刑法の勉強法 29at SHIHOU
刑法の勉強法 29 - 暇つぶし2ch175:氏名黙秘
10/03/17 18:40:15
論文リストは、基本書wikiにあったほうがいいだろうね。

176:氏名黙秘
10/03/17 19:08:38
基本書wikiに一言コメントつきでやってくれるとありがたい
できれば刑訴もお願い

177:氏名黙秘
10/03/17 20:31:26
刑法重要論文リスト⑭

>>173>>174>>175>>176
今は違法論の途中ですから、この後、責任論・未遂犯論・共犯論と続ける予定です。
各論は掲載する予定はありません(各論は私は不勉強なので)
⑳くらいで終わらせたいと考えてますので、もう暫くご辛抱ください。
wikiについては考えてみます。

阿部純二「緊急避難」刑法講座2巻
井田良「緊急避難の本質をめぐって」宮澤古希2巻
奥村正雄「強要による緊急避難」清和法学研究6巻2号
橋田久「強制による行為の法的性質(1)(2・完)」法学論叢131巻1号・4号
同「避難行為における利益衡量と相当性についての一考察」産大法学67巻6号
同「避難行為の相当性」産大法学37巻4号
森下忠「緊急避難の法的性質」論争刑法
同「業務上の特別義務者と緊急避難」佐伯還暦(上)
吉田宜之「防御的緊急避難の再検討」西原古希1巻
阿部純二「刑法における『義務の衝突』(1)(2)(3・完)」法学22巻2号・4号・24巻1号
大嶋一泰「義務の衝突」基本講座3巻
山中敬一「刑法における義務の衝突について」甘添貴教授還暦
高橋敏雄「自救行為」刑法講座2巻
大越義久「法令正当行為ーとくに職務行為についてー」団藤古希1巻


178:氏名黙秘
10/03/17 20:54:18
刑法重要論文リスト⑮

伊東研祐「責任非難と積極的一般予防、特別予防」福田=大塚古希(上)
大野平吉「行為責任と人格責任」基本講座3巻
平川宗信「主体性と刑事責任」団藤古希2巻
平野龍一「刑事責任」刑法の基礎
同「人格責任と行為責任」刑法講座3巻
平場安治「責任の概念的要素と刑事責任論の根底」団藤古希2巻
堀内捷三「責任論の課題」現代的展開(Ⅰ)
同「責任主義の現代的意義」警察研究61巻10号

「特集 心神喪失者の医療観察に関する法整備」ジュリスト1230号
浅田和茂「責任能力論」現代的展開(Ⅰ)
団藤重光「責任能力の本質」刑法講座3巻
「特集 刑事責任能力をめぐる最近の動向と問題点」刑法雑誌36巻1号
林美月子「責任能力と法律判断」松尾古希(上)
平場安治「酩酊と刑事責任」刑法講座3巻
町野朔「『精神障害』と刑事責任能力ー再考・再論」内田古希




179:氏名黙秘
10/03/17 21:41:12
刑法重要論文リスト⑯

「特集 原因において自由な行為の理論」現代刑事法20号
大越義久「原因において自由な行為」法曹時報41巻11号
金澤文雄「原因において自由な行為」庄子古希
川端博「原因において自由な行為について」明治大学社会科学研究所紀要31巻2号
川端=日高「原因において自由な行為」現代刑法論争(Ⅰ)
斉藤信宰「原因において自由な行為」西原古希2巻
中義勝「原因において自由なる行為」関大創立70周年記念
中空寿雅「『原因において自由な行為の法理』の検討(1)(2)(3・完)」法研論集52号・53号・54号
同「実行行為着手後の心神喪失・心神耗弱といわゆる『同時存在の原則』」西原古希2巻
中森喜彦「原因において自由な行為」現代的展開(Ⅰ)
同「実行開始後の責任能力の低下」中山古希3巻
林幹人「原因において自由な行為(1)(2)(3・完)」警察研究63巻9号・10号・12号
林美月子「実行行為途中からの責任無能力」神奈川法学28巻1号
日高義博「原因において自由な行為の理論の理論的枠組みについて」西原古希2巻
町野朔「『原因において自由な行為』の整理・整頓」松尾古希(上)
山口厚「『原因において自由な行為』について」団藤古希2巻
山中敬一「実行行為の途中で責任能力の減弱・喪失状態に陥った事案に関する一考察」産大法学32巻2=3号

井田良「注意義務をめぐる諸問題」刑法雑誌34巻1号
同「過失犯における『注意義務の標準』をめぐって」変革の時代における理論刑法学
大塚裕史「予見可能性論の展開と今後の課題」刑法雑誌38巻1号
同「『因果経過』の予見可能性」板倉古希
佐伯仁志「予見可能性をめぐる諸問題」刑法雑誌34巻1号
前田雅英「予見可能性の対象について」西原古希2巻

180:氏名黙秘
10/03/18 08:11:54 7sbPmKXA
前田の判例250選と百選て全然被ってないんだなorz!?

181:氏名黙秘
10/03/18 14:27:28
未必の故意と認識ある過失の区別に関して
認容説、蓋然性説の他に動機説というのがありますが、
最後の動機説というのがいまひとつわかりません。
前二説と比べて具体的にどう異なるのでしょうか?

182:氏名黙秘
10/03/18 17:10:21
質問です。

山口説は、方法の錯誤において、いわゆる具体的法定符合説に立つので、故意は一つであることを前提としていると思われますが、以下(2)の事例はどのように処理するのでしょうか。

(1)A殺害の意思で銃を発射し、①Aを傷つけ、たまたまBを殺した場合(Bへの未必の故意はなしの前提で)
→Aに対する殺人未遂、Bに対する過失致死。

(2)上記事例で、その後Aが死亡してしまった場合
→Aに対する殺人既遂、Bに対する過失致死

この処理について、「あまりに便宜的ではないかとの批判」がなされた場合、どのように反論すべきなのか。その記述が見当たらないです。
具体的法定符合説の筋を通すならば、「この処理でも、何も問題ないし、批判にも値しない」という趣旨なのでしょうか。

誰か詳しい方教えていただけないでしょうか。

183:氏名黙秘
10/03/18 17:27:41
>>181

意思的要素を強調…認容説(行為意思+積極的人格態度)

表象を重視…蓋然性説(意思的要素は、行為意思だけで十分で、行為意思を抱いた際の表象の認識の程度を問題にする)、ただ、「蓋然性」というのは基準として不明確と批判される。

そこで、表象説(蓋然性説)の発展形として、動機説

具体的には


TB結果実現可能性が一旦行為者の意識に浮かんだ際に、それを「ありえない」、として行為に出た場合は、認識ある過失。

TB結果実現可能性が一旦行為者の意識に浮かんだ際に、「ありえない」と否定せず、行為者の意思過程に取り込まれたにもかかわらず、
行為をやめる消極的動機にしなかった場合は、未必の故意。


あくまでも、判断は「行為意思」の形成過程を問題とする点で、表象説の一種。
「ありえる」「ありえない」という可能性(蓋然性)判断の要素がある点は、蓋然性説と似ている。
ただし、「ありえる」と考えたのに、行為に出たという「消極的動機を形成しなかったこと」という行為意思形成過程を問題とする点で、精密かつ、判断の過度の主観化を避けられる。

184:氏名黙秘
10/03/18 19:27:59
すげーな。

185:氏名黙秘
10/03/18 19:32:45
>>182
既遂か未遂かが行為後の被害者の死亡により変わることは
錯誤のない事案でもあり得るんだから何らおかしくない。


186:元ヴェテ院生参上 ◆JEhW0nJ.FE
10/03/18 20:08:20
>>増田ファン氏へ

『理論刑法学の探究②』を再読していたら、小林准教授の面白い記述を見つけました。

「わが国の伝統派は①因果性というカテゴリーを用いつつ、②そこに規範や
評価の問題まで容れてきた。これが日本型新カント主義といわれるものであり
(英米の分析哲学を基礎とした刑法学と混同すろものが多いが両者は別物である)、
幸か不幸か、わが国の刑法学を長きにわたって規定してきたのである」

187:氏名黙秘
10/03/18 20:14:20
>>186
コバケン氏は雑誌『法の理論28』において刑罰論を論じてますが、
その中で井田さんがウィトゲンシュタインを引用したのに対して、
「論考」じゃなくて「哲学探究」から引用すべきと言ってましたね。
刑法的帰責なんかでも、哲学的な話もしてましたし、哲学的素養が
あるのでしょう。

188:氏名黙秘
10/03/18 20:33:41
>>185
ありがとうございます。
納得です。

189:氏名黙秘
10/03/18 20:35:11
刑法重要論文リスト⑰

石井徹哉「故意の内容と『違法性』の意識ー行政取締法規違反における問題を中心にー」早稲田法学会誌39巻
斉藤信宰「事実の錯誤と法律の錯誤の区別」基本講座3巻
高山佳奈子「違法性の意識」刑法雑誌37巻2号
福田平「故意説か責任説か」論争刑法
藤木英雄「事実の錯誤と法律の錯誤との限界」刑法講座3巻
町野朔「『違法性』の意識について」上智法学24巻3号

植田重正「期待可能性」刑法講座3巻
川端博「期待可能性」現代刑法講座2巻
滝川幸辰「期待可能性の理論」刑事法講座2巻
中森喜彦「期待可能性」基本講座3巻
平野龍一「生命と刑法ーとくに安楽死についてー」刑法の基礎
宮澤浩一「過失犯と期待可能性」日沖還暦(1)
山中敬一「可罰的責任論についてー期待可能性の理論の体系的地位ー」西原古希2巻


190:氏名黙秘
10/03/18 20:36:35
えっなに、聞こえないお
┏━┓ _♪
【(´・ω・)】|■| ♪
 (|   |っ|◎|
  しーJ 



191:氏名黙秘
10/03/18 20:58:15
刑法重要論文リスト⑱

板倉宏「陰謀概念の検討ー予備との関係を中心にー」福田=大塚古希(上)
大沼邦弘「未遂犯の成立範囲の画定」団藤古希3巻
奥村正雄「未遂犯における危険概念」刑法雑誌33巻2号
中義勝「未遂犯の論理構造ー実害犯の未遂を中心として」福田=大塚古希(下)

板倉宏「実行の着手」基本講座4巻
大越義久「実行の着手」現代的展開(Ⅱ)
斎野彦弥「危険犯の認識論的構造ー実行の着手時期の問題を契機としてー」内藤古希
塩見淳「実行の着手について(1)(2)」法学論叢121巻2号・4号
曽根威彦「実行の着手」現代論争(Ⅰ)
中義勝「実行行為をめぐる若干の問題」刑法上の諸問題
同「間接正犯と不作為犯の実行の着手ー中山説に関連して」刑法上の諸問題
中山研一「間接正犯の実行の着手ー中教授の批判に関連してー」刑法の論争問題


192:氏名黙秘
10/03/18 21:19:48
刑法重要論文リスト⑲

奥村正雄「不能犯の予備的考察」同志社法学165号
塩見淳「主体の不能について(1)(2・完)」法学論叢130巻2号・6号
曽根威彦「不能犯と危険概念」刑法における実行・危険・錯誤
中義勝「不能犯についての若干の覚え書き」刑法上の諸問題
中山研一「不能犯論の反省ー具体的危険説への疑問ー」刑法の論争問題
林陽一「不能犯について」松尾古希(上)

板倉宏「中止犯」基本講座4巻
伊東研祐「積極的特別予防と責任非難ー中止犯の法的性格をめぐる議論を出発点にー」香川古希
川端=曽根「中止未遂の法的性格」現代論争(Ⅰ)
斉藤誠二「いわゆる失効未遂をめぐって(上)(下)」警察研究58巻1号・3号
塩見淳「中止未遂の構造」中山古希3巻


193:氏名黙秘
10/03/18 21:53:58
刑法重要論文リスト⑳

香川達夫「必要的共犯について」平場還暦
高橋則夫「共犯における危険概念」刑法雑誌33巻2号
西田典之「必要的共犯」基本講座4巻
平野龍一「正犯と実行」佐伯還暦(上)
同「必要的共犯について」犯罪論の諸問題(上)

植田博「共犯の因果構造ー惹起説の検討ー」横山追悼
大野平吉「共犯従属性説か独立性説か」論争刑法
大谷實「最小限従属形式について」西原古希2巻
香川達夫「犯罪共同説か事実共同説か」論争刑法
同「犯罪共同説について」刑法解釈学の諸問題
金澤文雄「犯罪共同説か行為共同説かー行為共同説の立場からー」論争刑法
吉川経夫「共犯従属性説か独立性説か」論争刑法
共同研究「共犯の処罰根拠」刑法雑誌27巻1号
斉藤信治「『極端従属形式』はすてられるべきか」法学新報91巻8=9=10号
斉藤誠二「共犯の処罰根拠についての管見」下村古希(上)
平野龍一「責任共犯論と因果共犯論」犯罪論の諸問題(上)
町野朔「惹起説の整備・点検ー共犯における違法従属と因果性」内藤古希
山中敬一「因果的共犯論と責任共犯論」基本講座4巻
同「共犯における可罰的不法従属性に関する若干の考察」中山古希3巻


