08/08/12 15:21:30 CV+MN1A10
(つづき)
まずあなたが患者さんの友人やご近所さんという立場にいる場合。この場合,患
者さんの症状に本気で向き合うのは大変困難ですし,治療上も勧められません。
症状に巻き込まれる人の数が多いほど症状はエスカレートしていきます。全ては
家族の方に任せ,あなたはあまり係わり合いにならない方が良いでしょう。で
すから対応のポイントは「いかに患者さんと距離をとるか」と「いかにご家族
をサポートできるか」に絞られると思います。
患者さんと会って話をする,長電話するなどはできるだけ避けた方が無難でし
ょう。それでも接触を避けられず,幻覚や妄想に基づく話になってしまった場
合は,「そんなことはあり得ない」とか「それは明らかに間違っている」とい
った説得や議論・対決は避け,「私にはそういうことは起こってないけどなあ」
とか「う~ん,ちょっと違うような気もするけどなあ」ぐらいの相づちにとど
めましょう。また,ヘンに迎合して妄想的な話にでも「そうだね,その通りだ
ね」などというのは症状を助長するだけなので避けるべき。
また患者さんの家族の方に対しては,「私のところへこんなことを言って来ら
れました」とか「こんな様子でした」とかできるだけ本人に関する情報を伝え
ておくべきです。治療上とても重要な情報になるかもしれませんので。ご家族
の前では知らん顔をしていて,友人にだけ症状を見せるなんていう患者さんも
結構おられます(この場合,友人としての信頼を裏切るようでとてもツライも
のがありますが...)。 (つづく)