09/10/26 07:47:10 buwbe4Yd
「・・・これが、パルム封鎖の本当の理由でしたか。」無言だったかーさんが、呟きました。
「かーさん!!もう止めて、もう撃たないで、みんな、みんな、人間なんだよ!!!」
私の声に、少し驚いた様子で顔を見合わせました。 そして、妹は何かを納得したようで
軽く頷くと・・・・・。人の列の先頭に居たビーストが燃え上がりました。
それを合図に、彼のGH450と娘(GH420)の攻撃が始まりでした。
それは、正に地獄絵図でした。無抵抗の人達を殺し続けるその光景は・・・・・。
「人がSEED化するって噂は、本当だったんだな。」 彼も私の方を一瞬見て、そして・・・。
私にはただ「ヤメテ!」と叫ぶしかありませんでした。
累々と通路に築かれる遺体の山、やがて、通路を渡ってくる人の数も疎らになった頃、
かーさんが話をはじめました。
「今から10年ぐらい前のお話になります。 あの人の娘さんが亡くなったのは。
寿命をまっとうした大往生でした。 あの人が娘さんのお墓の前で言っていました。
“こいつらPMが何故このサイズで創られたのかが判った気がする”と・・・・。
“基本構造がキャストと同じPMに、キャストの部品を使わせたくなかったんだ”と。
“兵器として開発されたキャストの部品を使わせたくなかったんだ”と。
“PMは人と供に生き、人と供に笑い、人と供に泣く為に創られたんだ”と。
“だから・・・。血塗られたキャストの部品が使えないサイズに創られたんだ”と。
あなたは、いい子、ですね。 」
今度は妹が言葉を続けます。
「姉さんと違って私達にはネットワークって言うものがあるの。
ネットワークに繋がれていない姉さんは、私達PMの夢なの。
“人を殺さないで”と叫べる姉さんは私達の夢なの。それは見果てぬ夢。
私達は条件さえ揃えば、人を傷つける事も、殺してしまう事も出来るわ。
いえ、言い方を変えましょう。条件が揃えばそれを強要される。
正義のため、公共の福祉を守るため。そんな物の為に。 でも姉さんは違う。
PMプログラムの大規模アップデート前にネットワークから切り離された姉さんは違う。
姉さんが人を傷つける時の条件はただ一つ。人の命を守る時。ただそれだけ。」
彼のGH450が言葉を続けます。
「ニューデイズでご主人様が銃を突きつけられた時、私達は反抗する事は出来ませんでした。
なぜなら、彼ら警備兵が正義だから。 でも、あなたは警備兵を実力行使で退けた。」