:34 ToIHjPKS0
しかし、〝鵺〟によって酒呑童子は殺されてしまいました
鵺はあっさりと鬼どもの頭となりました
死んだ酒呑童子の傍で「おやじおやじ」とつぶやいている茨木に、鵺の母親がききました
「お前はどのような妖怪じゃ・・・?」
「オレは血を見るのが好きだ」
「奇遇じゃ私もじゃ」
「斬りきざむのが・・・好きだ・・・」
そういって酒呑童子の亡き骸を斬りきざみ、自分の左側のほほに静かにうめたといいます
374:名無しさんの次レスにご期待下さい
10/04/15 02:02:28 247g+zZH0
しかしその非道な行為に反発し、彼の傘下から抜けた妖怪もおりました。
やがて月日は経ち、いつしか鬼の姿を失ったその妖怪は
自らの過去と決別するために藁でできた兜で顔を覆い隠していました。
兜は顔と同化し、背は縮み、見た目も気性もまるで変わってしまった妖怪は、
新たな名を名乗ることに決めました。
それが奴良組で最も古い妖怪、納豆小僧の起源なのです。