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売買契約により所有権移転の効果が発生するには、債権契約があれば足りる(物権行為の独自性否定説)。
これに対して、抵当権設定契約により抵当権が成立するためには、物権契約があれば足りる(当然処分権限は必要)。
他人物について抵当権を設定する場合には、物権行為(物権契約)のみ締結する場合もあれば同時に債権行為(債権契約)を締結する場合も考えられる。
契約自由の原則からすると、債権契約を締結してはいけないという理由は存在しない。
①物権契約のみの場合には、処分権限がないため、物権変動の効果は生じない、すなわち抵当権は成立しない。
この意味で、物権契約は無効といえる。
②物権契約と同時に債権契約を締結した場合には、物権契約は無効であるが、債権契約は、債権者に抵当権を取得させる債務が発生するという意味において、有効といえる。
①か②かは、契約の解釈の問題である。
他人物であることを前提として契約を締結する場合には、②があてはまり、設定者自身の物であることを前提として契約を締結した場合には、①があてはまる。
道垣内が①を否定するのであれば、賛成できないし、また柚木=高木が②を否定するのであれば、賛成できない。