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これまで全国のほとんどの保健所では、本人や家族などがメキシコや米国、カナダなどの発生国を
最近訪問したことがあるかどうかを新型インフルエンザを疑う目安にしていた。インフルエンザの簡易検査だけでは、
季節性のインフルエンザ(A香港型とAソ連型)と区別ができないためだ。
しかし今回の事態を受け、神戸市の周辺の自治体はこの日、相次いで遺伝子検査の実施基準を改め、
奈良県は簡易検査で「A型陽性」の場合、過去7日以内に神戸市内に足を踏み入れたかどうかを条件に加えた。
大阪府や京都市では、渡航歴の有無に関係なく、A型陽性なら全員に遺伝子検査をすることにした。
ただし、どの保健所もコストや人員の問題から、検査の限界を口にする。1日平均100人超が
インフルエンザと診断されている千葉県の担当者は「人員や機器の余裕がない。渡航歴のない人の検査で
機器を占有すると、一番警戒すべき渡航歴のある人の検査に支障が出る」と指摘。
東京都の担当者も「発熱患者すべてに遺伝子検査をするには、時間的、人員的に困難」と話した。
(2009年5月17日 読売新聞)
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