08/08/09 00:14:31 q6eANmlI0
>>262
実は、執筆のキッカケは、娘が突然大学へ進学したいと言い出した
からです。勉強とは無縁の脳天気な高校生活を送っていたので、当然、
卒業後は働くものと高をくくっていたものですから、寝耳に水。
「大学なんか行ったって、しゃあないぞ、ワシかてただの運転手や」
それとなく翻意を促しましたが、決意は固いようでした。水商売時
代で稼いだあぶく銭は、文字通りうたかたと消え、まさにデフォルト
寸前で、素寒貧状態の身の上。なんとか学費だけでもひねり出さねば。
前から好きだった書くことで、なんとかなればと、背水の陣というか
火事場の馬鹿力で、『山本一力的悲壮感』を持って書き上げました。
いざ作品らしきものが出来上がったものの、途方に暮れてしまいま
した。なにしろこの十年ほど、お水業界や肉体労働界に身を置いてい
たものですから、周囲に活字を読む類の人間が皆無なのです。とにか
く誰かに読んでもらいたい。そんな中、インターネットにてアップル
シード・エージェンシーという会社の存在を知り、「原稿を読んでも
らいたいので、審査料の振込先を教えて下さい」とメールを送りまし
た。
アップルシード・エージェンシーからの返答には、「出版不況の折、
文芸での商業出版はハードルが高く、ものにならない可能性の方が大
きい上、講評に関しても厳しい文言が並ぶであろうことが予想される
が、そのような結果に終わろうとも是認できるか」とありました。
僕は、この問いかけにアップルシード・エージェンシーの商業主義
一辺倒ではない真摯なものを感じました。早速、「むしろダメならダ
メではっきりとクソミソに言って頂きたく存じます。どのように否定
的な評価を出されましてもありがたく拝受し、今後の糧にしていく所
存であります」と、書き添えたうえ、原稿を送りました。