194:氏名黙秘
10/03/18 22:02:41
マジキチやね

195:氏名黙秘
10/03/18 22:28:36
何もいえなくて・・・

196:氏名黙秘
10/03/18 22:32:49
殺人レスマニアのぴかぁ(=元ヴェテ参上、サイコパス、波平等)にご注意

■謙抑主義@山口厚の高度な解釈論/刑法の勉強法■17での活躍
URLリンク(p2.chbox.jp)
URLリンク(p2.chbox.jp)
■自称司法試験合格者としての実力を発揮
URLリンク(p2.chbox.jp)
URLリンク(p2.chbox.jp)
■「生半可な法学知識を振り回す鼻持ちならなさに我慢できずに反論していたら、いつの間にかこうなっていたという。」
URLリンク(p2.chbox.jp)
■日本の国語教育を自演信者と共に考える
URLリンク(p2.chbox.jp)
■自演擁護作戦「軍隊アリ in 刑法の勉強法■26」
URLリンク(p2.chbox.jp)
■オイラは人気者
URLリンク(p2.chbox.jp)
URLリンク(p2.chbox.jp)
■哲板の有名キチコテ「ぴかぁ」が中の人
スレリンク(philo板:399-412番),452-453,456,474,491,500,763,765,773,778-779,811-815,818,820-825
URLリンク(p2.chbox.jp)(↑が見られない人向け)
■醜態コレクション
URLリンク(p2.chbox.jp)(殺人スレ)
URLリンク(p2.chbox.jp)(東スレ・自己宣伝スレ)
URLリンク(p2.chbox.jp)(カントは合理論/「貨幣は国が管理してる」発言に反発)
URLリンク(togetter.com) 確率と現象の違いを理解できないバカ

■主な出現場所 哲学板 何故、人を殺してはいけないのか?、東スレ/司法試験板 勉強法関連

197:氏名黙秘
10/03/18 22:38:45
URLリンク(ci.nii.ac.jp)にかたっぱしから検索かけて論文名並べれば誰かビビると思ったのかね、キチヴェテはw

198:氏名黙秘
10/03/18 22:44:29
わけわかんないよね。彼は何がしたいんだろう。

199:氏名黙秘
10/03/18 22:45:41
>>195ってひょっとしてイヤミのつもりなのか



キチガイこええええええええええええええな

200:氏名黙秘
10/03/18 22:51:48
なお、一部に元べテ氏の自演ではないかとの観測があるようですが、私は元べテ氏ではありません。(キリッ

201:氏名黙秘
10/03/18 23:06:51
旧試合格の証拠は?

202:氏名黙秘
10/03/19 07:14:20
だんだんすごいことになってるなw

203:氏名黙秘
10/03/19 12:57:00
ナチュラルに故意して
URLリンク(www.youtube.com)


204:氏名黙秘
10/03/19 20:04:13
>>197
自分も気になってCiNiiに検索かけてみたけど、CiNiiの論文とヴェテが
載せてる論文はほとんど被ってなかった。

205:氏名黙秘
10/03/19 20:38:59
刑法重要論文リスト21

植田博「共同正犯の因果構造」愛媛大学教養部紀要21巻1号
内田文昭「部分的共同正犯について(1)(2・完)」警察研究62巻7号8号
川端博「共同正犯と過剰防衛」研修540号
高橋則夫「共同正犯の帰属原理」西原古希2巻
橋本正博「結果的加重犯の共同正犯」一論101巻1号
前田雅英「正当防衛と共同正犯」内藤古希
山口厚「過失犯の共同正犯についての覚書」西原古希2巻
山中敬一「共同正犯の諸問題」現代的展開(Ⅱ)
同「共同正犯論の現在」現代刑事法28号

植田重正「片面的共犯」斉藤還暦
植松正「片面的共犯の道標」斉藤還暦
大塚仁「片面的共犯の成否」植松還暦
斉藤誠二「片面的共犯をめぐって」成蹊法学16号
中義勝「片面的共同正犯」関法16巻4=5=6号

内田文昭「最近の過失共同正犯について」研修542号
大塚仁「過失犯の共同正犯の成立要件」法曹時報43巻6号
甲斐克則「過失犯の共同正犯」井上追悼
北川佳世子「我が国における過失共同正犯の議論と今後の課題」刑法雑誌38巻1号
土本武司「過失犯と共犯」基本講座4巻
山口厚「過失の共同正犯についての覚書」西原古希2巻

206:氏名黙秘
10/03/19 21:06:27
刑法重要論文リスト22

相内信「承継的共犯について」金沢法学25巻2号
岡野光雄「承継的共犯」基本講座4巻
香川達夫「承継的共同正犯についての再考」刑法解釈学の諸問題
斉藤誠二「承継的共同正犯をめぐって」筑波法学8号

大野平吉「判例の共謀共同正犯についてー『共同正犯と幇助犯」補説ー」西原古希2巻
岡野光雄「共同意思主体説と共謀共同正犯」刑法雑誌31巻3号
同「個人的共犯論と『共謀』共同正犯論ーその批判的考察ー」西原古希2巻
下村康正「共謀共同正犯理論の現状」中央大学百周年記念論文集
立石二六「共謀共同正犯」八木古希(上)
中山研一「共謀共同正犯」現代刑法講座3巻
西田典之「共謀共同正犯論ー肯定説の立場からー」刑法雑誌31巻3号
同「共謀共同正犯について」平野古希(上)
西原春夫「共謀共同正犯」論争刑法
野村稔「共謀共同正犯理論の総合的研究ーはじめにー」刑法雑誌31巻3号
同「共謀共同正犯」現代的展開(Ⅱ)
藤木英雄「共謀共同正犯」可罰的違法性の理論
松本時夫「共謀共同正犯と判例・実務」刑法雑誌31巻3号
村井敏邦「共謀共同正犯論ー否定説の立場からー」刑法雑誌31巻3号
米田泰邦「共謀共同正犯」論争刑法

207:氏名黙秘
10/03/19 21:49:30
刑法重要論文リスト23・完

今回が最終回です。長い間ご迷惑をおかけしました。

斉藤誠二「教唆犯をめぐる管見」法学新報103巻4=5号
中義勝「未遂の教唆」関法21巻3号
福田平「いわゆる未遂の教唆について」平場還暦(上)

岡本勝「不作為犯による従犯に関する一考察」法学69巻5号
神山敏雄「不作為による幇助(1)(2・完)」岡法41巻2号
野村稔「予備罪の従犯について」研修533号
林幹人「共犯の因果性(1)~(4・完)ー心理的因果性を中心として」警察研究63巻3号・4号・5号・7号
日高=曽根「幇助の因果関係」現代刑法論争(Ⅰ)
山中敬一「中立的行為による幇助の可罰性」法学新報102巻1号

大越義久「身分犯について」平野古希(上)
高橋則夫「共犯と身分」基本講座4巻
「特集 身分犯をめぐる共犯論の再検討」刑法雑誌38巻1号
中義勝「いわゆる義務犯の正犯性」佐伯還暦〔上)
前田雅英「共犯と身分」現代的展開(Ⅱ)

浅田和茂「教唆犯と具体的事実の錯誤」西原古希2巻
大塚仁「間接正犯と教唆犯との錯誤」斉藤還暦
中義勝「ローゼ・ロザール事件」刑法上の諸問題
西田典之「共犯の錯誤について」団藤古希3巻

相内信「共犯からの離脱、共犯と中止犯」基本講座4巻
大塚仁「共同正犯関係からの離脱」刑法論集(2)
西田典之「共犯の中止について」法学協会雑誌100巻2号



208:氏名黙秘
10/03/19 21:49:45
>>204
見え透いた自演乙ですキチガイさん

209:氏名黙秘
10/03/19 21:57:14
>>207
お疲れ!

210:氏名黙秘
10/03/19 21:58:20
>>205-207>>209
何がしたいんだお前・・・

211:氏名黙秘
10/03/19 22:02:04
>>197でコケオドシをあっさり打ち砕かれて元ヴェテぴかぁさんかわいそう><

212:氏名黙秘
10/03/19 22:07:03
いつも思うんだが、ぴかぁ=波平=元ヴェテ参上=リスト連投キチ=サイコパス以下略の
自演スレって、スレ頭から読むと完全に自演バレバレだよなw

213:氏名黙秘
10/03/19 22:08:50
「今回が最終回です。」と書くキチガイセンスがさすがですよね

214:氏名黙秘
10/03/19 22:12:04
やっとどっかの基地外の連投が終わったので、落ち着いた議論ができる状態
になった。
通常のパターンに戻そうぜ。
誰か質問しろや。

215:氏名黙秘
10/03/19 22:13:57
通常のパターンに戻す、誰か質問しろのコンボはキチガイぴかぁの口癖ですねw

216:氏名黙秘
10/03/19 22:16:34
>>212
「ぴかぁ」とか「波平」ってどんなキャラ?

217:氏名黙秘
10/03/19 22:16:48
>>213
最終回とか、通常のパターンとか、こんなスレで「落ち着いた議論」とか、言葉の端々に根本的な頭イカれ具合がポロポロ顕れるんだよな

218:氏名黙秘
10/03/19 22:17:56
>>216
>>196の下の方見ればわかるよ

219:氏名黙秘
10/03/19 22:19:58
>>216
ぴかぁと波平は同一キャラの別名。

220:元ヴェテ擁護派3
10/03/19 22:23:44
そんなにみんなで元ヴェテさんをいじめないでくれ。
後生だから。
それにリスト連投基地外=元ヴェテさんと確定したわけでもないだろう。
元ヴェテさんは沈黙しているが。

221:氏名黙秘
10/03/19 22:43:48
>>220
元ヴェテ氏なら>>156でそれを否定する趣旨の発言をしているよ。

222:氏名黙秘
10/03/19 23:04:51
>>220-221
キチヴェテそういうの飽きない?

223:氏名黙秘
10/03/19 23:45:57
>>207
各論のリスト、マダー

224:氏名黙秘
10/03/20 02:05:15
基地外ヤケになるなよ

225:氏名黙秘
10/03/20 07:36:06
おまえら楽しい?

226:氏名黙秘
10/03/20 08:06:02
新参者だが、元ヴェテなる人物に過去に何があったか知らないし、哲学板
など興味がないが、元ヴェテ寄りの発言を片っ端から元ヴェテ認定する
おまえらの方が、客観的にはよっぽど基地外に見えるよ。

227:氏名黙秘
10/03/20 11:00:10
新参者だが(笑)

228:氏名黙秘
10/03/20 11:31:19
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)①

「違法に従属する責任」については、内田『概要』中卷190頁以下参照。
しかし、この点に関しては、「責任が違法とは独立に刑を加重し得る」
とする見解もかなり流布している。その一例は、単純遺棄罪と保護責任者
遺棄罪とは違法の程度は同じであるが、後者は責任が重いことから刑が重く
されているとする見解である。

また、近時、神山敏雄「職権濫用罪の法益についての一考察」井戸田古希
830頁以下は、特別公務員職権濫用罪(194条)や特別公務員暴行
陵虐罪(195条)の刑が一般の逮捕監禁罪や暴行罪よりも重いのは
もっぱら責任が重いことによるとしている。

井田「いわゆる違法二元論をめぐる一考察」阿部古希125頁以下。
本章(「結果無価値と行為無価値」)において明らかにする基本的見解については
本論文でより詳細に展開し、また反対説に対する批判の論拠を明らかにした。

因果的ないし物的違法論の立場からも、主観的認識・意思は1つの因果的
ファクターになり得るはずで、その限りで「主観的違法要素」も認められ得る
ことになる。この点につき、山口厚『危険犯の研究』(1982年)90頁の
明快な分析を参照。

229:氏名黙秘
10/03/20 12:07:22
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)②

たしかに、行為無価値を正面から考慮することへの警戒は歴史理由を持つ。
たとえば平野龍一「日本から見たドイツ刑法」警察研究61巻4号3頁以下を参照。
しかし、理論はその内容が正しいかどうかのみかが問題であり、それが
「危険な使われ方をするおそれを有する」という物言いには疑問があろう。
それは、無能な研究者や法律実務家が多いから濫用の可能性のある理論を
与えることはできないとする不遜な前提に立つものであり、自己の特権性・
例外性を暗に前提とした学問的パターナリズムの立場というべきである。

結果無価値論の主張者は、刑法と道徳の区別の重要性を強調する。私は、
この点で論者の主張は正しいと考える。詳しくは、井田ケーススタディ1頁
以下を参照していただきたい。

