10/04/21 09:54:47
>>609
引用していただき、ありがとうございます。
高橋該当部分も見てはいたのですが、どうも裁判規範の意味が前田説と
高橋説・山中説とでは、若干異なるような気がしますが、どうでしょうか。
前田説は、規範の名宛人と規範違反の判断基準時をドッキングさせて、
裁判規範=裁判官を名宛人として裁判時に規範違反を判断する
行為規範=一般人を名宛人として行為時に規範違反を判断する
という理解ではないかと思います。ところが、前田説の力点は
規範の名宛人が誰かではなく、判断基準時は何時かでしょう。
ところが、高橋則夫の解説では、規範の名宛人は誰かを中心に
考えております。したがって、裁判規範の意味について、前田説
と高橋説とでは、若干のズレがあるのではないでしょうか。
そして、解釈論において意味があるのは、規範の名宛人よりも
規範違反の判断基準時の問題ですから、高橋説がこの問題を
どのように統一的な枠組みで処理するのかが、これまた不明です。
前田説的な意味での裁判規範を考慮すべきではないかとも思えます。