08/10/10 20:43:55
人気のない大学は、一般入試では受験者すら集められないので、早くから青田買いに走る。一般入試は2月からしか実施できないが、推薦入試は11月から、AO入試に至っては1年中選考可能だ。いまや夏から秋にかけてが入試のピークなのだという。
受験勉強の通過儀礼を経験しない「青田買い学生」は、とかく学力が低い。それゆえ、「英文科の授業で和訳されたシェークスピアを教材に使う」「物理や数学を学んでいないのに入学できる工学部で、大量の中退者が生まれている」などという事態があちこちで生じている。
ある底辺校の学長は正直にこう言う。「うちの法学部は、司法試験に合格させるのではなく、新聞を理解できるようになるのが目標」。
冗談のような現実である。「教育再生」の道のりは果てしなく遠い。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 千野信浩)