平野・前掲「日本から見たドイツ刑法」
既遂の場合にも故意が違法要素だとすれば、それは、故意の存在自体が、社会
倫理的非難に値するから、違法だということになる。

結果無価値論の立場からは、たとえ責任を予防的見地から理解するとしても、
それは特別予防論に至るのが論理的な帰結である。この点で、故意を特別予防
の観点から、そして違法性の意識の可能性をを非難可能性の観点から、それぞれ
責任要素として位置づける高山佳奈子『故意と違法性の意識』はまさに首尾
一貫している。
結果無価値論の根本的欠陥は、違法論の内部において、そしてそもそも犯罪論
の内部において、一般人を基準とする行動準則違反の判断を収容する場所を
まったく持ち得ないところにある。この点につき、井田『犯罪論の現在と
目的的行為論』19頁以下を参照。

230:氏名黙秘
10/03/20 12:39:38
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)③

違法判断の行動基準としての意味は、たとえば、刑事訴訟法上の、違法証拠の
排除と捜査抑制の関係について見ても、きわめて明らかであろう。田宮裕
『刑事法の理論と現実』263頁を参照。

なお、行為規範による一般予防を支柱として刑法システムを構想する新しい
研究として、尾崎道明「刑法の政策的基礎に関するー考察ー決定論に基づく
規範的抑止及び自由の保障を基礎とする刑法体系の構想ー」川上古希77頁
以下があり、私見と符合する部分が多い。

責任の段階で行為規範を考えればよいといわれることもあるが
 小林憲太郎『因果関係と客観的帰属』179頁以下
 松原芳博「犯罪結果と刑法規範:三原古希331頁
罪刑法定主義が責任のレベルでの問題ではないように、行為規範違反も責任
の問題ではありえない。

適法か違法かは、観念的な利益衡量により「超歴史的」に判定することはできず、
そこでは社会の現実を見ることを要求される。この点につき、塩見淳「違法性・
違法性阻却の一般原理」法学教室265号82頁、266号104頁を参照。
 

231:氏名黙秘
10/03/20 13:12:37
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)④

人的違法論の主張者のなかでも、たとえば、野村稔『未遂犯の研究』241頁、
243頁以下注(7)、266頁は、保護責任者遺棄罪について、客体が死体
であることが事後的に判明したときでも、一般人も誤信する状況である限りは、
同罪の成立が認められるとする。それは主観的行為無価値論の立場と呼ぶこと
ができる。

松澤伸「違法性の判断形式と犯罪抑止」早稲田法学78巻3号242頁以下、
247頁は、行為規範論に立ちながら結果無価値に不法構成的意義を認める
点の首尾一貫性にに疑問を提起する。
本文で述べたように、結果無価値性が要求される根拠は、刑罰の持つ応報的
側面である。その意味では、行為無価値(刑罰の一般予防的側面に対応する)
と結果無価値(刑罰の応報的側面に対応する)とは、相互に制約し合う関係
にある。ただ、本文の主張の核心は、行為不法のみで処罰は正当化「され得る」
とするにすぎず、結果無価値による処罰の限定が相当と考えられる場合があり
得ることを否定するものではない。

尾崎・前掲「刑法の政策的基礎に関する一考察」95頁以下は、既遂の場合に
処罰を限定する理由として、自由の保障、裁判規範としての刑法の公平な適用
の必要性・処罰に要する社会的費用の考慮の3つを挙げているが、西洋であると
思われる。

一定の社会のための刑事政策は、その社会よりも合理的なものではあり得ない
のである。Karl-Ludwig,Kriminologie,3,Aufl,2001,S,320を参照。



232:氏名黙秘
10/03/20 13:44:41
>>228-231
キチガイさん、いい加減病院いったほうがいいんじゃない

233:氏名黙秘
10/03/20 13:49:19
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑤

違法要素と責任要素は、行為の客観面に関わるか、それとも主観面に関わるか
により区別されるものではないし、一般人を基準とするか個別行為者を基準と
するかも、不法と責任の区別の本質に関わることではない。
しかし、この点につき、たとえば、平野龍一・前掲「日本から見たドイツ刑法学」

不作為における作意の可能性は、構成要件段階における「作為義務の前提」で
あり、それは行為能力の問題である。作為の場合に、その場に置かれた一般人
には可能でも、その「具体的行為者」に行為能力がないときは行為性が否定
される(したがって構成要件にも該当しない)のとまったく同じく、作為能力
がない者の不動作は行為ではない(したがって、構成要件にも該当しない)の
である。ちなみに、これがドイツにおいても当然の理解である。たとえば
Claus Roxin Strafrecht,Algemeiner Teil,Band Ⅱ,2003,S 629ffを参照。

少し哲学的議論に立ち入るとすれば、現実の事象のなかから一定の行為を行為
として認識するためには「歩く」とか「ベンチに腰かける」というような
「言葉の鋳型」がそもそも必要である。
大森荘蔵「思考と論理」『大森荘蔵著作集 第7巻・知の構築とその呪縛』278頁以下を参照。

行為概念から意思的要素をいっさい排除して、およそ社会的に意味のある態度
であれば行為概念に含まれるとする見解もある。
米田泰邦『行為論と刑法理論』など。

234:氏名黙秘
10/03/20 13:51:14
>>232
正直淡々とこれを貼られ続けるのは薄ら寒い気はするけど
そこまで言わなくてもいいんじゃないか?
Wikiでやれ

235:氏名黙秘
10/03/20 13:54:05
URLリンク(www27.atwiki.jp)
枠作ったからここに投下してくれ

236:氏名黙秘
10/03/20 14:02:16
論文名リストを笑われたのでムキになって引用しまくりの元ヴェテ惨状w

237:氏名黙秘
10/03/20 14:04:03
>>234
>>196見てきなよ、そんな甘っちょろい輩じゃないから

238:氏名黙秘
10/03/20 14:09:01
>>234
どう見ても司法試験無関係に法律をキショい動機で齧ったキチガイの仕業じゃん

239:氏名黙秘
10/03/20 14:20:45
スレにガンガンリストを投稿のってただのキチガイにしか見えないんだけど、
本人は実力を見せ付ける方法だと思ってるらしいんだよね

哲板の東スレでも誰にも求められてないのにわけのわからない、思想系の用語をつぎはぎした
評論文もどきを連投しまくってうざがられてるし
殺人スレでは1000にそのスレの議論のまとめを投稿されて、怒り狂っちゃって
同じナンバーの次スレを立てて前スレの再現を延々とやったり
それを指摘されたら他人のせいにしたりとどうしようもないキチガイぶり

マジ死んだほうがいいよこの人

240:氏名黙秘
10/03/20 14:23:08
1998年頃からひきこもってキチガイなりに思想を深めた成れの果てらしい

241:氏名黙秘
10/03/20 14:25:46
殺人レスマニアのぴかぁ(=元ヴェテ参上、サイコパス、波平等)にご注意

■謙抑主義@山口厚の高度な解釈論/刑法の勉強法■17での活躍
URLリンク(p2.chbox.jp)
URLリンク(p2.chbox.jp)
■自称司法試験合格者としての実力を発揮
URLリンク(p2.chbox.jp)
URLリンク(p2.chbox.jp)
■「生半可な法学知識を振り回す鼻持ちならなさに我慢できずに反論していたら、いつの間にかこうなっていたという。」
URLリンク(p2.chbox.jp)
■日本の国語教育を自演信者と共に考える
URLリンク(p2.chbox.jp)
■自演擁護作戦「軍隊アリ in 刑法の勉強法■26」
URLリンク(p2.chbox.jp)
■オイラは人気者
URLリンク(p2.chbox.jp)
URLリンク(p2.chbox.jp)
■哲板の有名キチコテ「ぴかぁ」が中の人
スレリンク(philo板:399-412番),452-453,456,474,491,500,763,765,773,778-779,811-815,818,820-825
URLリンク(p2.chbox.jp)(↑が見られない人向け)
■醜態コレクション
URLリンク(p2.chbox.jp)(殺人スレ)
URLリンク(p2.chbox.jp)(東スレ・自己宣伝スレ)
URLリンク(p2.chbox.jp)(カントは合理論/「貨幣は国が管理してる」発言に反発)
URLリンク(togetter.com) 確率と現象の違いを理解できないバカ

■主な出現場所 哲学板 何故、人を殺してはいけないのか?、東スレ/司法試験板 勉強法関連

242:氏名黙秘
10/03/20 14:30:35
>>240
そうそう
>>196だと圧縮されすぎでリンク先みないとわかんないけど
教育・先生板でも自演劇場を延々とやってたようだね
(■日本の国語教育を自演信者と共に考える)

今はこのスレと哲板の殺人スレで、そっちではやらなくなったようだけど

243:氏名黙秘
10/03/20 15:21:26
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑥

目的的行為論の主張者のなかには、統一的な上位概念としての行為概念の機能
(すなわち、前述のような基本要素、結合要素、限界要素としての機能)を
まったく否定し、ただ違法評価の対象の要素を画定する機能だけを行為概念に
認める論者さえいたのである。すなわち
Armin Kaufmann,Die Funktion des Handlungsbegriffs im Strafrecht,1962
このアルミン・カウフマンの見解をさらに詳細に展開したのは
Klaus Otter,Funkitionen des Handlungsbegriffs im Verbrechensaubau?1973
であった。

作為犯と不作為犯の区別の問題を取り上げよう。この関係でよく議論されるのは、
医師が末期患者に装着された人工呼吸器のスイッチを切って心停止に至らせる
行為が作為による生命侵害か、それとも継続してきた治療を中止しそれ以上の
救命治療を行わないという不作為かの問題である。この問題につき詳しくは、
井田「生命維持治療の限界と刑法」法曹時報51巻2号13頁以下を参照。

人工呼吸器の取り外しは、規範構造の上で作為による不作為犯の性格を持つ
というべきであろう。ドイツにおけるこの見解の有力な主張者は、
Roxin,An der Grenze von Begehung und Unterlassung,in:Festschrift fur Kahr Engisch zum 70 Geburtstag 1969,S,380 ff,,insb 395 ff

ドイツにおいては、ほぼ同様のねらいを持った理論構成として、人工呼吸器の
取り外しを、救命の方向に向かって流れている因果経過を断ち切る「作為」と
して捉えるものがある。救命に向かう因果の流れを断ち切ることは、そもそも
救命が可能である限りにおいてのみ法的禁止の対象となり得るのである。
Hans Joachim Hirsch,Behandlunsgsabbruch und Sterbehife,Festschrift fur Karl Lackner,1987,S 605 f

目的的行為論が、刑法的評価の対象となる実体構造を追求したのは、「そう
した対象の構造が法的評価〔価値判断)に対し、一定の方向と枠づけをあた
えるものであるという認識」(福田平「犯罪概念の規定としての人間の行態」
東海法学19号14頁)にもとづくものなのである。

244:氏名黙秘
10/03/20 15:57:16 3kZXzG06
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑦

作為犯処罰を原則とする刑罰法規であっても、禁止規範ばかりでなく命令規範
をも含み得るのである。この点について
西田典之「不作為犯論」『刑法理論の現代的展開・総論Ⅰ』71頁を参照。
より詳しくは
鎮目征樹「刑事製造物責任における不作為犯論の意義と展開」本郷法政紀要8号345頁以下。

保証者説は、不作為犯の構成要件を、主体の範囲が(保証者的地位にある者に)
限定された構成要件(したがって、一種の身分犯の構成要件)として理解する
ことにより、不真正不作為犯の問題を構成要件該当性の段階に位置づけた。
Hans Welzel,Das Deutsche Strafrecht,11,Aufl,1969,S 208f.

ここでは、要件としての保証者的地位と、そこから導かれる作為義務(保証
義務)そのものとが区別され、前者のみが構成要件要素とされて、後者の
作為義務は(作為犯の不作為義務と同様に)「犯罪体系のいかなる場所にも
あらわれない」-福田平『刑法解釈学の主要問題』72頁以下。

しかし、「十中八、九」という言葉はもともとこの事件における鑑定結果の
なかで用いられたものであり、救命の可能性が非常に高く殆ど救命できたと
いう趣旨であって、100パーセント中の80ないし90パーセントという
確率の意味で述べられたものではないとされる。
ー原田国男『最高裁判所判例解説刑事編(平成元年度)』385頁参照。



245:氏名黙秘
10/03/20 16:02:15
こりゃシャレにならないな

246:氏名黙秘
10/03/20 16:12:08
しかも、コメントが学部生レベルなのが腹が立つ。

247:氏名黙秘
10/03/20 16:31:09
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑧

鎮目・前掲「刑事製造物責任における不作為犯論の意義と展開」は、同一刑罰
法規に禁止規範違反と命令規範違反が含まれ得ることを認めつつ、それでも
不作為を作為と同視し得るための「価値論的埋め合わせ」を求めることの首尾
一貫性のなさを鋭く批判する。

多元説のように、考慮されるべき雑多な要素をばらばらに示すのではなく、
保証者的地位の実質的な原理を見出すことができれば、不真正不作為犯の
構成要件該当性の判断のためのかなり明確な指針を得ることができるで
あろう。そこで、学説においては、事実分析にもとづく実質的根拠を示そう
としていろいろな見解が主張されている。議論の状況については、
佐伯仁志「保障人的地位の発生根拠について」香川古希95頁以下。

島田聡一郎「不作為犯」法学教室263号116頁以下は、保証者的地位が
肯定される場合を、①物理的危険創出行為、②法益あるいは③危険源に対する
意識的引き受けのいずれか1つが認められる場合に限定する。

鎮目・前掲「刑事製造物責任における不作為犯論の意義と展開」352頁以下
は、刑法の謙抑性、法益保護の効率性、行為選択の自由の事前的保障という
見地から主体限定のための要件を導き出す。とりわけ、行為選択の自由の事前
的保障の要請からは、行為者が自らの意思にもとづいて、結果に実現した危険
と行為者自身との間に、他者が介入する可能性を減少させる関係が成立する
ことを受け入れたという事情が存在しなければならないとされる。


248:氏名黙秘
10/03/20 17:14:27
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑨

たとえ科学的には結果発生のパーセンテージは同じでも(たとえば数万分の1)、
「社会生活上一般に許容されているリスク」、すなわち「一般的生活危険」
にさらすことを刑法は禁止することはできない。
ちなみに、「一般的生活危険」の概念が、学説上異なった意味で用いられていることについては、
小林憲太郎「いわゆる『一般的生活危険』について」千葉大学法学論集16号3巻67頁以下を参照。

たとえば、傷害罪よりも傷害致死罪をより重く処罰するのは、それが応報的
考慮にもとづくものであるにせよ、少なくとも行為の時点においての結果発生
の予見可能性を要求することにより、「重い科刑が一般予防的見地から効果を
もち得る」ようにしなければならない。これに対し、
鈴木左斗志「因果関係の相当性ー結果帰責判断を規定してきたいくつかの視点の検討ー」刑法雑誌43巻2号234頁以下は、
事前判断の立場からは、事後的事情が一般予防的見地から意味をもち得ること
を説明できない、と考えるようであるが、事後的事情であっても、それが行為
の時点で予見可能なものである限り、一般予防の考慮のために重要な役割たり
得るのである。

成瀬幸典「条件関係について」大野古希120頁は、事実的条件関係の確定に
より刑法上の因果関係の存否判断の対象となる行為が選択され、当該判断の
事実的基盤が確保されること、また逆に、事実的条件関係が認められない場合、
そのことだけを理由に、当該行為と当該結果との間の刑法上の因果関係を否定
しうることに鑑みれば、事実的条件関係の存否を「帰責限定の第1段階として
の条件関係論」として独自に論じる意義がある、とする。



249:氏名黙秘
10/03/20 18:23:54
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑩

過失犯において「合義務的行為の代置」の問題として議論されているのは、
「結果回避可能性」とは異なったことがらである、「およそ行為が行われな
かったとき」に結果が発生していたかどうかが条件関係の問題であり、その
限りで結果回避可能性の問題であるが、これに対し合義務的行為を代置した
ときに結果がやはり発生してしていたであろうかどうかは、過失犯の要件と
しての結果回避可能性の問題なのである。この2つの問題は区別しなければ
ならない。詳しくは、
井田良「薬害エイズ帝京大学病院事件第一審無罪判決をめぐって」ジュリスト30頁以下、37頁注(11)

たとえば、XがAを撃ち殺そうとしたところ、1秒早くYがAを撃ち殺したという
とき、「Yが現に生じさせた結果」と「Xが生じさせたであろう結果」とは別個
の結果であり、Yの行為と結果との間の条件関係が否定されてはなrない。
この問題についての詳しい研究として、
鈴木左斗志「刑法における結果帰責判断の構造ー犯罪論の機能的考察」学習院大学法学雑誌38巻1号109頁以下。

高山佳奈子「死因と因果関係」成城法学63号171頁以下は、
死因を殺人の結果そのものの属性として捉え、死因を形成する行為が殺人で
あり、死因を早めるにすぎない行為は傷害行為にすぎないとする。
これは構成要件解釈の問題であるが、死因を形成しない行為であっても殺人
行為と捉えなければならないことがあろう。たとえば、不作為犯がそうであり。
死因の形成を妨げ得たにすぎないというときでも不作為犯の成立を認めなければ
ならないことがある。また、作為犯の場合でも、死に行く過程を意図的に促進
した者や、たとえば心臓発作により死亡した被害者の持病の心臓発作にきっかけ
を与えた者は、死因を形成したとはいえないかもしれないが、殺人行為を行った
者である。死亡結果への寄与の程度が減少すればするほど、いわば傷害に近づく
ということにすぎない。


250:氏名黙秘
10/03/20 19:36:36
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑪

いわゆる択一的競合のケースの場合に条件関係を肯定すべきではないことに
ついては、井田・ケーススタディ88頁以下を参照。
なお、詳しい分析として、前掲・成瀬「条件関係について」121頁以下、
127頁以下がある。具体的結果の態様は単独の実行の場合と異ならないが、
双方の行為がともに結果に作用したという事案が理論的には観念し得るとする。

通説的な条件関係説と合法則的条件関係説とはその結論において常に同一に帰する。これに対し、
石川友佳子「刑事判例研究・救急医療を要請しなかった不作為と被害者の死の結果との間に因果関係が認められた事例」法学65巻2号176頁以下は、
合法則的条件関係説は、通説的な条件関係公式よりも、より広い範囲で条件
関係を認め得る見解であるとする。

成瀬・前掲「条件関係について」も、合法則的条件関係説を採用すべきだと
するが、通説的な条件関係公式がいかにミスリーディングであり得るかを
ほぼ決定的な形で解明していると思われる。
なお、合法則的条件関係説は、共犯論において問題となる心理的因果関係に
ついても、心理法則を用いる形で無理なく対応できるというメリットがある。

相当因果関係説に関する詳細な研究として、
 小林憲太郎『因果関係と客観的帰属」104頁以下
 林陽一『刑法における因果関係理論』104頁以下
がある。

リューメイン説については、山中敬一『刑法における客観的帰属の理論』129頁以下を参照。

251:氏名黙秘
10/03/20 20:11:53
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑫

平野龍一『犯罪論の諸問題(上)』42頁は、
当初の行為が十分に危険であれば、介入事情がなかったとすればおよそ同種
の結果が確実に発生していた状況にある以上は既遂を認めてよい、とする。

因果経過および結果発生の態様をある程度まで抽象化し、その限りで具体的
な介在事情を度外視したうえで、その経験的通常性を判断することは認めら
れてよい。-佐伯仁志「因果関係(2)」法学教室287号51頁。

辰井聡子「不適切な医療の介入と因果関係」上智法学論集43巻1号161頁以下は、
因果関係の基準を支配可能性に求めつつ、「人間の自由な意思は他人には支配
されないものである」という規範的テーゼがその考慮の中心にあるとする。
ここには、因果関係と正犯性の基準の混同が見られる。

治療にあたった医師の措置が不適切であったことから結果が発生した事例では、
その過失の大小が結果帰属の有無を決定することになる。ここでも単なる結果
発生の可能性ないし不適切な措置の行われる事実的可能性が問題なのではなく、
当初の行為者の寄与が大きく帰属を正当化する程度のものであるかどうかが
決定的なのである。
この点につき、前掲・辰井「不適切な医療の介入と因果関係」161頁以下の
分析も参照。

被害者自身が結果の発生を甘受していたのではない場合(死傷の結果発生に
ついて「故意」がなかった場合)について背後者を不可罰とし得るかどうか
(また、いかなる論理によって不可罰とし得るか)の問題については、
井田良「危険の引受け」『刑法の争点〔第2版〕』78頁以下を参照。



252:氏名黙秘
10/03/20 20:47:51
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑬

相当因果関係説は、その実質的基準を提供しないというばかりでなく、事実的
・統計的な可能性を手がかりとして実質的評価抜きに結論を導き得るような
見せかけを与える点に根本的な問題をもっている。
このことは、山中・前掲『刑法における客観的帰属の理論』とくにその第1章
と第2章において論証され尽くしていると思われる。

戦後のドイツ刑法学においては(日本とは異なり)「実行行為」の観念が育たず、
構成要件の客観面をかなり無限定なものと考える見解が一般的であった。この点につき、
井田良「犯罪論と刑事法学の歩みー戦後50年の回顧と展望」法学教室179号17頁以下を参照。

故意阻却を認めると故意未遂犯も否定せざるを得ない、とする批判が誤って
いることについては
井田良「因果関係の錯誤」『刑法判例百選Ⅰ総論〔第4版〕』33頁を参照。

通説は、故意の成立のためには、条文にあてはめて事実を認識することは重要
ではなく、構成要件該当事実の意味ないし性質に関する素人的理解、すなわち
「意味の認識」が必要であり、かつそれで十分と考えるのである。
意味の認識に関する詳細な研究としては、
高山佳奈子『故意と違法性の意識』がある。

薬物の有する高度の有害性とか法益侵害性とかの認識まで要求する見解として、
石井徹哉「故意責任の再構成」刑法雑誌43巻2号220頁以下がある。




253:氏名黙秘
10/03/20 21:14:34
>>240
1998年頃からって・・・
もういい年じゃん

254:氏名黙秘
10/03/20 21:26:37
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑭

依存性の有害薬物という点では共通する同種の薬物AとBのうち、Aのみについて
刑法的規制がなされているという場合があるとすると、客観的にはAについての
違反事実が存在するのに、行為者がそれをBであると積極的に誤信していたとき、
行為者には依存性の有害薬物という認識がありAとBとに共通する性質を知って
いたといえども、違反事実について故意ありとすることはできない。
ー高山・前掲『故意と違法性の意識』83頁、213頁
 中森喜彦「錯誤と故意」西原古希1巻437頁

しかし、もし依存性の有害薬物という認識があるにとどまり、それ以上の特定
がなされておらず、行為者としてはAを排除する趣旨でないのであれば、Aに
ついての故意は肯定されるべきである。この点につき、
ー井田良「覚せい剤輸入罪および所持罪における覚せい剤であることの認識の程度」判例評論384号215頁以下。

故意はもっぱら違法要素であって責任要素ではないと考えなければならない。
これに対して、故意を責任要素として位置づけなければ、違法の分量を責任の
分量へと媒介するものがなくなってしまうと主張するものがある。
ー佐伯仁志「故意・錯誤論」『理論刑法学の最前線』101頁以下
 高山・前掲『故意と違法性の意識』71頁以下

違法性の段階で、10の不法が基礎づけられたというとき、責任の段階では
そのうちのどれだけを主観的に帰責し得るかが問題となる。ブルンスが
「責任」に対し「帰責可能な不法」という古典的な定義を与えたのはまさに
その趣旨であった。
ーBruns,Das Recht der Statzumessung 2,Aufl,1985,S,145



違法性の

255:氏名黙秘
10/03/20 21:58:26
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑮

故意は確定的故意と不確定的故意とに分類される。前者は、ドイツで一般に
行われるように、2つに大別できよう。
ー前原宏一「故意概念における意的要素」行動科学研究51号163頁以下
 伊藤亮吉「目的犯における目的の違法性加重機能」早稲田大学大学院法研論集90号80頁以下

構成要件要素にあたる各事実についてそれを認識・予見したかどうかを問題に
することには意味があるが、それを意欲することは問題にならないことがある
(自分が公務員であること、売買にあたり客体が盗品であること、強姦の際に
相手が13歳未満の女子であることを「意欲する」ことはできない)。
ー高山・前掲『故意と違法性の意識』147頁以下を参照

不確定故意の一態様として、「条件つき故意」も議論の対象とされている。
ドイツの学説状況については、宮川基「条件的故意について」法学63巻3号35頁以下、4号39頁以下
が詳しい。

条件つき故意の問題の中心は、結果実現のため「行為者本人が一定の行為を
さらに行うこと」を何らかの条件にかからせている場合の処理である。
この点につき、
西村秀二「条件付故意」『刑法判例百選Ⅰ総論〔第4版〕』85頁を参照。

256:氏名黙秘
10/03/20 22:05:10 BGJclZg7
刑法の質問です。

事例
押尾学をイメージしてください。
①覚せい剤所持(使用)②保護責任者遺棄致死


(②がまだ証拠不十分なので、とりあえず)①で起訴して、懲役1年執行猶予3年が確定した。

その1年後、②を起訴し、懲役3年執行猶予5年が確定した。

この場合、結局どういう処理になるんでしょうか?
教科書にはどこにも書いていないのですが、
下図のように、ただ並列に考えれば良いだけでしょうか?

 123456
①←-→
② ←---→


そうすると、①②を同時に起訴した場合との差異があるような気がしますが、
やむを得ないのでしょうか?

