10/07/22 22:34:10 uVf8RiUr
この季節になるといつも思い出す小学校5,6年の頃。
小学校裏の山の中腹あたりに、潰れたのか途中で建てるのやめたのか、とにかく
荒れ果てた廃ホテルがあって、そこは俺らの格好の遊び場だった。
サバゲーとかするにはもってこいなんだが、やはりどことなく不気味な雰囲気は拭えず、辺りが暗くなれば尚更。
いつも10人前後で遊んでいたが、ある日、俺とBが共謀してドッキリを仕掛けてやろうと。
Bがそこらに打ち棄ててあったカーテンを纏い、持ってきた包帯を適当にぐるぐると巻きつける。
俺は赤ペンキであちこち汚して流血を演出。
いつも通り遊んでいる中を抜けだし、準備を済ませ、俺の絶叫でスタート。
皆が駆け付けるとそこには、階段の上で腰を抜かした俺と、その俺を見下ろすB扮する化け物。
皆叫び喚きながら逃げようとする中、只一人Cだけは
「きさんこらぁぁぁ!A(俺)になんしよるんじゃあああ!?」
足元の木切れを拾い上げて怒声を張り上げる。
腰を抜かして呆然とする周囲の奴らに
「ここは俺が何とかするけん、誰か人呼んでこい!早く!!」
とケツひっぱたいて追いやった。
凄まじい形相で階段を駆け上がるC。「ちょ、待った、待っ」と静止に入るも間に合わず、
木切れ一閃、Bの脳天を鋭く打ちすえる。
痛がるBの様子にようやく違和感を覚えたC、正直に白状して更なる怒りを買った事は言うまでもない。
「何で一人だけで挑んだの?全員でやればよかったんじゃ?」と尋ねると
「狭い階段でおまけにこちらは下、地形が不利すぎる中で多人数は逆に動けん。
それに、危ない目に合わせる訳にはいかんやろ」
今でも付き合いのある俺らだが、集まる度にこの話で盛り上がる。
俺らのCへの信頼度はあれから揺るぐ事はない。