08/08/26 06:36:02 VyzK5LmfP
インドでの「代理出産」~依頼者男性は本当に生まれた子の「父親」なのか? ― 2008年08月25日日本人男性医師がインドで女性に「代理出産」してもらった結果生まれた子どもが日本に入国できないということがニュースになりました。
この生まれた子どもについて,依頼者男性が父親としての地位を有することが
当然の前提となっているようですが,それは法的に自明のことなんでしょうか?
本件で生まれた子どもは,依頼者の父親と婚姻関係にある者の間で生まれた
子どもではありませんから,「嫡出でない子」ということになります。
嫡出でない子の父と子の関係については,子の出生当時における父の本国法,
つまり父親が国籍を有する国の法律が原則として適用されます
(法の適用に関する通則法第29条第1項)。
本件では日本法ということになります。
日本法上,子どもが出生時に依頼者男性の子どもであったと言えるためには,
子どもを出産した女性と依頼者男性とが出生時に婚姻関係にあったか,
又は子どもが胎児の段階で依頼者男性が認知している必要があります。
しかしそのような事情はいずれもありません。
日本法上,子どもが出生時に依頼者男性の子どもであったと言えるためには,
子どもを出産した女性と依頼者男性とが出生時に婚姻関係にあったか,
又は子どもが胎児の段階で依頼者男性が認知している必要があります。
しかしそのような事情はいずれもありません。
出生時になかった父子関係を発生させる手段は生後の認知です。
認知による父子関係の成立については,
出生時の父親の本国法のほか,認知の時点における父親
又は子の本国法によることとされています(同法第29条第2項)。
さらに,認知する者の本国法によって決める場合には,
子どもの利益の保護のため,
認知当時における子の本国法によればその子
又は第三者の承諾又は同意があることが認知の要件であるときには,
その要件を具備する必要があるとされています。