09/06/22 15:13:14
派遣の立場から社会変えたい 池田一慶さん 衆院選出馬へ
働く現場の声を政治に反映させようと、自動車工場の派遣労働者だった東京都日野市の池田
一慶さん(29)が、次期衆院選に社民党比例東京ブロックから立候補する。三年前に設立した
派遣労働者のための団体での経験を生かし、「派遣の立場から社会を変えていきたい」と意気込む。
「体を動かして働くのが好き」という池田さんは都立大で物理学を専攻。そのかたわら工場労働
や引っ越し手伝い、測量など、専ら力仕事のアルバイトを続け、製造業派遣の日研総業に入社した。
派遣先は日野市にある日野自動車の工場。仕事は十~六十キロもある金属部品をギアに加工
する作業。ラインには正社員と期間工、派遣労働者が混在しており、次第に待遇の違いを痛感するようになった。
「けがや病気で休んだり、減産になったりすれば、真っ先に派遣社員が切られた。いつまでも半人前扱いという現実を嫌というほど見てきた」。年収は期間工とも百万円以上の差があった。
二〇〇六年春。花見の席で正社員から「二十六歳で派遣じゃ、人生終わってるな」
と言われた。「何を言ってるんだ」と食ってかかった派遣労働者の同僚と「日研総業ユニオン」を結成した。
メーカーや派遣会社との団体交渉で、契約期間の延長や一部の派遣労働者の期間工への
昇格が実現した。経験で学んだことを大勢の派遣労働者に伝えようと、NPO法人
「ガテン系連帯」(千代田区)を設立。
各地で組合づくりの支援を続けてきた。昨年暮れの東京・日比谷公園での「年越し派遣村」
の運営にも参画した。三月に社民党の要請を受け、衆院選出馬を決心した。
「これまで正社員に合っていた社会の軸を、最も弱い立場の人にずらしたいんです」
非正規と正社員との均等待遇や職業訓練の充実、低所得者住宅の確保など、労働者の声に沿った 政策の実現を目指す。 (橋本誠)
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)