09/07/30 01:13:24
判例タイムズNo1297号に、慶大名誉教授の石川氏の
「新司法試験の合格者数について」と題する論文が掲載
されていました。
この論文を読んで、学者先生の認識にびっくりさせられ
ました。
石川氏によれば、
①合格者数を増やせば、当然合格者全体の平均学力は低下する、
②現在の修習修了者の実務法曹としての実力は旧制度のそれを
比較して一般的、平均的にみて明らかに劣っている。
その対策として、修習終了後判事補制度にならって、弁護士の
場合にもとりあえず5年程度の弁護士補制度を造るというもの
です。
基本的に自営業者であるに過ぎない弁護士に、「弁護士人口の著しい
増加により生存競争が高度化」している状況のもとで、旧制度のそれ
と比較して実務法曹としての実力が一般的、平均的にいって劣って
いる方の指導など、できるわけがありません。
ほどんどの法律事務所が、弁護士が1名或いは数名程度の零細なもの
であることの認識が不足しているのではないかと思いました。