08/09/02 20:06:28
ある日のソレイユ国の城下町。
下町の奥様方が、井戸端で噂話に華を咲かせておりました。
「ねえねえ、『スモールソーサー后の半世紀』、ご覧になる?」
「ああ、俳優のワッターリオが『2夜連続!』って宣伝しているやつね?」
「なんでも『あの世紀のパレードの知られざるエピソード』があるらしいわよ」
「まだ知られざるエピソードなんてあったのかしら」
「毎回聞いてる気がするわよねえ、『知られざるエピソード』」
「『知られざる』っていうより、『知って欲しい』エピソードなんじゃないの?」
「ああ、ありうるわね。『アテクシ王族に嫁いでこんなに苦労しましたのよ!』」
「『にもかかわらず寛大で心の美しいアテクシ素晴らしいでしょ!素敵でしょ!』」
「オホホ、皆様うますぎるわ~」
「ねえ、ご成婚パレードのエピソードだけなの?」
「まってね、瓦版の切り抜き見てみるわ。えっと…『満2歳になられたアキシーノ公爵家ヒソ様、ナール王子ご一家はおなじみトチギ・ナスノ城でのご静養』…」
「あら、ヒソ様って誰?」
「いたじゃない、ほら、ナール王子の弟君のところの…」
「ああ、思い出したわ!国民会議でコイズミールがずっこけた時の!!」
「そうそう、虹がかかったとか薔薇が咲いたとか騒ぎになった…、あら蘭だったかしら?」
「名前が確か、ユージィン…」
「それはあだ名よ、名前はヒースクリッド、呼びにくいわね」
「あの時は王族法改正が中止になって…」
「アベールがコイズミールに言ったのよね、『おなかの子の継承権を奪う気か!』」
「アベールも首長になったけど散々だったわよね」
「それよりもウッフッフクーダよ!びっくりしたわよね、突然の辞任!」
「昨日から瓦版もTVもその話題ばっかり」
「やっぱりアスォールが首長になるのかしら」
「私はユリコイーケになってほしいわ」
「誰でもいいわよ、パンを安くしてくれるならね」
などなど、物価高に伴う奥様方の悩みの種は尽きないのでした。