09/12/21 05:44:42 A1F9H3do
あれは年の暮れの肌を刺すような寒い寒い日の事だった。
H亭で弁当を買って、帰宅の途についていた俺の後ろから、
キコキコと自転車がすれ違いざまに手に提げていた弁当の
袋を奪い去って行った。
思わず「待て!」
と声を上げて叫ぶと犯人が一瞬振り向いたが、その姿が
あまりにもみすぼらしいじいさんだったので、続けて、
こう言ったんだ。
「それは油断して取られたんじゃない。くれてやったんだ!」
じいさんは泣きながら、自転車で走り去って行った。
俺はざまぁwと思いながら、帰って布団に入り、そして後悔した。
なぜ、のり弁ではなくステーキ弁当を買わなかったのか。