09/08/27 12:20:57 moOXMiyVO
彼女と初めてのキスをしてから数秒経った頃には俺は夢中で唇を吸っていた。二人の唾液がまざりあい、舌が絡み合うと俺の全身が熱を帯びたようだった。
一分、二分…何分経ったのかもわからなかった。もしかしたら、とても短い間だったのかもしれない。俺と彼女は抱き合っていた手と舌を離し微笑みあった。
それからテレビの続きを見たが内容はまったく覚えていない。お笑い番組が終わると彼女はカバンを持った。
「それじゃ…帰るね」
俺は彼女を玄関まで送りとどけた。彼女が帰った後、二階へ上がる階段をにやけそうになる顔を引き締めながら上がっていた。
自分の部屋に入るとさっきまで俺と彼女が座っていた安物のローソファーに妹が座っていた。俺が妹にいつもより穏やかな声で話す。
「お前、なにして…」
俺が話し終わる前に妹は顔をテレビの方を向けたまま震えた声で
「キスしてあげよっか…」
そして俺は黙ったまま部屋の鍵を閉めたんだ。
第1部完