刑法の勉強法 29at SHIHOU
刑法の勉強法 29 - 暇つぶし2ch262:氏名黙秘
10/03/21 11:50:41
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑰

法定的符合説・具体的符合説の対立をめぐる論点を包括的に検討し、鋭いメス
を入れた研究として
鈴木左斗志「方法の錯誤について」金沢法学37巻1号69頁以下が重要である。

「Aに向けられた故意」を「Bに向けられた故意」として評価することは、構成
要件内で符合を認めることを意味するのではなく、まさに構成要件を超えて別
の構成要件のために故意を「流用」することにほかならない。その意味において、
法定的符合説が前提とする構成要件の理解は過度に抽象的なものといわざるを
得ない。
以上の趣旨を山口厚『問題探究 刑法総論』119頁は、法定的符合説は、
「構成要件的評価と故意にとっての認識事実の重要性の評価とを連動させて
いない」と表現している。

間接正犯や離隔犯、さらに共犯の場合、故意を阻却しない客体の錯誤と、故意
を阻却する方法の錯誤とを区別することはしばしば困難である。
共犯の錯誤の場合については、
井田良「被教唆者の客体の錯誤と教唆者の故意」法学研究65巻12号43頁以下
において検討を加えた。

具体的符合説の主張者は、行為者が客体を視覚的に特定していなかった場合に
つき、「その人」という視覚的特定が機能しないことから、法益主体による
同一性の特定、すなわちAさんかBさんかという「名前」による特定を基準と
すべきだという。
ただし、「同一性の特定」すなわち「名前による特定」とは必然的にはいえない。
この点につき、
専田泰孝「具体的事実の錯誤における攻撃客体の特定と故意の範囲」早稲田法学74巻4号519頁以下を参照。




次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch