08/11/19 20:18:18
>>969-970
実際に耐え難い経済的困窮が生じたのは革命後であり、当時のGDPを正確に計る
手段は存在しないが、数年のうちに財政収入が1/3減少したことから、フランスの
GDPは革命前の1/3が急速に失われたと推測される。「国の財政難の状況から
貴族も税金も払うべき」と主張し、国の財政難を救うために始まった革命が、
革命末期には「どのようなことを手段を用いても革命を守るべき」と、
革命そのものを目的とするようになった。つまり革命が手段から目的に
変わってしまったことで当初の目的が失われる結果となった。
かつてフランス革命を肯定的に記述する研究者はマルクス主義者が多く、
その著作はマルクス史観で描写されることが多かったが、マルクス主義が
衰退した現在においてはそうした傾向は影をひそめている。
またロシア革命とボリシェヴィキ独裁による恐怖政治、カンボジアにおける
ポル・ポトとクメール・ルージュによる大量虐殺、北朝鮮の恐怖政治など、
共産主義政権による独裁体制はフランス革命における恐怖政治を発祥にしていること、
テロリズムの語源がフランス革命のテロル(恐怖/体制による恐怖政治のこと)である
ことなどから、今日では歴史家のみならず哲学者などの多くの知識人でフランス革命に
否定的な態度をとるものも多い。