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前衛と大衆の間に明確な境界線は無い
しかしながら、とあるコミューンにおける動向を完全に前衛と大衆に二分することができる
とあるコミューンにおいて２年前に大衆的だったものが現在も大衆性を維持している訳ではない
大衆性とは、ファッションの流行のように絶えず移りゆくものである
同様に前衛的なものは大衆の動向に刺激されて形成される為、これまた非定常な概念であると言える
では、大衆と前衛はどのようにして形造られ、どのようにして明隔化されるのであろうか
私は以下の６つの段階を踏まえることによって大衆と前衛が形成されることを提言する
１．創生期：とあるコミューンの中に共通観念が生まれる（大衆の種）
２．円熟期：例の共通観念が大衆的に受け入れられるようになる。また、大衆性を持つ者と持たぬ者が明隔化され、持たぬ者が迫害されるようになる
３．反動期：大衆へのアンチテーゼとして大衆性を持たぬ者（コミューン構成員の少数派）から、新たなテーゼ（前衛の種）が提出される
４．動乱期：大衆へのアンチテーゼとしての前衛が勢いを増し、大衆にとっての脅威となる。この頃、大衆と前衛の間に争いが頻発するようになる
５．革命期：前衛が大衆を掌握するか、大衆が前衛を迎合的に取り込むことによって前衛が大衆性を得る。コミューンの共通観念が更新され、既存の大衆性が失われる
６．再生期：革命によって乱れたコミューン内が、大衆性を得た前衛によって統治される