08/08/17 08:00:02 qh7HEK+b0
妄想というのは,強固な信念で,明らかに間違っているのに決して訂正されず,
本人が確信しているものをいいます。私たちが,「あの人は私のこと嫌ってて
イジワルしているのかもしれない...」などと半信半疑に思っているのは妄想と
は言いません。例えば,「○○が自分の才能を妬んで様々な嫌がらせをしてき
ている。電話は盗聴されているし,電子メールも全てハックされている。この
ままでは私の発明は全て盗まれて先に特許をとられてしまうに違いない」,こ
ういうことを言っている人に「そんなことあり得ませんよ,大丈夫ですよ」と
忠告してあげると,「いや,これは確実なことだ。証拠もある。さてはお前も
〇〇の回し者だな!」などと言われた場合,これはかなり妄想に近いと言える
でしょう
まずあなたが患者さんの友人やご近所さんという立場にいる場合。この場合,患
者さんの症状に本気で向き合うのは大変困難ですし,治療上も勧められません。
症状に巻き込まれる人の数が多いほど症状はエスカレートしていきます。全ては
家族の方に任せ,あなたはあまり係わり合いにならない方が良いでしょう。で
すから対応のポイントは「いかに患者さんと距離をとるか」と「いかにご家族
をサポートできるか」に絞られると思います。
患者さんと会って話をする,長電話するなどはできるだけ避けた方が無難でし
ょう。それでも接触を避けられず,幻覚や妄想に基づく話になってしまった場
合は,「そんなことはあり得ない」とか「それは明らかに間違っている」とい
った説得や議論・対決は避け,「私にはそういうことは起こってないけどなあ」
とか「う~ん,ちょっと違うような気もするけどなあ」ぐらいの相づちにとど
めましょう。また,ヘンに迎合して妄想的な話にでも「そうだね,その通りだ
ね」などというのは症状を助長するだけなので避けるべき。