257:氏名黙秘
10/03/20 22:06:22 BGJclZg7
お願いします。

258:氏名黙秘
10/03/20 22:07:09
>>254-257
ぴかぁ、いい加減諦めろよ
ブザマだよお前

259:氏名黙秘
10/03/20 22:10:45
>>256
併合罪の条文を嫁。

260:氏名黙秘
10/03/20 22:22:11
すごいな

261:氏名黙秘
10/03/20 22:27:29
田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑯

回顧的応報刑論にもとづき、結果無価値論を前提として、責任要素としての
故意と違法性の意識とを区別せず、故意の内実を「法益侵害性の意識」に
ほかならないとする
石井徹哉「故意責任の再構成」刑法雑誌43巻2号220頁以下は、
1つの首尾一貫した理論構成を提示するものである。

責任の段階では、規範意識による動機づけの制御が可能であったか、どの程度
可能であったかが問題となり(ここでは可能性の程度のみが問題であり、可能性
の質的相違は存在しない)、ここではじめて違法性の意識の可能性が考慮される。
ー井田良『犯罪論の現在と目的的行為論』30頁以下

高山・前掲『故意と違法性の意識』は、故意を特別予防の観点から、違法性の
意識の可能性を非難可能性の観点から、それぞれ責任要素として位置づけている。
しかしながら、故意はあるが違法性の意識の可能性が存在しなかったというとき、
非難はできないとしても特別予防(行為者の再社会化)の必要性は肯定される、
とするのはいかにも奇異な結論である。







262:氏名黙秘
10/03/21 11:50:41
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑰

法定的符合説・具体的符合説の対立をめぐる論点を包括的に検討し、鋭いメス
を入れた研究として
鈴木左斗志「方法の錯誤について」金沢法学37巻1号69頁以下が重要である。

「Aに向けられた故意」を「Bに向けられた故意」として評価することは、構成
要件内で符合を認めることを意味するのではなく、まさに構成要件を超えて別
の構成要件のために故意を「流用」することにほかならない。その意味において、
法定的符合説が前提とする構成要件の理解は過度に抽象的なものといわざるを
得ない。
以上の趣旨を山口厚『問題探究 刑法総論』119頁は、法定的符合説は、
「構成要件的評価と故意にとっての認識事実の重要性の評価とを連動させて
いない」と表現している。

間接正犯や離隔犯、さらに共犯の場合、故意を阻却しない客体の錯誤と、故意
を阻却する方法の錯誤とを区別することはしばしば困難である。
共犯の錯誤の場合については、
井田良「被教唆者の客体の錯誤と教唆者の故意」法学研究65巻12号43頁以下
において検討を加えた。

具体的符合説の主張者は、行為者が客体を視覚的に特定していなかった場合に
つき、「その人」という視覚的特定が機能しないことから、法益主体による
同一性の特定、すなわちAさんかBさんかという「名前」による特定を基準と
すべきだという。
ただし、「同一性の特定」すなわち「名前による特定」とは必然的にはいえない。
この点につき、
専田泰孝「具体的事実の錯誤における攻撃客体の特定と故意の範囲」早稲田法学74巻4号519頁以下を参照。



263:氏名黙秘
10/03/21 11:54:44
>>260
ボクちゃん、なにがすごいの?

264:氏名黙秘
10/03/21 12:30:52
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑱

Xは1人暮しと信じていたAを殺そうとして、Aの自家用車に爆弾を取り付けたが、
意外にもAの妻Bが車を運転したため、Bが死亡した。
このケースにおいて、B死亡の結果につき故意を認めてよいと考えられるのは、
行為者Xの認識事情を前提としても、A以外の人が被害に遭う結果をとうてい
排除できないからである。
すなわち、行為者がそこまでの事情を認識していれば、行為者による客体特定
にもかかわらず、発生結果にも実現意思が及んでいたとして重い規範違反の
評価を下してもさしつかえないということなのである。
鈴木・前掲「方法の錯誤について:135頁以下は、現実の出来事の経過を
かりに行為者が表象したとき、行為者の立場から、「結果発生の予見が与え
られたかどうか」が基準となるとするが、本稿の基準によるときとほぼ同一
の結論に至ると解される。また、
安田拓人「錯誤論(上)」法学教室273号71頁
の基準も、本文のそれと同一に帰すると解される。

早すぎた構成要件実現の判例と学説については、
佐藤拓磨「早すぎた構成要件実現について」法学政治学研究63号225頁以下
が詳しい。
学説においては、殺人既遂を肯定できないとする見解もかなり有力である。
山口厚「実行の着手と既遂」法学教室293号109頁以下。

265:氏名黙秘
10/03/21 12:41:20
>>262
> 「Aに向けられた故意」を「Bに向けられた故意」として評価することは、
> 構成要件内で符合を認めることを意味するのではなく、まさに構成要件を
> 超えて別の構成要件のために故意を「流用」することにほかならない。
> その意味において、法定的符合説が前提とする構成要件の理解は
> 過度に抽象的なものといわざるを得ない。

これって法定的符合説だからだめと言ってるに過ぎない。

266:元ヴェテ院生参上 ◆JEhW0nJ.FE
10/03/21 13:00:47
>>265
その通り。
井田の立場は「修正された具体的符号説」だから。
井田・理論構造92頁~96頁

267:氏名黙秘
10/03/21 13:59:07
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑲

実行行為性の判断、つまり未遂犯の成否(行為の危険性の判断)における故意
の内容と、発生結果についての故意既遂犯の成否の判断において問題となる
故意の内容とは異なる。この点につき詳しくは、
井田良「故意における客体の特定および『個数』の特定に関する一考察」法学研究58巻9号39頁以下を参照。
したがって、第1行為の時点において、およそ故意があり、結果発生の危険性
もあるという理由で、当然に実行の着手を肯定することは誤っているとといえよう。
これに対して、最決平16・3・22に関する
吉川崇「実務刑事判例評釈〔118〕」警察公論2004年9月号112頁を参照。

法定的符合説の主張者のなかには、行為者が認識した客体の数以上の数の故意
犯の成立を認めることをきらって、故意の成立をいずれかの客体との関係のみ
に限定しようとするものがある(一故意犯説)。
しかし、どの客体に限定して故意を認めるかの基準については諸説があり、
帰一するところがない。詳しくは、
井田良「構成要件該当事実の錯誤」『刑法基本講座第2巻』237頁を参照。

一故意犯説に対する批判を踏まえて再びこの見解を擁護する論文として、
福田平「方法の錯誤と故意の個数についての覚書」東海法学17号157頁以下がある。

故意の個数の問題に関しては、具体的符合説がまさっているようにも見えるが、
この説によっても解決の不可能なケースは存在する。
佐伯仁志「故意・錯誤論」『理論刑法学の最前線』115頁以下を参照。
それどころか、故意の個数の問題は具体的符合説にこそ困難な問題をもたらす、とするのは
前掲・鈴木「方法の錯誤について」104頁以下である。

268:氏名黙秘
10/03/21 14:41:34
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)⑳

行為者が「翻訳された言葉」で構成要件の意味内容を認識していれば(いい
かえれば、特定の処罰規定を行為状況に向けて具体化したした規範と、行為者
が理解した事情を前提にそれを一般化した規範とが一致すれば)故意が認められる。
福田平「行政犯における事実の錯誤と法律の錯誤との限界」判例タイムズ1004号10頁も、
故意の成立に必要な事実認識の程度は、「規範の問題が具体的に与えられる」
程度のものであることを要するとしている。

・・・そのことは、38条2項を根拠にして「構成要件の拡張」を許容し、
重い犯罪(公文書偽造罪)の客観的構成要件を、軽い犯罪(私文書偽造罪)
の客観的構成要件といて代用することを認めることにほかならない。
このような意味で、抽象的事実の錯誤の問題は、もはや故意論の例外的場面
というにとどまらず、犯罪論の例外的場面というべき内容を含んでいる。
この点について、
中森喜彦「錯誤と故意」西原古希1巻435頁以下
安田拓人「錯誤論(上)」法学教室273号72頁以下

さらに、日高義博『刑法における錯誤論の新展開』特に2頁以下、41頁以下、250頁以下は、
この見地を徹底させ、錯誤論が適用される領域は正面の故意論が機能しない
特別な犯罪領域であるとし、もっぱら処罰の不均衡の是正という考慮が正面
に出ると主張して抽象的符合説を支持する。


269:氏名黙秘
10/03/21 15:13:02 SmNtlT+X
ここまで旧試合格の証拠なし。

270:氏名黙秘
10/03/21 15:32:12
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)21

学説においては、38条2項にもとづき「構成要件の修正」が認められ、
軽い罪の構成要件該当事実が存在しなくても重い構成要件該当事実がそれに
代替する(重い罪の客観的構成要件該当事実が存在することによって
軽い罪の客観的構成要件が充足される)という理由づけが示されている。
たとえば、
町野朔「法定的符合について(上)」警察研究54巻5号16頁以下。

なお、中森・前掲「錯誤と故意」430頁は、
これに対し批判的であるが、構成要件の修正ないし拡張という理論構成に訴え
ざるを得ないこと自体はおよそ否定できないように思われる。

法的同価値性という観点に立てば、詐欺罪と恐喝罪は相手の瑕疵ある意思に
もとづいて財物を交付させる犯罪であることにおいて共通し、立法論としては
同一の条文にまとめて規定することも不可能ではない。
それらは「違法類型」としては異なるとしても、その相違は財産保護という
立法者の主たる目的からは重要でないと解されるのである。
この点につき、
林幹人『刑法の現代的課題』91頁以下が
示唆に富む。

たしかに、故意の成立を認めるためには、構成要件該当事実の認識が不可欠である。
ー山口・『問題探究』146頁以下

林・前掲『刑法の現代的課題』95頁は、
公文書の有形偽造と無形偽造との間では、保護法益が異なることから符合は
否定されるとする。しかし、それは法益の実質をあまりにも法技術的に把握
するものといえよう。


271:氏名黙秘
10/03/21 15:44:57
>>269
随分前のスレで「試験合格よりも刑法を極めることに目標があった」ので
ヴェテになってしまったと自白していた。





272:氏名黙秘
10/03/21 15:51:08
コバケンの刑法的帰責を脚注含めて解説出来る位にはなったんだろうな

273:氏名黙秘
10/03/21 16:34:11
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)22

新旧過失論の主張をきわめて明快にまとめたものとして、
土本武司『過失犯の研究ー現代的課題の理論と実務ー』

Xが自動車を運転して交差点にさしかかったところ、信号が青だったので直進
したが、Yの運転する車が自己の車線の赤信号を無視して左側から交差点に
進入してきてXの車にぶつかり、Yが死亡したとしよう。
旧過失論の体系においては、Xは法益侵害行為を因果的に惹起した以上、Xの
行為は違法と評価されざるを得ないが、ただ結果発生の予見可能性がなく責任
がないというのにすぎないことになる。
しかし、交通規則を守って安全に車を運転する行為が、違法な行為、すなわち
「法によって禁じられた行為:と評価されるのはいかにも奇妙なことである。
結果無価値論に立つ
木村光江「結果無価値論と行為無価値論の対立の構造の意義と射程ー結果無価値論の立場からー」34頁注(38)も、
この事例においてXの行為を違法と評価するとは不当であると考えるようである。

旧過失論の内部において、上のような不当な結論を避けるため、「許された
危険」の理論が形成された。これは、過失犯を念頭においた違法性阻却事由
として「許された危険」の観念を認めることにより、上のXの行為のように
客観的に要請された注意義務を遵守した行為を適法と評価しようとするもの
である。
しかしながら、結果無価値論の基本思想に忠実である限り、上の交通事故の
ケースのような事例で違法性を阻却することは困難であると考えられるし、
かりにそれが可能であるとしても、そのことは単に上記のような「許された
危険」の領域においてのみ認められるものではなく、過失犯全般にわたって
妥当すべきものであろう。
ー福田平『新版刑法の基礎知識(1)』128頁以下

危惧感説は「およそ何らかの悪い結果が発生し得るという漠然とした危惧感」
があれば足りるとする。
ー藤木英雄『過失犯の理論』

274:氏名黙秘
10/03/21 16:47:46
>>272
コバケンの『刑法的帰責』は5回熟読しましたが、いまだに理解できません。
理解できたら、成果をご披露したいと思います。



275:氏名黙秘
10/03/21 17:15:37
あーあ、あんなこと書くんじゃなかったよ。
支離滅裂でかえってよかったかな。
難解なのを有り難がってる学生もいるらしいから。
まあ、とにかく、なんとか目にふれないようにしなきゃ。(コバ)

276:氏名黙秘
10/03/21 17:28:44
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)23

