09/01/29 23:50:30
作家の井上ひさしは、仙台文学館の館長であるが、宮城国体に
秋篠宮ご夫妻が来館した際の「大変」な苦労を話している。
「井上さん、絶対にシャレを言わないでください」っていうんですよ。
「行動は秒単位で決まってますから、シャレを絶対言っちゃいけません」と。
どうしてですかって言ったら、(秋篠宮が)言ってもわかりませんなんてね。
すごい失礼なことを言うんですよね。それから煎餅とか、そういう食べるときに音の出るお菓子は
下品になるから絶対出しちゃダメ。それから常に1メートルの距離を持ってくださいと。
僕は説明役ですから、絶対シャレを言ってやろうと思っていたんですけど。
とにかく、本当にかわいそうです。見てると、こうやって姿勢を崩さずに2時間でもいるわけでしょう。
これは僕らには無理ですよね。 仕事だと思えばできるのかもしれませんけど。
食べる物も、おうちで何を食べているかはともかくとして、出先では何か柔らかい物ばっかり。
で、とくに同伴する女官長なんてすごいですからね。
仙台は魯迅がいましたから、文学館には魯迅のコーナーがある。実は秋篠宮の奥さん、
紀子さんがなぜか魯迅をよく読んでいるんです。そこで相当時間がかかってしまった。
するとそのあいだ女官長という人が僕の視野に入って、ものすごい鬼みたいな顔をして、
早く次へ移れっていう(会場・笑)。
合図なんていうもんじゃないですよ。私に「おまえ、何やってるんだ!」という、そのものですね。
エレベーターに乗るときも、エレベーターに乗せ方があって、まず僕が乗り込んで
「開」ボタンを押しているうちに入る。偉い人が一番遅れて乗って、一番早く出るんです。
不思議な感覚がありましたね。
とにかく大変な職業だから早く解放してあげると。(「この日、集合。」金曜日より)