09/11/05 19:13:49 mcaG4omN
---------- パルム ローゼノム・シティ 商店街の避難キャンプ(NH゚K)------------
「みなさーん、お鍋の用意が出来ました。」
今日も朝からローゼノムのNH゚Kの野良PM達は元気です。
(避難キャンプの名称が皆さんの好意で「野良パシリの国[略称:NH゚K]」となりました)
「メルヴォア移民街から、移民の皆さんの伝統料理“しゃぶしゃぶ”とパルムの郷土料理で
“コルトバジュース”のルーツとされている“コルトバ汁”です。
食材は昨夜、ニューデイズのガーディアンズから届きました・・・・・。」
“ガーディアンズ”その単語を耳にして避難民の皆さんの間にざわめきが起きました。
「コルトバ汁は、コルトバの薄切り肉と根菜を、発酵した豆の調味料で煮込んだ料理です。
後にパルムは気候変化で野菜が入手しづらくなった為、食材から根菜類が無くなって、
肉のみになり、発酵豆の調味料も使われなくなり、今のコルトバジュースになりました。
この調味料はパルムからニューデイズに渡りニューデイズでは味噌と呼ばれています。」
「いらっしゃいませー。」(ニコッ) 私は野良PM達とコルトバ汁を配る班にいました。
炊き出しのテントでは別の野良PMが料理の説明を続けていました。
「しゃぶしゃぶは、コルトバの薄切り肉を軽くお湯にくぐらせて・・・・・・。」
その時でした。 「確かあんたはジャンク屋でバイトやってたガーディアンズだろ?」
ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ、 そのひと声で先程のざわめきが一段と大きくなりました。
私に刺さる皆さんの視線に耐えかねていると、ヒューマンの彼が割って入ってきました。
「確かに俺達はガーディアンズだ。ガーディアンズ・コロニーがここに落ちた。
なぜ落ちたかなんて、ニューディズの下っ端の俺達にゃ伝わってこない。
だがな、それでも俺達はなんとかしたくて、ここまで来たんだ。そんな目で見るな!!」
彼の言葉は、むしろ逆効果でした。きっと恩着せがましく聞こえたのでしょう。
避難民の皆さんのざわめきが更に大きくなる中、大柄の男がこちらに歩いてきます。
「兄ちゃん達の言い分はよく判った。 でも、このままじゃ収まりがつかん。
一発殴らせろ。 それで今日は勘弁してやる。」
そう言うと男は、彼を炊き出しテントの脇に投げ飛ばし、私の胸倉を掴んで持ち上げました。