作為犯については、その行為をやめることのできる主観的能力が要件となるが
それは行為能力の問題として違法要素であり、しかもただその行為をやめれば
よいだけのことであるから、ごく稀な場合をのぞいては特別な身体的能力が
必要となるわけではない。
このことを明らかにしたのは、
Armin Kaufmann,Das fahrlassige Delikt,Zeitschrift fur Rechtsvergleichung,1064,S,47
である。

客観的注意義務の理論に対しては、一般人以上の能力(たとえば、特にすぐれた
技術)を持った人を不当に有利に扱うことになるという点も批判されている。
この点について詳しく検討したものとして、
井田良「過失犯における『注意義務の標準』をめぐって」刑法雑誌42巻3号333頁以下

井田良「薬害エイズ帝京大学病院事件第一審無罪判決をめぐって」ジュリスト1204号26頁以下
新過失論のいう客観的注意義務とは、行為者の立場に置かれた一般通常人に
遵守が要求される行動準則のことであり、それが過失判断の基準とされるべき
であるのは、国民に対し可罰的違法行為の内容を告知し、事前における刑罰権
発動の予測可能性を保障するという罪刑法定主義の要請と、一般通常人に対する
法益侵害行為の回避の義務づけを通じての一般予防の要請とを、過失犯処罰
の場面においても実現しようとするためなのだからである。


277:氏名黙秘
10/03/21 18:35:13
>>271
キチヴェテのキャラ付けなんぞ証拠になりゃしませんが

278:氏名黙秘
10/03/21 19:35:12
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)24

目の前の人を熊だと信じてこれを撃とうとする人をその行為から遠ざけさせる
ために、「人を殺すな」という、故意行為を禁止する規範を差し向けてもそれ
は無意味である。
その行為者には人という認識が欠けている以上、当の本人の認識する事情の
もとでは「人を殺すな」というのは理解不能な命令でしかない。
「刑罰の威嚇はいわば行為者の周辺を無益に通過するのみなのである」
ー田宮裕「過失に対する刑法の機能」同『刑事法の理論と現実』103頁

注意すべきことは、条文と(条文からその解釈を通じて導かれる)構成要件
とは同一ではないということである。
ー井田良『犯罪論の現在と目的的行為論』66頁以下
 松原芳博「犯罪論における『構成要件』の概念について」西原古希第1巻48頁以下

ドイツにおいても、構成要件と違法性阻却とを体系的に分離する見解が通説である。
Hans Joachim Hirsch,in:Leipziger Kommentar,11. Aufl,1994 VOr§32 Rdn.5 ff.
およびそこに引用された文献を参照。

刑法36条の正当防衛規定については「行為規範相互の衝突を調整するメタ規範」
として裁判規範にすぎないとする見解もある。
Karl Heinz Gossel,Uberlegungen zum Verhaltnis von Norm,Tatbestand und dem Irrtum uber das Vorliegen eines rechtfertigenden Sachverhalts,in:Festschrift fur Otto Triffterer zum 65.Geburtstag,1996,S.97 ff.




279:氏名黙秘
10/03/21 21:11:13
>>278
井田があえて消極的構成要件を採るのはなぜだろう。

280:氏名黙秘
10/03/21 22:00:53
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)25

36条1項もまた行為規範の一部であるとすれば、「『人を殺してはならない』
などの規範は、いうまでもなく、『正当防衛その他一定のばあいを除いては』
という限定がついているのである」と考えるべきことになる。
「」内:団藤重光『刑法綱要総論 第3版』340頁注(一)

消極的構成要件要素の理論を採らない
西原春夫『犯罪実行行為論』55頁以下も、
許容命題は禁止規範の一部をなす、と論じる。

最近、2段階的犯罪論体系を詳細に根拠づけたモノグラフィーとして
Klaus Rinck,Der zweistufige Deliktsaufbau,2000
が公刊された。

消極的構成要件要素の理論を主張するのは、
中義勝『誤想防衛論』
葛原力三「消極的構成要件要素の理論」中古希67頁以下

違法一元論によると、構成要件に該当しない行為のなかには、刑法的には可罰的
ではないが違法である行為が含まれることになるが、これに対し、違法性を阻却
される行為はそのすべてが全法領域との関係で完全な適法行為ということになる。
もしそうであれば、このように性格を異にする構成要件と違法性阻却事由とを
一体化することはできないとされることもよく理解できる。この点につき、
Walter Gropp,Strafrecht Algemeiner Teil,2.Aufl.2001,S.169f.を参照

281:氏名黙秘
10/03/22 08:06:53
>>279
錯誤や誤想防衛の処理に適しているからじゃない?
よく分からんけど。

282:氏名黙秘
10/03/22 09:23:07
>>279
故意過失が責任要素でないとして、
しかも、構成要件も違法性阻却も刑法上の行為規範であると考えると、
構成要件と違法性阻却とは、
同じ実質をもつものを積極―消極に分けたにすぎないということになるから。

283:氏名黙秘
10/03/22 10:36:35
238条の「窃盗」に窃盗罪の共犯(教唆犯・幇助犯)は含まれますでしょうか?

284:氏名黙秘
10/03/22 11:12:00
>>283
含まれない

285:氏名黙秘
10/03/22 11:39:21
>>284
確かに、窃盗の幇助犯(例えば見張り)が逮捕逸脱目的でぼこったらいっきに
強盗罪にレベルアップするのはなにかおかしいような気がするんですが、いまいち理由がわかりません。
「窃盗」とは窃盗犯人をいう、とされているんですが、
窃盗の幇助犯は窃盗犯人ではない。…ですかね。
教唆犯が240条所定の目的をもって暴行脅迫する場面は想定し難いが、ないともいえないしなあ。
窃盗の共犯は窃盗犯人ではない。…んですかね?


286:氏名黙秘
10/03/22 11:57:03
>窃盗の幇助犯は窃盗犯人ではない。
これで終わり。
「窃盗」に共犯を含むかどうかで悩むのも結構だが、
教科書で議論されないってことは意味のない発想だってことでしょ。

287:氏名黙秘
10/03/22 12:00:17
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)26

>>279
>>282で言いつくされてますが、正当防衛も一つの行為規範と見做したことが
大きいと思います。
つまり、36条1項は「正当防衛を行うときは、こういうときにこの程度で
やりなさい。それを超えると過剰防衛として罰されますよ」という意味で
行為規範の一部なのです。
そうすると、構成要件の判断と違法性の判断との質的相違は否定されます。
それにしても、「蚊を殺すこと」と「正当防衛で人を殺すこと」とでは、
違法性がないという意味で同一である、と断言されると抵抗がありますね。

同一主体に属する複数の法益が客観的な比較衡量を許さないときにも、推定的
同意の法理は緊急避難と区別された独自の意味を有する。
たとえば、事故で傷害を負い意識不明のまま病院に搬入された被害者の同意を
推定して、危険を伴う救命手術を行う場合である。緊急避難による正当化も可能であろうが
たとえば Gunther Arzt,Kleiner Notstwnd bei Kleiner Kriminalitsat?,in:Festschrifft fur Jorg Rehberg,1996,S.27を参照
客観的な法益衡量による正当化を承認するのではなく、本人の同意を推認する
という理論構成の方がベターであると思われる。

一定の危険を持つ行為につき危険にさらされる者がそのことに同意していた
ことを理由として、その限りで被疑者の法益の刑法的保護を否定することは
可能であるように思われる。
実行行為とは、許された危険を上回る危険を持つ危険行為であるが、その危険
への同意により、その危険にさらすことが適法化されると考えるのである。
詳しくは、井田良「危険の引受け」『刑法の争点〔第3版〕』78頁以下を参照。
なお、危険引受けの問題についての詳細な研究として
塩谷毅『被害者の承諾と自己答責性』
が重要である。


288:引用文献リスト(コメント付)の中の人の正体
10/03/22 12:35:22
殺人レスマニアのぴかぁ(=元ヴェテ参上、サイコパス、波平等)にご注意

■謙抑主義@山口厚の高度な解釈論/刑法の勉強法■17での活躍
URLリンク(p2.chbox.jp)
URLリンク(p2.chbox.jp)
■自称司法試験合格者としての実力を発揮
URLリンク(p2.chbox.jp)
URLリンク(p2.chbox.jp)
■「生半可な法学知識を振り回す鼻持ちならなさに我慢できずに反論していたら、いつの間にかこうなっていたという。」
URLリンク(p2.chbox.jp)
■日本の国語教育を自演信者と共に考える
URLリンク(p2.chbox.jp)
■自演擁護作戦「軍隊アリ in 刑法の勉強法■26」
URLリンク(p2.chbox.jp)
■オイラは人気者
URLリンク(p2.chbox.jp)
URLリンク(p2.chbox.jp)
■哲板の有名キチコテ「ぴかぁ」が中の人
スレリンク(philo板:399-412番),452-453,456,474,491,500,763,765,773,778-779,811-815,818,820-825
URLリンク(p2.chbox.jp)(↑が見られない人向け)
■醜態コレクション
URLリンク(p2.chbox.jp)(殺人スレ)
URLリンク(p2.chbox.jp)(東スレ・自己宣伝スレ)
URLリンク(p2.chbox.jp)(カントは合理論/「貨幣は国が管理してる」発言に反発)
URLリンク(togetter.com) 確率と現象の違いを理解できないバカ
■主な出現場所 哲学板 何故、人を殺してはいけないのか?、東スレ/司法試験板 勉強法関連

289:氏名黙秘
10/03/22 14:39:50
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)27

違法性阻却事由を構成する前提事実、とりわけ正当防衛および緊急避難の前提としての法益侵害の
危険性については客観的な判断(事後判断)により決し、防衛行為の必要性などの行為に関連した
要件については一般人を基準とする行為時の判断(事前判断)により決すべきだとするのは
Hirsch,Strafrechtliche Probleme,1999,S.557 ff.mit Fusn.11.

学説においては、違法性阻却の原理を一般的に説明する原理とは何かをめぐり議論がある。
たとえば、目的説、社会倫理説、社会的相当性説、法益衡量説、優越的利益説などの諸見解
が対立している。詳しくは、
塩見淳「違法性・違法性阻却の一般原理(下)」法学教室266号102頁以下

これらの学説は、その提示する原理の内容が漠然としておりかつ曖昧であってそれらが
どれだけ実質的な意味を持つかは疑問である。この点について、
Hirsch,in:Leipziger Kommentar,Vor§32 Rdn.47f.
を参照。違法性阻却の一般的原理を明らかにすることを断念するのがドイツの
学説の通説であるとする。

かりに現在する侵害を排除して正当な利益を保全するための行為であっても、国家機関を通じての解決が優先すると考えられるために正当防衛も緊急避難
も認められないことがある。この点につき、
井田良「緊急避難の本質をめぐって」宮澤古希第2巻275頁、278頁注(3)を参照

違法性阻却の原理を明らかにするにあたっては、むしろ、行為無価値(すな
わち行為基準の提示)と結果無価値(結果としての法益保全の有無)という
判断形式の大枠を前提として、個々の違法性阻却事由を支える基本的原理を
より多元的に明らかにしていく(その上で、原理の全体を統合的に整理し
相互の調整を図る)ことが必要となると思われる。
ドイツの学説のなかでこのような方向を示すものとして、
Jescheck/Weigend,des Strefrechts Allgemeiner Teil,5.Aufl. 1996 S 326
Roxin,Strefrecht Allgemeiner Teil, Band 1.3.Aufl.1997,S 516ff.


