08/12/14 15:23:32 JLni0cKs0
早売りバレ
知三郎が監督として指揮をしていた事に気づいたスパスタ。それなら話は早いと即座に対抗策を講じる。
しかし、知三郎は既にそれを見越しての作戦を考えていた。
鉄犬練習場。そこには鉄犬の選手、コーチらが次の試合に備え軽めのメニューをこなしていた。
その隣にある部屋。そこに知三郎、小次郎、トカヘンの3人が立っている。
「ボクが戦力外通告!?」と驚くトカヘン。知三郎は笑顔で答える。
「4年やって打率2割以下、ドカベン以下の捕手は悪いけど必要ないんだよ」
非情の通告に肩を落とすトカヘン。そんな彼を捨ておき、ブルペンへ向かう二人。
「やぁ、調子はどうだい?」知三郎は聞く。相手は……なんと、谷津吾郎だ。
「この2年、試合に出ずに鍛えた甲斐がありました」と答える谷津。
そうかそうかと頷く二人。そして、明日からの新捕手を務めることになるであろう人物の練習を視察する。
「さすが投手出身。肩は強いや」知三郎が唸りながらつぶやく。
そして次の日。スタメン発表に球場は沸いた。意外な選手に驚く超星ナイン。
「がんばってください。あなたの為に僕はバッテリーコーチ補佐になったのですから」
そう「新捕手」にエールを送る谷津。
試合開始。先発の影丸は岩鬼を三振に仕留めるも殿馬に安打を許す。
3番微笑の打席で殿馬は盗塁を試みる……が、「新捕手」は影丸の投球を捕ると、二塁へ送球。
早い早い。しかし早いのは送球だけではない。肩は山田ほどではない、が!送球までのモーションが物凄く速い。ほぼ一瞬のうちに
送球に入った彼は、駿足の殿馬をアウトにしてしまった。
「なんてことだ……向こうの切り札は監督知三郎だけじゃなかったのか」
慌てる超星ナイン。そんな彼らをにやりと一笑する知三郎と「新捕手」。
山田は呟いた。
「2年前、ドラフト下位で入団したのは知っていたが……まさかお前が捕手となってうちを苦しめる様になるとは……渚圭一」
まさかの捕手転向で超星に立ちはばかった元明訓 渚。果たして彼は超星打線を封じ込め鉄犬に悲願の優勝を手にさせる事は出来るのか!?
次号へつづく。