09/03/12 23:34:27 bPDUf/ct0
ということで、明訓四天王の中で唯一独身のままだった山田もついに婚約!
昨年の岩鬼に始まる結婚ラッシュ、本当にめでたいことですねえ。六打席本塁打についての件から縁を感じ、自らお礼に出向くあたりは、山田の誠実な人柄がよく表わされていました。
そして、雪のグラウンドを見つめながらプロポーズする場面、そのやりとりは本当に上品な筆致で描かれており、まさしく登場人物の人柄と品格をよく映したものといえます。
昨今は、二岡をはじめ、野球選手がわけのわからないスキャンダルで紙面を賑わすことが多くなっていますが、今回の山田と彩子のやりとりは、そのような今の野球界への強烈なアンチテーゼといえます。水島先生が、いかに今の野球界を憂えているかがうかがえるところです。
冒頭では、手紙を読み返すことで、彩子の母の昏倒と回復、そして六打席連続本塁打の顛末が、丁寧に回想されていました。
山田がプロポーズを決意するに至った重要な出来事ですから、今回から読み始める人、久しぶりに読む人も、この長い回想を読むことで、疎外感を覚えず山田の結婚話を楽しめるわけです。
これもまた行き届いた配慮であり、水島先生の温かい人柄がわかるところですね。またこの回想はそれだけにとどまらず、後に明かされる、西武時代のバナナホームラン話の伏線ともなっているわけです。
まったくもって、巧妙にはりめぐらされた伏線と、緻密なストーリー構成に感服する次第です。