290:氏名黙秘
10/03/22 16:00:28
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)28

ドイツにおいては、このような法領域ごとの違法の相対性を否定する違法
一元論が現在でも支配的であるのに対し、わが国の通説は違法の相知性を
肯定する。学説の状況について、ドイツの通説を代表する
Hirsch in:Leipziger Kommentar,Vor§ 32 Rdn.10
と、反対説を代表する
Gunther,Strafrechtwidrigkeit und Strafunrechtsausschlus 1983;ders., Klassfikation der Rechtfertigungsgrunde im Strfrecht,in:Festschrift fur Gundter Spendel,1992,S.189 ff.を参照。

違法性阻却事由にあたる事情が現実には存在しないのに、行為者はそれが存在
すると誤信しつつ構成要件該当事実を実現したとき、構成要件に該当する客観
的事実の認識はある(したがって構成要件的故意はある)としても、しかし
違法性阻却事由にあたる事情があわせて認識されているため、行為者の直面
している事実は「適法な事実」にほかならない。このような認識内容をもって
故意(すなわち、38条1項にいう「罪を犯す意思」)と呼び得るかどうかが
問題となるのである。この点について、
斉藤信二「名誉毀損罪は故意犯に限られないのか」西原古希3巻181頁を参照。

違法性阻却事由の錯誤は違法だが(故意の)責任がないとする責任故意阻却説
の体系的な取り扱いにはそれなりの理由があるとしても、構成要件的故意の
観念を認めることと責任故意阻却説を採ることが両立するかどうかには疑問が
ある。違法性阻却事由の錯誤のケースにおいて、誤信について過失があった
とき(いいかえれば、注意すれば錯誤を避けられたとき)過失犯の成立を認め
なければならないが、いかなる意味において過失犯の成立を認めることができ
るかが明らかでないからである。
たとえば、誤想防衛においては、構成要件的故意は認められ、故意犯の構成
要件該当性は肯定されるのでるが、故意犯の構成要件に該当する行為(すな
わち、過失犯の構成要件には該当しない行為)についてなぜ過失犯の成立を
認めることができるかが問題となる。以上の点につき、
中義勝『誤想防衛論』1頁以下を参照。

291:氏名黙秘
10/03/22 16:04:23
いわゆる佐伯仁志のいう大は小を兼ねるの説明は結果無価値体系にしか妥当しないわな。

292:元ヴェテ院生参上 ◆JEhW0nJ.FE
10/03/22 16:45:56
>>290
>わが国の通説は違法の相対性を肯定する。

若干異議がある。
わが国の通説は「違法行為に対する法律効果の相対性」は認めるが
それをもって「わが国の通説は違法の相知性を肯定する」とするのは
早計ではないか。
各法領域によって判断がばらばらであるとすると、国家の法秩序の内部で
評価が矛盾することを認めることになり、法秩序の統一性を保てないので、
原則として、「違法性の統一性」が確保されなければならない。
(やわらかな違法一元論:山中・松宮・林)
徹底した違法多元論は前田教授のみではないか。



293:氏名黙秘
10/03/22 17:56:40
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)29

故意犯と過失犯の構成要件を同質ないし重なり合うものとすることが可能で
あるようには思われない。過失犯の構成要件は、故意犯とは異なった独自の
行為規範違反が肯定されることによりはじめて充足されるものだからである。
また、それは行為準則の提示の意味を持つものでなければならず、客観的帰属
の要件に解消することはできないのである。
ーIda,Inhalt und Funktion der Norm beim fahrlassigen Erforgsdelikt,in:Festschrift fur Hans Joachim Hirsch,1999,S.225 ff.

公共的法益のためには正当防衛も緊急避難も認められるべきではないと解する。
それは、公共的法益のため正当防衛や緊急避難を一般的に肯定するときに法
秩序にとり生じるリスク(マイナス利益)が、それにより得られるプラス利益
を上回ると考えられるからである。
Gunther Arzt,Kleiner Notstand bei kleiner Kriminalitat?

年少者や精神障害者のように責任がないか減弱した者による攻撃、さらに、
被攻撃者と特別な関係にある者(たとえば親族など)による攻撃に対しても
事情により反撃は制限されるというべきだろう。
この問題についての詳しい研究として
斉藤誠二『正当防衛権の根拠と展開』(1991年)
山中敬一『正当防衛の限界』(1985年)

事後的な法益侵害のバランスは問題とならず、その行為そのものが必要最小
限度のものであればよいのである。しかし、必要性と相当性の意義および
両者の関係については異なった見解が存在している。詳しくは
林小径「正当防衛における必要性・相当性」法学研究73巻8号(2000年)80ページ以下




294:氏名黙秘
10/03/22 18:50:31
>>292
そうだな。団藤もやわらかな違法一元に入れていいだろうな。


295:氏名黙秘
10/03/22 18:56:44
自分よりも賢い人が登場して嫉妬するヴェテ
ワロスw
それにしても刑法マスターって人は賢かったな

296:氏名黙秘
10/03/22 19:28:10
◆最高裁判事(着任順)
堀籠 幸男  東京大卒
古田 佑紀  東京大卒
那須 弘平  東京大卒
田原 睦夫  京都大卒
近藤 崇晴  東京大卒
宮川 光治  名大院了
桜井 龍子  九州大卒
竹内 行夫  京都大卒
竹崎 博允  東京大卒
金築 誠志  東京大卒
須藤 正彦  中央大卒
千葉 勝美  東京大卒
横田 尤孝  中央大卒
白木  勇  東京大卒
岡部.喜代子 慶大院了 (4月12日~)

297:氏名黙秘
10/03/22 20:23:55
>>295
そんな自演してももう誰も騙されませんよキチヴェテさん

298:氏名黙秘
10/03/23 01:12:18
すいません、どうしてもわからないので質問します。
AがBの飲み物に致死量の毒を盛った後、Bは自殺する意図で自らも致死量の毒を飲み物に入れ、それを飲んだBが死亡した場合、Aの罪責はどうなるんでしょうか?


299:氏名黙秘
10/03/23 01:26:48
>>298
殺人罪

300:氏名黙秘
10/03/23 01:35:00
>>299
その場合因果関係はどのように捉えるのですか?


301:氏名黙秘
10/03/23 01:43:17
>>300
条件関係の修正

あれなければこれなし
「A」の行為がなければBの死なし、とはいえない
※Aが盛らなくてもBが毒を盛ってるから、Bの死がある

修正
「AB」の毒を盛る行為がなければBの死なし、とはいえる

条件関係あり

302:氏名黙秘
10/03/23 06:48:24
>>295
>>292>>290は自分じゃないと思わせるためのヴェテの高等テクニックだよ。

303:氏名黙秘
10/03/23 07:52:27
>>292>>290>>292>>290

304:氏名黙秘
10/03/23 11:00:29
>>300

その様な条件関係の修正が許される根拠、理由が良くわかりません。無制限に許されるなら、条件関係については、修正する事で、常にあるという事になると思われるのです。
また条件関係があるとしても、因果の経過が不明である事から絞りをかける必要はないのでしょうか?
殺人未遂の成立する余地はないのでしょうか?



305:氏名黙秘
10/03/23 11:01:17
すいません。>>301です。


306:氏名黙秘
10/03/23 12:35:37
>>304
よく説明されるのは、半分づつの毒を盛った場合には

あれなければこれなし
Aが毒を盛らなければ、Bが盛った毒だけでは死に至らないため、死の結果なし
条件関係あり

行為として致死量の半分の毒を盛った場合には因果関係あり
致死量の全部の毒を盛った場合には因果関係なし
後者の方が悪性は強いからバランスをとろう
そして、この前者が想定できるかぎりで条件関係の修正の限界をつけよう
(※もちろんこれに対する反論は容易。A半分B全部のケースを想定)

この説明は、結論の妥当性ははかれるのが利点

余談だけど高速道路に走って逃げ込んだ判例は、この話の応用

307:氏名黙秘
10/03/23 13:00:28
悪性が強いからバランスとって因果関係あり
滅茶苦茶な論理だな

308:氏名黙秘
10/03/23 14:11:26
>>307
そこ否定?

否定すべきは共犯関係がなく、207もない殺人罪で「AB」を一緒に扱う不合理じゃない?
そうして条件関係を合法則的に構成し直す流れに行く

または自殺を適法と考えて、法益侵害がないから結果がない
因果関係の問題ではないと言うか

309:氏名黙秘
10/03/23 17:10:40
>>302
>>290>>292>>295>>302=ヴェテだろ
いい加減卒業しろよキチガイゴッコは

310:氏名黙秘
10/03/23 21:01:00
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)30

Xが嬰児をYに向けて投げつけたという事例において、Yはその嬰児に対し
正当防衛ができる(したがって、Yは侵害を回避できても回避する必要はなく
身体に対する危険を避けるために嬰児の生命を奪うことも許される)という
結論を承認するのは
ー山中敬一『刑法総論Ⅰ〔初版〕』453頁

従来のような、正当防衛か緊急避難かという問題の設定では不十分であり、
正当防衛と緊急避難の中間に防衛的緊急避難のカテゴリーを認め、いわゆる
対物防衛は防衛的緊急避難の問題とすべきなのである。
ー佐伯仁志『刑法と民法の対話』(2001年)258頁以下
 橋田久「侵害の不正性と対物防衛」現代刑事法2巻1号(1999年)37頁以下
 町野朔「可罰的違法性の理論」法学教室207号(1997年)10頁

最決昭和52・7・21は、あらかじめ侵害を確実に予期し、かつ、この機会
を利用して積極的に相手に対して加害行為をする意思(積極的加害意思)で
侵害に臨んだというときには「急迫性」の要件が否定され、正当防衛は成立
しないとするのであるが、この判例の理解につき、
ー橋爪隆「不正の侵害に先行する事情と正当防衛の限界」現代刑事法2巻1号(1999年)28頁以下を参照

わが国で「喧嘩と正当防衛」が議論されるように、ドイツでは「みずから
招いた正当防衛状況」をめぐってさかんな議論がある。ドイツの議論の状況については
ー斉藤・前掲『正当防衛権の根拠と展開』
 山中・前掲『正当防衛の限界』

合法的な緊急行為と原則として違法な自力救済との限界は相対的・流動的である。
公的機関による救済を優先させるべきか、それを待つことを当事者に期待
できるかどうか、いかなる法益に対しどのような侵害ないし危険があるか、
によって決せられることになるといえよう。この点につき、
ー井田良「緊急権の法体系上の位置づけ」現代刑事法6巻6号(2004年)5頁以下

311:氏名黙秘
10/03/23 21:48:07
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)31

違法な攻撃者の法益や受刑者等の法益の要保護性は、正当防衛行為者や刑の
執行者等との関係で否定されており、その結果受忍義務が生じると考えられる。
ー藤木英雄『注釈刑法(2)の1総則(2)』264頁以下
これを「被侵害法益との関係での保全法益の要保護性の欠如」ではなく、
「危難の不存在」により説明しようとする見解もある。
ー町野朔=辰井聡子「不法入国と緊急避難」現代刑事法1巻7号(1999年)79頁以下
しかし、なぜ「危難」の存在が否定されるかの根拠を問えば、法益の要保護性
が否定されることに帰着せざるを得ないであろう。

法益衡量説と区別された「利益衡量説」は、それぞれの利益の具体的な要保護性
や利益侵害の危険の程度などを含め考慮した上で、避難者側の利益の方が優越
する場合として緊急避難を説明する。この点につき詳しくは、
ー小名木明宏「緊急避難における利益衡量と相当性についての一考察」法学研究67巻6号(1994年)26頁以下

緊急避難における利益衡量については、
ーGunther Arzt,Kleiner Notstand bei kleiner Kriminalitat?

ミニョネット号事件については、
ー森下忠『緊急避難の比較法的考察』(1962年)

攻撃的緊急避難と区別された「防衛的緊急避難」については、
ー小田直樹「緊急避難と個人の自律」刑法雑誌34巻3号(1995年)337頁以下
 吉田宣之『違法性の本質と行為無価値』(1992年)102頁以下
 同「防御的緊急避難の再検討」西原古希第1巻(1998年)311ページ以下


312:氏名黙秘
10/03/23 23:46:18
文献リストのキチガイがウザすぎる。
個人のページでやってくれるなら、有益なんだろうが、2chでやるのは空気読めてない。
どうせ2chでやるなら、西田総論・各論の改訂で学説を改めたところをリストアップしてくれた方が
よっぽど喜ばれると思うのだが。

313:氏名黙秘
10/03/23 23:51:21
あれ、なんかこの前まで違うひとが文献のリストアップをしてなかったっけ
ニュー釜ーかな?
それとも同一人物?

314:氏名黙秘
10/03/24 08:45:10
>>308
だから不合理だと感じるのは、上の理論が悪性が強いから因果関係を肯定する
って言ってるのと同じだからだろ?
否定してる場所は同じだよ

315:氏名黙秘
10/03/24 14:22:40
消極的構成要件の理論って少数説ですよね。

しかし、違法性の意識(の可能性)を故意ではなく責任の要素としつつ(責任説)、
正当化事由の錯誤があった場合に故意犯を認めない見解(制限責任説)は、
「消極的構成要件」という呼称こそ使っていないものの、
実質的には消極的構成要件の理論と同じ発想をしているのではないでしょうか?

消極的構成要件の理論を明示的に採用する井田説は別として、他の制限責任説の論者は
「構成要件該当事実の認識・認容があれば(構成要件的)故意がある」ことを認めつつ、
「正当化事由の錯誤があったときは構成要件的故意があるとはいえない」という結論を、
消極的構成要件の理論を用いずにどうやって導いているのでしょうか?

316:氏名黙秘
10/03/24 14:24:22
井田はそこがおかしいと言っている
ところで、消極的構成要件「要素」の理論だから間違えないように

317:氏名黙秘
10/03/24 14:24:41 xpKomK+W
山口って択一的競合で条件関係を否定しているけど
結論としては殺人未遂罪成立、殺人罪は無罪ってことなの?

318:氏名黙秘
10/03/24 14:26:16
正当化事由の錯誤があったときは「構成要件的故意」があるとはいえないという結論導いてる人いるの?


