08/09/02 16:57:57 nAC7IX0T0
アサヒグラフ 1990.7.13
肩書きにとらわれず人間として パートナーとして
川嶋家ほど、自宅のあちこちに子供達の写真が飾ってある家は珍しい。ピアノや本棚
の上で、あどけない紀子さんや弟・舟君が、たいていは母・和代さんの手作りの服を着
てほほえんでいる。
●すばらしい人と巡りあえた
その中に、今年に入って新しい一枚の写真が加わった。レンギョウの花が咲き乱れる
イギリス・オックスフォードの小道で、コート姿の父・辰彦さんが、礼宮さまと並んで写って
いるものだ。スラリとした宮さまの横で、花嫁の父は、どことなく小さく見える。
「本当に、紀子はすばらしい方と巡りあえたと思いますよ」
何かの折に、ふと辰彦さんが漏らしたことがある。
宮さまとの結婚話について、辰彦さんは一度も「反対」はしなかった。「身分の違い」か
ら「あり得ないこと」と強く不安を唱えたのは、和代さんの方だった。そして辰彦さんに、父
親としてもっと強く娘を説くべきだと求めたといわれる。
辰彦さんは、紀子さんに、こう言っている。
「もし紀子が、礼宮さまのポジションに魅せられたところがあるとすれば、もう一度考え直し
た方が良いと思う。でも、人間としてパートナーとして、すばらしい方だと紀子が判断したの
なら、ぼくはそれを尊重する」
「まず、人間として、相手を見る」
それが、どんな場合、どんな人に対しても、辰彦さんの一貫した姿勢だった。「意志をもって
いる人間こそ、価値がある」と。