09/11/19 02:55:30 eOFFvcJE
嫌な予感は段々と強くなる。
足音すら聞こえる気がする。
追われるものは怯える事で体力と精神力を消耗し自滅する。
今は追われる立場の気持ちがよくわかった。
それでも赤いリングが効いたのか震えは止まった。
精霊様、もしいらっしゃるならどうか私に最大の苦しみだけは与えないで下さい。
どうかご主人様だけは。
あの黒い服の女が敵だとして、ガーディアンズ施設に入れている現状は私達に不利ではない。
一瞬の、出会い頭だけの勝負だろう。
そこで先を取ろう。
例えば私の命と引き換えに三秒だけなら。
特別なPMじゃない私には過ぎた願いだろうか。
呼び鈴が鳴る。
モニタにあの女が写る。
ああ、もう時間なのだ。
僅かな時間だったけれど幸せだった。
覚悟は出来た。
ご主人様の手がロックを外し、ゆっくりとドアが開き始める。
ドアのスライドする微かな音を聞きながら、私はリングを握りしめた。
今だ。
今行かなければ。
私は夢中で床を蹴る。
ドアが開いて行く。
開いたドアの向こうにはヘルガが立っている。
異常に粘性の強くなった空気の中で、ご主人様だけがいつもと同じだった。
ヘルガに向かって走る私。
ご主人様に何か言おうとするヘルガ。
だが、誰より早く口を開いたのはご主人様だった。
「あ、チェンジね」
ぷしゅ~、と扉が閉じる。
ご主人様のクールさにほぼイきかけた。
一人でヘブン状態になっていたのに扉の向こうでチェンジ女が何か喚いたせいで少々興ざめした。
ファック。
――という嘘をヴィヴィアンに吹き込む。
だからあの女、プライド死守の為にばいんばいんに変身するから。
注意するのよヴィヴィアン。
さすがにやり過ぎたかな、と思っていたら
・ヴィヴィアンの教育をPMにやらせた(命令違反)
・キャストにPMとしての教育をした(人権無視)
・洗濯板にライアと名付けた(機密漏洩)
以上の理由でガーディアンズをクビになった。ファッキン。
なんでこんなの書きたかっただけでこんなに長くなったんだろうごめんなさい
足の多いあいつが悪いんですごめんなさい