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江戸時代の士農工商で身分が固定されてた日本でも、例えば町屋の娘と武士の息子が恋愛するのだが、
周囲の反対にあって結ばれないので、身分の違いを嘆きつつ悲恋の末にあの世で結ばれることを祈って
心中した事件などはけっこうあった。グアム島の観光名所「恋人岬」もスペイン統治時代、スペイン総督に
結婚を迫られた美しいチャモロ族の娘が、恋人の若者と永遠の愛を誓い、互いの髪を結びあって120メートルの
断崖から身を投げたという悲しい伝説があるのだが、いずれのケースでもお互いの同意があっての心中だから
悲恋として伝わっている。アンドレのは「死によってしか結ばれぬ愛もある」という言葉が契機となってる
とはいえ、この世でもあの世でも結ばれないのを分かっててそれでも自分一人では死ねないから
オスカルお前も死んでくれという奇想天外な理屈で毒殺を図った、結局は悲恋でもなんでもなく、単なる
独りよがりの思い込みからの殺人として、実際に起きたら世間からは同情されることはない事件として扱われるだろう。