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名前:西尾ブログ・1[sage] 投稿日:2009/07/15(水) 10:29:50
(略)誰でもこのくらいのことはすでに考えているし、驚くほど新鮮な内容ではないが、
たゞ公開の文書で妃殿下の行状を詳しく述べ立てた後でのこの三提案だから、事実上の
「皇后失格宣言」といってもいい。(略)
著者の橋本さんも言っているが、この面倒なテーマの「けじめ」をつけられる実行者は
天皇陛下のほかにはいない。陛下以外に問題を解決できる人はいない、と私も思う。(略)
昨年の『WiLL』5月号の私の発言時に、公開の文章で問わずに直接殿下にお会いして口頭で
奏上するのが正しく、私は「臣下の分」を弁えない不忠義者であると、ものものしく言い立てる
保守派からの攻撃を受けたが、橋本明氏のような天皇陛下にいつでも会える側近でさえ、
こうして本を書いて公開オピニオンに訴える形式をとっているのである。この点をよく見届けて
おいて欲しい。聞く処では橋本さんは陛下がカナダに旅立つ前に見本刷かなにかをいち早く
陛下にお渡しになっているようである。
雑誌や本で世論を喚起するのは現代の常道で、それ以外に肝心の方々のお耳には届かない。
否、それをいくらやったとしてもお耳には届かないのかもしれない。橋本さんの今度の本は、
私とは違って、間違いなく天皇陛下のお手には渡った。
橋本さんも言っているが、適応異常とか鬱病とかはそんなに長くつづくものではない。私は
雅子妃殿下はご病気かどうかは別として、皇室という環境そのものがいやで、伝統的行事とか
日本古来の仕来たりとか和歌とか作法とか、そういう世界からできればなるだけ遠ざかって
いたいという心理状態なのではないかと思う。美智子皇后への劣等感もそこには重なっている
ように思える。
とすると、皇太子ご夫妻が宮中の主になられた暁には、公務の質をがらと替えてしまう可能性がある。
そして、あっという間に病気は治り、代りに国民と皇室の一体感も消えて、まるきり異なった宮中の姿が
伝えられるようになるかもしれない。そういうような局面になることを私も橋本さんも恐れているのである。
いちばん心配なのはこれである。(略)