09/08/15 14:06:06
>>120
フランクの遡及禁止論は、元来、因果関係中断論の欠点を補おうとして主張さ
れた理論であった。すなわち、「自由かつ意識的に(故意をもって有責に)、
結果の惹起に向けられた条件に先行する条件は原因ではない」とした。
しかし、遡及禁止論も因果関係中断論と実質を異にするものではないとして
ドイツでは排斥された。
山口教授は遡及禁止を「故意行為以前に遡って結果惹起の正犯責任を追及する
ことができないという意味」と述べており、正犯性の下位基準としている。
したがって、>>120の
>だから、フランク等が主張した遡及禁止の原則と山口のいう遡及禁止の原理
>は異質なものではないかという疑問があるわけ。
という指摘は正しい。
山口教授の考え方には、因果関係論と正犯・共犯論とを区別することなく論じ
ていたブーリ以前のドイツ刑法の残滓が見られ、妥当とは思われない。