08/07/16 20:04:06
手塚さんの特集だそうですが、悼む大合唱はたくさんあるだろうから、
それに声を揃えて一緒に大合唱する気は、ぼくはないです。
アニメーションに対して彼がやった事は何も評価できない。
虫プロの仕事も、ぼくは好きじゃない。好きじゃないだけでなくおかしいと思います。
いちいちそれを言葉に挙げていうのはしんどいから言いませんが『展覧会の絵』(`66・11)も、
何だこの映画と思ってみていた。
『クレオパトラ』(`70・9)も、ラストで「ローマよ帰れ」と言うあたりに嫌味を感じました。
それまでさんざん濡れ場ばかり一生懸命やってて、何が最後に「ローマよ帰れ」だと思って、
その辺に手塚さんの虚栄心の破綻を感じたんです。
一時彼が「これからはリミテッドのアニメーションだ。三コマがいい三コマがいい」
とさかんに言ってましたが、リミテッドアニメーションは三コマという意味ではないですし、
その後言を翻して「やっぱりフルアニメーションだ」とあちこちで喋るに至って、
フルアニメーションの意味を知らずに言ってるんだと思ってみてました。
同じようにロートスコープをあわてて買い込んだ時にも、もうぼくらは失笑しただけです。
自分が義太夫を習っているからと、店子を集めてムリやり聞かせる長屋の大屋の落語がありますけど
、手塚さんのアニメーションはそれと同じものでした。
昭和38年に彼は、一本50万円という安価で日本初のテレビアニメ『鉄腕アトム』を始めました。
その前例のおかげで、以後アニメの制作費が常に安いという弊害が生まれました。
アニメーションに関しては--これだけはぼくが言う権利と幾ばくかの義務があると思うので言いますが
これまで手塚さんが喋ってきたこととか主張したことというのは、みんな間違いです。