08/10/02 21:18:11 hgS8IhJl0
>>850
トラップ男爵の息子さんが、後に回想録にて述懐していたけれど、当時のオーストリアの貴族社会は
「子供は乳母が育て、小学校低学年くらいになったら男子ならば幼年学校か寄宿舎へ。女子ならば修道院
に放り込む」がデフォの時代だったのに、トラップ家は珍しく「子供は大人になるまで、親が育てる」家
だった。で、実母の死後に再婚相手は何人か上がったけれど「子供達は寄宿舎か修道院に放り込みましょう」
てな人達ばっかりだったとか。「トラップ男爵夫人になりたがった人は大勢いたが、僕らの母親になろうとした
のは、マリア義母さんだけだった。だから、親父は年も離れ身分違いの彼女にプロポーズしたんだ」
あと「生活力があって逞しかったマリア義母さんがいたから、ナチスに屈せずにアメリカに亡命出来た。財産や
爵位は失ったが、名誉と家族の命は守られた。もしも彼女がいなかったら、親父は家族の生活の為にナチスに乞
われるまま軍に復帰し、僕ら(息子達)も軍に行かざるを得なくなったろう。そうしたら、家族の命は失われ、
ナチス協力者と言う汚名だけが残ったろう。だから、トラップ家はマリア義母に感謝している」
ちなみにマリアさん、逞しくはあったが修道女出身だったせいか権利関係にうとくって、自叙伝をもとに
「サウンド・オブ・ミュージック」が舞台化された際に、上手くだまくらかされてしまい、原作権を取得でき
なかった。ので、いくせ世界中で映画や舞台がヒットしても、マリアさんやトラップ家には一円も入らなかった
とか。おまけに、マリアさんの自叙伝の内容がかなり歪められてしまい、トラップ家の人達は「マリア義母さん
は、あんなDQNじゃないっ!」と、サウンド・オブ・ミュージックの内容に激怒していたとか。