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法科大学院1期生「トンデモ答案」集
2008年7月22日の日本経済新聞によると,最高裁判所は法科大学院1期生で司法試験に合格した
司法修習生の卒業試験(いわゆる二回試験)の不合格答案の概要をまとめた。
中には,被告人のアリバイの主張を無視したり,これを否定する内容の弁論を書いた修習生や,
飼い猫を有償で預かったのに死なせてしまった場合の責任を問う問題で「猫を生きたまま返すこと
まで契約に含まれていないから,猫の返還義務に不履行はない」とした答案などの「トンデモ答案」が
含まれているという。
紙面は,「法科大学院の教育内容が問われそうだ」としているが,アリバイの主張を無視するような
資質は,教育以前の問題であって,法律家になる適性が根本的かつ修復不能なほど欠けていると
言うべきであろう。
このような資質に欠ける人間が相当数,法科大学院に入学し司法試験に合格しているとするならば,
それは,法科大学院生の資質が無視しがたいほど低下していることの,一つの証拠となりうる。
ところで,今回最高裁判所が発表した内容は,本年6月24日の規制改革会議法務・資格タスクフォー
スでも一部触れられており,その意味で特に目新しいものではない。
したがって(例によって),このニュースの報道価値は,最高裁がこの時機に,この報道をした背景に
あると言うべきだ。
そしてこれは言うまでもなく,7月18日に,日弁連理事会が法曹人口増員に関する緊急提言を受けて
のものである。
世の中の動きを,とても流れの遅い川にたとえるなら,こういったニュースは,時々川底から浮かび
上がってくる泡ぶくに等しい。
我々一般人は,こういった泡ぶくを見つめて,川がどちらに流れているか,冷静に判断することが
必要だ。(小林)
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