09/04/30 20:52:53
>>454
源氏が葵の里左大臣家からの恩恵を受けたのって、息子の夕霧を育ててくれたことぐらいでしょ。
たしかに、左大臣は源氏が来ると下にも置かぬ様子でかわいがったみたいだけど、
源氏は左大臣の後見を顧みることなく左大臣の愛娘をほったらかして
ほかの女にばかりうつつを抜かしていたし。
結局、この時期、源氏の最大の後ろ盾であったのは何と言っても実父桐壺帝。
朧月夜に言い寄る時に「私は何をしてもいい身分」だと言っているあたり、
桐壺帝の愛息である源氏に周囲は腫れ物に触るように接していたのだろう。
源氏の愛人たちが「左大臣さまが怖いから」と言っている人がいないところを見ると
源氏がどれだけ左大臣家の姫君葵をないがしろにして平然としていられたかがよくわかる。
間もなく、葵は死亡。
源氏が娘の明石を中宮にしたときには義父の太政大臣(葵の父)は既に死亡、
なんの恩恵も受けていないよ。
それ以前に、冷泉帝の後宮を太政大臣の嫡男である内大臣(葵の兄)と争って
源氏が勝っているのだから、この時点で葵の生家を源氏は超えている。
冷泉帝が源氏が実父だと知って太政天皇にしたが上での
冷泉帝後宮での養女の立后、それに続く今上帝の後宮でのわが娘の立后であって、
この時点では葵との結婚との因果関係はほとんどない。