319:氏名黙秘
10/03/24 14:34:43
>>318

誤想防衛で故意犯を成立させるのは厳格責任説ですよね。
ということは、厳格責任説の論者以外は
正当化事由の錯誤でTb的故意を否定していることになると思うんだけど…

320:氏名黙秘
10/03/24 14:35:48
>>319
責任故意を否定するという立場もあるし。


321:氏名黙秘
10/03/24 14:38:33
構成要件的故意を否定する平野、町野、山口先生も忘れないで上げてください。

322:氏名黙秘
10/03/24 14:42:52
平野とかの旧過失論者は、構成要件的故意を否定するしかないよね

323:氏名黙秘
10/03/24 14:46:48
過失論は関係ないと思うが。
故意犯と過失犯とでは実行行為の時点で違法性が異なるとする行為無価値論体系をとると、
ブーメラン現象の説明に窮するんだよな。
結果無価値論体系なら、故意犯の構成要件に該当する場合には過失犯の構成要件にも該当している
と一応説明できるけど。
井田が消極的構成要件要素の理論とらざるを得ないのも分かる。

324:氏名黙秘
10/03/24 15:14:11
一口に過失犯といっても質の違うものがあるということですか?

①そもそも構成要件的故意がない場合と
②構成要件的故意はあるけど正当化されると誤信して責任故意がない場合

で、このことは新旧過失犯論とは無関係。

また厳格責任説は構成要件的故意と責任故意を区別しないから、
この立場からは①だけが過失犯となる、ということ?

325:氏名黙秘
10/03/24 17:42:21
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)32

脳死移植に関する違法性阻却説については、
ー井田良「臓器移植法と死の概念」法学研究70巻12号(1997年)202頁以下
 同「脳死説の再検討」西原古希第3巻(1998年)53頁以下

井上宜裕「緊急避難の不可罰性と第三者保護に関する一考察(三・完)法学雑誌44巻3号(1998年)461頁以下は
生命を保全するために生命を害したとき、可罰的違法性が阻却されるにすぎ
ないとし、その反面において、被侵害者は正当防衛権を有するとする。
しかし、人の生命を違法に侵害する行為であるとしながら、それが刑法的
違法性を持たないとするすることが可能かどうかには疑問がある(井田)

曽根威彦『刑事違法論の研究』(1998年)83頁以下は
保全法益が著しく優越する場合であっても、人の不法行為に由来する危難で
あるときをのぞき(民法720条1項)、被侵害者に民法上の損害賠償が
認められることから、避難行為は違法であり、被侵害者に正当防衛権が認め
られるとする。
しかし、それは妥当な結論だとは思われない。たとえば、山中で数日間も道に
迷って餓死寸前になった者が他人の家の庭のリンゴを食べて餓死をまぬがれ
ようとすることに対しても、正当防衛が可能になってしまうであろう。民法上
の損害賠償責任は不法を前提としない無過失責任というべきである(井田)

刑法37条の立法の沿革については
松宮孝明「日本刑法三七条の緊急避難規定について」立命館法学262号(1998年)1038頁以下
が詳しい。 




326:元ヴェテ院生参上 ◆JEhW0nJ.FE
10/03/24 18:10:53
>>319
佐伯仁志教授は、故意は責任要素としての構成要件要素としたうえで、構成
要件的故意と責任故意とに分け、違法性阻却事由を基礎づける事情の錯誤に
ついては、責任故意を阻却する事実の錯誤としているよ。

327:氏名黙秘
10/03/24 19:27:36
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)33

ドイツの学説の通説は、治療行為について構成要件的法益侵害が否定されると
するが、それは、ドイツ刑法223条1項が他人の「身体に虐待を加えること」
または「健康を害すること」を傷害の要件としていることと大いに関係して
いると思われる。この点について
ー武藤眞朗「治療行為と傷害の構成要件該当性」早稲田大学大学院論集54号(1990年)243頁以下
これに対し、最近のドイツの学説のなかで治療行為傷害説を採るのは
ーWolfgang Mitsch,Strafrechtlicher Schutz gegen medizinische Behandlung,2000.S.21 f.,26 ff

鈴木義男『日本の刑事司法再論』(1997年)99頁以下は
社会倫理的判断の介入を認めない限り、自己決定権の限界を画することはでき
ないとするもののようであるが
疑問がある(井田)

学説のなかには、個人の自己決定権をより強調し、有効な同意がある限り、
あらゆる同意傷害は傷害罪の構成要件にも該当しないとする見解も有力に
主張されている。
ー木村光江「被害者の同意」『刑法の争点〔第3版〕』(2000年)42頁以下
 斉藤誠二『刑法における生命の保護〔3訂版〕』(1992年)210頁以下
 高山佳奈子「自己決定とその限界(上)」法学教室284号(2004年)61頁

現在、特にさかんに議論されているのは、行為者が被害者をだまして得た同意
の有効性の問題である。この問題について包括的な検討を加えた研究として
ー佐伯仁志「被害者の錯誤について」神戸法学年報1号(1985年)51頁以下

328:氏名黙秘
10/03/24 20:14:12
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)34

被害者の動機づけに重大な影響を与えられた場合には、加害者との関係で
被害者の法益の要保護性はなお失われないと考えられる(井田)
この点につき
林幹人「錯誤に基づく被害者の同意」松尾古希上巻』(1998年)239頁以下

学説のなかには、欺網にかかる事実が現実に存在していたとすれば、違法性
阻却事由が存在するため法益主体が法益侵害を甘受せざるを得ない場合には
法益関係的錯誤にあたるとするものがある。
ー林美月子「錯誤に基づく同意」内藤古希(1994年)32ページ以下

居住者は、およそ立入りを認めるかどうかの二者択一的な決定しかできず、
人の属性・立入りの目的に関し条件をつけてもそれは法的に無意味である
と考えることは、保護法益の内容をあまりにも空虚なものとするであろう。
ー井田良「住居進入罪」法学教室215号(1998年)10頁

同意殺人罪との関係では、嘱託・承諾があるのに行為者がこれを認識しなかった
場合の取り扱いが問題となる。同意殺人罪も犯罪としては成立するのであるが、
罰条評価としては、重い殺人未遂罪に吸収されると解すべきであろう。
ー佐伯仁志「嘱託殺人罪における嘱託の真意性とその認識」『平成10年度重要判例解説』(1999年)153頁


329:氏名黙秘
10/03/24 20:57:07
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)35

責任概念の内容をめぐる議論が実質的責任概念をめぐる論争と呼ばれるものである。
ーClaus Roxin,Strafrecht Allgemeiner Teil,3.Aufl.1997,§19 Rdn.18 ff.,S 732 ff.
ただし、わが国では、責任判断にあたり犯罪予防的考慮を取り入れる見解の
ことを指して実質的責任概念と呼ぶことが多い。
ー林美月子「実質的責任概念」『刑法の争点〔新版〕』(1987年)71頁
 堀内捷三「責任論の課題」『刑法理論の現代的展開・総論Ⅰ』192頁以下

責任概念の内容は、すでに新旧両派の論争の過程でもくり返し議論されたテーマであったが
ー大塚仁『刑法における新・旧両派の理論』(1957年)
とりわけ1960年代に開始された自由意思と責任の本質をめぐる論争においては
通説的立場にあった道義的責任論に対する鋭い批判が展開され、責任概念の実質に
関する掘り下げた検討が行われた。議論の内容につき簡単には、
ー井田良「犯罪論と刑事法学の歩み」法学教室179号(1995年)21頁以下
詳しくは、
ー内藤謙『刑法講義総論(下)Ⅰ』770頁以下

団藤重光『法学の基礎』(1996年)373頁が「主体性」と呼び、「最後
まで客体化されないところのもの」と性格づけているものは自由意思にほか
ならないであろう。

このような(相対的)非決定論を基礎とする道義的責任論(および行為者標準説)
に対しては、次のような疑問が提起された。とりわけ、
ー平野龍一『刑法の基礎』(1966年)
所収の諸論文が重要である。また、
ー林幹人『刑法の基礎理論』(1995年)6頁以下
の批判も参照。

330:氏名黙秘
10/03/24 21:29:07
学部1年で山口厚の刑法を読み出したんですが、日本語がさっぱりわかりません
私はいきなりハードルの高いものに手を出したのでしょうか

331:氏名黙秘
10/03/24 21:34:02
>>330
山口せんせの文章は東大の同僚教授からもこむずかしすぎると批判されてるくらいなので、
あまり心配する必要ないでしょう。
岩波新書の刑法入門はわかりやすく書いてあるよ。

332:氏名黙秘
10/03/24 21:38:29
刑法にわかりやすい文章の基本書なんてないぞ

333:氏名黙秘
10/03/24 21:46:57
井田良『刑法総論の理論構造』引用文献リスト(コメント付)36

非決定論的な自由を責任の根拠とすると、最後の最後までためらいつつも結局
は実行に出た殺人犯人と、何らためらわず心のおもむくままに人を殺した犯人
とで、規範意識の法則性・傾向性を強く肯定できる後者の方が責任が軽くなり
かねないというジレンマが生じる
ー森村進「責任論における『自由意思』」『自由と規範』(1985年)54頁

このような問題に対処するため、犯罪行為に対する行為責任に加えて、行為の
原因となった犯罪的人格の主体的な形成に対しても責任を問おうとする人格
(形成)責任論が主張された。
ー団藤重光『刑法綱要総論・第3版』(1990年)38頁以下、258頁以下を参照。
詳しい研究として、
ー大谷實『人格責任論の研究』(1972年)
人格責任論は現在では支持者を失っている。

「すべては決定されている」とか「すべてのことは原理的に予測可能である」
などと主張することも不要で、ただ「行為者の規範意識が、意思決定ないし
行為選択の1つの要因となっている」という経験的に証明可能な命題のみを
前提とすれば足りる。
ー林・前掲『刑法の基礎理論』12頁以下
刑罰を用いる根拠と刑罰に抑止効を期待する根拠との分裂・対立、したがって
また刑法と刑事政策との分裂・対立は、これによって見事に解消され、両者の
連動が実現する。「決定」しつくされていないという、知りもしない前提を
置く必要もない。
ー所一彦『刑事政策の基礎理論』(1994年)69頁以下

非決定論的思考形式はわれわれの思考と行動に深く根差しているのである(井田)
ー所・前掲『刑事政策の基礎理論』も
人間行動の説明と未来予測に関する事実的判断と、行動主体が置かれた場の
状況に関する実践的な意味づけとを区別する。

334:氏名黙秘
10/03/24 21:53:15
>>332
佐伯千仭の文章はわかりやすいぞ。名文。

335:氏名黙秘
10/03/24 23:22:48
>>331
山口が難しいとか言われてたの昔だろ?
今じゃ、一番読みやすい位だわ。

336:氏名黙秘
10/03/24 23:36:13
>>335
それは改説したからじゃね?
上のは文章(日本語)が読みにくいって意見だぞ。
俺は読みにくいとは思わんけど。

337:氏名黙秘
10/03/24 23:38:23
【基本書なぞなぞ】

ヘビメタ兄ちゃんが舞台で手に持ってる本はな~~~んだ?

ヒント=エレキギターとは全く関係ないよ。






















答え ロックシーン で ロクシン刑法総論〈第1巻〉基礎・犯罪論の構造


338:氏名黙秘
10/03/24 23:39:34
青本は教科書指定されてるけど避けた
暗号解読書みたいな本だ

339:氏名黙秘
10/03/25 00:28:45
文章が読みにくいという趣旨なら、山口だからってわけじゃなく単に初学者だからだと思うな。
そういう意味なら井田とかのが初学者にはキツイと思うし、山口はかなり読みやすいわ。

340:氏名黙秘
10/03/25 00:30:35
あそこまで難しい表現する必要ないよな

341:氏名黙秘
10/03/25 01:25:36
山口の日本語は酷いだろ

342:氏名黙秘
10/03/25 02:13:27
正確に表現しようとしているからじゃね。
それでも一義的に読みとれない部分もあるように思うが。

343:氏名黙秘
10/03/25 02:44:39
そういうときは、団藤と平野を読めば山口総論の特に2版はよくわかる。

344:氏名黙秘
10/03/25 05:36:24
山口は刑法入門くらいのレベルで基本書も書くべきだった

345:氏名黙秘
10/03/25 09:54:41
漢文の素養のないやつが漢字使うから
わけわからなくなる。
旧制中学では5年間、漢文の授業があった。
湯川秀樹は5歳から荘子の素読をしてた。
山口はハッキリ言ってアフォでしょ。

346:氏名黙秘
10/03/25 09:57:25
刑法理論も荘子から学べ。

347:氏名黙秘
10/03/25 10:32:17
ok

348:氏名黙秘
10/03/25 10:34:56
刑法の基本書は刑法学者特有の言語コードで書かれている。
大学一年生はその言語コードがまだインプットされていないから
読みにくいと感じるのだらう。

349:氏名黙秘
10/03/25 10:37:58
村上春樹とか読んでるから
日本語能力なくなるんだよ。

350:氏名黙秘
10/03/25 10:43:05
大学1年で1番始めに読む本は何がいい?


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